バイバイ、シナモンガール   作:グリム・グリルグリン・グリーングリップ

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 Put on your war paint.


















04 声

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 普段はぼんやりとした表情で、容姿は悪くないむしろ整っているほう、ハンサムという言葉が使われていた時代の美男子ふうであり、そのうえ、ふとした時に垣間見せる、憂う横顔が大人びていて実は女子たちの間ではひそかに人気だったりするのだが――本人は気づいていない――美綴綾子からすれば、望月凰玖(おうく)という友人への認識はどこか危ういところを持つ男、という印象が強かった。

 

 二人が友人になったのは、一年前の夏休み明けに、同じ弓道部の後輩の間桐桜がナンパされていたところを彼に助けてもらったと、本人から聞かされたのがきっかけだった。

 

 意外だ。それが、まず綾子が抱いた感想である。クラスメイトなのは知っていたが、女子が困っていても面倒ごとは避ける軟弱な性格のように思っていたし――そのナンパした男たちは、見るからに軽くて如何にも厄介そうで、周りは遠巻きに眺めて助けてくれなかったらしい――無理やり腕をつかまれたそのときに、「悪い、待たせた」とまるで少女漫画のように割り込んできてくれて、しかも「横から入ってくんじゃねえよ」と男たちから凄まれても全く動じていなかったというのだから、ますます綾子は驚いたのだった。

 

「怖かったです」

 

「そりゃあね。わかるよ、間桐って儚い感じあるし。押せば無理やり連れてけるとでも思ったんだろうね。間桐もはっきり断んなきゃだめだよ、そういうやつら相手にはさ」

 

「いえ、あの人たちのことじゃなくて。望月先輩のことです」

 

 少し申し訳なさそうに、間桐桜は言っていた。

 

「あのときの望月先輩、どんなに喚かれても、なんだが、わらっているように見えて――殴り合いを始めるんじゃないかって。傍で見ていて、怖かったんです」

 

 結局、そのときのナンパは手を引いて、そのまま立ち去ろうとする凰玖を間桐桜が引き留めて礼をしたいと言うと、道中で同じ学校の先輩だと知ったらしい。

 

 だめですよね、助けてくれたのに、こんな失礼なこと言ったりしたら。彼女は苦笑しながら呟いたが、このことがきっかけで綾子は興味を抱いたのである。

 

 今では友人関係だと思っているし――アイツは淡泊というか薄情なところがあるから、もしかすると友だちだと思ってるのは私だけだったり、いやそんなことはないか――でもだからこそ、ここ最近の凰玖の様子が気になっていたのだ。

 

 一月に深山町で起きた一家殺人。事件に巻き込まれた少女が、彼の幼馴染であったというのだから。

 

 ――「なんか、こわいこと考えてるんじゃない?」

 

 凰玖は、動じていなかった。少し微笑んだくらいだ。まるで聞かれることを知っていたかのように。

 

 なに考えてるんだ。相談しろよ。私たち、友だちだろ。そう言おうとした。でももし、あの暗い瞳の奥に隠していることを本当に打ち明けられて、それが、ただの学生である自分にはどうにもできない、こわいこと(・・・・・)だったとしたら?

 

 二月三日。

 

 今も、綾子は聞けずにいる。

 

 ――雑念ばっかり。

 

 全然、集中できていなかった。綾子は姿勢を解くと、結局矢は討たないまま弓を倒し、自嘲するように細々と息を漏らした。

 

「主将、どうかしました?」

 

「ああ、うん」

 

 弓道場である。

 

 今日は、間桐桜は休みだった。兄の、間桐慎二も姿を見せていない。

 

 このところ体調の不良を訴える人間が多い気がする。一人や二人ではなかった。放課後の部活動は制限されているから、朝練でそのぶんを取り返さなくてはならないというのに。

 

「なんでもないよ」

 

 なにか、落ち着かない。据わりが悪いというか。心が、肌が、何かを感じ取ってざわめいているような――

 

 得体のしれない不安を、綾子は笑って誤魔化した。この季節、朝は霜が残っているかのように冷たい木床の上で踏ん張ると、再び射る体勢を作る。

 

 誤魔化したところで、胸の奥の不安は消えてなくならなかった。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 一八時に開けることは、調べていた。

 

「グレンフィディック。ロックで」

 

 店内に入ると、バーテンはちょっと目をくれただけだった。スツールに座ると、凰玖は客の寂しい店を見回した。

 

 昨日とは違う、レコードが流れている。ジャズだった。

 

「いつも、すいてるのかな」

 

 グラスが出される。バーテンは凰玖の言葉にかすかに笑うと、気を害すでもなく言った。

 

「半分、趣味みたいな店だからな」

 

「まあ、そっちのほうが都合がいいか」

 

 今度は苦笑いだった。

 

 茶封筒を、カウンターに乗せる。

 

「調べはついたのか」

 

 本題を切り出した。

 

 男は日に焼けたように黒い指先で封筒を改めると、それをカウンターの下に置いた。凰玖はグラスには手をつけないまま、男の言葉を待った。

 

「確かにね。一月七日の、十九時ごろ。深山町で不審な人間を見たってやつが、いたよ。金髪の、赤目の、長身の外国人だったそうだ」

 

「本当かっ」

 

 ――そいつが、晴奈を。

 

「待ちなよ。実はこの有力容疑者の情報は、警察も掴んでるんだな。だが考えてもみな、発生から一か月近く経っても、犯人は捕まらず、世間には伏せられたままだ。こりゃあきな臭い、と思ったね。五人も死んだ事件だ。普通なら、とっくに公開捜査に踏み切ってる」

 

 明かされた事実に、凰玖は動揺していた。警察がわざと情報を隠していたということか。サツが何やってくれるってんですか。薫の泣き顔が、頭をよぎる。

 

「この事件には、裏がある」

 

「どういうことだよ」

 

「どうもな。捜査本部に圧力がかかってるらしい。つまり、裏があるってことだ」

 

 まったく、予期せぬ言葉だった。

 

「……誰かが捜査を妨害している?」

 

 信じられなかった。なんのために。どこの誰が。

 

 警察に圧力をかけられる立場の人間。想像もつくはずがなかった。

 

「裏に誰がいるのか。それは調べちゃいない。とりあえずはっきりしているのは、これは単なる一家殺人じゃないってことだ」

 

 グラスのなかで、氷が鳴った。

 

 沈思していた凰玖が顔を上げると、男がにやりと口元を歪めた。

 

「これ以上はもっと時間がかかるし、追加料金もかかってくる。危険もだ。ここいらで」

 

「払うよ」

 

 おいおい、と呆れたようにかぶりを振る男。

 

「人生の先輩として、忠告するがね。やめといたほうがいいと思うぜ。遊びで藪にくび突っ込んで、踏んだ尻尾が虎の尾だなんてこともある。だいたいは、()は無いんだ。俺は権力に目をつけられたくはないんでね」

 

 コートの内側に手を伸ばすと、男は少し緊張を走らせた。凰玖は最初に渡したものよりも厚みのある封筒を、カウンターに置いた。盗み見るように一瞥した男を、挑むように見上げる。

 

「金なら、払う」

 

「気が乗らないね」

 

「俺は、()だぜ」

 

「半分は趣味みたいなもんだって言ったろう」

 

「なら別の人間に頼むことにする。情報屋ってのは、べつにあんた一人じゃないんだろう」

 

「しかしね」

 

「だがあんた言ったよな、趣味だって。この事件は普通じゃないとも言った。他人にこのことを知られるのは、情報屋として、つまらないんじゃないか?」

 

「俺を、煽ってるつもりかい、お兄さん。だとしたら上手くない。危険を愉しんで引き際が判断できない奴は、この世界じゃ長くないんだ」

 

 灰皿が置かれた。男が煙草に、マッチで火をつける。

 

「お前さんのその自信は、どっから来るものなんだ」

 

 男の言葉には、一歩踏み込んだような、馴れ馴れしさが混じっていた。

 

「ほら吹きとも違う、と思う。たぶん、俺が断ったら、本当に別の奴のところに行くつもりなんだろうな。俺みたいに穏便な奴らばかりじゃないんだぜ。お前さん、どう見たって一〇代だろう。育ちも悪くなさそうだ、そんなに若いのに、なんだって危険を冒す?」

 

 彼の言う「危険」とは、おそらく凰玖の想像の先にあるもののことなのだろう。

 

 男は、権力(・・)と言った。それが、どれだけ具体的に脅威であるのかを、凰玖は知らない。

 

 それでも。

 

「決めたからだ」

 

 幼馴染が殺された。

 

 犯人は野放しのままだ。

 

 見つけ出す。

 

 

 そして、必ず成し遂げると。

 

 

 男は煙を吐き出し、測るような眼差しで見ている。

 

 オン・ザ・ロックを呷った。喉が、灼けるような感じがした。飲み易くはあったが、美味いとは思えなかった。それでも、一気に飲み干した。グラスを置く。

 

 深く息を吐いてから、凰玖は言った。

 

 

「協力してほしい」

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 結局、バーテンが折れるかたちで話がついた。

 

 手付金として何枚か引き抜いた封筒を返され、「二日くれ」と言った男へ、凰玖は頷いてから店をあとにした。

 

 ――「俺も、危険を愉しんでる奴には変わりないってこったな」

 

 ――「長生きしたいのか」

 

 ――「面白いこと言うね。長生きしたいなら、とっとと足を洗うことさ。多かれ少なかれ、この業界の奴らは危険と(あそ)ぶのが好きなんだ。ようは愉しめるかどうかだな。不満か? 安心しろ、仕事はきっちり果たす。ますます関心を、抱いちまったからな。それにお前さんのおかげで、探る理由までできちまった」

 

 雑踏のなかを、人を避けながら進んでゆく。足は、まっすぐマンションのほうを向いてはいなかった。凰玖は情報屋と交わした言葉を、歩きながら整理していた。

 

 やっぱり臭う(・・)んだな、この事件。脛に傷を持つ人間の凄みを滲ませながら、男は言った。何かを思い出すかように、口元は笑っていても、瞳は虚空を睨みつけていた。どうしようもなく、俺の鼻を刺激しやがるのさ。呟くようだった。指に挟んだ、パーラメントから灰が落ちるのを、凰玖はじっと眺めていた。

 

 ――「覚えがある。そうだ、あれは、一〇年前だ。あのときも、一緒だった」

 

 繁華街は、さすがに人が多かった。コンビニの前、舗道に座り込む若者たち。屋台で熱燗を注文する中年。客引きする男に連れ込まれる男。ジャージ姿でランニングする女。吸血鬼事件の影響を受けて、学校は放課後の活動を制限したが、彼らの多くは新都のいたるところで散見された。誰も、本気で自分が襲われるとは考えていないのだろう。渦中に放り込まれるまで信じられないのだ。

 

 放り込まれたときには、もう、手遅れだというのに。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 人通りは減っていた。「シナモン・ガール」のメロディを歌いながら、自宅の方角へ歩いていると、ふと凰玖は足を止めた。

 

「………、」

 

 周囲には、誰の姿もない。

 

 蛍光灯の明かり。民家の明かり。時おり笑い声が聞こえる。住居が増え始めるエリアだ。おかしいと感じる点はなかった。しかし凰玖は、肌が何かを感じ取ったことに気づいていた。

 

 耳を、感覚を研ぎ澄ます。

 

「〈ゴールデン・スランバー〉」

 

 人間の身体能力よりも遥かに優れる「魔人」を呼び、聴覚を、五感を同調させる。

 

 

 ―――。

 

 

 気のせいであればいい。だが。

 

 ―――。

 

 胸騒ぎがした。

 

 ―――。

 

 

「だれか」

 

 

 ――声。

 

 

 

たすけて(・・・・)

 

 

 

 走り出していた。

 

 ――「そういえば、前は訊かなかったな。教えてくれないか。犯人を見つけたら、どうするつもりだ」

 

 声のしたほうへ。身体を「幽霊」に運ばせることで、大股の一歩の数倍の距離の稼ぎながら、人目も憚らずに急いだ。

 

 ――「決まってるだろう。奪われたものを、返してもらうだけだ」

 

 胸騒ぎの正体。かすれた、女の悲鳴。

 

 正義感が刺激されたわけではない。ただ、予感(・・)があった。

 

 

 辿りつく。暗がり。

 路地に。

 

 

 ――「一つ、サービスしておこうか。いま冬木で、ある秘密のお祭り(・・・)が開催されてるのを知っているか。こいつは俺が言った、この街の虎の尾の一つでね。虎に尾が何本もあるなんて想像もしたくないが。吸血鬼事件、あるだろう。お前さんも、気をつけることだ」

 

 ――「何が言いたい」

 

 ――「一家殺人の遺体には、普通と違っておかしな点があった。会社員の夫、専業主婦の妻、高校生の娘、娘の友人、小学生の息子、全員が違う刃物(・・・・)で殺されていたってことだ。ありえないだろう、なんだってそんな真似をする。包丁なら一本でも十分こと足りるはずだ。不可解な点その一。そしてその二が、吸血鬼だ。別々の出来事のようにも思えるがね、発生した時期が同じだ。この一か月の間に、お祭り(・・・)の期間中に、狙い澄ましたかのように不可解なことが二つも起こってる。これは偶然の一致か? 意味のある符合(シンクロニシティ)? 情報屋の勘だがね、偶然でないのだとしたら」

 

 

 少女の姿。

 長い髪の女に、覆いかぶさられて。

 

 

 ――「この街で動いている(・・・・・・・・・)のはお前さんだけじゃないってことだ。覚えておけよ。もしかしたら」

 

 

 見覚えがあった。

 

 

 ――「お前の復讐にも(・・・・・・・)関わってくるか(・・・・・・・)もしれん(・・・・)

 

 

 

 美綴綾子(・・・・)

 

 

 

 躰のなかで、何かが切れる音を、聞いた。

 

「なにしてやがる」

 

 女が振り向いた。

 

 眼帯をしたその顔に、「魔人」の拳を叩き込んでいた。

 

 轟音と共に、髪を乱舞させながら壁へ激突した女を見向きもせずに、綾子の身体を抱きかかえた。ぐったりとうなだれた首筋に、小さな二つの穴がある。血の伝った痕も。

 

「だ、れ?」

 

 綾子が、何かを言おうと口を開いた。同時に、視界の端に動くものを捉え、咄嗟に凰玖は右に避けていた。

 

 鎖。

 

 耳元を、掠めた。コンクリート壁を陥没させる威力(・・・・・・・・・・・・・・・)を受けたはずの女が、伝承に語られる怪物のように髪を大きく広げて、手をこちらに伸ばしていた。

 

 音。

 

 背後の鎖が、引き戻される。

 

「―――!」 

 

 抱えたまま、跳んだ。

 

 〈ゴールデン・スランバー〉に二人ぶんの体重を支えさせ、凰玖は壁を蹴り、重力に逆らって駆け上がった。浮遊感。試したことなどない。向かい風。躰で切り、抗った。無我夢中だった。上る。上がる。落ちれば死ぬ。それだけが頭にあった。

 

 ビルの屋上に足を掛ける。渾身の勢いに任せて金網を飛び越える。脚がもつれそうになりながらも着地し、背後を向いた。

 

 女の姿はない。

 

 大きく、息を吐いた。肩が上下する。汗。思い出したように、腕のなかに人ひとりぶんの重さを感じた。

 

「うそ。おう、く?」

 

「ああ。大丈夫か?」

 

 喘ぐような、弱々しい声だった。普段の彼女からは想像もつかないほどに。

 

 腕のなかで、涙ぐんでさえいた。ふるえている。

 

「ほんとう、に? 凰玖?」

 

「ああ」

 

「はは。なに、その、へんな恰好」

 

 正直に答える必要はなかったと、言ったあとで気づいた。誤魔化すには、遅すぎる。

 

「うるせえよ。立てるか」

 

「うん。あ」

 

「大丈夫か」

 

「ごめん。ちょっと、ちから入んなくて」

 

「仕方ないさ」

 

「わたし。あいつから、逃げてて」

 

「ああ」

 

「追いつかれて、それで」

 

 追ってくるにしても、すぐには追いつかないはずだ。それでも、いつまでもここにいるべきではなかった。

 

「あいつは、何なんだ?」

 

「分かんない。ごめん。だけど、あいつ、私の血を」

 

「分かった。もういい」

 

「凰玖さ。今、空、飛んだよね?」

 

「ああ。なんか、跳べた」

 

「ええ……?」

 

 ちょっと、困ったように苦笑する。その仕草が、緊迫した状況下に似合わないほどに可憐で、凰玖は顔をそむけていた。らしからぬ反応だったが、綾子には、気づかれた様子はない。

 

 帽子に伸ばした指先が、宙を泳いだ。駆け上がった際に、どこかへ飛んで行ってしまったらしい。思わず舌打ちし、取り繕うようにかぶりを振っていた。

 

 不意打ちのようにのぞかせた、年頃の娘らしい一面(かお)。男とは違う、柔らかな身体つきと、甘い体臭が鼻に香った。決して、今考えるべきことではなかった。

 

 幸か不幸か、凰玖は、すぐに頭から忘れた。

 

 

「これは、どうするべきなのでしょうか」

 

 

 声に、振り返る。

 

 長い髪をしたあの女が、金網の柵の上に、立っていた。

 

「サーヴァントを呼ばないところを見るに、マスターではないのでしょうか。とすると、一般人? ですが、私を殴り飛ばしたのは……」

 

 豊満な身体の線がはっきりと分かる、黒を基調とする服を着た、眼帯をした背の高い女の手には、鎖で繋がれた短刀のような武器が握られている。

 

 なまめかしいほどの白い肌と、艶やかに夜風になびく紫髪。月を背後にした姿は、まるで一枚の絵から抜け出してきたかのよう。人ならざる美しさの女であることは、誰の目にも明らかだった。そして、あの威力を受けてなお、怪我をした様子は見られない。

 

 人であれば、首がへし折れているはずだった。眼前のこれ(・・)は、つまり人ではないということか。綾子の首筋に残されていた傷痕。吸血鬼、という単語が頭を過ぎった。

 

「化け物、か」

 

 

「目撃者は、消さなくてはいけませんね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 もし街中で彼女と遭遇していたら。

「なに、その、へんな恰好。帽子に、ダテ眼鏡って」
「うるせえ」
「あれ、もしかして、拗ねちゃった? ああごめんってば。馬鹿にしたんじゃないよ、ただ、ちょっと似合いすぎだなって。雰囲気とか、別人みたい」
「………、」
「今度は照れてるの? かわいいとこ、意外とあるんだね」
「しつこいぞ、おい」















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