ハーレムものはやはり難しいです….
ピリリリリリリリリリリリリ……
「うーん……… 朝か…」
いつもの穂乃果が起きる時間である朝の6時に目覚まし時計のアラームが鳴り、穂乃果がベッドから眠そうに目をこすりながら起き上がる。
「みんなにご飯食べさせに行かないと…」
ポケモンたちへのエサをやりに穂乃果が地下に向かう。
「あっ! 穂乃果、おはよう!」
「おはよう…」
「おはよう! お父さん、お母さん」
厨房に着くとお母さんとお父さんが早くも今日の仕込みをしていた。
「お母さん、どうしたの? こんなに早く…」
穂乃果が母親に聞いた。
「昨日の夕方に隣町の老人ホームからほむまんの大量注文があったのよ、そのために今から仕込みをしているの。夕方に届けて欲しいって言っていたわ」
「へー… そうなんだー…」
ドンッ!
穂乃果が感心していると穂乃果の脹脛の辺りに何かがぶつかった。
「わぁっ‼︎」
『バオプ! オププ…』
「ああ! 危ない!」
ぶつかったことに驚いた穂乃果が声をあげながら、後ろを見るとお母さんのポケモンである小さな赤い炎のような頭をした小人のようなポケモンであるバオップがヨロヨロとたくさんの材料をかかえながらよろけていた。どうやらお母さんに頼まれて今日のほむまんの材料を取ってきたところだったのだが、あまりにもたくさん持ちすぎて前が見えずに穂乃果にぶつかったのだ。危うくバオップが材料を落としそうになったが、穂乃果が素早くバオップの持っていた材料を支えたおかげでなんとか落とさずにすんだ。
「フー… セーフ…」
「こら! バオップ!」
穂乃果が安心しているとバオップのトレーナーであるお母さんに怒られる
「多くの物を持つと前が見えなくなって危ないでしょ!」
『オプ…』
お母さんに怒られてすっかりしょげるバオップをかわいそうに思ったのか穂乃果がフォローする。
「お、お母さん、バオップだってお母さんのために手伝ってくれたんだから… に怒らないであげて…」
穂乃果がお母さんに言うとしょげているバオップを見て、お母さんも言いすぎたと思ったらしく「少し言いすぎたわ… ごめんなさい…」とバオップに謝った。
『オプ… オプ…』
バオップも自分の不注意を穂乃果とお母さんに頭を下げて謝った。
仲直りが済んだところで穂乃果は、ほむまん生地をこねているのお父さんの脇を通り掃除棚のスイッチを押し地下室に入って行った。
「フー… 餌やり終わりと…」
「あ、穂乃果、もう朝ごはんできているわよ」
数分後、ポケモンたちにエサを与えた穂乃果が地下室から出てくると仕込みを終えたお母さんが朝食を作り終え、その料理を料理を手伝っていたのだろうチャーレムが運んでいた。
ちなみにチャーレムもお母さんのポケモンだ。
「よし、チャーレムありがとう」
『レム〜』
「ふあ… お姉ちゃん、お母さん、お父さん、おはよう…」
朝食の準備が整いチャーレムをボールに戻して雪穂をお母さんが起こしに行こうとしたところ雪穂が眠そうな目をこすりながらリビングに入ってきた。
「おはよう! 雪穂」
「おはよう、 雪穂」
「おはよう…」
穂乃果、お母さん、お父さんが雪穂に挨拶を返す。雪穂も席に着いたところで高坂家の朝食が始まった。
「あ、そうだ! お母さん、今日はポケモンたちとご飯食べていい?」
「ええ、いいわよ」
雪穂がお母さんにポケモンたちと朝食をとってもいいか聞くとお母さんが快く承諾してくれたので雪穂は大喜びでモンスターボールを放り投げ自分のポケモンたちを出す。
「ワカシャモ、エーフィ、キノガッサ、ハトーボー、朝ご飯だよ!」
「バオップ、チャーレム、フォレトス、ハーデリア、あなた達もよ」
「ヒヤップ、ヤナップ、フタチマル、ナットレイ、飯だ…」
『シャモ!』
『ノガッサ!』
『オプ、オプ!』
『フォーレ…』
『タチィ』
『ナット!』
雪穂につられてお母さんとお父さんもモンスターボールから自分たちのポケモンたちを出しポケモンフーズをポケモンたちに与え、一緒に朝食を食べ始める。
高坂家では、たまにこんな風にポケモンたちと一緒に朝食を食べる日があるのだ。
ちなみに穂乃果のポケモンはすでにさっき食べたのでモンスターボールの中だ。穂乃果の持っているポケモンは多くなかには穂乃果が作ったあの広い地下室でないと飼えないほどの大きな重量級のポケモンもいるのだ。そのため、穂乃果のポケモンたちはこの朝食には参加していない。
「ごちそうさまでした」
1番早く朝食を食べ終えたのは穂乃果だ。もうすぐ幼なじみの2人が迎えにくるので自然と早く食べ終われるようになったのだ。
『穂乃果ちゃーん!』
『穂乃果ー!』
言ってるそばから幼なじみの声が聞こえた。
「いってきまーす‼︎」
流し台に食器を片付けてカバンを持ち穂乃果は2人の待つ場所へ玄関を開けて向かった。
「おはよう! 穂乃果ちゃん!」
「おはようございます。穂乃果」
「おはよう! ことりちゃん! 海未ちゃん!」
いつも通り穂乃果に2人が挨拶し穂乃果が笑顔で挨拶を返すとやっぱり2人は顔を赤らめる。
(本当にいつも何でこの2人は挨拶返したら顔を赤らめるんだろう?)
2人の気持ちに全然気づかない穂乃果は首をかしげる、これもいつものもはや光景だ。
「本当に鈍感ですね…」
「私たちの気持ちに穂乃果ちゃんはいつ気づいてくれるのかな…」
首をかしげた穂乃果を見て海未とことりはため息をつく。
顔を赤らめたと思ったら今度はため息をつきガッカリしたような顔をする幼なじみ2人の百面相に穂乃果は頭にクエスチョンマークを浮かべた。
「? 2人とも早くも学校に行こうよ、遅刻しちゃうよ?」
穂乃果が2人に言うと2人はため息をつきながら3人一緒に歩き出す。
「そういえば、ことり、理事長の許可はとれましたか?」
3人が学校の校門を通るとポケモンリーグの参加許可が取れたか海未がことりに聞いた。
「うん! 穂乃果ちゃんのポケモンバトルの腕はお母さんもよく知ってるし! なかなかに面白そうだから理事長としては許可しますって!」
「本当ですか! それなら後は生徒会の許可を取るだけですね! 今日の放課後にでも行きましょう!」
ことりが笑顔で理事長の許可がとれたと言うと海未も笑顔になり生徒会への許可をもらいに行こうと言う。
そんな盛り上がっている海未とことりとは裏腹に穂乃果は心配していた。
(あの生徒会長が簡単に許可するかな?)
海未とことりは生徒会への許可が簡単に取れると思っていたが穂乃果はそうは思えなかった。
なぜなら穂乃果の妹の雪穂の友達に綾瀬亜里沙と言う女の子がいて『音ノ木坂学園に私の姉が通っている』と雪穂に言っていて穂乃果にも亜里沙のことを雪穂は話していた。穂乃果は名字が同じということで亜里沙の姉が生徒会長であるということに気づいた。そして昨日、雪穂にこってりしぼられた後、『雪穂の友達の亜里沙ちゃんはお姉さんのことを何か話してなかった?』と雪穂に聞いたのだ。雪穂は答えにくそうにしていたが穂乃果が熱心に頼むのでとうとう教えたのだ。
雪穂が言うには廃校が決まってからお姉ちゃんが『私が絶対に廃校を阻止する!』っていつも言ってばかりでお姉ちゃんがすごく怖くなったと亜里沙は言っていたそうだ。
穂乃果はこれを聞いてようやく納得した。『廃校が決定した』と理事長が言っていたときあんなに生徒会長が険しい顔をしていた理由はそれだったのかと、しかも、生徒会長は『私が』と亜里沙に言っていたことから生徒会の人たちを頼らず1人で廃校の問題をなんとかするつもりらしい、そんな人がポケモンリーグに出場し入選し入学希望者を増やすなどという普通なら難しいことを許可するとは穂乃果は到底思えなかった。
(でも、そんなこと2人には言えないしな…)
穂乃果は今度は海未とことりを見た。2人とも理事長の許可がとれたことに大喜びしている。その雰囲気に水を差すのも気がすすまないし何より2人とも自分のためにここまでしてくれているのだから、そんな2人の好意を踏みにじることは穂乃果には出来なかった。
(まあ… 生徒会長にとりあえず許可もらえるか聞きに行ってその後のことはそれから考えよう…)
穂乃果はそう考え無理やり自分自身を納得させた。
左右で笑顔で話している海未とことり、真ん中でうかない顔をしている穂乃果、シュールな光景のまま昇降口に入った途端、
ダキッ!
「えっ⁉︎」
穂乃果に急に誰かが抱きついたのだ、驚いた穂乃果は条件反射ですぐに振り払おうとするががっしり抱きついていて振り払えなかった。
「同じ学校に通っていたなんて… これって運命ね……!」
穂乃果に抱きついて顔を穂乃果の胸に埋めたまま抱きついた人物は言った。
穂乃果はその人物が誰なのかを確認するために自分の胸からその人物の顔を引き離した。
「あ、貴女は…」
穂乃果はその人物が誰だったのかを見てサーっと顔から血の気が引いていくことが自分でもわかった。
「ふふふ……」
穂乃果の胸から顔を離して妖艶に笑うその人物とは、
「西木野真姫… さん…?」
「ふふふ♪ そうよ! あなたの真姫よ!」
そう、昨日チンピラたちに絡まれていて穂乃果が助けた少女である真姫だったのだ!
「やっぱり貴女はかっこいい…」
そういうと真姫は穂乃果に再び抱きつき穂乃果の胸に顔を埋めた。
「もう、二度と貴女を離さないわ…」
穂乃果の胸に顔を埋めたまま真姫は小声で呟いたが穂乃果には真姫が何て言ったかはっきり聞こえた。
穂乃果はその声を聞いて背筋が凍った。
そして、同時に『昨日、自分はとんでもない人を助けてしまった』と思った。
「どうしてこんなことに…」
穂乃果に早速受難が降りかかったが、これはほんの始まりにしか過ぎなかったのだ…
兄から誰か1人くらいヤンデレにしてほしいと依頼がありましたので真姫をヤンデレにしました。
ヤンデレも書いたことがないので上手く書けたか評価を感想欄によろしけばお願い致します。