とある海鳴市在住男性の話   作:ばんちよ

3 / 5
こんにちは。
3回目の投稿です。



第三話

コブラ退治から二日後

 高橋宅 7:00

 

 

 

 高橋は朝食を取ったあと、コーヒーを飲んでいた。

 テレビからは朝のニュースが流れている。

 

 『_______昨日15:00頃、海鳴市北部の山中で日本に生息していないキングコブラが捕獲されました。専門家によりますと、一般人が飼育していたコブラが山中に捨てられたか、脱走し住み着いた可能性が高いとのことです。近辺の生態系に影響がないか、これから調査が_____』

 

 「あー、そういえばあのコブラ放置したままだったな。イカンイカン。」

 

 頭をポリポリと書きながらそうこぼす。

 そんな高橋のそばで丸まっていたミルは、バシバシと足に猫パンチを繰り出す。

 高橋の迂闊さを窘めるかのようだ。

 

 「分かった分かった。気を付けるよ。」

 

 そういうと、ミルは殴るのをやめ再び丸まる。

 

 (ホントにこいつ、人間の言葉を理解してるんじゃないのか・・・・?)

 

 疑惑の目をミルに向けるが、ミルは素知らぬ顔で知らんぷり。

 呑気にあくびなんてしている。

 

 (にしても・・・、どうするかねぇ。)

 

 高橋は、顔をしかめながらテーブルの上に目をやる。

 そこには、先日回収した宝石と、それと同じものが二つ、計3つの宝石が置いてある。

 高橋はコブラの件を含め、3度、発動した宝石を回収している。

 

 (・・・・なんかよくわからん魔力体がここら辺一帯に散らばったのが2週間前。ほっとくとまずそうだったから見つけ次第回収してるが・・・・。なんか他にも回収している奴がいるみたいだし。)

 

 そうなのだ。

 高橋がこの宝石の発動を確認したのは、実は3回だけではない。

 それよりも多く発動しているのだ。

 しかし、高橋が現地に向かうよりも前にその反応が消えることがある。

 他の誰かが回収しているようだ。

 

 (その人達に接触してこの宝石を渡すか?この件の当事者だと仮定した場合、そうするべきなのだろう。しかし、元々これだけの力を持ったものを複数持っていたとすると個人で行動しているとは考えづらい。何か組織に所属しているのではないだろうか。そして、その組織が今までこの石を囲っていた・・・・。)

 

 高橋は思考を巡らす。

 

 (だとすると迂闊には接触したくないな。できる限り俺の力は秘匿したい。・・・・・・・・まあ、鉢合わせした時に押し付けてスタコラサッサと逃げればいいか。)

 

 結局投げやりな結論に落ち着いてしまった。

 秘匿するためにはもっと綿密に対処法を考えたほうがいいのではないだろうか。

 

 この男は、自分の力を周りに秘匿しているのである。

 まあ、怪物を安々と倒すその力。

 そんなのが公になればかなり大騒ぎになるのは目に見えているのだが。

 

 それにしても、一体どのような経緯でこのような強力な力を得たのだろうか。

 真相は謎は謎のままだ。

 

 

 

 

 

 

 

 近くの公園 10:00

 

 今日は日曜日。

 昼から友人との約束があり、散歩がてら近くの公園を歩いていた。

 そしたら・・・・。

 

 「早速みつけちゃったよ、オイ。」

 

 公園の林の近くに例の宝石が転がっていたのだ。

 まだ発動していない様子だが、微量の魔力が漏れている。

 それを察知した高橋は、こうして探しに来たのである。

 

 幸い今日は日曜の午前中。

 いつもこの時間帯のここは人がいない。

 しかし、昼を過ぎれば家族で遊びにくる人が大勢いる。

 早いところ封印するのが吉だ。

 

 「都合よく見つかるなんて親切ですねぇ。来い。」

 

 毒づきながらもケースを呼び、手に取る。

 

 「変身。」

 

 体を青白い魔力がつつみ、先日と同じ竜人の姿になる。

 そのままカードを引き、使用する。

 

 『Sealed』

 

 特に何事もなく封印処置を施すことができた。

 青白い魔力が宝石を包むと消える。

 どこかに転送したらしい。

 

 「お仕事終了!さて、もうそろそろ時間だし、いきましょうか。」

 

 時間が近くなっているのに気づき、変身を解こうとする。

 

 

 しかし、それを許さない者がいた。

 

 「ん?」

 

 急に、視界が変化する。

 いる場所は公園で変わりない。

 しかし、風景が何やら茶色がかっているのだ。

 

 _________結界だ。

 何者かが結界を展開したのだ。

 

 (俺が使う結界とは違うな。後方から二人接近してくる。)

 

 恐らく別で回収作業をしていた者達だろう。

 まさか、こんなにも早く接触することになるとは高橋も思っていなかった。

 

 (・・・・・あ、そうか。今朝のアレはフラグになってしまったのか。)

 

 ・・・・・・この男どこかずれている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「アルフ。コイツからジュエルシードの反応がする。」

 

 (子供?)

 

 接触してきたものは、武器を構えそう言葉を発した。

 襲撃者は二人組。

 

 一人は金髪ツインテールの女の子。

 黒マントを羽織り、体は黒のレオタードのようなスーツで包まれている。

 武器はハルバードのような斧だ。

 全体的に黒い。

 

 「了解、フェイト。ちゃっちゃと終わらせようか。」

 

 そう高橋を睨むのは、オレンジの長髪の女性、アルフというらしい。

 胸部のみを隠したシャツに、ショートパンツ。

 手甲と足甲をつけている。

 

 

 とりあえず高橋が思ったのは、

 

 (どっちも結構きわどいな・・・・。)

 

 それくらい二人の服装はある意味きわどかった。

 少なくとも日本ではこのような服装で公の場を歩く人は一般的ではない。

 まあ、それは置いといて。

 

 (まいったな。思ったよりも攻撃的だな。)

 

 どうしたものか、と高橋が考えていると。

 

 「まったく変な見た目して、真っ赤じゃないか。とっとと倒してジュエルシード封印させてもらうよ。」

 

 そのまま、踏み込んで殴りかかってきた。

 高橋は思考を打ち切り、初撃をかわす。

 しかし、アルフの瞬発力は高く、間髪入れず二撃目がきた。

 

 「ふっ。」

 

 高橋は息を吐きながら迎撃。

 拳をかわし、背中を向けた状態で相手の懐に入る。

 そのまま腰を落とし、相手の振りぬかれた手首をつかみ、下に引っ張る。

 

 「なっ!?」

 

 体勢を崩され、アルフは驚いた声を上げる。

 そのまま高橋の腰に乗る形となった。

 次の瞬間、アルフの視界は逆さまになった。

 

 高橋は、片手をアルフの膝に当て、手、腰、足等全身で勢いをつけて足を払ったのだ。

 するとどうだ。

 アルフの体は一回転。

 アルフは地面に勢いよく叩きつけられた。

 

 「グッ。」

 

 まさか投げられるとは思わなかったのだろう。

 アルフは受け身を失敗し、背中を大きく打ち付けた。

 その衝撃に一瞬体が動かなくなる。

 

 その隙を高橋は見逃さなかった。

 後ろから即座に首を絞め、落としにかかる。

 

 「~~~~~!?・・・・・・。」

 

 アルフは落とされまいともがいていたが、拘束を解けず意識を落とした。

 高橋はそのまま拘束をほどかないで少女を見据える。

 

 「アルフ!?」

 

 少女、フェイトは即座に無力化されたアルフをみて悲鳴を上げる。

 

 「よくもアルフを・・・!」

 

 そういって、フェイトは高橋を睨みつけ、切りかかろうとする。

 それを高橋は手を出し、静止しようとした。

 

 「待て、話がしたい。」

 「えっ、しゃべった。・・・・暴走体じゃない?」

 

 フェイトは何故か高橋が話始めたことに驚き、動きを止める。

 

 「暴走体?・・・・・・ああ、なるほど。違う。俺はこの辺りに散らばった宝石を集めている者だ。」

 (いきなり無警戒で攻撃してきて変だと思ったが、俺のことを暴走体とやらと間違えたのか。)

 

 フェイト達はどうやら高橋のことを先日のコブラのような怪物と間違えたらしい。

 無理もない。

 高橋の今の見た目はまるっきり怪物である。

 

 「こっちは君たちと戦うつもりはない。彼女を気絶させたのは君たちが攻撃してきたからだ。」

 

 フェイトは見た目からしておそらく10歳未満。

 なるべく刺激せず、子供でも分かるように言葉を選んでいく。

 

 「君はどうして、・・・・その、ジュエルシードとやらを集めているんだ?」

 

 「・・・・・・・・アルフを離せ。」

 

 フェイトは応答を拒み、高橋を睨む。

 

 (あらやだこの娘頑固。子供を取り押さえたりとかしたくないんだけどな~。間違いなく通報案件だ。)

 

 「わかったわかった。離す、離すよ。でも、その前に集める理由をお兄さんに教えてくれないかな?あと、できればこれがなんなのかも。」

 「・・・・・・・・・・・。」

 「ちゃんと教えてくれたら離すし、俺が回収した奴もあげるよ。」

 「・・・・・・本当ですか?」

 「本当だよ。」

 

 高橋の話に半信半疑といった感じでフェイトは聞いてくる。

 そして、話し始めた。

 

 「それはジュエルシード。持ち主の望みを限定的ですが叶える宝石です。私は、母さんがそれを必要としてるから集めてます。」

 「これはどこで作られたんだい?どうして君のお母さんはこれを必要としているの?」

 「・・・・場所は知りません。古い遺跡から発掘されたとしか・・・・。母さんは・・・叶えたい願いがあるって・・・・。話すことは話しました。アルフを話して!」

 

 もう話すことはないというように、フェイトは大声を出す。

 

 (これ以上聞き出すと戦闘になりそうだ。ここら辺でいいか。)

 

 「よし、いいだろう。それじゃあこっちも約束を守ろう。」

 

 そういうと、高橋はアルフの拘束を解く。

 アルフはそのまま地面に倒れる。

 

 (今気づいたけど、犬耳としっぽがあるな。・・・・なぜ?)

 

 今この状況において割とどうでもいいことを考えながら、手のひらを広げる。

 すると、魔力が広がり、そこにジュエルシードが4つ出現した。

 それらをアルフの上に置く。

 

 「それじゃ、さよなら。」

 「待って、あなたは一体!?」

 

 高橋はフェイトの言葉に答えずに姿を消した。

 フェイトはアルフのもとに駆け寄る。

 

 「ジュエルシードが4つも・・・・。それに結界を超えていった。一体何者・・・・・?」

 

 フェイトの問いかけに答えるものはいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〈おまけ〉

 

 海鳴市某ファミレス内  12:30

 

 

 

 二人の男が話していた。

 

 「・・・・・・・祐樹。」

 「・・・・・・・なんだ?和也。」

 

 一人は先ほどまでフェイトと相対していた男、高橋。

 高橋祐樹。

 その向かいに座るのは友人、山田和也。

 

 休日の昼ということもあり、店内は満席でにぎわっている。

 しかし、この二人の席からは異様な雰囲気が漂っていた。

 

 祐樹は静かに話を聞く。

 

 「・・・・・俺たちは何のために生きている。」

 

 吐き出された言葉はただただ重かった。

 

 「痛みに耐えるだけのために?

  毎晩無くした右腕(野口)が、指先(樋口)が、足が(諭吉)が痛む。

  無くした体の_____。

  死んでいった(霊基変還)仲間達の痛みだけが_____

  いつまでも消えずに疼く。

  今もそこにあるかのように・・・・。」

 

 祐樹は静かに話を聞く。

 

 「地獄に落ちた俺たちだが_____、

  更にその下に堕ちることになる。

  喪われたものを取り戻す。」

 

 祐樹は静かに聞く________共のガチャ爆死報告を。

 

 「つまりもう一回ってわけね。」

 「そうだよ、チクショウ!!なんで、なんで当たらねえんだ、星5!!」

 「ネタ挟む辺りまだ余裕あると見た。」

 「うるせえ、こちとらギリギリじゃ。いや、課金するのは自分の責任だし自業自得なのはわかってるけどね。そういうお前はどうなんだよ。」

 

 友からの問いに祐樹はフッと笑いながら答える。

 「和也、俺も地獄から戻ってきた鬼だ。天国に未練なんかない。」

 

 

 「「というわけで10連ポチっとな。」」

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 二人とも爆死しました。 

 




読んでいただきありがとうございました。
やっと原作キャラでてきましたね。

それでは、また次回で。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。