ポケットモンスターミューズ   作:sunlight

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この小説はオリジナル設定です。


新たな出会いはトラブルの始まり

岩川たちの事件から一週間がたった。

生徒たちの間でも岩川たちの事件は話題にはなったが一週間も経ったらみんなその話題を持ち出す人はいない。

穂乃果たちのクラスも岩川大輔の席は空席になっていた。

最初はみんな岩川のことに戸惑っていたが一週間も経てばみんないつも通りの学校生活に戻る。

音ノ木坂学園には再び平穏が戻っていた。

 

 

 

 

 

「……」

1日の授業が終わり、放課後になってあの原因を解決に導いた第一人者である穂乃果は帰り支度をしながら1人考えていた。

その内容とはこうだった。

(何であの4人は私にあれ程絡んでくるのかなぁ?)

穂乃果がこう考える理由は岩川の事件の日から4人は穂乃果に対するアプローチ(穂乃果は気づいていない)が露骨になったからだ。

さらに、希までもが穂乃果と会うたびに穂乃果によく絡んでくるようになったのだ。

最近では、穂乃果の胸を後ろから揉む希先輩曰く『ワシワシ』というものをされている。

しかし、それをされる度に海未たちからはドス黒いオーラが出てくるのだ。

希は希でしてやったりというような顔をするので、顔を合わせる度に4人は火花を散らしている。

しかし、穂乃果は何故あの4人があそこまで仲が悪いのか分からなかった。

 

 

 

 

穂乃果は考えごとをしながら下駄箱から靴を取り出して履き昇降口を出る。

今日は、海未は弓道部の部活、ことりは最近始めたらしいメイド喫茶のバイト、真姫は両親との約束があり、希は生徒会の仕事があるため、穂乃果は1人で帰るのだ。

誰かと一緒に帰らないのは寂しそうに見えるが穂乃果は1人で帰るのも嫌いではない。

何故なら考え事に集中できるからだ。

「……………」

しかし、いくら考えてもあの4人があそこまで仲が悪いのかは穂乃果には分からなかった。

「みんなで仲良くしたいなぁ…」

穂乃果はポツリと願望を呟くと、校門を出て帰路につこうとすると、

 

 

 

 

 

 

「キレイハナ! エナジーボール!」

「チョロネコ! みだれひっかき!」

『キレッ!』

『チョロ〜!』

「ヘラクロス! メガホーンで相殺!」

『ヘラー!』

 

 

 

ドガーン!!!!

 

 

 

「‼︎」

どこからかポケモンと人間の声が聞こえてきた。技の名前を叫んだり爆発音が聞こえるあたりポケモンバトルをしているのだろう。

穂乃果が気になってその場所に向かった。

 

 

 

 

「ドグロック! キレイハナにベノムショック!」

『ドグロ!』

 

 

 

ドガーン!

 

 

『キレッ!』

 

 

 

 

穂乃果はそのポケモンバトルをしているだろう場所に着いた。

そこは、音ノ木坂学園の近くにある広い空き地だった。

空き地にはポケモンバトルするためにだろうバトルフィールドのような線が引いてあり、本物のバトルフィールドのようになっていた。

確かにこの空き地ならばバトルの邪魔になるものはほとんどないし、近隣にあるのは無人のアパートと、倒産して解体作業が来月から行われる廃ビルなので壊してもなんら被害はない。

穂乃果が見てみるとバトルのルールはタッグバトルだった。

さらに、ポケモンバトルをしているフィールドの周りには音ノ木坂学園の制服を着た生徒が数人いた。

そして、バトルをしているのは音ノ木坂学園の制服を着た、朱色の髪色でショートヘアーの元気そうな印象を与える少女と、髪にカチューシャをつけて眼鏡をかけていて大人しそうな印象を与える少女がタッグを組み、同じく音ノ木坂学園のデザインの制服を着ている女子生徒2人のタッグとポケモンバトルをしていた。

しかし、穂乃果はカチューシャの女子生徒たちの相手の女子生徒たちの制服を見てギョッとした。

何故なら、女子生徒2人は真っ黒な制服だったからだ。

そして、よく見るとバトルしているカチューシャの少女たち2人以外、観戦している生徒全員が黒い制服を着ていた。

音ノ木坂学園のデザインの制服から音ノ木坂学園の生徒だということはわかるが女子生徒特有の学年を見分けるためのリボンの色が違うことを除けば他は真っ黒の黒い制服だったからだ。

正直、デザインに気づかずに色だけで判断していたら違う学校の生徒だと勘違いしていただろう。

(何…? あの真っ黒な制服… 音ノ木坂学園にあんな制服の人いたっけ…?)

穂乃果はそんな人達を見て気味が悪かった。

 

 

 

 

 

ドガーン!!!!

 

 

 

ドサッ!

 

 

 

「キレイハナ!」

「チョロネコ!」

 

 

「キレイハナとチョロネコ戦闘不能! よって、ドグロックとヘラクロスの勝ち! よって勝者、岩尾美希さんと荒川渚さん!」

『ヘラー!』

『ドグロ!』

穂乃果がそう考えている内にポケモンバトルの勝敗はついた。審判をしていた男子生徒が結果を宣言するとヘラクロスとドグロックは勝利の雄叫びをあげた。

そして、ポケモンバトルに勝利した荒川と岩尾と呼ばれた女子生徒2人はヘラクロスとドグロックをモンスターボールに戻し、カチューシャの少女とショートヘアーの少女に近づいた。

しかし、その表情は不気味な笑みを浮かべていた。

「っ‼︎」

穂乃果はその笑みを見て何か嫌な予感がしてその場所にむかった。

 

 

 

「戻って! キレイハナ!」

「戻れ… チョロネコ…」

その頃バトルフィールドでは、ポケモンバトルに負けた2人がポケモンをモンスターボールに戻しているところだった。

荒川と岩尾は2人の前に立った。

そして、荒川が言った。

「さあ、貴女のポケモン私によこしなさい」

荒川が2人に言った。

「…い、嫌です…」

カチューシャの少女が首を振りながら後ずさり消え入りそうな声で荒川に言った。

 

 

 

ダンッ!

 

 

 

「「……ッ!」」

ビクッ!

 

 

 

カチューシャの少女の言葉が気に障ったのか岩尾が地面をふみ鳴らして2人を脅した。

「気に入ったポケモンくれるって約束でしょ? 私たちがタダであんた達なんかとポケモンバトルしてやるとでも思ってたの?」

岩尾はそういうとカチューシャの少女の腰についていたホルターからモンスターボールを奪いとった。

「や、やめて!」

その時、ショートヘアーの少女がカチューシャの少女のホルターを奪いとった岩尾にホルターを取り返そうと飛びかかった。

しかし、

「レディアン、いとをはく」

 

 

シュルシュルシュルシュルシュル

 

 

「にゃっ⁉︎ くっ…」

ショートヘアーの少女が岩尾に飛びかかるより前に荒川がレディアンを繰り出しいとをはくでショートヘアーを縛り上げた。

そして、その少女からもホルターを奪いとり、再びカチューシャの少女の方を向く。

「こうなりたくなかったらあんたのポケモン全部見せなさい、そこから私が気に入ったポケモンをもらってあげる、弱いあんたなんかより私が持っていた方がポケモンも幸せよ」

カチューシャの少女はもう泣きそうだったが何も言い返せなかった。

2人が諦めかけたその時、

 

 

 

「はいはい、そこまでですよ」

 

 

 

荒川と岩尾が2人のホルターからモンスターボールを取り出した時、明るい少女の声がその場に響いた。

 

 

 

 

 

荒川と岩尾がその方向を見るとそこには、オレンジ色のサイドテールの髪型で音ノ木坂学園の制服を着ている穂乃果が立っていた。

荒川と岩尾は穂乃果を見ると舌打ちをした。

「何だ、あんた? 私たちに文句でもあるの?」

荒川が穂乃果に喧嘩腰で言うと穂乃果は真剣な顔で言いかえした。

「ポケモンバトルに勝ったからって言って他人のポケモンを奪おうとしている人がいたので止めに来たんです」

穂乃果が言うと荒川と岩尾は大笑いをした。

「ハハハ! 負けたらポケモンを渡すっていう約束でポケモンバトルをしたんだよ! そもそも、弱いあいつらが待っているよりか、私たちが持っている方が良い…」

荒川が言うと岩尾も便乗した。

「そうそう、むしろ良いことよ! 弱くて使えないトレーナーからポケモンたちを解放してやってるんだから! 逆に感謝して欲しいくらいよ!」

荒川と岩尾のあまりにも酷い言葉にカチューシャの少女とショートヘアーの少女はもう今にも泣きそうだった。

周りにいたギャラリーも荒川と岩尾の仲間らしく『そうだそうだ』と言っている。

穂乃果はそんな荒川たちに目を向けずに俯いた。

荒川と岩尾は俯いた穂乃果を見てニヤリと笑った。

「ねえ、あんたもこの子たちの肩を持つってことは、弱いトレーナーよね? それなら、あんたも持っているポケモン全部、私たちによこしなさい!」

「‼︎」

荒川が穂乃果に言うと穂乃果は言葉にならない声を小さくあげた。

それが聞こえなかったのか岩尾も穂乃果に詰め寄る。

「そうね、あんたが持ってるより私たちが持っていた方がポケモンたちも救われるわ、わかったらさっさとよこしなさい!」

荒川と岩尾が手を出して穂乃果にポケモンを全部寄越せと言うが穂乃果は俯いたままだ。

「何よ! 何か言いなさいよ!」

「黙ってないで、さっさと寄越せ!」

荒川と岩尾がいつまでも俯いたまま何も言わない穂乃果を見て穂乃果に怒鳴った。

そして、次の瞬間

 

 

がばっ

 

 

俯いたままの穂乃果が顔をようやく上げた。

荒川と岩尾がポケモンを全部寄越せと脅そうとしたがすぐに声が喉に引っ込んだ。

「「⁉︎」」

何故ならさっきとはうって違う氷のような冷気を放つ瞳をしている穂乃果が荒川と岩尾を睨みつけていたからだ。荒川と岩尾はその絶対零度の冷気を放つ瞳に思わず震えあがった。カチューシャとショートヘアーの少女も、さらには荒川たちの仲間までもだ。

声がでない荒川たちを見て穂乃果は不敵に笑った。

そして、今度は荒川たちに聞こえるようにこう言った。

 

 

 

 

「私は、こんなポケモンバトルは普段は受けないんだけど、一度くらいならいいや… でも貴女たちが私のポケモンを欲しいのなら………」

 

 

 

 

 

穂乃果は一旦そこで言葉を区切った。

 

 

 

 

 

「私たちに勝てるものならの話だよね………!」

 

 

 

 

 

穂乃果がそう呟くとモンスターボールをポケットから取り出し構えた。

 

 

 




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