ブラック鎮守府と折木   作:素人

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投稿が遅れてしまいすいません。アニメ知識しかない俺にとって今回の回は本当に厳しかった。知識あるかたから見たらおかしいところもあると思いますがこれが限界です。


「援軍」

比叡さんをお風呂に連れていってもらっている間に俺は食堂に向かっていた。食べれるものがないか確認するためだがあまり期待は出来ないだろう。最悪燃料などで補給してもらうしかない。

 

「て、提督!」

 

俺が足早に向かっていると後ろから榛名さんに呼ばれて立ち止まる。

 

「榛名さん、どうでした高速修復材は送ってもらえそうですか?」

 

「はい!大和さんに繋いで貰って提督の名前を出したら直ぐに今から持ってきてくださると言っていました!あ、あと食料も微量ですが積めるだけ持ってきてくれると言っていました!」

 

それは良かった...まさか大和さんが直々に来てくれるとは思ってもいなかったけど。けど幾ら大本営からここが近くて解放されたエリアだとしても深海凄艦が出てこないという保証はない...。大和さんが一人で向かってくるとは思えないがここまで来るには凡そ2時間はかかるし誰かに迎えに行かせるべきか。

 

だが今の俺の言葉を信じて従ってくれる者はこの鎮守府にはいないだろう。榛名さんなら行ってくれそうだが一人で行かせるわけにもいかない。....どうすれば。

 

「あ、あの提督?」

 

「ああ、すまない」

 

「ふん、何を悩んでいるのですか」

 

「霧島!」

 

「提督の考えていることなんてお見通しです。先程私の指示で第二支援艦隊に迎えに行くように言っておきましたので問題ありません。本来の旗艦は金剛お姉様ですが、代わりに神通さんにお願いしてあります。その他には最上さん、夕張さん、暁ちゃん、響ちゃんに行ってもらっています」

 

霧島さんのおかげで問題はなくなったがどうして協力してくれる気になったんだ?

 

「あ、ありがとうございます。霧島さん、助かりました」

 

「霧島で構いません。それに...比叡お姉様のことありがとうございました」 

 

それだけ言ってお風呂場に向かっていく霧島、恐らく金剛から聞いていたのだろう。

 

「あ、あの提督」

 

「何ですか、榛名さん」

 

「は、榛名も名前で大丈夫です!」

 

「...今も名前で呼んでますが....」

 

「はっ!い、いえ!そうなんですけど...私のことも...その、お姉様と霧島のように榛名と呼んでくれませんか?」

 

上目使いに涙を溜めた瞳でお願いする榛名さんは、何処かえると被って見えて固まってしまうが首を横にふる事で意識を散らして答える。

 

「わ、分かりました。榛名」

 

「はい!」

 

どこか気恥ずかしく感じてしまうのは、きっと気のせいなのだろう。まるで初めてえるを名前で呼んだときのように頬が熱くなる。

 

「提督、顔が赤いですが熱でも」

 

そう言いながら榛名の手が俺の額に優しく添えられる。ますます熱くなっていく顔を見られないように半ば振り払うようになってしまった。

 

「て、提督?私何か提督の気に触る事でも...」

 

落ち込んでしまった、榛名さんにどうにか誤解だと慌てて言う。涙目になっていた榛名さんになんとか誤解だと分かってくれたみたいで安心した俺は、榛名さんを連れて食堂に来た。

 

現在食堂には、艦娘が3人いた。一人は俺が初めてここに来たときに司令官と呼んだ幼い女の子。二人目は緑色のセーラー服の上に紺色の上着を纏い、セーラーの首元と上着の左胸に三日月のアクセサリーを身につけている。身長は先程の幼い女の子と同じくらいだ。三人目は金髪のストレートヘアーを腰まで伸ばしている、一見お嬢様にも見える女の子だ。先程の幼い女の子よりは少し大きく見える。

 

「司令官!どうしたんですか?食堂なんて来て」

 

最初見た時と変わっているのは、お風呂に入った為、切り傷等が無くなった事と、俺に対してそこまで恐怖心が感じられ無くなった。普通に話しかけられたことで少し後退りしてしまうがなんとか答える。

 

「間宮さんに用事があったんだが...」

 

食堂の奥を見ながら言うが、間宮さんの姿は見えない。

 

「え、えーと...ま、間宮さんなら、さっき霧島さんに何か渡されて喜びながら何処かに行ってしまいましたよ?」

 

少しビクビクしながら話しかけて来たのは、三日月のアクセサリーを付けている女の子だった。やはりまだ不安に感じている艦娘もいるのだと思うのと同時に俺はまだここにいる殆どの艦娘の名前を覚えることが出来ていない事を思い出す。

 

「そうか...」

 

間宮さんがいなくては、食べれるものがあるかどうかも分からない。俺は諦めて食堂を出ていこうとすると金髪ストレートヘアのお嬢様みたいな娘が話しかけてきた。

 

「提督は何しにここに来たっぽい?」

 

「比叡さんに何か食べれるものをあげれればと思ってな」

 

「比叡さん!?」

 

「比叡さんが見つかったんですか!?」

 

「比叡さん、無事だったっぽい!?」

 

比叡さんが見付かった事を知らなかったのか三人は驚いた表情で聞いてくる。実際知っているのは、金剛達が話した数人だけなのだろう。じゃなければ今頃お風呂は、艦娘でいっぱいになっていただろう。

 

「ああ。だがかなり疲弊していてな。大本営から食料が届くまで恐らくまだ1時間弱はかかるだろう。だから少しでも食べるものがあればと思ってな」

 

「そうだったんですか....でも食べ物って言ってもここには...」

 

「吹雪ちゃん...」

 

「何もないっぽい...あっ!でも魚を釣って食べることは出来るっぽい!」

 

「釣り?」

 

「だ、駄目だよ!夕立ちゃん!あ、あのですね提督、今のは違うんです!別にお腹が空いて我慢が出来なくなっていた艦娘が提督に内緒で魚釣りしてたとかじゃなくて」

 

「睦月ちゃん...全部喋っちゃってるよ」

 

「およよ...」

 

今までなんとかもっていたのは、隠れて魚を釣っていたからだったのか。それに言い方によると提督にバレると不味いことなのか。

 

「別に悪いことじゃない。お腹が空けば何か食べ物を求めるのは人として当たり前だ」

 

「でも私達は...」

 

「兵器は食べ物が無くても平気ですから」

 

兵器という言葉を聞いて隣にいる榛名さんの表情が暗くなる。仲間を思い、食べ物を食べ、悲しむことの出来る存在が兵器とは、やはり俺には思えなかった。 

 

「前にも言ったが俺はお前達が兵器だとは思っていない」

 

「でも[至急提督は司令室まで来てください。繰り返します。至急提督は司令室まで来てください]...」

 

放送で俺を呼んだ声には聞き覚えがあった。俺が初めてこの鎮守府に来たときに長門さんと一緒にいた、大淀さんだ。かなり急いでいるのが声音から伝わってくる。

 

「この話はまた今度にしよう。榛名さん、一緒に来てもらえますか?」

 

「え?あ、はい!」

 

榛名さんは、一瞬困惑したような顔をしたが俺の後を付いてきてくれる。

 

司令室に入ると、俺を放送で呼び出した大淀さんと長門さんがいた。二人とも表情は険しく何か問題が起こったのは分かった。

 

「提督。迎えに行った第二支援艦隊ですがヒトゴマルマルにて敵艦と遭遇。旗艦である神通が駆逐艦暁を庇って中破、最上と夕張が少破です」

 

重い沈黙が訪れる。最上さんと夕張さんは少破で済んでいるが、神通さんは中破。痛みにより指揮系統の低下と共に戦いにすらならないかもしれない。

 

「神通さんは、戦えないですよね...では」

 

俺が神通さんは戦えないと思っている事を口に出すと思いもよらない言葉が長門さんから返ってきた。

 

「いや提督。神通ならば中破くらいでは揺るぎはしないさ。現に砲撃を受けました、戦いにくいです。と言っていたからな」

 

俺の心配は杞憂に終わったようだ。

 

「だが...相手が問題だ」

 

「相手?」

 

「ああ。敵深海凄艦の数は5だが駆逐イ級が3軽巡ホ級が1軽空母ヌ級が1だ。第二支援艦隊では、厳しいだろう。金剛がいれば分からなかったが現状では押されている」

 

やっぱり金剛って凄かったんだな....。

 

「分かった。俺が今から言う艦娘を集めてくれ。駆逐艦島風さん、駆逐艦夕立さん、駆逐艦吹雪さん、正規空母赤城さん、正規空母加賀さん、それに金剛だ」

 

皆がお風呂に入っている間にある程度の艦の情報を調べておいて本当に良かった。じゃなかったら何も分からなかったからな。

 

「....分かりました。至急集めます」

 

大淀さんは、少し驚いた表情で少し固まっていたが直ぐに司令室の放送で俺が指名した艦娘を呼び始めた。

 

「なあ提督。提督は何故援軍を向かわせようとしているのだ?」

 

長門さんが理解できないという表情で俺に聞いてくる。

 

「何故って長門さんが言ってきたんですよ。今出撃しているメンバーでは無理だと。俺が出撃してくれと頼んだんです。なら援軍を出すのは当たり前だと思いますが?」

 

「提督それは提督では」

 

隣で俺じゃないと言いそうになった榛名さんを手で制して長門さんに向き直る。

 

「...そうか。だが今のメンバーでは、少し過剰暴力ではないか?空母を出すのは分かる。だが赤城と加賀を出してしまったら鎮守府が手薄になるぞ?」

 

確かにそうである。だが神通さん達が深海凄艦に襲われたのは、鎮守府を出てから30分も経っていない。しかも本来なら解放された海域なのだ。なら何かあるはずだ。

 

「神通さん達は、鎮守府を出てから30分も経たずに攻撃されました。それも解放された海域で、です。おかしいとは思いませんか?」

 

「提督は何かあると考えているのか?」

 

「間違いなくあると思っています。それに心配はないですよ。確かに手薄になってしまいますがビック7の一人である長門さんは残ってくれるんですから。それとも金剛達がいないと不安ですか?」

 

「ほう...。どうやら今度の提督は本当に違うようだ。ふっ良いだろう。多少手薄になったくらいでこの鎮守府は、落とさせやしないさ。このビック7の一人である長門がいるんだからな」

 

内心でホッとしていると袖を引っ張られているのに気付き隣を見ると頬を膨らませた榛名さんが俺をジト目で睨んでいた。

 

「私は...私では心配ですか?」

 

「...頼りにしてます」

 

「はい!」

 

今のやり取りで長門さんがやれやれと頭を抱えているが見なかった事にした。

 

 

そんな会話が終わるとバーンっ!と大きく音を上げて司令室に一人の艦娘が入ってきた。

 

「おっおー!いっちばーん!...てあれ?提督?嘘いつもいないのに...ご、ごめんなさい!」

 

提督という存在は、どれ程嫌われているのか。テンションMAXな島風さんは、俺を見るなりテンションを落として謝ってきた。そんな島風さんを優しく大丈夫と言っている、榛名さんに感謝しながら島風さんに近付いた。

 

「島風さん、驚かせたみたいですいません。来てくれてありがとうございます」

 

俺が御辞儀すると戸惑いながらピョコピョコ跳ねる島風さん。頭を上げようとすると問題が起きた。それは島風の格好にあった。へそだし袖なしのセーラー服。短すぎる上に鼠蹊部丸出しローライズのプリーツスカートに見せTバックに赤白の縞ニーソ。ピョコピョコ跳び跳ねているせいでスカートがなんの役にもたっていない。

 

この服装を前提督が強要したのなら本気で止めてもらおう。そう心に決めながら中々頭を上げない俺を心配してくれたのか榛名が近付いて来たので小声でどうにかしてくれと言うと慌てて島風さんを落ち着くように言ってくれたのが聞こえた。

 

「て、提督。もう大丈夫ですよ」

 

「あ、ああ...」

 

「私は別に気にしないけど」

 

「気にしてください!」「気にしてくれ!」

 

初めて榛名と声が被ってしまった。

 

「なあ提督。さんを付けるのは止めてくれないか?」

 

長門さんから指摘が入る。どうも提督である俺から、さん付けで呼ばれるのは皆嫌なようだ。

 

「あまり慣れ慣れしいのも嫌だと思ったんだが...」

 

「だがこれは規律に関することにもなる。一応だが提督は私達より上の立場だ。下の者にさんを付けては示しがつかないだろう?」

 

元ブラック鎮守府で示しがどうとか言っていられないと思ったが、今はそんな事で議論している場合ではないだろう。いつの間にか他の艦娘達も来ているので保留にしてもらうことにした。

 

「よく来てくれた。先程ヒトゴマルマル時にて第二支援艦隊が敵深海凄艦から攻撃を受けた。皆には援軍として向かってほしい」

 

「不躾ながら申し上げます。提督私達の編成では、鎮守府が手薄になってしまいます。それほど大事な出撃なのでしょうか?」

 

赤城さんから質問を受ける。正直こんなことで時間をかけている時間さえ惜しいと思うが納得していないのは、赤城だけではなく、隣にいる加賀も同じようだった。

 

「私も赤城さんに賛成です。何か理由があるのでしょうか?」

 

「ヘーイ二人とも少し落ち着くデスネ。何かしら考えがあると私は思いマース」

 

「金剛、あれほど提督を毛嫌いしていた貴女がどうしてそこまで提督を庇うのかしら?」

 

「加賀ー別に私は、庇っているわけではありまセーン。仲間を助けたいだけデスネ」

 

「それでも「加賀さん。落ち着いて」...分かりました」

 

「金剛さんすいません。加賀さんの代わりに謝ります。ですが作戦の内容くらいなら聞いても良いですよね?早く出撃して助けに行くにしても、このような心境のままでは戦闘に集中出来ませんから」

 

「赤城、貴女の集中力はそんなものでしたカ?」

 

「なっ!金剛貴女は!!」

 

少しずつヒートアップしていく話を耐えきれなくなり机を叩くことで止めさせる。今は時間が一刻も惜しい。

 

「この作戦は重要な物だ。恐らくだがお前達でも厳しいだろう」

 

「あ、あの!そんなに敵は強力なんですか?」

 

吹雪さんが聞いてくる。が本当の所は分からない。ただ何かがあると思うと思うだけであって確証はないのだ。

 

「確証は無いがな」

 

「確証は無いって!やはりこのような提督に従っていては危険に晒されるだけです!」

 

「....」

 

「赤城さん?」

 

「提督、分かりました。一航戦の誇りにかけて抜錨します」

 

「赤城さん!?」

 

「久し振りの出撃っぽい!」

 

「遅いと置いて行っちゃうからね」

 

「あはは...大丈夫かな」

 

「ん~鼻息がなるネ~」

 

「お姉様それは間違ってます!」

 

「加賀さん。提督は嘘を言っていません。それなら信じてみましょう、私達の提督を」

 

「....分かりました。ですが納得はしていません」

 

「全員が無事に帰ってくること。信じているが気を付けてくれ」

 

俺の言葉を聞いて全員出撃していった。

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