RWBY Mask of Grimm   作:人間のダスト

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平成最後の仮面ライダーのビルドが始まろうとしてると時の流れは速い……少し前にクウガやアギトを見ていたと思うと尚の事。





Blake Belladonna

 ホワイト・ファング。

 

 ファウナスたちによって作られた人権保護団体。元々は人間とファウナスの間をとりなし、和平を結ぶために作られた組織だったとされる。その後も変わらぬ差別と迫害に対してしばらくの間は手を挙げない、平和的な抗議活動を行っていたそうだが、今の代のリーダーに変わってからは武力行使をためらわない過激派テロリスト集団と呼んでも間違いない組織と化した。

 

 以前のシンボルマークは牙を剥いていなかったが、今は爪痕を背負う手負いの獣がシンボルマークになったので、正に畜生が徒党を組んでいる印象を受ける。リーダーが変わるだけでここまで大きく組織の色が変わるということは、それほど裏では不満を抱えているファウナスが多かったということなのだろう。

 

 そして彼らの最大の特徴として団員はグリムを模した面を被っている。これは人間たちが自分たちファウナスを化け物呼ばわりして迫害するならいっそのことそうあってやろうじゃないか、という一種の自虐、皮肉思想からじみた思想からきているそうだ。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 あの後、船旅(苦行)から解放された後、探し人(ブレイク)を探しに動くネロ。突然だが、危機に瀕していた。

 

「おう新入り、どうかしたか?」

 

 どうしてこうなった。気さくに話しかけてくるホワイト・ファングの構成員に頭を悩ませながらネロは頭を痛めながらも今の状況に置かれている原因を洗い出すため、脳内で時間を少し遡ることにする―――

 

 

 

 

 ベラドンナ夫妻曰く、ブレイクは今もホワイト・ファングに所属している可能性が高いという推測をしていた。それを聞き、組織に潜入、そこでしばらく調査を行うことによって行方を掴もうという案ならば多少の手間はかかるとはいえ最も見つけることができる確率が高いと踏んだ。

 

 ホワイト・ファングはファウナスの派閥としては少数派であり、同族から見ても異端であることが要因で慢性的な人員不足ということもあり、人間でなければそう警戒されることはないだろうと、ギーラは言っていたが……尻尾を生やして組織に入りたいと告げると「奥についてこい」と言われ、仮面を付けた構成員に連れていかれた。そして極めつけとして仮面を渡してきてた後に、

 

「今日からお前も同士の一員だ」

 

 と言ってきた。あまりの緩さには呆れを通り越して言葉も出ないが、ここまで緩いということはそれほど賛同者が多いと取ることができる。こんなに簡単に入れてしまってもいいのかと尋ねたが、

 

「ファウナスであればよっぽどの訳ありでもなければ誰でも快く迎え入れるのが組織の方針だからな」

 

 もう少し警戒してもよいと思うが、人間が入ってきたらすぐ見破ってフクロにする自信があるが故の物言いなのだろう。そうとでも思わなければやっていられない。納得せざるを得ない。こんな実態の間抜け集団では違う意味で各地で反感を買うのも致し方無いだろう。

 

……もし本当にテロリストの皮を被ったコスプレ集団だったりしたら頭が痛くなってくるが。 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 そして現在、ホワイト・ファングの構成員に絡まれている。今声をかけてきた奴は入団時に対応をネロの応対をした奴だ。新入りのネロに気を遣っているのか構ってくる。いい迷惑なのだがあまり無碍にすると怪しまれてしまう。そうなると騒ぎになって面倒なことになる。

 

 この倉庫にいるのは大して強くなさそうなのしか配置していないのか、それとも主力は出払っているのかは分からないが、あまり人数はいない。精々五、六人、この部屋にいない数まで推測するなら十と少しといったところか。情報収集が目的なのに蹴散らすことを真っ先に考えるあたり自分は根っからの戦闘脳(バトルジャンキー)なのかもしれないと思うと少しばかり気落ちするネロであった。

 

 落ち込んでいるばかりなのもよろしくないのでいい加減放置していたこの男に話を聞くことにするネロ。

 

「ホワイト・ファングって同じファウナスからしても鼻つまみ者って聞いているんだけど、本当に大丈夫なの?」

 

「なあに、皆俺たちと同じように差別をなくそうとして戦っているんだ。口ではそういっては言うものの本心からの言葉ではないだろう。それにおまえだってなんだかんだここに入ってきたんだろ?」

 

 純粋な狂気を含んだ言い分に少しばかりネロは引いた。恐らく他の団員にこの手の質問をしても同じことを言うだけだろう。本当はブレイクが本当にこの組織にいるか確かめていいタイミングで体よく抜けてやるつもりだ、などとは口が裂けても言えない。

 しかし手段や尖りっぷりを除けばそこまで否定されるほどの思想では無かろうに。迫害が過ぎればこうなることを少しでも考える脳みそがあればこうはならなかっただろう。

 

 口から溜息が漏れそうになるが、それを喉の奥に押し込んでから改めてこの倉庫の様子を伺う。メナジェリーとはえらい違いだ。あちらは陽気で門は常に開かれており、穏やかな土地だったが……

 

 ここは陰気で剣呑な雰囲気が漂っている。ファウナスは暗がりでも夜目が利くとは言えど、わざわざこのような場所に拠点を置く必要はないだろう。もう少し所帯じみた場所でもよかったのではないだろうか、などと天井の角を眺めていたら外がざわついてきた。

 

「なんか外がうるさくなってきたような気が……」

 

「そうか?……ああ!今日ここにあの人が来るんだった!なんでも数日後に行われるダスト強奪作戦の手筈を直々に伝えに来るみたいな話があったな……」

 

 思わぬ情報を聞き出すことに成功してほくそ笑むが、まだまだ終わりではない。これはチャンスだ。もっと情報を聞き出すために更なる追及をする。

 

「どんな人が来るんだ?」

 

「組織の幹部のアダム様と付き人のブレイク様だ。あまり粗相をしないように気をつけろよ?特にアダム様はヤバい。何考えてるかわからんような方だからな……」

 

 ……今ブレイクと言ったか?同じ名前なだけの可能性もあるが、大きな前進だ。正直、そんなことはほぼありえないだろうと腹の内では大笑いだが……

 

 無理矢理連れ帰ってくれとは頼まれてはいないため本人が嫌がったら大人しく引き下がる。とはいえ写真の彼女は幼少期の頃のものだった。現在はどのように成長しているかは分からないため本当にブレイク・ベラドンナ本人か確認する必要があるが…… 

 

 そうなると今度はアダムとかいう同じ組織の面子にもやべーやつと言い切られる男をどう掻い潜るかが問題だが、名案が今のところない。やはり当人の性格を見極めないことにはこの場を切り抜ける名案が浮かびそうにはない。

 

「おい、来たぞ」

 

 そう言われ入り口を見ると自分より頭一つ半背の高い鬼のような角が蟀谷(こめかみ)から生えている男と猫耳を思わせるリボンを付けた少女が入ってくるのが見えた。どちらも黒を基調にした服装を纏っているので保護色になっている。

 

 その二人のいる場所だけ重い空気がより重力を持って見えるかのようであった。ここの構成員全員でかかっていっても容易に蹴散らすことができるであろう戦闘力を持っていることは火を見るより、いや夜が暗いということぐらいには明らかだろう。

 

「三日後にシュニー・ダスト・カンパニーの輸送列車を襲撃する。何か質問は?」

 

 男―――アダムは低い声でそう告げた。

 

「あの、すみません、どれくらいの規模で襲撃をかけるので?」

 

 ここだ!すかさず聞く。いきなり腰に構えている刀で斬られることにはなるまいと聞いたが、アダムは表情を読み取れない顔(仮面を付けているので当たり前だが)をこちらに向けて律義に答えた。

 

「私と、ブレイクの二人だ。何か問題でも?」

 

 この物言わせぬといった声色である。とはいえここまで大っぴらな犯罪行為の片棒を担ぐのはまずいと思い一芝居打つことにする。

 

「いやいや、さすがに厳しいものになると思うんですよね。あいつら、こき使うためのファウナスも輸送列車に一緒に乗せているなんてことになったら二人だけじゃあ手が回らないですよ。救助の手配もしておくべきじゃないですかね?」

 

 これで作戦に参加してうまいこと彼女を引き離すことに成功するように動ければいいのだが、うまくいくか?と心臓が跳ねまくっていた。内心ではセンスが最悪だと思っていたマスクに今は感謝しなくては。目を泳がせていたのがバレれば不審に思われ、間違いなく追い出されるだろう。

 

「ふむ、一理ある。ならばお前、それと隣のお前もついて来い。本来は少数精鋭が望ましいが……念には念を入れて損はあるまい。ただし、しくじっても手は貸さないがな」

 

 お邪魔虫もついてくることになったが目論見としては十分成功の部類だ。

 

「はい、ありがとうございます!……お前すごい度胸だな、俺だったらそんな大胆なこと言えないぜ」

 

 横の奴が勝手に返事をしたが気にしないでおこう。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 作戦決行日。崖の上から列車が通るのを待ち伏せし、ダスト強奪班とオブザーバーの二組に分かれることになった。辺りは紅葉した木々に囲まれておりこちらから見れば見通しはよく、気取られることはない絶好の位置だ。

 

「そういえばまだ名前聞いてなかったな。ここらで自己紹介でもしとこうぜ。俺の名前はカルマ・ケーファーってんだ。見た目は完全に人間だがこれでもファウナスなんだぜ?何のファウナスかはもうちっと仲良くなったら教えてやるよ。で、新入り。お前は?」

 

 紅を基調とした装束を纏った男がずい、と寄ってくる。短い付き合いなのによくもここまで距離を縮めてくるものだ。呆れ半分、感心半分で名乗り返す。

 

「ネロ。ネロ・ベスティア。三日前にこいつに入れてもらった。自分は孤児だからさ、今までずっと一人で生きてきたからどうすればホワイト・ファングに入れるかわかんなかったんだけど、まあカルマのおかげでなんとかって感じかな」

 

 ……今の発言は丸々嘘ではないが、全てが全て真実という訳でもない。それっぽいことを並べ立ててみる。カルマは手を顔に当てて上を向いた。岩の上に座っているブレイクは俯いたまま話を聞き流していた。

 

「おいおいおい、まじかよ!そりゃよくねえって!今日から俺とお前はブラザーだ!独りぼっち同士楽しくやってこうぜ!」

 

「いやそれはちょっと勘弁してくれないか……友人からで頼むよ」

 

 自分の様な者でも快く受け入れてくれるものがいると喜ぶ半面、どうリアクションをとればいいのかわからない。この手のタイプと話をすることは稀である。無口な男よりもやりにくい。

 

「そんなお硬いこというなって。確かに会って三日程度だがなんつーかな……親近感が湧くんだよ。まあどうしても嫌だってんなら無理強いしないけどよ。そうだ!なんか食えるもの持ってくるからちょっと待ってろ!」

 

 そういうと走って行ってしまった。この場に暗い表情のブレイクと口が開いて塞がらないネロの二人だけが残された。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

「……あなたは何故この組織に?」

 

 カルマが去って数分程して俯いていたブレイクが突然立ち上がり背中に携えていたガムボール・シュラウドを構える。琥珀色の瞳は鋭さを増し、目の前の漆黒を睨みつけている。

 

「何故そんなことを聞くのかな?」

 

 鬱屈とした空気は既に霧散していた。漆黒の男(ネロ)は白い仮面の下の表情を変えずにブレイクを見据える。

 

「カルマとはまた違った方向に読めないからよ。彼はああ見えてもこの組織に何らかの目的をもって属しているけれどあなたは違う。組織自体が重要って感じじゃない。……本当の目的は何?」

 

 ネロとしてはうまいこと隠していたつもりでも、その道の人間には嗅ぎつけられてしまうらしい。観念したのか、ゆっくりと喋り出す。

 

「まあこの組織自体に用はないっていうのは大当たりだよ。人探しをしていただけだからね。まあ一番手っ取り早そうだからこそ取った手段なんだけど。そんでもって俺の探し人は……君だ。ブレイク・ベラドンナ」

 

 仮面を外しながら目的を告げる。ブレイクの猫耳がぴくぴくと動き、ガムボール・シュラウドを抜刀した。蕎麦切り包丁のような刃の付いた鞘と細く鋭い刀の二刀を構える。

 

 ……あ、これは斬られる。こんな黒幕ムーブをすれば誰だって怪しむのは当然だ。

 

「待った待った待った!君の家族に頼まれたんだ!わざわざ怪しい演技をしたのは本で読んでちょっとやってみたかっただけなんだ!……だから許して?」

 

 両手を顔の前で合わせてごめん、といったジェスチャーをとるネロ。当然ながらブレイクの表情は依然として固いままだ。

 

「本当に?」

 

「ほんとほんと、必要のない嘘はつかない。おふざけはするけどね。ギーラさんとカーリーさんに恩があるから君を探しに来たんだ。何年掛かるかと思ったけど思いの外すぐ見つかってよかった……要望くらいは聞くけどどうする?帰りたければ俺も付き合うし、そうじゃないなら何か一つや二つぐらいはしてあげる。例えば……ここから逃げ出したければ足止めくらいは務めるけど、どう?」

 

 存在が闇のような男の瞳が一瞬黄色く輝いたような気がした。光を飲み込みそうな程に暗い瞳なので思い違いだろうが。

 

 ……この時ブレイクは本当に信じていいのだろうか迷っていた。悪魔の囁きにしか聞こえない。

 

「……保留でお願い」

 

 ブレイクはただぽつりとそれだけ発した。

 

「まあいきなり物騒な事を言われたりしなければ俺はいいけどね。しかしカルマは遅いな、どこまで行ったんだろう?」

 

 悪魔だと思われていた当の本人はいつもの呑気さで線路と紅葉を眺めていた。

 




ブレイクをかわいく書きたいけどこの時点ではデレ要素少なすぎるからとてもじゃないけど無理だゾ……

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