クリスマス
今日はキリストの降誕を祝う日。
つまるところクリスマスである。カインとジャンヌは例に漏れず、新居の中にクリスマスツリーやイルミネーションをしている。カインはなんだかんだクリスマスになにかをするということがなかったので、ジャンヌ指導の下飾り付けを行なっている。
ジャンヌは子供の頃、自らの家でやった事を思い出して少し感慨にふけっていた。
飾り付けが終わったら夜に食べる料理を作り始める。
この時代、未だ料理のレパートリーが少ないので些かクリスマスでも質素な食卓になってしまう。しかし、年も終わる間近であり何よりジャンヌの嬉しそうな顔を見たいという一心で豪華に作る事を決めたカイン。
まず、適当に野菜と肉を切り水をはった鍋に投入し煮る。それぞれに火が通ったのを確認したら香辛料を入れる。ちなみに香辛料はめちゃめちゃ高く手に入りづらいが、カインがルーン魔術で栽培しているのでここではその限りではない。
次にチーズを使ったオリジナル料理を作り始める。この間イタリアに滞在していた時、初めて見た物をそのまま購入した。その名はマカロニという食べ物である。パスタの亜種のような物である。カインはまずマカロニを茹でる。その間にカインはのちにベシャメルソースと呼ばれる物を作り始める。出来上がったら、鍋に牛乳を入れ温める。そこにソースやら何やらを混ぜてとろみが出るまで混ぜる。とろみが出たらそこにマカロニやエビなどを入れて火が通るまで煮込む。それを皿にうつして興味深そうにこちらを見ているジャンヌの前に持っていく。最後に上からチーズをたくさん振りかける。そこでちょっとした魔術を使い外から火を入れて焦げ目がつくまでジャンヌに見ててもらう。いい匂いが漂ってくる。匂いのせいなのか、ジャンヌは女の子が口から出しちゃいけないものをドバドバと垂らしていた。
その横に味付けをしていた肉を置き、これまた同じように中までしっかり火が通るように焼く。ジャンヌのお腹からすごい音が聞こえてくる。顔を真っ赤にしてチラチラとカインを見る。
ーー可愛すぎか‼︎
カインは内心絶叫しながら料理を盛り付ける。
「めちゃめちゃ美味しいです。このチーズがのってるやつも、お肉も。ヤバイですよカイン。毎日クリスマスがいいです‼︎」
軽くおかしいテンションになりながらジャンヌは物凄い勢いで食べる。カインはそんなジャンヌを見て満足しながらゆっくり食べ始める。
「ふー、よく食べました。こんなに美味しい料理を食べたのは初めてです」
ジャンヌな自分のお腹をポンポンと叩きながらそんなことを言う。
「もうお腹いっぱいになっちゃった?まだデザートを用意してあるんだけど」
そんなことカインが言ったらジャンヌは目を輝かせながら
「甘いものは別腹です‼︎」
なんてことを宣った。
カインはキッチンからまたもやジャンヌが見慣れない物を持ってきた。
「カイン、これは何ですか?すごく美味しそうであり太りそうな予感がする物ですね」
「ケーキをちょっと改良したものなんだ。ケーキってちょっと固いけどこれはまぁ色々やってふわふわの生地に仕上がる風に作って、周りを牛乳から色々やってたら出来た物を甘くしてから塗った物なんだ。適当に作ったら出来ちゃった代物だけど、味はちゃんとしてるから安心して」
「甘々です。頬っぺたが落っこちちゃいそうですよカイン‼︎」
すごい早さで食べ終わるジャンヌ。
「お代わりはないんですか。もっと食べたいです!」
「あんまり体に良くないからこれしか作ってないんだ」
「えー、そんなー」
「もっとゆっくり食べればよかった」なんてつぶやいているジャンヌを見た後カインは自分のケーキを見る。
「僕のあと半分くらい残ってるから食べていいよ。甘すぎてこれ以上はキツイからさ」
「ホントですか‼︎カインありがとう」
目を輝かせたジャンヌはカインの分を食べる。
残り一口となったところで皿に夢中になっていた顔をカインの方に向けてきた。
「そのすいません。私だけこんな食べちゃって。その、あと一口だけあるんで食べますか?」
「いや、大丈夫だよ。本当にお腹いっぱいだし」
「いや、乙女の沽券的な問題に関わるというかなんというか。取り敢えず食べてください!」
ジャンヌはフォークにケーキを刺してカインの口の方にもっていく。
「えっと食べるのは良いんだけど自分で食べれるからフォークを渡して」
「いえ、このまま口を開けて下さい。あーんというものをちょっとやってみたいので…」
あらぬ方向に目をやりながらボソッとそんな事をジャンヌは呟いた。
「あーん」
顔を真っ赤にしているジャンヌ。
「あーん。うん、美味しい」
カインも少し照れながら、ケーキを食べた。
初めはジャンヌにカインを「トナカイさん!」と呼ばせたくてクリスマスを書いたのに全然違う話になってしまった。