とある海鳴市在住男性の話   作:ばんちよ

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こんにちは。
急に二次小説を書きたい衝動に駆られたので投稿しました。

初心者ですがよろしくお願いいたします。


第一話

 

 コツコツコツと、静かな住宅街に足音が響く。

 時刻は22:00。

 人通りは少ない。

 

 

 某県海鳴市

 都市圏にあるこの町の本日の天気は晴れ。

 綺麗な夜空がひろがっていた。

 もうすぐ満月になるであろう月も、爛々と輝いている。

 

 

 

 (綺麗だな・・・・。)

 

 

 

 男はこうして一人歩くとき、よく景色を眺める。

 自然の風景を眺め、その空気や熱を肌で感じ、感慨にふけるのが好きであった。

 

 ふと、男が前を見る。

 前方から、よく響く音を立てながら原付が走ってきた。

 ピザの配達だろうか。

 某有名チェーン店のロゴが、運転者の制服に縫い付けてある。

 

 

 

 (ピザか・・・・。食いたいな。・・・・いや、一昨日食べたか。今日の夕飯どうしよう。)

 

 

 

 何やら思案する男の全身を、原付のライトが照らす。

 身長は180センチ程。

 短髪黒髪で、ソフトモヒカンで切りそろえられている。

 筋肉は引き締まっており、いわゆるスポーツマンといえるような風貌だ。

 要旨は特段整っているという訳ではないが、好青年の印象を受け取れる。

 

 

 しばらく歩くと、マンションの前に着いた。

 どうやらここが男の住処のようだ。

 

 マンションの前の自販機に小銭を入れ、迷わぬ動作でボタンを押す。

 出てきたのは、宇宙人が地球を調査するCMで有名な缶コーヒー。

 それを手にすると、男は部屋へと向かった。

 

 

 

 (そういえば、作り置きのおにぎりが残ってたな、今日はそれで済まそう。夜も遅いし。)

 

 

 

 [高橋]

 そう表札に書いてある部屋のドアを開ける。

 

 

 

 「ただいまー。」

 

 

 

 部屋の電気は消えている。

 一人暮らしなのだろう、男、高橋の声は静かに部屋に響いた。

 しかし、それに応えるものがいた。

 

 にゃ、となく声がする。

 

 電気をつけると、奥の部屋からこげ茶色の猫が一匹男のもとに歩いてきた。

 

 

 

 「おお、ミル。まっててな。すぐエサ用意するから。」

 

 

 

 猫の名前はミルというらしい。

 そういって、高橋はミルの体をなでる。

 よく手入れが行き届いているのだろう。

 その毛並みは鮮やかだった。

 そのことから、高橋はミルの世話をしっかりとこなしていることが伺える。

 

 バックを部屋の端に置き、上着を脱いで服掛けに掛ける。

 そのまま手を洗うと、高橋はペット用皿を二つ用意した。

 一つにはミルクを、もう一つにはキャットフードを入れ、ミルの前に出した。

 

 

 

 「さあ、お食べなさい。」

 

 

 

 高橋の妙に芝居がかったセリフに、ミルはにゃ、と一鳴きして食べ始める。

 まるでお礼をいっているようだ。

 

 

 

 (なんだろうな・・・。いつも俺の言葉に反応して鳴くけど、言葉がわかるのかな。)

 

 

 

 ミルの賢さに腑に落ちないところがあるようだが、まあそんなこともあるかと頭を振り、自分の夕食の準備に取り掛かる。

 今日の夕飯のメニューは、作り置きのおにぎり、冷凍食品のから揚げ、冷やしたトマトに冷奴、それと野菜ジュース。

 

 

 それらをテーブルに乗せ、高橋は座布団に座る。

 そして、一言。

 

 

 

 「・・・・・ご機嫌な夕飯だ。」

 

 

 

 なんてな、とつぶやく。

 本当に、どこがご機嫌なのだろうか。

 今日の夕飯は有り合わせで作ったものだし、それぞれ個別ならとても美味いが組み合わせがめちゃくちゃだ。

 何より山盛りのキャベツがない。

 まあ、美味ければいいのかもしれないが。

 

 テレビをつけ、飯を食べる。

 もにゅ、もにゅ、もにゅとでも擬音がつきそうな食いっぷりだ。

 テレビからは、今日のニュースが流れてくる。

 少し前に海鳴市で起こった事件だった。

 動物病院前で建物の一部が壊れた事件である。

 原因は今だ不明。

 警察の調査が続いてるとのこと。

 他、スポーツやエンタメなど様々なニュースが流れていく。

 

 

 

 「・・・・・。」

 

 

 

 食事を終えると、無言で手を合わせ、食器をかたづける。

 作業が一段落した後、再び座布団に座る。

 バッグから取り出した箱からタバコを一本。

 箱には、LUCKY STRIKEの銘柄。

 タバコを口に加え、愛用のライターで火をつける。

 

 

 フーッと吐き、漂う紫煙をボーッと眺める。

 そして、先ほど買った缶コーヒーのプルタブを開け、口にする。

 再び、一言。

 

 

 

 「このろくでもない素晴らしい世界に・・・。」

 

 

 

 なんてな、と同じようにつぶやく。

 なんだろうか、この男。

 一々ネタを挟まないとやってられないのか。

 一人でネタを挟んでる辺り、寂しさが感じられる。

 

 そんな感じでコーヒーとタバコを交互に味わい終える。

 丁度タバコを携帯灰皿にしまうと、ミルが膝の上に載ってきた。

 そのまま丸くなる。

 どうやらお気に入りの場所のようだ。

 高橋はミルをなでながら、スマホを手に取る。

 そのままゲームを始めた。

 

 男は少し前から人理修復をするゲームにはまっていた。

 ストーリーの進行具合は最新の章をクリアしている。

 まあまあやりこんでいる具合ではないだろうか。 

 今日も今日とてキャラクターの育成に取り組む。

 

 

 

 

 遊ぶこと数時間。

 時刻は24:00近く。

 もう寝るかと思い、高橋はシャワーを浴びるために立ち上がる。

 居場所を追われたミルは、不機嫌そうに高橋を見つめる。

 

 

 

 「ごめんよ、怒るなって。・・・・・・ん?」

 

 

 

 ふと、窓の外を見つめる。

 しかしそこには変わりのない景色が広がっている。

 それでも、高橋にとっては何か気づくことがあったのだろう。

 

 

 

 「まじか。今から寝ようと思ってたのに・・・。まあ、シャワーを浴びる前で良かったか。」

 

 

 

 休息を邪魔されたせいか、不機嫌な顔になる。

 頭をガシガシとかき、上着を羽織る。

 

 

 

 「よし、一時間以内に戻ってこよう。・・・・・来い。」

 

 

 

 そう何かに呼びかけると、どこからともなく黒い物体が飛んでくる。

 四角く、薄いカードケースのように見え、金色の竜の顔のようなエンブレムが刻まれている。

 生物ではなく、無機物だ。

 

 

 明らかに異常。

 しかし、それが当然であるかのように高橋はキャッチする。

 そして、目の前に掲げる。

 すると、腰回りに青白い炎のようなナニカが広がり、銀色のベルトが装着される。

 バックルの部分には何かをはめ込む窪みがあった。

 そこに慣れた手つきでケースをスライドさせ、はめ込む。

 

 

 

 そして、起動する言葉を宣言する。

 

 

 

 「変身」

 

 

 

 その言葉に応えるように、ベルトを中心に青白いナニカが広がり、高橋の全身を包む。

 そこから出てきたのは、一人の戦士だった。

 

 

 全身を赤のボディスーツで多い、それぞれの急所を黒のアーマーが覆っている。

 頭部は、黒のフルフェイスヘルメットが覆っており、

 それらのアーマーやヘルメットは、場所により爪や鱗、牙のような形をしている。

 全身が竜を模しているようだ。

 まるで怪人、いや竜人とでもいえようか。

 

 先ほどまでのリラックスした雰囲気とはうってかわり、男からは剣呑な雰囲気が感じられる。

 速やかに問題を解決する、といった意志が強く込められていた。

 

 

 

 「それじゃ、言ってくる。」

 

 

 

 そう一言、ミルに声をかけると、再び青白いナニカが竜人の体に広がった。

 そして、それが消え去るころには竜人は部屋の中にはいなかった。

 

 

 

 先ほどまで竜人がいた場所を、ミルはじっと見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは、とある海鳴市在住男性の話である。

 

 

 

 

 

 




読んでくださり、ありがとうございました。
次回の投稿はいつになるかわかりませんが、できるだけ早く投稿しようと思います。

それでは、また次話で。

8/2追記
ニュースで取り上げられた事件の時期について修正しました。
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