そんな世界に転生してしまった青年は自分の生きた証を書き上げるのだが……
黒歴史
それは、人が思い出したくない恥ずかしい思い出の事。
人によっては中二病を拗らせたノートだったり、若気の至りで盗んだバイクで走り出したり、勘違いで女子に告白して盛大に恥をさらしたりと……様々なことがある。
そんな中かつて『■ ■ ■ ■』であった俺にも黒歴史はある。
俺はいわいる転生者、と言う奴だ。最初の人生ではごくごく普通の大学生だった。2流ぐらいの大学でそれなりの大学ライフをエンジョイしていたし別にどこぞのラノベ主人公のように親が海外勤務してたり、実は特殊な能力があったり、血の繋がらない妹が12人いたりはしない。
本当にごくごく普通の大学生だ。
しいて言うならソーシャルゲームであるフェイトグランドオーダー、通称FGOに嵌っていたぐらいだ。まあ課金は生活を圧迫しない程度にしかしていないが。
「よっし。これでアルテラのスキルレベル全部マックスに出来た。後は宝具を5にするだけだな」
その日俺は自宅に帰る途中、素材回収で集めた素材をアルテラという俺が一番好きなサーヴァントに注ぎ込んで悦に浸っていた。
「長かった素材回収も終わったし、後はゆっくりと宝具重なるのを待つだけだな~」
そんな風にスマフォを見ながら歩いていたのがいけなかったのだろう。俺は車道に突っ込んできた車に轢かれて死んだ。それはもうあっけなく。
さて、勘のいい人ならばもうお分かりだろう。そう。俺は車に轢かれて、フェイトシリーズの世界に転生したのだ。
ただし、原作が始まる西暦世界ではなくかといって紀元前でもない。もっと言えば最古の文明であるメソポタミア文明も無い。
俺が転生した世界は神々が実在し、神秘が秘匿されず、魔法が実在する神代世界だったのだ。
転生直後はパニック状態だったよ。車に轢かれたと思ったら赤ん坊になってるんだから。さらに赤ん坊の頭に二十年分程の記憶が一気に入り込むんだから、冗談抜きで死に掛けた。
まあ、そこはある意味現代より進んだ神代世界。聞き取れない詠唱による魔法?魔術?によって一命は取り留めたよ。まあ、副作用で寿命めっちゃ減ったらしいけど。二十歳まで生きていれたら奇跡だって。
……。
納得、出来るわけが無い。
死んだと思ったら赤ん坊に生まれ変わってまた死にかけて、今度は二十歳まで生きれないかもだって。
ふざけるなよ、まだ人生合わせて五十年と生きてないのに死ぬしかないだって。
冗談じゃない、冗談じゃない!! 何も出来ず、したい事も見つけられずに、また死ぬなんて、絶対に嫌だ。
俺が、『■ ■ ■ ■』が生きた証を残さなければいけない。たとえ転生したとしても俺である事には変わりは無いんだ。
かくして俺は転生したこの世界で自分の生きた証を残すために、ために……小説を、ね……書いたんだ。
勢いよく言ったものの、結局俺がしたことは転生した世界で小説を書いたことだったんだ。まあ体が副作用の所為でろくに動けなかった事も原因だが。
で、転生した世界で生涯をかけて書いた小説だが、書き上げた時にはもう体が限界だった。二十歳まで生きられないなんて状態で寝る間も惜しんで書き上げたのだ。そら寿命も減る。
そして書き上げた小説。完結させるまで振り返らず全力で書き上げた作品。ちょっと読み直してみる。
「…………あ」
最初の十数ページ読んでそのまま閉じた。
「これ、アカン奴だ」
寿命がさらに減った気がした。
これ「おれがかんがえたさいきょうのえいゆう」だわ。しねる。
この俺にとって完全な劇物とかしたこの黒小説を封印することにした。誰も絶対に見つける事ができないように地中深く、めっちゃ深くに埋めて封印した。処分すれば言いと思ったがこの書いた小説、この時代の最高の魔法技術で作られた無駄に丈夫な物で俺の手じゃ処分できなかったんだ。
そして死に掛ける体に鞭打って地中深くに封印をした帰り道、空に大きな流れ星が流れ、その後世界は一度滅びかけた。
ああ、あれってフェイトエクステラの遊星……
「さあ立香君、準備はいいかい?」
「大丈夫です、ドクターロマン」
「よし。ではグランドオーダー始まって最初の英霊召喚だ」
「先輩、がんばってください」
「うん、ありがとうマシュ」
そして彼女は召喚陣に虹色に光る石を設置し召喚を開始する。
召喚陣が回り始め、円形の輪が三本現れる
「よし、この反応はサーヴァントだ……何だこの数値は!?」
「ドクター!?」
「ありえない、ありえない数値だぞこれは!!マシュ、立香君とそこから離れるんだ!!」
「ッ、駄目です間に合わない」
通常ではあり得ないはずの虹色に輝く光が召喚室を染め上げる。その光が消えた時、召喚陣の上には一人の男が立っていた。
「……サーヴァント" "召喚に応じ参上した。貴女が私のマスターか?」
これは最後のマスターによる人理修復の物語ではない。
これは世界最初の英雄にしてあらゆる英雄の原点となった一人の男の新たな英雄章である。
彼の前にはあらゆる悪は許されず、抗うことすら許されず、ただただ倒されるのみである。
さあ、人類最後にて最新の英雄の物語を始めよう。
彼の名は" " あらゆる悪を倒し、世界を救った英雄である。
(え、何で俺自分で書いた黒歴史の主人公になってるの?てか聖杯から流れてくる情報によるとあの黒歴史小説世界中にばら撒かれてるジャン。世界規模の宗教になってるって何?俺そんなこと聞いてないよ!?)
これは(黒歴史小説の俺tueeeee主人公になった)世界最初の英雄(著作者)の新たな(空想だと言う事をばれないようにする)英雄章である。
クラス " "
既存の聖杯戦争における7騎のクラスに当てはまらずかといってエクストラクラスでもない。彼のためだけにあるクラスであり神代時代に使われていた文字で書かれており、現代の人間には読めず発音する事もできない。
特性としてエクストラクラスを含むすべてのクラスに対して与ダメージ倍、被ダメージ半減と言う馬鹿げた性能である。
真名 " "
クラス名と同じく現代の人間には読めず発音が出来ない。彼が発音しても現代の人間にはただの音としか認識できない。
クラススキル
対魔力EX
彼の対魔力は神代時代のそれであり、現代の魔術師や英霊の魔力では突破はほぼ不可能である。
状態異常無効化能力
概念干渉EX
" "のみが持つ特殊スキル。名前の通り概念に干渉しそれを操るスキルでありほぼ万能といってもいい。
自分以外のサーヴァントの与ダメージアップ、被ダメージダウン
黄金のカリスマEX
「彼の精神は黄金であった」小説内で書かれた言葉が元となったスキル。彼の影響下にあるものは悪に屈する事は無く、気高く誇り高い精神を持つ。
自分以外のサーバントのカード性能をアップ
保有スキル
星の先駆者EX
星の開拓者と似ているが開拓者は時代を切り開いた者に付くのに対し、先駆者は歴史を作った者が持てるスキルである。
人類歴史が始まった時代から現代に至るまですべての時代で語られた彼の存在はまさしく歴史を作ったと言っていいだろう。
NP50~100アップ、攻撃力アップ3ターン、防御力アップ3ターン スキルターン6~4
悪を許さずEX
彼の生き様がスキルとなった物。彼の前にはあらゆる悪は許されず、逃げる事も出来ずに倒される事となる。
自身に悪特攻を付与3ターン、無敵貫通3ターン、宝具威力アップ1ターン スキルターン7~5
絆の鞘
彼が持つ唯一の宝具、の鞘。敵意や害意といった自身や仲間に対して何かしら害をもたらす者に対して常時発動する宝具。
概念干渉による防御であるため物理攻撃では突破は不可能。魔術でも魔法クラスでやっと突破できるかどうかと言うほどの強度を持つ。
見方全員(控えも含む)に無敵状態1ターン付与、防御力大アップ3ターン付与、HP回復3000~6000 スキルターン 8~6
宝具
絆の剣 種類バスター
彼が持つ唯一にして無二の宝具。見た目はシンプルな装飾の施された両手剣。その能力は"彼がつむいだ絆に比例して持ち主の能力を上げる"といもの。シンプルに聞こえるが実際はかなり凶悪であり、絆を結んだ人数分"乗算して"持ち主の能力を上げ、かつ反動は無い、と言うチート宝具である。彼は最終決戦の時、今まで彼と出会い絆を結んだすべての人たちと繋がったためその能力は測定不能と言っていいだろう。
敵全体に防御力大ダウン後、自身のバスター性能アップ後に全体攻撃。オーバーチャージで性能アップ
続かない。