今回は元ネタありです。
空き地でのポケモンバトルから次の日、学校の昼休みにいつもの中庭で昼食を食べながら穂乃果は昨日のことを海未たちに話していた。
「え⁉︎ そんな人たちがこの音ノ木坂学園に⁉︎」
穂乃果の話を聞いて驚いていきなり大声をあげたのは意外にもことりだ。
理事長の娘でもそんな話は聞いたことがなかったのだろう。
「うん… ことりちゃん、何か知らない?」
穂乃果が聞くとことりは首を困った顔をした。
「ゴメン… わからない… 黒い制服の人たちなんてあったことないし… お母さんもそんな人たちのこと何も言ってなかったし…」
ことりは申し訳なさそうに穂乃果に言うと、穂乃果は大丈夫だとことりを元気付けた。
「しかし、誰なんでしょうか? その黒い制服の人たちって…」
「1年生にはそんな人いないわよ?」
海未が疑問に思い言うと真姫が自分たちの学年にはいないと言う。
「希先輩は何か知ってます?」
海未たちにはその黒い制服の人たちに心あたりがないと言うので穂乃果は生徒会の副会長である希に聞いた。
「…その人たちって…」
希が口ごもりながらも言い出した。
「何か知ってるんですか⁉︎」
穂乃果が希に詰め寄ると希は答えにくそうにこたえる。
「その人たちは音ノ木坂学園の公安委員会というやつらや…」
希が言うと「公安委員会?」と全員が聞く。
希は言いにくそうにその公安委員会というやつらの説明をした。
「公安委員会というんもんはいわばこの音ノ木坂学園の治安を守るために組織された学園警察みたいなもんや、力で悪を取り締まる武闘派集団で黒い制服が目印なんや、ちなみにそれは毎年3年生から選ばれる」
希が説明すると海未が聞く。
「で、でも! そんな人たち私たち知りませんよ⁉︎ そもそも学園警察とあろう人たちが何でそんなカツアゲみたいな事をするんですか⁉︎」
海未の質問に希は額をおさえた。
「知らんのは当然や… あいつら滅多に活動なんかしてへんからな…」
「「「「えっ⁉︎」」」」
希の言葉に全員が驚く。
その反応にこたえるように希は続ける。
「腐っちまったんや… 昔は学園警察として名を馳せてて音ノ木坂学園のブランドの一つやったらしいんやけど、今の公安委員会は暴力にものを言わせて金やポケモンを奪い取る。いわばヤクザ同様の集団なんや… 公安委員会は偉いと言う謎の理論により学校にもほとんど登校せぇへんし… せやから教師たちも関わらんようにしてんのや… 公安委員会の存在を知ってんのはウチら3年生と教師たちだけ、だからウチら生徒会も何とかしよ思てんやけどな… それに、音ノ木坂学園が廃校になったきっかけも元はといえばあいつらの悪名が広まったせいなんやけどな…」
「悪名が広まったって?」
ことりが言うと希は続けた。
「ウチらが3年生に進級する少し前やった。あいつらがこの近くに通う中学生から穂乃果ちゃんが言うてた空き地の時みたいにポケモンバトルを無理矢理やらせて負けたらポケモンをその相手の中学生から奪うというのを何件もやってたんや!」
「「「えっ⁉︎」」」
あまりの非情なことにみんな声が出なかった。
希は続ける。
「それが広まって音ノ木坂学園の評価はガタ落ち… 今年の公安委員会は1番酷い連中らしくてな… 音ノ木坂学園の生徒たちが混乱しないよう、その事件はさすがに学園側が動いて公安委員会の連中にポケモンを返させて解決したんやけど… これ以降公安委員会による被害を出さんように公安委員会は今年で終わりにしようと教師たちとウチら生徒会で決まったというわけや… せやから知らんのは当然や、知っている人たちが隠してるんやからな…」
希が言うと全員が黙って俯いた。
ー宮下 sideー
同時刻、公安委員会のリーダーである宮下たち公安委員会は昨日、穂乃果と荒川たちがポケモンバトルをした空き地のとなりにある廃ビルの屋上から中庭の様子を双眼鏡で見ていた。
この廃ビルからは中庭が見えるのだ。
「ふふ… 見つけたわ… 何を話しているのかしらね〜…」
中庭で穂乃果たちが自分たちのことを話しているとは知らず、宮下は自分が気にいった相手を見つけられて嬉しそうだ。
「なあ、本当にあの真ん中にいるオレンジ色のサイドテールのやつが荒川に勝ったのか? 見るからに弱そうなんだが…」
ご機嫌な宮下のとなりでは同じく穂乃果たちを双眼鏡で見ていた小宮が納得いかないというような表情をしていた。
「本当だよ! 私たちに勝ったのはあいつよ!」
確認のために呼ばれた荒川が穂乃果を指差しながら小宮に言う。
しかし、小宮は信じなかった。
「そうか? 俺にはあの周りにいる奴らの方がまだ強そうに見えるがな…」
小宮が言うと荒川が「どうして?」と聞いた。
小宮はため息を吐いた。
「お前な、自分の通っている学校のことくらい知ってろよ… まあいい説明してやる」
小宮はそう言うと小さく咳払いをして荒川に説明し始めた。
「あのオレンジ色サイドテールの髪型の奴の左にいるロングヘアーのやつは街でも有名な園田道場の娘だ、部活の弓道でも好成績を収めているよ。 反対側のベージュの髪を上からまとめた奴はこの学校の理事長の娘だ、あの赤髪の奴は確か、今年の入学者で成績トップをとって新入生挨拶をしていた奴だ。そんで、西木野病院の1人娘、まあ正真正銘のお嬢さまだ、最後にあの黒の強い紫色の髪をおさげにしてる奴は東條希つってな、同級生だから知ってると思うが説明してやる、あいつは生徒会の副会長を務めてる、まあ、廃校になったんじゃかたなしだろうがな…」
小宮の説明に荒川は納得した。
「でも、何で小宮がこんなに詳しいの?」
「学校の有名人くらい知ってるだろ!」
小宮がどうしてこんなに詳しいのか気になった荒川が小宮に聞くと小宮は自分の通っている学校の有名人くらい覚えてろ!とつっこまれた。
「まあまあ、落ち着きなよ」
宮下が双眼鏡を見てニヤニヤしていて小宮に荒川が怒鳴られている何ともシュールな光景で1人落ち着いた声がその場に響いた。
「なんだよ、奈良」
小宮が荒川に怒鳴るのをやめて奈良のほうを見ると奈良は穂乃果たちを双眼鏡で見て呟いた。
「まあまあ、あのサイドテールのやつが強いかどうかは分からないが、もしそれなら俺、そいつとポケモンバトルして見たいんだよね〜」
奈良は落ち着いた声で穂乃果を双眼鏡で見ながら小宮たちにニヤニヤ笑いながら言った。
「そうだな、俺もやるなら今だと思うな、何たって公安委員会はこの音ノ木坂学園の正義であるんだからな。そんな俺たちに楯突いたんならそれ相応の罰が下って当然だからな」
奈良の隣から金髪の男子が割り込んだ。
「近衛もかよ…」
小宮が呆れたように言う。
奈良と近衛の言葉にあの時負けた屈辱を果たすために荒川と岩尾もその提案に乗った。
自分たちこそ正義だという間違った正義感を持っている公安委員会のメンバー
は自分たちのしたことは棚に上げ、穂乃果が悪いとまで言い出したのだ。
「まあ、そんなに言うんなら実際にポケモンバトルしてみれば? そしたらハッキリするでしょう… 小宮、そうしたらアンタもあの子が弱いか否か分かるんじゃない?」
「……!」
宮下が双眼鏡を外し、首にかけながら近衛と奈良に言うとリーダーの許可もとれたことに大喜びし、「早速、今日の放課後一斉に仕掛けよう」と打ち合わせをしている。
小宮も宮下の言ったそれを聞いて自分の力を見せしめるためとあいつが弱いことを証明するいいチャンスだと思ったらしくその提案に乗った。
宮下は小宮たちの様子を見て不敵に笑った。
そもそも、彼女の目的は穂乃果の力を目の前で確認することなのだ。
だからこいつらがバトルすることが宮下にとってはいい確認になるのだ。
「ふふふ… 私に見せてよ… 貴女の力を…」
宮下は放課後が楽しみだと言わんばかりに不敵に笑いながら呟いた。
ー宮下 side endー
そんなことを宮下たちが話し合っていたとは穂乃果たちが知る由も無い、
そして、公安委員会の厄介な奴に気に入られていることも…
この厄介な出来事の幕開けはもうすぐそばに近づいていた。
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