fate×メガテンもの(旧名・間桐慎二のデビルサマナー(短編))   作:メガテニスト(偽)

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突然の視点変更!

8/26日設定変更。タマモキャットと契約を結ぶ奴の変更。凛ちゃんになりました。

ちょっとした小ネタ。

部屋で掃除をしているとテーブルの上に何やら雑誌が置いてある。
どうやらタマモが置いたままにしていたようだ。
この前のたまも倶楽部とはまた違う雑誌らしい。今度は結婚雑誌のようだ。
前のアドバイスを聞いた結果だろうか。…ちょっと覗いてみようか。

そう思って雑誌を手に取る。雑誌のタイトルは「Foxy」。フォクシィと読むのだろうか。
とりあえず目次を開いて読んでみる。

1pから100pくらいまではアンケートとか付録のこととかである。
付録は多機能3way洗濯ネット。どっかで見たことのあるやつがプリントされている。

120p~ムダなし!後悔なし!結婚のお金納得の使い方SPECIAL
おお。結婚雑誌らしい。中身をちょっと拝見したが、まあ普通の内容だった。

156p~結婚準備「やらなくていいこと」「やったほうがいいこと」
   ゲストの本音で徹底検証
まあ、これも無難そうだ。開いてみると、
…なんかゲストのイニシャル見覚えあるんですけど。
まあいい、肝心の中身は…。
…暗黒イケモンを事前に排除、もしくは徹底的に関わらせないように閑職に回す。
とか書かれている。どんな状況だ。

なんか読み進める気力が減ったけどここまで来たら見ておくか。

162p~おすすめ引出物作成!旦那に近づく女を遠ざける呪術引出物の作り方

おーっと、なんかタイトルからして怪しくなってきたぞー?
中身もなんか人から好意を寄せられやすくなる呪物の引出物の作り方とか書いてある。
旦那に近づく女に対して不眠症を誘発させる引出物の作り方とかも書いてある。
祝いの席でそんなもの配るな!

168p~いっしょにいても、離れていても、ほっこり幸せ。
   “こっそり❤”ペアアイテム25
よかった。持ち直した。えーっと中身は…
…やっぱりアウトじゃないか!盗聴用、盗撮用ペアアイテムとかってなんだ!
そんなもんこっそりって犯罪じゃないか!
例としてペアの服にこっそり互いの髪をまぜておくなどである。
…ふと顔を思い出させる呪術ペアアイテムはまだかわいらしいとは思うけど。

他にも特集があった。おすすめハネムーンスポット、おすすめ結婚指輪…。
そのどれもがなんか呪術にじみ出ていた。それらを飛ばして最後の特集は…。

大特集!旦那に婚姻届けを押させる方法大百科!
それが50pくらい書かれていた。前半はまだ料理で振り向かせるとか、健全なのだった。
問題は後半である。大半が既成事実を作るやり方だった。
どうやってベッドに連れ込むかが大半だった。
これ結婚するやつの雑誌じゃねーのかよ!

そして最後のページには婚姻届けが付いていた。
なんでも魂の婚姻届けらしい。全部記入してサインすると
自動的に燃えて契約がなされるとか。

僕はそっと雑誌を閉じて掃除に戻った。






凛ちゃんの大冒険!わんにゃんフェアリー大戦争! Part3! 8/26 設定変更。

いつもの朝。なんだかグライアイが楽しそうにしている。

エニューオーに聞いてみると、

 

「今日お姉さまが遊園地に連れて行ってくれるの!」

 

輝かんばかりの笑顔である。

へー、よかったな。

 

「うん!」

 

というとても元気なお返事をもらった後、

またいそいそと着ていく服とかの準備に戻っていくエニューオー。

そんな時バロウズの、

 

「異界の発生を確認したわ。場所は新都方面。範囲が広いわね。」

 

という空気を読まない発言があった。

いや、空気を読んでないのは異界を発生させた悪魔か。

とりあえず準備していたメドゥーサとグライアイのほうを見てみると、

グライアイは気づいていないがメドゥーサは聞いていたらしく、

こちらをガン見していた。

思わず目をそらしたけど、言わないわけにもいかない。

グライアイを呼んだ。

 

「なあに?」「どうかした?」「なにかあったの?」

 

「……異界発生したけどバロウズの新アプリでレベルが低いことはわかってるから、

 僕たちだけで解決してくる。お前らは楽しんでくるといいよ。」

 

「ええー?」「いいの?」「だいじょうぶ?」

 

「心配しなくても僕たちだけで何とかなるレベルだから!気にせず行ってこい!」

 

「わかったわ!」「ありがとう!」「がんばってね!」

 

異界の発生を聞いた時、顔を曇らせていたけど気にせずに行ってこいでまた笑顔に。

タマモがそばに寄ってきて、

 

「いいんですかぁ?そんな嘘ついて?」

 

僕には…あの笑顔を曇らせることはできない…。

 

「そんなこと言ってメドゥーサさんの視線が怖いだけじゃないんですか?」

 

それも一つの理由なのは否定できない。

だってやばい、あれやばい。瞳孔ひらいてたもん。くわっとしてたもん。

メドゥーサさん、目ぇこわっ!状態だったもん。

 

「文字通りの蛇にらみでしたね、あれ…。」

 

あいつはいってきてまだ日数立ってないからかなんか好感度低いんだもん。

サマナーの命<グライアイの幸せ ってくらいの好感度だもん。

まあ、グライアイの笑顔を曇らせたくないってのも理由だよ。

ようやく姉妹の一人と出会えたんだ。それまでを取り戻すのを邪魔したくないし。

…まあ、死ななければいいだけの話だ。ついでに戦闘人数が多すぎて、

消費がきついのもあるし。

 

「ふーん、ま、いいですけど。」

 

と、タマモは離れていった。

…そういえば異界に行ってる間のマグネタイト供給どうしよう。助けて!バロえもん!

 

「それなに?マスター。…マグネタイトを最初にかなり送っておけばいいわ。

 戦闘をしない限りは消費も多くならないし、

 無くならないうちに戻れば問題ないわ。」

 

なるほど。じゃあそれで。

 

「ただし、なにかマスターの代わりに依り代となるものがいるわ。

 できればマスターの体の一部とか、普段身に着けているものとかがいいわね。

 …服とか、髪とかがいいんじゃないかしら?」

 

「あ、じゃあ私にもらえます?髪。」

 

いきなり出てくるな!びっくりするだろ!で?何に使うつもりだ?

 

「サマナーの身代わりに使う人形を作るんですよ。髪を使った人形なら髪単体よりも、

 依り代としての効果は高いはずです。」

 

そうなのか。じゃあ頼む。

 

「はーい、任されましたー。じゃあ、ちょっきんと。」

 

…いきなり髪を切られた。それはもうざっくりと。いともたやすく、えげつなく。

おおお、おまえなぁ!

 

「あ、ちょっと動かないでください。いま動かれるともっと変な髪形になりますよ。」

 

ぐっ。そういわれると止まるしかない。つーか床に髪がこぼれるだろ!

 

「そこはご安心。呪術でホイホイっと1本も逃さず集めますから。」

 

そういいながら髪を切っていくタマモ。結構な量が切られた。

 

「これでよし、と。じゃ、軽く作ってきますね。」

 

そういって部屋に引っ込んだ。と思ったらドアから身を乗り出して、

 

「けっして、のぞかないでくださいね…。」

 

などと言っている。お前狐だろーが!

 

とまあ、こんな騒がしい朝の出来事があって、異界に突入したのであった。

異界で出てくる悪魔はほんとにそれなりにレベルが低かったので、

衛宮のレベル上げもかねて基本的に衛宮が戦うことにした。

そして、探索しているうちに、遠坂嬢がやられそうになっている場面に会い、

今に至る。

 

 

 

自己紹介すると、目の前の少女は一瞬止まって、何事もなかったかのように、

 

「私の名前は遠坂凛よ。よろしく。」

 

と言ってきた。

遠坂…桜の元実家じゃないか。聖杯戦争御三家がこれで2人デビルサマナーになるとは。

いや、そもそも魔術師の子供ばっかデビルサマナーになるなあ。

そんなことを考えていると、

 

「なにをしている?挨拶は済ませたのか?…む?」

 

奥からなんか全身タイツの女の悪魔が出てきた。

 

「げえっ!?師匠!?」

 

なんかクーフーリンが驚いている。あいつの師匠って確か…。

 

「スカサハね。影の国の女王で、武芸の達人。ゲイボルクをクーフーリンに授けたのも

 彼女よ。」

 

ふーん。解説を聞いていると二人は話し始める。

 

「げえっ、とはなんだげえっとは。まるで会いたくなかったみたいだが?」

 

「き、気のせいだろ…。それよりもなんであんたがここにいるんだよ?

 影の国から出られないはずだろ?」

 

「これは分霊だ。私本人は影の国にいる。まあ、触覚のようなものだ。

 本来なら分霊なぞ作れぬが、

 世界の異常により分霊を作りここに送り込むことができた。」

 

「そうじゃねえよ。わかってんだろ?」

 

「…ここに来た理由は、呼ばれたからだ。マナナン・マクリルにな。

 あやつは幽閉される前に足掻きとして我らを呼びだした。

 退屈しのぎにはなるかと思い、手を貸しているだけだ。」

 

「なるほどね。にしてもマナナン・マクリルが幽閉?誰にだよ?」

 

「お前の父、ルーだ。」

 

「お、親父がぁ!?親父がここにいんのかよ!?」

 

「あやつがここにいるのか。しかもマナナンも。これは面白くなってきたな。」

 

「ああ。ま、詳しいことは我らの拠点で話そう。ついてまいれ。」

 

そういってスカサハは歩き始めた。それについていく。

歩いている途中、思いつめた顔をしていた遠坂がこちらに近づいて、

こっそり話しかけてきた。

 

「ね、ねえ、桜は元気にしてる?」

 

どうやら桜のことが心配らしい。…どう答えたものか。

 

「1年ちかく家に帰ってないからわからない。」

 

「はあっ!?ちょっとそれってどういう…!」

 

思わず大声を上げる遠坂。みんながコッチを見てるのに気が付いて、

コホンと咳払いすると、

 

「それで、帰ってないってどういうことよ?」

 

「家出した。マンションに住んでる。」

 

なんか目が冷ややかなものになってくる。

 

「あなた…魔術を捨てたの?魔術師の家系のくせに?」

 

「僕に魔術回路はない。後継者は桜になるだろうよ。僕はいらない子だってさ。」

 

遠坂の目が驚きに満ちたものになる。

 

「じゃ、じゃああなたどうやって悪魔を使役してるのよ!?」

 

「これでだけど?そもそもマグネタイトを扱うのには魔術回路いらないし。」

 

スマホを取り出すとジーっと見つめている。

 

「こんなのでできるの?」

 

「悪魔召喚プログラムがあるからな。」

 

「悪魔召喚プログラムぅ?なによそれ。」

 

ざっとした説明をすると、

 

「そんな便利なものがあるのね。私はこれよ。」

 

と宝石を取り出してきた。これから召喚するらしい。

なんでもこれに召喚するための情報が書き込まれているとか。

バロウズが割り込んできた。

 

「その方式だと1,2体しか同時に召喚できないわね。

 その代わりマグネタイトの扱いによって機械式ではできないこともできるわよ。」

 

「びっくりした…。あなたなに?」

 

「私はバロウズ。このスマホにいる使い魔のようなものよ。よろしくね?お嬢さん。

 それで、その方式でできることだけど…。」

 

バロウズが説明を始めたのでスマホを渡して離れる。

そのうち広い場所に出た。城があって町がある。

 

「ついたぞ。ここが我らの拠点だ。あの城で詳しい話を聞くがいい。

 私はここで失礼する。凛は私とともに来い。それとクーフーリンも後で来い。」

 

「はっはっはっ、ぜってーいかねえ。」

 

「逃げても無駄だぞ。久しぶりにたっぷり稽古をつけてやろうではないか。」

 

「まじかよ…。」

 

「案内いたしますにゃ。こちらでございますにゃ。」

 

遠坂とスカサハと別れて城へとケット・シーに案内される。

どうやらここは猫の王国らしい。なんだかファンタジーの異世界に来た気分だ。

かなり今更だけど。

 

「なんていうか、かなり生活感あふれてるな。みんな幸せそうだ。」

 

「キャメロットもこんな感じでした。いやあ、なつかしい。」

 

衛宮とアコロンがそんなことを話している。

 

城についた。門を潜り抜け、豪華な部屋に案内され、大臣らしき猫から説明を受ける。

なんでも、ルーは犬の軍勢を率いてこの猫の王国にクーデターを起こしたらしい。

猫の国の王様がマナナン・マクリルでもともとは一緒に統治していたのがある日突然、

っといった感じで、マナナンはどこかに幽閉されたらしい。

幽閉される前に呼び出したのがスカサハやほかの悪魔で、

今は猫の王国に協力しているとのこと。

 

説明が終わったところで疑問がある。

 

なんでマナナン・マクリルは猫と犬の王国を作ったんだ?

それに異界を作ったのはマナナンなのか?

だとしたら殺されたんじゃなくて幽閉されたのもわかるけど。

 マナナン・マクリルに猫に関する伝説なんてなかったはずだ。

 

「さてな。あいつのことだからろくでもない理由でやってそうではある。」

 

というバロール。

え?なに?ろくでもないやつだったの?

異界を作ってる時点で割とろくでもないか。

 

「お願いしますにゃ!我が猫の王国をお救いくださいにゃ!」

 

救うって言ってもな…。

 

「別にいいじゃないか慎二。」

 

衛宮に小声で話しかける。

一応言っとくが救ったところで異界が消滅したらここも消えるんだぞ。

 

「あ、そっか。…でもほっとけない。何が起きているのか調べるためにも

 ここは協力したほうがいいだろ?」

 

まあ、ルーと戦うのに猫の軍勢が付くのはありがたいけど。

……わかった。協力しよう。

 

「おお!本当でございますか!ありがとうございますにゃ!

 では我らに協力していただいている方々のもとへご案内しますにゃ。

 その方々と契約していただくことにより、

 力を最大限発揮できるようにしてほしいのですにゃ。」

 

その時、ドアがノックされ、

 

「お茶菓子をお持ちしたのだな。」

 

という言葉とともに返事も待たずになんか入ってきた。

 

「おお!ネコマタ殿、ありがとうございますにゃ。

 こちら、家庭的なネコマタ殿。我らに協力していただいておられる方の

 おひとりでございます。とても家事が得意なのでございますよ。

 …おや、どうされました?…おお!そう言えばそちらのタマモ殿にそっくり…。」

 

入ってきたのはどうみても犬の手足と尻尾をつけたタマモであった。

あれでネコマタとか無理があるだろう…。

 

「むむむ、そなたはオリジナルではないか。ここであったが百年目!サインくれ。

 ファイトはその後だワン!」

 

ワンって言っちゃったよ。キャラがつかめない。

 

「げえっ!タマモキャット!なぜあなたがここに!?」

 

「呼ばれて飛び出てわわわわーんなのだ。2足歩行の猫より犬のほうがハント魂が

 くすぐられるゆえな。」

 

そんな理由なんだ…。呼ばれたってマクリルにか?

 

「キャッツ。手足のつながりからなのだ。」

 

どんなつながりだ。

とりあえずこっちには戦う理由なんてないぞ。それに僕らは味方だ。

 

「そうなのか。ならばよし!この場は丸っと収めるとしよう。

 もうすでに契約したご主人がおるゆえ、我はここで。

 いつもヘロヘロなご主人のために気力を充電する料理を作らねばならぬゆえな。」

 

そういってタマモキャットは嵐のように去っていった。

 

 

気を取り直して案内される。

案内されたもとにいたのは騎士と白いローブをかぶった魔術師だった。

―騎士はこちらを見るなりいきなり二つの剣を抜きアコロンに斬りかかってきた!

 

アコロンは持っていた剣で騎士の剣を受け止める。

 

「おい…てめぇ。だれだかしらねぇがなぜその剣をもってやがる。」

 

「いきなり斬りかかっておいてそれですか…!せいっ!」

 

アコロンは騎士をはねのけた。下がる騎士。

 

「おい。もう一度聞く。なんでその剣を、アーサー王の剣、

 エクスカリバーを持っていやがる。」

 

アコロンは顔を曇らせて、エクスカリバーに目を落とし、

 

「…なぜこの剣がまた私のもとにあるのか、私にも…わかりません…。」

 

と消え入りそうな声で言った。

 

「あん?なんだそりゃ。まあいい、どうせ盗んだかなんかしたんだろ。」

 

「おい!お前!誰だかわかんねえけどアコロンを悪く言うな!」

 

士郎が食って掛かった。

 

「ああん?なんだガキ?これは俺とあいつとあいつの持っている剣の問題だ。

 関係ねえ奴はすっこんでろ。」

 

「関係なくなんかない!俺はアコロンのマスターだ!」

 

「シロウ…。」

 

「あいつのマスターだぁ?はん。なるほどね。その剣持ってガキの子守か。

 いい身分なことで。それはそれはさぞかし立派な騎士様なんだろうよ。」

 

皮肉気に騎士が嘲笑する。

 

「てめぇ…!ガキの子守なんかじゃない!

 それにいっしょに戦ってくれる立派な騎士だ!笑うな!」

 

「一緒に戦うだぁ?てめぇがか?おいおい、あんまり笑わせるなよ。

 そのナリで何ができるってんだよ?どうせ後ろで見て応援してるだけだろ?

 がんばれー、まけるなー、ってな。」

 

「なんだと…!」

 

「そこまでです。これ以上私のマスターを侮辱するのはやめてもらいましょう。

 それと、先ほどの言葉、取り消してもらいましょうか。

 シロウは私と共に戦う立派なマスターです。」

 

「やだね。どうしてもっていうんなら力ずくできな。できるもんならな。」

 

「いいでしょう。その決闘、のった。」

 

なんだか決闘する流れになっちゃったぞ。

 

「これだから男の子ってやつは…。」とタマモ。

 

「いやあねえ、まったく。」とヴィヴィアン。

 

「喧嘩はよくないですよー。」とパワー。

 

「いいじゃねえか。好きだぜ。このノリ。」とクーフーリン。

 

「ほんと、ベイリン卿は血の気が多いなあ。」と…誰だあんた?

 

「これは失礼。私の名前はマーリン。この猫の王国に協力している魔術師だ。

 君たちを待っていたよ。」

 

待っていた?それってどういうことだ?

 

「いまこの世界…現実で起こっている異界の発生する理由は私も把握している。

 ついでに君がそれを拾わなければ即座にこの世界が消えていたことも。

 世界が終わるか終わらないかがかかっているし、君たちを手伝おうと思ってね。

 それで異界に出れば君たちが来るだろうと踏んで待っていたのさ。」

 

え?スマホ拾わなかったら即座に世界滅んでたの?何それ怖い。

つーかそんなこと聞いてなかったぞ、バロウズ。

 

「…見かたを変えれば、すべての元凶があなたにあると思い詰めるかもしれないと

 思って黙っていたの。ごめんなさい。」

 

…そっか。それならいい。許す。

 

「おっと、決闘がはじまるみたいだよ。」

 

みると、両者が剣を構えてにらみあっている。そのまま動かない。

と、ベイリンが動いた。

 

「どうした?そっちが来ねえんならこっちから行くぜ?…そらぁ!」

 

とアコロンに接近し、右手に持った剣をふるう。

アコロンはそれを受け流し、反撃する。

しかし、それはベイリンが左手に持った剣で受け流されてしまった。

さらに踏み込んでけりを入れるアコロン。ベイリンは後ろに跳んでそれを避けた。

 

「まだまだいくぜぇ!」

 

続く、ベイリンの連撃。アコロンはそれらをひとつづつ丁寧に対処していく。

剣と剣がぶつかり合う。打ち合う騎士たち。

時に斬撃を甲冑で受け流し、時には転がって回避し、蹴りも使う。

一進一退の攻防を繰り広げていた。

ベイリンは2つの剣を巧みに使い、攻撃に、防御に、隙を見せない。

アコロンはその中で丁寧に対処し、隙を作り出し、果敢に攻めていく。

 

何十合も打ち合って、アコロンが仕掛けた。

ベイリンの剣を受けると同時にさらに踏み込んで懐に入り体当たりを食らわせる。

たたらを踏んだベイリンにさらに剣をふるう。

ベイリンはそれを後ろに跳んで避けた。アコロンが剣を突き付ける。

 

「さあ!降参しますか?負けを認めるならマスターへ謝罪してもらいますよ!」

 

「へっ、だれが負けを認めるか!まだ本気を出してもいねえぞ!

 …できればあれは使いたくなかったんだがな…。」

 

ベイリンは右手に持っていた剣を放り出すと、

近くの木に立てかけてあった剣を取った。

 

「おーい、ベイリン卿ー?それはあまり使わないほうがいいんじゃないかなー?」

 

「うるせぇ!本気も出してねぇのにやられっぱなしで黙ってられっか!」

 

ベイリンは剣を抜いて構えた。なんだか禍々しい感じがする剣だ。

 

「いくぜ…!最も優れたる蛮人の剣(サベージウィズトゥーソード)!」

 

より禍々しさを強めた剣でベイリンはアコロンに斬りかかった。

明らかに先ほどよりも早い!アコロンは剣で受けるがたたらを踏んでいた。

なるほど、さっきよりも早く、力も強くなっているのだろう。

それゆえ力加減を誤ったということか。

先ほどよりも素早く、重い剣の連撃にアコロンは防戦一方になってしまった。

受けることはできるが、反撃する余裕もない。じりじりと後退していく。

 

「そらそらそらぁ!どうした!もうおしまいか!?」

 

「くっ…!」

 

じわじわと傷を増やしていくアコロン。ついにベイリンの繰り出した蹴りを

まともにもらい、後ろに吹き飛ばされ、倒れる。

頭にベイリンの追撃が迫る。アコロンはすぐに転がってそれを避け、

体勢を立て直そうとするが、すでにベイリンは剣を振り上げていた。

 

「しめえだ。」

 

剣が振り下ろされた。

―衛宮が叫んだ。

 

「負けるな!アコローン!」

 

剣がアコロンの頭をとらえる直前。アコロンは突如ものすごい勢いでベイリンに

体当たりを食らわせた。

それでも剣をふるったが剣はアコロンの肩をとらえ、鎧にはじかれる。

ベイリンは吹き飛んだものの空中で体勢を整え、地面に両足をつけ踏ん張る。

 

「ちっ!?今何しやがった…!?」

 

ベイリンが構えなおした瞬間、アコロンはまるで吹っ飛んだかのような加速で

ベイリンに接近して剣をふるった。

 

「なっ…!?」

 

それを防ぐベイリン。だが剣ごと持っていかれそうな剣戟に反撃ができない。

そして立て続けざまの連撃により、今度はベイリンが後退しながら

受けることしかできなかった。

一撃ごとに体勢を崩してくるその剣戟に反撃することもできず圧倒される。

ベイリンほどであるならば。しばらくすれば慣れるであろうそれも、

今は怒涛の瀑布のような勢いでベイリンを飲み込まんとしていた。そして。

 

「グッ!?まずっ…!?」

 

両剣をしたからかちあげられ、致命的なまでに体勢を崩したベイリンの胴に、

剣が横なぎにふるわれ、その胴を両断…

 

 

 

 

「おい、てめぇ。なぜとどめをささない?こっちは殺す気でやったんだぞ。」

 

しなかった。剣はベイリンの胴ぎりぎりで寸止めされていた。

アコロンは、

 

「いまはこうしてマスターへの侮辱を返上させるため決闘していますが、

 我らは猫の王国を共に守らんとする同士。同士討ちするなんて馬鹿らしいでしょう?

 それに、あなたの命を取ったところでマスターは喜ばない。

 …これでもあなたが負けを認めないのであれば話は別ですが?」

 

と返し、ベイリンは、

 

「わかったよ。認めるよ、認めりゃいいんだろ?」

 

といって、剣をおろした。アコロンもそれを認めると剣をおろした。

そしてベイリンは士郎とアコロンに向かって、

 

「悪かったな。だがさっきの言葉は取り消さねえ。」

 

「な!負けを認めるのでしょう?!」

 

「だがそいつの実力を認めたわけじゃねえ。まだ見たわけじゃねえしな。」

 

「貴方ねぇ…!」

 

「いいんだ、アコロン。そいつの言うとおりだ。アコロンの実力しか見せてない。

 そんなので俺の実力を見せたなんて言わない。

 だからさ、今度は俺の実力を見せてやるよ!次の戦いで!

 だから、俺と契約してくれ!一番近くで見れるように!」

 

「はっ!おもしれえ!いいぜ、その提案、乗った!俺はベイリン!よろしくな、

 ええと…。」

 

「士郎だ!士郎でいい。よろしくな!ベイリン!」

 

「おう!分かったぜ!シロウ!」

 

やれやれ、うまくまとまったようだ。

 

「なんか少年漫画的なノリで解決しちゃいましたねえ…。」とあきれるタマモ。

 

「ほーんと、こういうの好きよねえ、男の子って。」とヴィヴィアン。

 

「なにがともあれ無事解決してよかったです!」とパワー。

 

「やれやれ、終わったみたいだねえ。」

 

マーリンがそんなことを言うと、ベイリンが近づいてきて、

 

「おい、マーリン。ちょっと面貸せや。な?

 ちっとばかし聞きたいことができたからよぉ?」

 

と言ってマーリンを連れて行ってしまった。

 

「それにしてもあんなの隠してたなんてずるいぞ、アコロン。」

 

「いやあ、シロウが叫ぶと同時にものすごい力が送られて、

 その時に、あれの使い方が頭に思い浮かんだのです。

 魔力を風に変換して放出する方法が。同時にそれに合わせた剣技も。

 あれは何だったんでしょうか。」

 

「へー。どうしてだろうな?あれ?アコロン。お前傷治ってる?」

 

「あ、本当ですね。どうしてでしょう?」

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

ベイリンがマーリンに詰め寄る。

 

「おいてめぇ、あれはどういうこった。ありゃ風を放出して加速してんだろ?

 あれと同じのを見たことがある。

 おんなじ剣…聖剣エクスカリバーを使うもの、アーサー王。

 ありゃアーサー王と同じ戦い方だ!ご丁寧に剣技までそっくりときた!

 それにどことなくアーサー王に似ていやがる!

 こいつはどういうことだ!魔術師!」

 

「痛い痛い。もうちょっと優しく。」

 

「ふざけてんじゃねえぞ、こら…。」

 

「わかった。わかった。はなすよ。

 …アコロンはね、アーサー王より先に作られたんだ。」

 

「おい…、それって、まさか?!」

 

「アコロンはね、アーサー王のプロトタイプ。

 出来損ないの、アーサー王になれなかったものだ。

 つまり、アーサー王の実の兄さ。」

 

ベイリンは唖然としている。マーリンはそれを気にせず話を続ける。

 

「最初、アコロンを作り出したとき、竜の因子が発現しなかった。

 彼では赤い竜の化身たる理想の王になれない。

 アーサー王の魔力放出は竜の因子によるものでもあるし、

 魔力を作り出すこともできず、エクスカリバーを放つこともできなかっただろうね。

 だから生まれたときに失敗作と分かった。

 それゆえ、万が一に備えて魔力放出とか封印した後、

 何も知らせずに騎士の家に預けた。生まれてしまったものは仕方ないからね。

 まあ、彼の失敗があったからアーサー王は失敗せずに生み出せたともいえるけど。

 だからこそ予想外だったよ。モルガンがアコロンを恋人にして、

 王位に立て、その王妃として統治をしようとしたときは。

 何せまぎれもなくウーサーの息子だ。正当な王位継承権はある。

 いやあ、あの時は本当に焦った。どうしようかと頭を悩ませたぐらいだ。

 ま、モルガンがエクスカリバーを奪ってくれたおかげでそれも解決したけど。」

 

マーリンはなおも立て続けにしゃべる。

 

「今の彼は契約しているマスターに埋め込まれているものと、彼の特性から、

 パスを通じて流れ込んだものによってそれが覚醒してしまったのだろう。

 完全に予想外だ。とはいえ、マスターがいなければこんなことできないけどね。

 …本当なら、生前の彼なら、こんなことはできない。

 驚いたね、まさか死後に成長し、強くなるとは思わなかった。

 これも、彼が英霊になれるほどではなく、幻霊としてさ迷い歩いていたからだろう。

 こんなこといままで千里眼で見てきた中でも初めてだ。

 今の彼の素質ならアーサー王になれるんじゃないかな?

 まあもう死んじゃってるけど。」

 

長い沈黙が二人を包む。

ベイリンはやっと口を開き、

 

「そうかい。」

 

というと踵を返した。

 

「おや?もういいのかい?罵倒の一つは覚悟したんだけど。」

 

「聞きたいことは聞けたからな。」

 

振り返らずにそういってベイリンは歩きだした。

 

「そうか、なら何も言わないでおこう。」

 

とマーリンはそれについていった。

 

 

 

 




マーリン「アコロンゥ! 何故君がエクスカリバーを使えたのか
     何故魔力放出が使えるのか
     何故アヴァロンを使えるのくわァ! (それ以上言うな!)
     ワイワイワーイ その答えはただ一つ… (やめろー!)
     アハァー…♡
     アコロンゥ!君がアーサー王のプロトタイプだからだぁぁぁぁぁ!
     アーハハハハハハハハハアーハハハハハハハハハ!!!」

アコロン「僕が……アーサー王のプロトタイプ……?」


アコロン君の容姿はプロトアーサーと同じです。

アコロンの死因にはこの小説ではマーリンも関わっています。

そして、ベイリンはアコロンの死因を知りません。
知ってしまったら、トラウマスイッチが入って、ダーマス、オンズレイク、
モルガン、マーリン、関わったものを即座に殺しにかかります。
(主に兄弟が互いにそれと知らずに殺しあうというシチュエーションがトラウマ。
 しかも状況が似ている。(違う鎧来ててわからなかった。))
それが主君がやらされたのだから怒り心頭。

アルトリアさんがアコロンが実の兄だと知るとかなりへこむでしょうね。
なんせ知らないとはいえ実の兄を殺したのだから。
まあ、ケイ卿殺すよりかは精神ダメージ少ないでしょうけど。

以下小ネタ2本目。

士郎「紹介するよ。こちらセイバー。仲良くしてやってくれ。」

セイバー「…」トリスタン「…」ガウェイン「…」ベディヴィエール「…」
ランスロット「…」ベイリン「…」ガレス「…」モードレッド「…」
アコロン「えっと…アハハ…」マーリン「空気が重いねえ。」

士郎「……えっと、俺、夕食作ってくる。」
ガレス「あっ!私も手伝います!」
ガウェイン「それでは私も!」
ランスロット「待て、ガウェイン卿。たまには私が行こう。座っていたまえ。」
トリスタン「マスターは人の心がわからない…。」
アコロン「お久しぶりです。アーサー王。」
セイバー「…久しぶりですね、アコロン卿。」
マーリン「かたいなあ。せっかくの兄弟の再会なんだからもっとさぁ。」
セイバー「え?」アコロン「え?」他の円卓「え?」
マーリン「あ…。」

この後、円卓会議という名の尋問を受けたマーリンは洗いざらいはいた後、
円卓リンチを受けましたとさ。

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