怪盗と聖女   作:ノット

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キャラ崩壊しないように頑張っているけどむずかしいです。

では、どうぞ!


第2話

 カインはジャンヌと一緒に寝ていた。

 

 ーーどうしてこうなった。

 それは遡ること数時間前。

 

 

 柄にもなく恥ずかしい事を言ってしまったカインはジャンヌをリビングにあるソファに座らせ、そそくさと自分の部屋へと来ていた。

 

 ーー家だから仮面はもう取って、ジャンヌにも服をもってかないと。

 てきぱきと動き、再びリビングへ行く。

 

「えーっとジャンヌさん、服持って来たから隣の部屋で着替えてもらってもいいかな?」

 

「分かりました。それと私のことは呼び捨てで構いませんよ」

「分かった。ジャンヌと呼ばせてもらうよ」

 

 ジャンヌは呼び捨てにされて恥ずかしかったので、顔を赤らめてしまった。そしてカインの腕から服をもぎとり隣の部屋へと無言で歩いて行ってしまった。

 

 ーーそんなに気持ち悪い言い方だったかな?

 ジャンヌが戻ってくるまでずっと考え続けるカインであった。

 

 

 

 

 ーー恥ずかしい

 ジャンヌは隣の部屋で人知れず恥ずかしがっていた。

 名前を呼ばれただけだがよく分からない恥ずかしさが彼女を襲っていた。

 

 ーー男性だからでしょうか?

 ジャンヌは今まで自分と関わりがあった異性について考えはじめた。

 まず思い浮かべるのはやはり銀の甲冑を着ていた男。

 

 次に思い浮かべるのはまたもや……

 

 そして最後に思い浮かべたのも、

 

 ーージルしかいないじゃないですか。

 

 自分の交友関係の無さに軽くショックを受けながら着ていたローブを脱いで、もらった服に着替えるジャンヌだった。

 

 

 着替え終わったジャンヌを待っていたのは何かを必死に考えながら料理をつくっていたカインだった。

 

「カインさん、服ありがとうございます。それと借りていたローブも」

 未だに少し顔を赤くしつつローブを手渡す。

 

「僕のこともカインって呼び捨てで構わないよ。そのローブはジャンヌにあげるよ。認識阻害の魔術をかけているから何かと便利だと思うし」

 

「すいません助かります。というか、カインって魔術使えるんですか?」

 ジルから世界には魔術と呼ばれる、神秘を扱う人がいると何かの話で聞いてはいたが実際にあったことがなかったジャンヌは目の前の人物がそうだと微塵も思っていなかったので驚愕した。

 

「まぁ少しだけね。そんなことより早く料理を食べようか。ジャンヌはずっと牢にいたから暖かいものは食べれてないでしょ?」

 そう聞くや否や、きゅるると可愛らしい音がどこからか聞こえてきた。

 

「ゴホッゴホッ、そうですね早く食べましょう」

 音をごまかすかのように、わざとらしく咳をしつつジャンヌは席についた。

 

 

 

 ーーすごい食欲だったな

 今後の食費を心配するレベルでジャンヌは食べまくった。

 お腹が膨れた所為なのか少し眠そうにしている彼女が目の前にいる。

 ーーまぁ無理もないか

 

  牢の中という気が張っている場所に長い間いて、兵士に暴行されそうになり、挙げ句の果てに抱えられてここまで来たので当然といえば当然である。

 

「さて、ジャンヌも眠そうだから魔術で作った簡易お風呂があるからささっと入ってもう寝ようか」

 

 眠そうにしていた目をぱっちりと開きこちらにすり寄って来た。「え!お風呂があるんですか? あの温かいお湯を溜めてあるあのあれがですか? もう何ヶ月も入ってないのでさすがに入りたいと思っていたんですよ」

 

「ある、あるからちょっと離れて」

 息が顔に当たるほど近くに来ていたジャンヌはその事を理解してすぐに離れ顔を赤らませながらお風呂があることに喜んでいた。

 

「ジャンヌは先にお風呂に入っておいて。玄関に1番近い扉から行けるから。僕は適当な寝巻きとタオルを取ってくるよ」

  ジャンヌは上機嫌に歩いて行った。

 

 

 

「お風呂ありがとうございました」

 お風呂から出終わったジャンヌは濡れたタオルを首から下げて戻って来た。

  年頃の男であるカインはいい感じに色っぽいジャンヌを見て色々と思うところはあるが鋼の精神で耐える。

 カインの持っていったシャツの胸の部分だけやけに強調されているなぁなんてことは考えていない。

 

 

 

 

 

 

 カインもその後風呂に入るが、お風呂場でも様々な葛藤があったとかなかったとか……。

 

 

 

 無事にお風呂からでてジャンヌに寝ようかと言おうとした時にカインは気づいた。

 ベットが一つしかないという事実に。

 ここで「ベットが一つしかないんだ」なんて言おうものならジャンヌは絶対にベットを使わないだろう。

 

 ーー何も言わないのが吉かな。

 

 ジャンヌには上手いことカインの部屋にあるベットを使ってもらい寝静まった後にカインもリビングで雑魚寝をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーはずだったんだけどな〜。

 

 

 

 目を開けたジャンヌがカインを見ていた。

 ーーちょっと怖い。

「えーっとこれはどういう状況なのかな? 夜這い?」

 ちょっとぷりぷりしながらジャンヌは喋り出した。

 

「違います‼︎ 少し寝たらすぐに目が覚めてしまって水でも飲もうと思ってリビングに行ったら、カインが床で寝ていたんです。ビックリしました」

 

「それからそこで寝かせて置くのも悪いと思ったのでここまで運んで来ました。もう何で言ってくれなかったんですか」

 

「言ったらジャンヌはベット使おうとしないだろうなぁって思ったし。疲れてるだろうからベットを使って欲しくて」

 

「まぁ確かにそうですが……じゃあ一緒にこのまま寝ましょう。そしたら大丈夫です」

 

「いやいや、何も大丈夫じゃないから。イケナイコト起こっちゃうかもだし」

 あわてて反論するが、

 

「いけないことするつもりなんですか……それに1人だと怖いですし」

 

「でも「もう眠いので寝ます。おやすみなさい」えぇー?」

 そう言った後すぐにジャンヌは寝てしまいカインも離れようとするが無意識のうちにジャンヌが服をつかんでいたらしく離れられず、結局緊張して眠ることなく朝を迎えるのであった。

 

 

 

 ーージャンヌよだれが……。

 

 

 なんてことを思いながら。

 

 

 

 

 

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