ちょっと田舎で暮らしませんか?   作:なちょす

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※オリジナルストーリー、サザエさん時空方式で行きます。
 初投稿なので拙い文章や誤字脱字等もあると思いますが、
 その際はありったけの憎しみを込めて教えて頂けたら幸いですので、
 何卒よろしくお願い致します。


再会の夏
実家帰りと再会の夏


『お盆ってのは、特別な日なんだよ。』

 

 

 

それを聞かされたのは、もう何時の事だったろう。

 

懐かしい話を思い出しながら、車窓の向こうに広がる景色をぼんやりと眺める。

 

 

「もう十年、か…。」

 

 

ぽつりと独り言を呟きながら、一定のリズムを刻んで伝わってくる電車の音が心地良い。

 

僕は島原 夏喜。今年で22歳になる社会人見習いだ。今電車に乗って向かっているのは、

僕の生まれ育った町、静岡県の内浦。

育ったと言っても半分くらいは引っ越してから東京で過ごしてるわけなんだけども…。

平凡な顔つきに、ハイスペックとも言えない運動能力。

『平凡な』と言いながら何でもこなすようなライトノベルやアニメの主人公とは程遠い凡人だ。

 

そんな凡人が故郷へ帰っているのは母から一通の電話があったから。

 

『お爺ちゃんの家、取り壊されるんだって。』

「…嘘でしょ?」

 

昔からよく遊びに行っていたミカン農家の爺ちゃんの家。

色んなことを教えてもらった爺ちゃんは三年前に他界、大泣きした覚えがある。

恥ずかしながら爺ちゃんっ子だったからね。

 

「なんで壊されることになったのさ?」

『もう住んでる人もいないし、今まではお爺ちゃんの知り合いの人が色々やってくれてたんだけど、皆高齢で厳しいって連絡がきたのよ。』

 

それもそうか。昔馴染みって理由で本人の居ない家を守ってくれていることの方が珍しい。

 

『うちとしても、お爺ちゃんの家を簡単には壊したくはないんだけどもあまり面倒を見れないのも事実だし…』

「…もし、さ。誰か住むことになったら壊さなくてもいいんだよね?」

『それはそうだけど、なんで??』

「僕が住むよ。内浦には昔馴染みもいるし、爺ちゃんの家が無くなるのは僕も嫌だから。」

『そう…分かったわ。こっちで色々手続きはしておくから一週間後には向こうへ向かって。…ありがとね、なつ君。』

 

そんな事があり、電車に揺られながらも無事沼津駅に到着。

 

「んーっ、やっぱここは気持ちいいね!」

 

電車を降りた後、大きく伸びをしながらながら感慨にふける。

 

「さて、ぼちぼち向かうとしますか。…どうやって行くんだっけ?」

 

10年とは非情なり。

いくら大好きな街でも子供の頃は移動手段なんて気にしてなかったから、困ったことになった。

携帯は電池切れ。どうしたものかと唸りながら屈んでいると、

 

「あの…大丈夫ですか?」

 

ふと顔を上げれば、見知った女性が居た。

 

「し…しまねぇ…??」

 

 

 

 

 

 

「ふふふ、まさかナツ君が内浦まで来れなかったなんてね。」

「いやぁ、ホントにお恥ずかしいところをお見せしました…。」

 

駅で声をかけてくれただけでなく内浦まで案内してくれたこの人は、高海 志満さん。

しまねぇって呼んでて小さいころからよくお世話になっていた人だ。ちなみに幼馴染のお姉さん。

彼女の家は昔ながらの旅館で『十千万』という。

 

「とりあえず上がっていって。お茶くらいなら出すから。」

「何から何まですみません。」

「ところで今日はどうしたの?観光ってわけじゃない感じだけど…」

「えぇ、実は…」

 

僕がここに来た理由を話そうとしたとき、ドタドタと廊下を走ってくる音が近づいてきた。

居間の扉が勢いよく開かれた為思わず顔を向けてしまう。

 

「しまねぇただいまーー!!」

 

特徴的なミカン色の髪の毛。

ぴょんと飛び出たアホ毛。

全然変わってないなぁ。逆に安心したよ。

 

「久しぶり、千歌ちゃん。」

 

そう言いながら彼女に近づくとびくっとして少し後ずさる。

 

「……。」

「あ、あれもしかして覚えてない…とか?」

「えーっと…ごめんなさい。どこかで見たことある気はするんですけど…」

 

どうしよう、完全に予想外の事で心にダメージを負ってる。

しまねぇは後ろで笑ってるし…。

 

「そ、そっか…こっちこそなんかごめんね…。」

「ふふ、千歌ちゃん、その人今日は泊まっていくから空いてる部屋に案内してあげて。」

「え?あ、う、うん。じゃあえっと…こっちです…?」

 

案内をされながら旅館内を見渡す。あの頃から何も変わってない景観がなんだか嬉しかった。

千歌ちゃんはまだしっくりきてないみたいようで頭とアホ毛をひねりながら考えている。

 

「うーん…どこかで会ったこと…ありましたか?」

「まぁ、会ったというか会ってたっていうか…見たこと無い?」

 

まだ思い出せないみたいなので彼女の顔をじっと見る事にした。

 

「……あ、あの、その、あんまり見られるのはちょっと…困るっていうか……恥ずかしいっていうか///

 

最後がよく聞き取れなかったけどダメっぽいです。

確かにここだけ見たら女子高生に迫る男にしか見えないもんねごめんね。

 

そろそろ立ち直れそうにないかも(泣)

 

とりあえず案内された部屋に行くとそこからは内浦の海が一望できた。

解放された窓からか、はたまた後ろのミカンっ子からか、柑橘系の爽やかな香りが抜けていく。

まるで故郷と、大好きだった爺ちゃんに歓迎されてるみたいで帰ってきた実感が湧いてくる。

この空気も綺麗な海もなんだかたまらなく懐かしく感じて。

 

 

「やっぱり好きだな。」

 

 

そう呟くと後ろから「ふぇ?」と可愛らしい素っ頓狂な声がした。

振り返ると何故か少しだけ顔を赤くした幼馴染の姿が。

 

「顔赤いけど、どうかした?」

「あ、いや、なんでもないですっ!!///」

 

一体どうしたんだろう。

ふと彼女の髪に引っ越す前に渡した三つ葉のヘアピンがついていることに気が付いた。

 

「まだ使っててくれたんだね、そのヘアピン。やっぱり似合ってる。」

「も…もしかして、ナツ……君?」

「はは、ようやく思い出してくれた?ただいま、千歌ちゃん。」

 

彼女は徐々に顔が赤くなっていき俯きながらプルプルと震えている

 

この時僕は忘れていた…この子が僕に会う度にまず何をするか。

 

 

『ミカン砲』だ。




はい、いかがでしたでしょうか。
こんな感じで進行させていきたいと思います。
キャラ全然でとらんやんけ!って方、その通りですね(泣)
慣れてきたらAqoursメンバー目線でも上げていきたいと思うので、
またお会いしましょう!!

P.S.千歌ちゃん可愛いよ千歌ちゃん。
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