fate×メガテンもの(旧名・間桐慎二のデビルサマナー(短編)) 作:メガテニスト(偽)
衛宮との出会いがあったあの事件から3週間程がたった。
あの後、衛宮から相談された結果、衛宮の父親に打ち明けることになった。
その時にその父親、衛宮切嗣さんから詰め寄られたり、
いっしょに異界騒ぎにまきこまれたりしたけどされはまた別の機会に。
結局衛宮がデビルサマナーになることは認めてもらった。
スマホの使い方を教えた後、出てくる悪魔が弱い異界が発生すれば一緒にもぐり、
戦いを見守る方針で実力をつけていくのを見守っている。今はLv15くらい。
戦いがない日でも道場でアコロンに剣の稽古をつけてもらっている。
その時は僕も一緒に混ざることもある。
レベルアップの仕組みと効果を説明した後、
切嗣さんからは銃器をもらい、その扱い方を教えてもらった。
なんで使えるのかとかなぜ持っているのかは深くは聞かなかったが、
戦う上ではとても役に立つ。ありがたく教授してもらった。
普段の訓練に加えている。弾は貴重なので改造エアガンで代用してるけど。
最近のことを説明し終わったところで、今日の昼の話になる。
学校の給食の最中に、スマホが反応を示した。
クラスメイトから見えないように隠し、
誰にも見つからないようにこっそりと屋上にのぼり、
スマホをとりだすと、バロウズから報告を受けた。
「新都の一部に異界が発生。いまドローンを飛ばしたわ。」
とのこと。スマホをポケットにしまい、また何食わぬ顔で教室に戻る。
授業がすべて終わった後、衛宮に声をかけて、知らせておく。
どうやらエミヤのスマホにはダウンロード機能とかがないらしい。
異界検知機能と異界開き機能はあっても、ドローンとかはないので、
こっちから情報を共有するのは大事なのだ。
バロウズが言っていた異界が発生しているところまできた。
しかしどこか様子がおかしい。街ゆく人々が身に着けているものや
街中のあちこちに、
「目を模したものが大量にあるな…。」
そう、目をモチーフにしたであろうものが大量にある。アクセサリーであったり、
広告であったり。そこらかしこから見つめられてるようで気味が悪い。
それに、周りを見回すと、変なオブジェがあるのだ。
なんだろうかと思い近づくと正体がわかった。
石像だ。しかも恐ろしいものを見たような恐怖を張り付けた顔。
まるで人間をそのまま石に変えたかのようなあまりに精巧な石像。
もしかして…。
「おい、慎二。これって…!」
衛宮も気が付いたようだ。まるでではなく本当に石に変えられたのだろう。
バロウズに伺うと、
「そうでしょうね。…それにこの石像、1時間くらい前まで生きていたようね。
今は手遅れだけど、生きていれば元に戻すこともできるわ。」
その言葉を聞いて、こうしてはいられないと、異界開きできるところへむかう。
ゲートを開くと突入した。ゲートを出た先は、
「島?向こうには洞窟もあるな。」
なんというか空気が乾いた感じがする島だった。
なにがともあれ、仲魔を召喚する。一度バイト中に呼び出したこともあり、
最近は呼び出される前に身代わりを置いていくらしい。
「はーい!タマモ、ただいま参上いたしました♪」
「おう、呼ばれたぜ。」「はいはい。出番ね。」
「出番ですねー?がんばります!」
「出番?頑張るね?…ホ。」「ガンバルホー!」
「出番かしら?わかったわ。…ここ、かなり懐かしい雰囲気がするわ。」
なつかしい?どういうこっちゃ?
「なんだかお姉さまの気配がする…。」
お姉さま?お姉さまっていうと、
「ゴルゴーン3姉妹のことね。中でもメドゥーサは見たものを石に変える
魔眼をもつわ。
パラダイムシフトによって目をモチーフにしたものが多くなったのも
それが関係しているのかもしれないわね。」
つまりここで出てくる悪魔は目、特に邪眼に関係するやつが多い
かもしれないってことか。見られるだけでアウトなのは厄介だな。
「その場合は私が治療できますー。安心してくださいー。」
だからって食らいたいものでもないんだけど。
邪眼と言えば、あいつを思い出すな。いやな思い出だけど。
「バロールか。もしかしたら出てくるかもしんねえな。ま、そん時は
もう一度倒すだけだ。そうだろ?」
そうだな。よし、いくぞ!
「その洞窟の中から反応があるわ。そっちを調べてみて。」
僕たちは洞窟へと向かった。
探索していると、広い場所に出た。そこには多数の石に変えられた人たちがいる。
「…残念だけど生命反応は一つもないわ。近くに下手人がいるはずよ気を付けて。」
どこからか音が聞こえたので、音のするほうへ慎重に近づくと、
何やらとさかと体がやたらでかいトカゲがいる。
まだこっちには気づいていないようだ。隠れてバロウズに解析を頼む。
「……でたわ。あれはバジリスク。見るものに死をもたらし、
強力な毒をもつといわれる伝説上の生物ね。
ファンタジー小説とかだと石化の魔眼をもつことが多いわ。」
確定だな。ここの悪魔は邪眼に関係するものが多そうだ。
そこら辺の対策があればいいんだけど、どうしようか。
「今のマスターなら見られてすぐに石になることはないと思うわ。」
「こちらの札を持っていれば抵抗力が増しましてよ。
それとちょっとおまぬけな名前ですけど…予防のパウパウ!
これでしばらくは状態異常が無効化できますわ。
具体的に言うと次のターンまで。」
次のターンってなんだ?
「こっちも少しは抵抗力を増やせるわよ。」
「ルーンもあるぜ。…なんだ、気にしなくてもよさそうじゃねえか。」
こういうときお前らが仲魔でよかったと思うよ。
まあまずはあいつを奇襲してみられる前にやろう。
見られずにやるに越したことはない。
そうと決まれば話は早い。前衛3人はこっそりと後ろへ回り込むと、
「まずは一発!アギダイン!」「いくわよ!ブフダイン!」「ザンダイン!」
魔法で攻撃させて気を引いた隙に前衛3人でとびかかった。
「スクラッチダンス!」「絶命剣!」「デスバウンド!」
まずは一気にスキルでダメージを与える。
バジリスクにあたったが感触は少し硬い。大きくは切り裂けていないな。
「なるほど、確かにかてぇ。少しは楽しめそうだぜ。」
硬いがどうということはない。このままダメージを与えていくだけだ。
と、その時、バジリスクがこちらを向いた。
そして前足を振り上げこちらにたたきつけてきた。
3人ともそれをばらばらの方向へ回避。同時に見つめられないように分散する。
後衛も岩陰に隠れながら援護を放っていく。
タマモたちは魔法で、衛宮は弓で。
アコロンは他の悪魔から後衛を守るため警戒している。
バジリスクは今度は口から何か煙のようなものを吐き出した。
それを吸うと気分が悪くなる。これは毒ガスか!
「予防きれちゃってました!?予防のパウパウ!
でも治せないんですよねーこれ。」
「そこはまかせてください!ポズムディ!」
プリンシパリティ(この前ハイレベルアップした)の魔法で気分がよくなる。
ナイス!ふたたびバジリスクを攻撃していく。
ちらっと仲魔を見ると、リッパーの動きが少し鈍っている。もしかすると。
プリンシパリティ!リッパーにパトラ!
「はーい!パトラ!」
どうやら当たっていたようだ。リッパーの動きがよくなった。
「ありがと!」
このように状態異常に苦しめられながらもバジリスクに少しづつ傷を負わせていく。
クーフーリンが目を細め、会心の眼光を発動し、
「そらよ!暗夜剣!」
バジリスクの傷が深いところを2回ざっくりと抉った。
そして、バジリスクはこのままではやられると思ったのか、
目を見開き手当たり次第に暴れだした。周囲の岩や石像が破壊されていく。
中には血をぶちまけた石像もあった。
「あいつ…!」
岩陰に隠れていた衛宮がバジリスクをにらみ、弓に矢をつがえバジリスクの目
を狙って矢を放った。さっきまでは瞼を閉じて対処していたバジリスクだが、
半狂乱になっているためか矢に気が付いていない。
矢は正確にバジリスクの目をとらえ、バジリスクは苦しみ悶え始めた。
今がチャンスだ!クーフーリン!
クーフーリンに合図を出すと、クーフーリンはバジリスクの頭めがけて跳び、
「そら、これでしまいだ!」
射貫かれた眼窩へと槍を突き出し、バジリスクの頭蓋を貫いた。
倒れたバジリスクはそのまま消滅した。
戦いの後、衛宮に声をかける。
「お前、やるじゃん。目を正確に射貫くなんて。」
「おう、サンキュ、慎二。…あそこ、なんか落ちてるぞ。」
いわれてバジリスクが倒れた場所を見ると何やら落ちている。
拾ってみるとそれは青いガラスに白、水色で目が描かれたものだった。
「それはナザール・ボンジュウね。
邪視から災いをはねのけると信じられているお守りで、
トルコの代表的なお土産よ。」
「何やらそれからは神秘を感じますね。
邪視に対しても効果があるんじゃないでしょうか?」
つまりこれを身につけておけばある程度楽になるということか。
しかし一つしかないな。
「俺は前に出て戦わないんだし、慎二がつけてろよ。」
「大将のサマナーがつけておいたほうがいいと思うぜ。」
「お母さんがつけていたほうがいいと思う。」
という意見があったので、僕がつけておくことにする。
穴をあけてひもを通し、首からかけ、服の中へ。
しかしガラスでできている分耐久性に不安があるな。
そんな心配をよそに、倒した後開いた扉の奥にあった宝箱を開けて中身を取った。
何やら奇妙な文様だ。手の一部分にも見えるし目?の一部も書かれている。
「おそらくはそれ分割されちゃったんじゃないかしら?
残りも探してみたら?」
そうしたいのはやまやまだけど一刻も早く異界を解きたいな。
とりあえず進もう。
進んでいくと、今度は人工的に作られたような大きな空間に出た。
岩を削ってホールにしたような感じだ。天井には月の満ち欠けが描かれている。
他のところに通じている道が入ってきた道を含めて5つあり、
あちこちに石像があり、ホールの中心には大きな5つの石像がある。
そしてその奥には扉があった。押してみたが開かない。
仕方がないので中心の石像に近づいてよく見てみた。
1つは頭部を落とされ、頭部の目の周辺が破壊されているが4つは無事だ。
それぞれ、ニワトリとドラゴンを合わせたような生き物、
とても頭のでかい牛、バイザー付けた美女、
の形をした石像だ。
これってもしかして…。
「ここの異界にいるボスの石像って感じね。もしかしたらバジリスクは
ここのボスのうちの一体だったのかも。」
やっぱりか。なんとなくゲームっぽい異界だなあ。
起きてる被害は冗談で済まされないのに。
しかも嫌な予感通りまたバロールか。テトラジャストーンないぞ。
「あ!テトラジャ使えます!」
まじで?ならプリンシパリティをやられないように戦えばいいな。
あれからさらに強くなったんだ。今度はそう簡単にはやられない…と思う。
「頼りねえなあ、おい。」
うるさい!こっぴどくやられたほうは苦手意識が強くなるんだよ!
それにしても石像から悪魔の情報がわからないかな?こんだけ特徴出てるし。
「ええ。ここまで出ていたら推測はできるわ。違うのを出してくる可能性も
あるけどね。
ニワトリの頭をもっているのはコカトリス。
さっきのバジリスクから派生して生まれた怪物。
バジリスクと能力はそう変わらないわ。
とても頭の大きい牛はカトブレパスね。西エチオピアに存在するという、
当時ナイル川の源流であると信じられていたニグリスという泉の傍に住む動物よ。
非常に重い頭部を持ち、そのためいつも頭を地面に垂らしているといわれてるわ。
カトブレパスの眼を見た人間は即死すると言われているわ。
最近のファンタジー小説とかでは石化の魔眼になっているみたいだけど。」
まーた即死の魔眼が石化に変わってんのか…。
「まあ石化も即死も普通の人間にはあんまり変わりませんものね。」
まあそうなんだけどさぁ。
「そして最後の石像は…。「メドゥーサよ。」」
途中でバムプレードーが遮る。
「その石像はメドゥーサお姉さまの姿よ。」
ええー?ほんとでござるかー?どう見てもバイザー付けた美女にしか見えないぞ。
「予測していたことではあるけど、やっぱりね。」
とバロウズ。
スマホが震えている。どうやら他のグライアイも召喚してもらいたいようだ。
他のグライアイも召喚した。
3人そろって召喚された状態のグライアイは並んで話しかけてきた。
「ねえ、サマナー。」「お願いがあるの。」「メドゥーサお姉さまと話をさせて。」
順番に話すグライアイ。
それはいいけど、どうしてだ?
「
「それに、話したいことだってあるわ。」
そんなこと言ってもあっちが聞いてくれる保証はないぞ?
石像があることから操られている可能性もある。
それに、倒さないとあそこにある扉が開かない可能性だって。
「お願いよ!!」「お願いよ!!」「お願いよ!!」
グライアイたちは同じ顔でこちらをじっと見つめてくる。
…しょうがないな。無理そうならあきらめろよ?その時はお前たち抜きで相手する。
「ありがとう!サマナー!」「ありがとう!サマナー!」「ありがとう!サマナー!」
ぱあっと顔を輝かせるグライアイ。
まあさすがに慕ってる姉と戦わせたくないしな。
それにもしかしたらメドゥーサがいない場合だってあるし、
1発で遭遇するわけでもない。さっさと行くぞ。
そういって僕たちは続いてる道の一つを歩き始めた。
続いている道の先にいたのはコカトリスだった。
斬りつけたり、槍でついた際に毒でおかしてくる点や、
衝撃魔法を放ってくる点、石化の魔眼は厄介だったが、
バジリスクとそこまで戦法が変わらないので先ほどよりは楽に戦えた。
ナザール・ボンジュウのおかげか先ほどより魔眼の効果は感じられなかった。
続いての道にいたのはカトブレパス。
奇襲を仕掛け、先制攻撃を放つと、その重い頭をハンマーのように振り回して攻撃してきた。その一撃はクレーターをもうけ、衝撃だけで吹き飛ばされるほどである。
巨体による攻撃も厄介ではあったが、重すぎる頭のせいで動きは鈍く、
簡単に避けられた。
むしろ厄介だったのは石化の魔眼である。コカトリスやバジリスクより強力で、
手足が石のように固くなり、動かなくなる速さが早かった。
そういう時はプリンシパリティのメパトラによってすぐに治療された。
しかし相手の傷が増えるにつれ、体の動きが激しくなっていく。
うかつに近づけばやられるため、すきを窺って攻撃していく。
と、突如頭の動きを止めた。また魔眼を使う気だ!
その時、エニューオーが魔眼を発動した。
「その重い頭、もっと重くしてあげるわ!」
カトブレパスは頭を地面につけ、動きが止めた。
「今だ!リッパー!クーフーリン!」
僕はカトブレパスの頭へ走り、スキル・暗夜剣を発動。
とっさに目を閉じたカトブレパスの厚い瞼を二回斬りつける。
そこへリッパーがさらに紫煙乱打で傷を深くして、
そしてクーフーリンが、
「食らいな!」
地獄突きを発動。傷の深いところから数回、脳髄まで抉る。
食らったカトブレパスはそのまま動かなくなり消滅した。
コカトリス、バジリスクと倒した後、開いた扉の奥にあった宝箱を開けると、
やはり欠片があった。それぞれのやつを合わせると、
手の半分から上と、目の半分から上が描かれた文様が書かれている。
それに鍵を指の上に載せている。
「…これはハムサのようだけど…鍵を載せているものなんて
聞いたことないわね。
ハムサは主に中東で使われる、邪視から身を守るための護符よ。
ファーティマの手あるいはファーティマの目としても知られる、
手の形をしたデザイン・シンボルね。イスラム社会、
中東のユダヤ教徒社会で使われたわ。
まだ完成していないみたいだけど完成したらこれも効力を発揮すると思うわ。」
鍵…。もしかしてこれあの扉を開くためのものなんじゃ?
だとしたら鍵を守る門番ってことか。回りくどいことするなあ…
「サマナー、それ言っちゃおしまいです。お約束ってやつですよ。
それに直行できたらゲームがつまんないじゃないですか。」
お前は何を言っているんだ。
…次行こう。さっさと完成させるぞ。
ホールに戻って次のボスへの道を行く。
「早くお姉さまに会いたいわ。」
とエニューオーがぼやいていた。
次に出た大きなフロアにはどこかけだるげな美女がいた。
「おや。生きている人間がここに来るとは。戦うつもりですか?面倒ですね。」
はあ、とため息をついている。
「お姉さま!」「お姉さま!」「お姉さま!」
グライアイ3姉妹がメドゥーサに駆け寄った。
即座にメドゥーサに鎖で威嚇された。
「あなたたちなんて知りません。人違いでは?」
「メドゥーサお姉さま!
「知りません。私を売った姉妹なんて。」
しっかり覚えてるじゃねーか。
グライアイたちは気まずそうに顔を背ける。
「それは…。」
「今までさんざん私に頼ってきたのに。ねえ?言ってあげましょうか?
あなたたちの弱い過去を。」
そういうとメドゥーサは話始める。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ある時は―
「できたわ!お姉さまたちにあげる花冠!」
「
「
「あいつらだな…おい嬢ちゃんたち、ここら辺にメドゥーサってやつがいるだろう。
そいつのところまで案内しな。」
「キャー!誰よ!あなた!」「いやよ!ひどいことするんでしょう!」
「あなたなんかに教えてあげるもんですか!ベーッ!」
「なんだとこの野郎!」
「キャー!」「助けてー!」「お姉さまー!」
魔眼を使って動きを止めた後、逃げていくグライアイ。
そしてそのままそれを追う追跡者。別の視点から見れば案内している。
「はあ、またですか。…死になさい。」
「ぐがあっ!?」
「ありがとうお姉さま!」「これ、あげる!いつものお礼よ!」「お姉さま大好き!」
「ふふっ、ありがとう。」
またある時―
「もうちょっと右よ!」「よいしょ、よいしょ。」「とれたわ!」
「いっぱい取れたわね!
「早速お姉さまたちのところに持っていきましょう!
「ええ!…ああ!それ私たちがとったものよ!返して!」
「いやなこった。それより嬢ちゃんたち、案内してくれよ。」
「嫌よ!」「果物返しなさいよ!」「ドロボー!」
「ピィピィやかましいな。どうせ怪物の仲間だ。殺しちまうか。」
「イヤー!」「助けてー!」「お姉さまー!」
「よくも私の妹たちを…!死になさい!」
「ぐわー!」
「ありがとうお姉さま!」「これ、取ってきたの!」「ほめて!」
「よしよし、いい子いい子。」
またある時―
「お嬢さん。ここら辺にメドゥーサという怪物がいるそうなんだ。
どこにいるか知らないかい?」
「メドゥーサは私たちの姉よ!」「お姉さまを売るもんですか!」
「帰りなさい!」
「下手に出ればいい気になりやがって…!」
「お姉さまー!」
以下略
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ふふっ、思い出しましたか?自分たちがいじめられていたときのことを。」
…………こいつら昔からいじめられっ子体質だったのね。
今でも割とよく泣きついてくるぞ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ザマ”ナ”-!!リッパーにおやつとられたあ”-!!」
「こら!僕のやるから返してあげなさい!ほら、あやまって!」
「ごめんなさい…。」
「な、何よこいつ…や、やる気?!本気出せばあなたなんて…。」
「バウッ!」
「ピャッ!サマナー!」
「あー。ほらほら大丈夫だから。なんで悪魔と戦うのは平気なのに
犬はダメなんだ…。」
「サササマナー。い、一緒に寝てあげてもいいわよ?」
「断る。寝る前にホラー映画なんか見るからだろ…。姉妹で寝ろよ。」
「うっ、ぐすっ、ひぐっ。」
「わかったわかった。ほら、入れよ。」
「あ”り”がと”-!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「な、何でばらすのよー!」「ひどーい!」「サマナーの馬鹿ー!」
「フフフ、ほらやっぱり。誰かに頼らないと生きていけない。
そんなあなたたちを守ってあげていたのに…。
どうしてペルセウスなんかに売ったのですか?ねえ?」
「それは…」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
少女たちは姉と同じであった。正確にはステンノとエウリュアレの二人の姉。
か弱く、一人ではたやすく傷つき、飢えて、死ぬ。
「誰かに守られなければ生きられない少女」
姉たちのように3人とも同じ存在で、そして、男たちに支配されるために産まれた神格。
しかし、姉たちとは違い、可憐というワケではなかった。
生まれからしていじめられ、嗜虐心を満たすために生み出された存在。
男の夢見る一つの理想であり、男の支配欲を満たすための存在だった。
しかし、いじめられすぎて精神が死なれてはこまる。
そこで神々はグライアイに目を与えた。それが魔眼。
それにより逃げることができた。それによりいっそう嗜虐心を、
支配欲を刺激しながらも。
姉たちにあったのはいじめられて逃げているときだった。
自分たちによく似ている。
そういわれて拾われた。そこからは姉に守られる日々が続いた。
形のない島に行くときもついていった。
そこでは幸せだった。時折いじめられても
だけど。
それでも
幸い魔眼があれば鳥だって落とせるし、
とは違って、木に登って果物を取るくらいのことはできた。
生きていくことができた。
あの日、
「すいません。あなたたちがグライアイですか?」
またか。とおもった。その男は
「メドゥーサの居場所を教えてほしい。人々を苦しめる怪物を対峙しに来た。」
といった。
「嫌よ。」「今は怪物になってしまっていてもあの人は私たちの姉よ。」
「姉を売るような真似なんてしないわ!」
そういうとペルセウスはいったん引いた。
その夜だった。ペルセウスは私たちの魔眼を編んでいる三位一体の冠を取った。
朝起きてそのことに気が付いて恐怖した。
あれがなければ私たちは元のか弱い、自分で自分を守ることのできない少女に戻る。
そして、ペルセウスがやってきた。
「…あなたたちの探し物はこれでしょう。もう一度聞きます。
メドゥーサの居場所を教えてください。」
従うしかなかった。あれがなければ身を守れない。
しぶしぶ姉の居場所を教えた。
「さあ!」「教えたわよ!」「返してちょうだい!」
それをこともあろうかあの男は、
「ええ、返します。ですがメドゥーサに来たことを告げられては困る。
しばらく預からせてもらいますよ。」
と言って走り去った。
私たちはそれを追いかけた。
「まって!」「それがないと!」「わたしたち!」
そしてついた先の湖に男は冠を投げ入れた。
湖を必死に探した。だけど深くて取れなかった。途方に暮れるしかなかった。
それから姉のところへ行くと手遅れだった。姉は殺されていた。悲しんだ。
食べ物は取れる。だけど身を守ることができない。
あの日、ねぐらへ帰る途中に獣に襲われて…。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
うつむいたままグライアイたちは顔を上げない。
「はあ、もういい。ここで死になさい。」
そういってメドゥーサは石化の魔眼でグライアイたちをにらむ。
「くうっ…!」
苦悶の声を上げるグライアイ。
そこで顔を上げた。
「
「それは言い訳できない。」
「だけど、お姉さまを愛しているわ!今でも!」
「言いたいことはそれだけですか…!」
メドゥーサはさらに重圧をかける。
「バムプレードー!エニューオー!デイノー!」
思わず駆け寄ろうとする。メドゥーサが鎖で威嚇してきた。
「邪魔を…するな!」
さらに重圧を強める瞳。ふと、グライアイを見ると泣いていた。
「ごめんなさい…。」「場所を言ってしまってごめんなさい…。」
「今更命乞いですか。あなたたちはそればかりですね。」
メドゥーサがグライアイに手を触れるぐらいまで近づく。
「
「……!」
「すぐにそばに行ってあげられなくてごめんなさい…。」
「そばで守ってあげられなくてごめんなさい…。」
この3姉妹は後悔しているのだ。
姉を守ってあげられなかったことに。
大好きな姉が死んでしまったことに。
死んだときにそばにいることができなかったことに。
「あの時すぐにお姉さまのところに行くべきだった。
なのに…。だからごめんなさい。」
「ふふふふふ、守る、ですって?今まで守られてきたあなたたちが?
笑わせてくれますね。」
そしてメドゥーサはグライアイに手を触れ、魔眼を解いた。
「…気が変わりました。あなたたちは殺しません。
人質にします。そちらの方々への。」
「ひゃっ!」「きゃあ!」「ぴぃ!」
グライアイをぎゅぅっと、しかし優しく抱きしめながらメドゥーサが言う。
やさしく頭とかもなでちゃってる。
……あの、すいません。人質にするとか全く説得力がないです。
どう見ても妹をいつくしむ姉の姿しか見えません。
つーかやっぱり姉馬鹿じゃないか!過去のことでちょっと拗ねてたけど
さっきの発言で全部許しちゃった系の姉馬鹿じゃないか!
「おっと。そこから先に進むとこの子たちの命は保証しませんよ?」
さらにぎゅうっと抱きしめる力を強める
「ちょっと」「苦しいわ」「お姉さま!」
「もう少し我慢してください。人質の自覚が薄いですよ?」
そういいながら微笑むメドゥーサ。
どうしよう。さっきがとてもシリアスだっただけにやる気がもりもり下がってくる。
「さあ、とっとと出て行ってください。いまなら見逃してあげます。」
こいつ絶対そのあとだんらんを楽しむ気だよ…。
仕方ない。空気を読まないようで少し心苦しいが、交渉だ。
メドゥーサ、そこの扉を開いてくれないか?
「なぜ私がそんなことを?それにこちらには人質がいるのですよ?」
この異界が発生していると人間が、ひいては世界が大変なことになるんだ。
「知ったことではありません。むしろ滅べばいい。」
滅べばそいつらともまた離れ離れになるぞ。
僕が死ねば契約が解かれ、現世にとどまることができなくなる。
そうなればまた別れることになる。頼むよ。このとおり。
そういって頭を下げた。
「かといって異界が滅べば私は世界の裏側、座のようなところに帰る。
どちらにしろ別れることになるのなら4人水入らずで過ごします。」
「ねえ、お姉さま。」「お姉さまも契約しちゃえばいいのよ!」
「そうすればずっと一緒にいられるわ!」」
「それは…。……。」
何やら考え出した。このままうまくまとまるといいんだけど。
「押し付けられたとはいえここの番人である以上戦わずしてそれはできません。
矜持のようなものです。」
ダメか…。こうなれば仕方ない。
「お姉さま…。」
グライアイがメドゥーサを見つめる。
「下がっていなさい。」
くそっ!結局こうなるのかよ!
メドゥーサが斬りかかってくる。仕方なく剣を構える。
早い!3次元的な動きをしながらこちらに迫ってくる!
しかし、動きは直線的でわかりやすい!斬りかかってきたところを切り返した。
「ぐわー、やーらーれーたー。」
……は?
「完膚なきまでにやられました。仲魔になるのでどうか命だけはお慈悲をー。
というワケでよろしくお願いします。」
こいつこんな猿芝居で…。
「もともと押し付けられて乗り気じゃなかったんですよね。
それに戦って負けて仲魔になったのでセーフです。」
…ああ、そう。お前がそれでいいならもういいよ…。
奥にある扉が開く。これで開いちゃうんだ…。
宝箱を開けると欠片が入っていた。
欠片を取ると、つなぎ合わせてみる。すると、ハムサが完成した。
…あれ?完成したぞ?
じゃあもう一つのボス…バロールの宝箱には何が入ってるんだ?
「わからないわ。けどこれで異界の主のところへは乗り込めるわ。
どうする?マスター?」
しばらく考える。
…なんだか怪しいな。バロールにも挑んでみよう。
方針を決めてバロールのところへ向かうことにした。
「ふふふ…。」
姉馬鹿状態のメドゥーサを仲魔にいれて。
ペルセウス君はメドゥーサを退治するために、かわいそうだと思いつつもやりました。
メドゥーサを退治できなければ無辜の人々が死んでしまうから。
あとついでに、魔眼とグライアイがどういう存在かも知りませんでした。
これが精いっぱいのフォローです。
ちなみに異界の主だけどこれだけヒント出せばみんなわかるよね!
ゴッドイーターにも出てるあれだよ!
ここだけの話、出てくるのはゴルゴーンでグライアイが
ゴルゴーンに食らわれることによって姉二人と内側から影響をおよぼし、
メドゥーサになって仲魔になるという展開もあったんですけど5秒で没に。
俺にはそんな話しは書けない…。