ハーメルンなら除外設定もあるし大丈夫だと思いますが、オリキャラものです
そういうのが嫌な人はバック推奨
「やった。ようやく4000ポイントだ」
この度、私は晴れてB級隊員になりました。
ここ三門市では、仕組みは良く知らないけど、
隣町よりちょっと遠いとこに住んでた私にとって、ボーダーはTVのCMで少し見たことあるくらいで、親戚もいなければ、友達もいなかったけど、そんな私でさえ凄く衝撃的な事件であった。だからこそ私の見方も変わったのかもしれない。今までちょっとした芸能人感覚でしか見ていなかった嵐山隊の先輩方の姿がカッコよく見えた……と、まあそんな理由で入隊を決めた私は、三門市出身の人達よりも思い入れも強くないことも事実だろうけど、やるからにはあんなカッコイイ人達になろうと日々頑張っている。
その第一歩として、立ち塞がっていた最初の難関である、C級隊員からB級隊員への昇格条件である『4000ポイントの壁』なるものをどうにか突破し、B級隊員になれた。
ここからはチームを組んでランク戦で戦っていくことでチームとしての順位を上げいく……という感じだったと思う。
だけどここで問題があった。それは、チーム組むまでどうしようかという問題だ。
今回は仮入隊というものがなかったみたいだけど、5人1組で倒せばポイントが加算される戦力テスト後からは日数があったわけだし、流石に友達や年上ではあるけど仲のいい人はできた。その子たちとチームを組む約束をしている。だから一足先にB級隊員になってしまった私は少しだけ暇になる。でも皆も頑張っているのだから、私も何もしないわけにはいかない。
じゃあ今まで使ってたスコーピオンを鍛えようかなと思っていたんだけど、それだけするのも違うかなと思った。というのも……
「3000ポイントまではまぐれでもいく。だが君は俺たちを越えた。ここから実力の世界さ……」
と言われたからだ。
勝ったとはいえ、たぶん先輩としての激励として言ってくれたのだと思う。実力っていうのが何かがよく分からないけど、このままでは私はダメだというアドバイスをしてくれたのだ。後、こんなことも言われた。
「俺たちは、居場所を
難しくてよく分からなかったけど、これはたぶん自分のことだけじゃなくて、チームとしてどう動くのが一番いいか考えろよというアドバイスだと思う。
この2つからアドバイスはきっと、ここからは自分だけで突っ走らずに仲間のことも相手のことも理解して戦うことが実力になっていくということなのだだと学ばせてもらった。そう……ここからは実力の世界。自分のポジションのことだけ考えてたらダメなんだ。
やっぱりボーダーの人達って凄いなと改めて思ったことと、B級に上がれたという報告を含めてお世話になった出穂先輩に、狙撃手のことも教えてほしいと相談した。そしたら……
「後輩の頼みだし、先輩とか紹介するけどさ……相変わらずどっからその結論になったのか、アタシには分かんねーわ」
たぶんこれからB級になることを心配してくれたんだと思う。凄く不安な顔をしながらも狙撃手の先輩達を紹介してくれると言ってくれた……やっぱり、出穂先輩はいい人だ。
わざわざ2000ポイント後半のときに戦ってくれたあの先輩方は、出穂先輩によるとまだC級らしい。でもあの人達は私が深く考えないと分からないことを、いとも簡単に説明してくれた、凄い人だから、すぐにB級にいけると思う。たぶんそのときは強敵となって私たちの前に立ちはだかってくるだろう。でもそれよりA級である嵐山隊は凄いんだ……やっぱりボーダーって凄いな。
そのような事を考えているとは思ってもいないが、彼女が見当違いなことも考えているあろうことを鼻歌から感じた夏目は、この1つ下の後輩はどうすれば分かってくれるんだろうなと思いながら、彼女を狙撃手の訓練場に連れていくのだった。
狙撃手ブース
「この2人が、リーゼント先輩とユズル……でこっちが、あや」
「夏川綾乃です、よろしくお願いします」
私は、リーゼント先輩なる人とユズル先輩に挨拶する。
たぶん髪型的にリーゼント先輩というのはこちらの人だろう。「後輩指導とか、まだイズホのやることじゃねーだろ」とか言いながら出穂先輩の頭をクシャクシャしている……デカイ、そしてリーゼントだ。本当の名前は当真 勇というらしい。リーゼントって撃つとき邪魔じゃないのかな。後で聞こう。
その隣にいるのがユズル先輩だ。髪の毛が少し顔にかかっている。髪が少し邪魔な方が狙撃しやすいのかな、やっぱり後で聞こう。
でも、まずは基本的なことを学ばないといけない。出穂先輩が私のことを軽く説明してくれた後、私からもお願いして教えてもらうことになった。
「射撃用トリガーは3つ。イーグレット、ライトニング、アイビス。イーグレットは……」
今ユズル先輩が狙撃手の扱う3つのトリガーの解説をしてくれている。
最初は当真先輩が説明してくれてたんだけど、その説明が……
「イーグレットは特に問題ねーだろ。で、ライトニングはあれだ……セコいから当てることできてつまんねーだろ。で、アイビスはあれだ……シールドあってもぶち抜けるからつまんねーだろ」
というもので私にはよく分からなった……でも隣にいる出穂先輩がうんうん頷きながら「チカ子なんてバケモンだかんな、シールドとか関係ねーし」と呟いているので、きっと狙撃手になる隊員はこのことが理解できないとダメみたい。
私が狙撃手にならなくて良かったと改めて感じていると、その表情を読み取ってくれたのか、ユズル先輩が説明を変わってくれた。ユズル先輩の説明を借りると……
イーグレットはどんな状況であっても基本使うことができる基本的な銃で、使用者のトリオンが多いほど、射程距離が長くなる。
ライトニングは弾速を速くすることに特化した銃で、使用者のトリオンが多いほど、弾速が早くなる。
アイビスは威力を上げることに特化した銃で、使用者のトリオンが多いほど、威力が上がる。
この3つのトリガーを使い分けることで、戦うらしい……でもこの組み合わせも人によって違うみたい。3つ全部入れている人もいれば、2つの人もいる。そして当真先輩のように1つの人もいる。そこはやっぱりそのチームの色を出すことになるのかな……うん、そういったことの気配りも含めてランク戦はしなくちゃいけないんだ。
大変そうだな……でも強くなれれば嵐山隊の先輩達みたいにカッコよくなれるんだ、頑張らないと。
「夏川さんが誰と組むかは分からないけど、荒船隊とかこの人みたいな特殊な感じじゃない限り、基本的に狙撃手中心の動きにはならないだろうし、今から悩むこともないんじゃない? 」
「流石ユズル、ナイスフォロー。そんな感じならチカ子を任せてやってもいいぜ」
「……そういうのいいから」
別に表情を険しくしていたつもりはなかったんだけど、そんな顔をしていたのかもしれない。ユズル先輩がそんなことを言ってくれる。
確かにまだ話し合ってすらいないんだ。勝手に考えるのも良くない……そうであるなら、とりあえず一番気になっていたことを聞こう。
「当真先輩……リーゼントって邪魔じゃないんですか? 」
「ほぅ……そこに気づくとは噂通りできる奴だな、おまえ」
もしかしたら、さっきみたいに狙撃手じゃないと分からないことなのかもと一抹の不安を抱きながら、恐る恐る聞いてみると、当真先輩はニヤリという効果音が付くかの如く笑ってくれる。
うん、とりあえず別に悪い質問ではなかったみたい。噂ってことは、出穂先輩は私を紹介する前にすでに先輩達に私の話をしてくれたことになる。それが『できる奴』認識ということは、出穂先輩が私のいない所で私のことを褒めてくれたってことだ……やっぱり、出穂先輩はいい人だ。
私がそんなことを思っているなか、当間先輩はというと答えを言うのを溜めていた……つまり余程重要なことということなんだ。横目で見たユズル先輩も、不安な顔を当真先輩に向けていることが分かる。きっと余程重要なことを聞き逃すまいと緊張しているんだと思う。私も聞き逃さないようにしないと。
4人を支配する無言の間。その場を切り裂いたのは、当間先輩の一言だ。
「風を感じてんだよ、これは」
「……!? 」
決まったという顔をする当真先輩。
……風って私が思っている風でいいのかな。そうなると狙撃手は皆髪の毛で天候を読み取ってそれに合わせた狙撃をしてるってこと? す、凄い。
私がそんなことを思っていると、ユズル先輩が溜息をつきながら口を開いた。
「風とか関係ないから……」
「……!? 」
私は思わずユズル先輩の方を向いてしまう。
関係ないの? 当真先輩の喋る前の雰囲気は「夏美よ、よくここまで頑張ったな。免許皆伝じゃ」みたいな感じだったのに……違うの?
ユズル先輩曰く、ボーダーの射撃用トリガーには風は関係ないらしい。ユズル先輩の髪は単に伸ばしているだけで、出穂先輩の前髪は、「アタシくせ毛でさ、ここだけは治らないんだよね」とのこと。髪の短い狙撃手の友達に耳寄りな情報ってことで威張れると思ったのに……ん?
「おーい、あや。たぶんそれ違うから……ダメだ、こりゃ」
でもそんなすぐ否定できる情報をわざわざあんなに溜めたのかな? 絶対重要そうなこと言う雰囲気だったもん。それに出穂先輩が狙撃ブースに行く前に言ってた。
「リーゼント先輩はあんなんだけど、ボーダーでNo.1の狙撃手なんだってさ」
……って。
「夏川さん、どうしたの? 考えこんじゃって」
「……うん、まあ病気? みたいなやつ。何秒か待ってくれればいいから」
「はぁ……」
そんな人が違うことをあんな感じで言うわけはない。
そうなると違う意図があるはずなんだ、絶対。
風とは何を表現しているのか。それさえ解ければ、当間先輩の本当の意図が分かる。
私が思っている風は、外で吹いているもので感じるものじゃない。精々風が強くて予報が雨の時に、お母さんに「あや、風強いから傘壊さないようにね」と注意されるくらいのもの。それをあえて
私はそこまで考えてふとあることを思い出す。
「俺たちは、居場所を
そうだ、ここに来た理由は、相手のこと、仲間のことを考えるためじゃないか。そして当真先輩はA級隊員、そんなこと分かってるはず。
「……なるほど」
「何が? 」
私の頷きに当真先輩は知らない感じで答える。でも、それは演技のはず……そう、私はきっと試されているんだ。
風には、様子とか流れみたいな意味もあったと思う。これをチームで考えるとどういうことになるか。たぶん当真先輩が思っているような、完璧な答えじゃない。でもチーム戦という攻防が激しい中で、仲間と作戦を立て連携をしたり、相手の動き……つまり空気であり風を読み取ることで自分達も動きを臨機応変に変えていく必要があるってことだ。
それをわざわざ自身の髪をリーゼントにすることで教える……突っ込みやすい面白い風貌にすることで、戦術を教えることができる。
……ボーダーの人って凄い。
「出穂先輩……ボーダーの人ってやっぱ凄いですね! 」
「……分かんないけど、たぶん考えていることの一部は合ってるし、いっか」
目を輝かせながらこちらを向く夏川に突っ込む気も失せる夏目であった。
はじめましての人ははじめましてチビメガネと言います。
戦闘描写疲れたと思って書き始めたらこんな感じになってしまった。
総執筆時間だいたい3時間の大作? ですが需要がありそうもしくは作者が疲れたら続きを書くと思います。
……まあどうせ疲れるんで、続きがある気もしますが。
弟子として一番必要なスキルって何と考えたときに、学ぶ姿勢だろと思って書き始めたんですが、気づいたらそりゃねーよってことから割とまともなことを考えつく、ある意味将来が心配な子ができあがってしまった。
というわけで夏川綾乃(中1)さんのことをこれからもよろしくお願いします。
女の子にしたのは特に理由はないですね、なんとなくです。
ではでは