ポケットモンスターミューズ   作:sunlight

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この小説はオリジナル設定です。


因縁をつけられた太陽

「ポケモンバトル大会か…」

ここは穂むらの2階にある穂乃果の部屋、穂乃果はベッドに横になって生徒会長の言っていたポケモンバトル大会のことを考えていた。

 

ポケモンバトル大会は音ノ木坂学園に半年に1回ある学校行事だ。前にも説明した通りオトノキ地方ではポケモンバトルが盛んだ。そのためオトノキ地方の学校はこんな風にポケモンバトル大会を学校行事に加えている学校が多い。音ノ木坂学園もその1つだ。ポケモンバトル大会のルールは各学校により異なるが、音ノ木坂学園のルールはこうだ。

まず、各クラスで代表者を1人決める。

次に学年でポケモンバトルをして、学年の代表者を1人決める。

そして、最後に1年生から3年生まで総当たり戦でバトルをし、勝率により優勝者を決めるのだ。

 

 

去年の優勝者は今日、穂乃果とバトルしたあの生徒会長だ。そして、その時に優勝してからはこの音ノ木坂学園のポケモンバトル大会では一敗もしておらずいつのまにか学園最強と呼ばれていたらしい。

 

 

ちなみに穂乃果はこの音ノ木坂学園のポケモンバトル大会には今までは1度も参加したことはない。理由は自分の強さからの経歴がバレることを防ぐためと、自分の強さを周囲の人間に見られたくなかったからだ。

そして、前にも説明したがオトノキ地方に自分の力を知られたくない人がいるからだ。

 

 

(でも、さすがに学校のポケモンバトル大会は大丈夫でしょ… それに、ポケモンリーグは海未ちゃんかことりちゃんを説得して出てもらおう… あの2人もポケモンバトルは弱くないし)

 

 

穂乃果は他地方と同じようにこのオトノキ地方のポケモンリーグに出場すればほぼ確実に上位は狙える。優勝する可能性も十分ある。しかし、優勝すればこの前のA.RISEの勝利のインタビューのように優勝者はその顔を大衆に晒される。穂乃果はそれを避けたかった。他地方の時のように顔出しを拒否することは出来るがポケモンリーグにきていた観客や選手には見られてしまう。そして、知られたくない相手がポケモンリーグに来ている可能性もゼロではないからだ。

 

 

 

 

 

 

 

「はあ… 取り敢えず、ポケモンリーグの問題は後でじっくり考えるとして今は、目先のポケモンバトル大会のことに集中しよう…」

 

 

 

 

 

穂乃果はそう呟くと電気を消して布団を被り眠りについた。

 

 

 

 

 

 

ー翌朝ー

「穂乃果先輩〜♪」

「「……」」

「あ、あの…」

穂乃果は今、一昨日チンピラに絡まれていたのを助けた真姫に腕を抱きつかれて困っていた。

そして、その後ろからは幼馴染2人が後ろにブラストバーンのような炎をまとわせながら真姫を睨みつけていた。

どうしてこうなったのかを説明すると、朝、穂乃果が朝いつものように学校に行こうとするといつもは幼馴染2人が自分の名前を呼んでくれるのに今朝は呼ばなかったため2人とも『今日は休みかな?』穂乃果が思って玄関を開けるとそこには幼馴染2人はいたのだが穂乃果の方を見ず別の方向を射殺すように睨みつけていた。穂乃果が2人が睨みつけていた方向を見ると、そこにはあの時助けた真姫がいた。真姫も海未とことりを同じような目で睨んでいたが穂乃果が来るとその顔を笑顔に変え穂乃果に抱きついた。

そして今の現状に至るのである。

 

「〜♪」

「「……」」

「ち、ちょっと真姫ちゃん… みんな見てるから…」

 

真姫は穂乃果の腕に抱きついたまま離さない。ちなみになぜ真姫が穂乃果を下の名前で呼んでいるのかは『穂乃果が高坂じゃなくて穂乃果と呼んでね』とさっき真姫に言ったからだ。そして、穂乃果がそう言った瞬間、真姫はぱぁぁ、と顔が輝きに海未とことりは視線はさらに不機嫌な表情になった。

この二元化現象に穂乃果は戸惑うばかりだ。

 

(なんでこの3人はこんなに仲が悪いのかな?)

 

自分が原因だと気づかない鈍感は腕に真姫を抱きつかせたまま歩き出そうとした。その時にようやく海未が穂乃果の腕から真姫を離した。

「何するのよ‼︎」

「貴女のような人が穂乃果に私の穂乃果に抱きつくなど笑止千万!」

「そうだよ! 穂乃果ちゃんはことりのものだよ!」

「なんですって!」

「私は物じゃないのに…」

いきなり腕から離された真姫は腕から剥がした海未に怒鳴ると海未も真姫に怒鳴り返し、そこにことりも加わり穂乃果は誰のものかで言い争いになってしまった。3人の気持ちに気づかない穂乃果ら論点外れなことをボヤいていた。

その間にも3人の言い争いはヒートアップしていく。

「穂乃果先輩は私のものよ! 邪魔しないでよ!」

「笑わせるんじゃありません! 穂乃果は私のものです!」

「ちょっと… いくら海未ちゃんでもそれは聞き捨てならないなぁ〜……!」

 

 

 

ざわざわ… ざわざわ…

 

 

 

3人があまりにも激しく言い争うので通行人が何事かと穂乃果たちを見る。

穂乃果はさすがに恥ずかしくなった。

「み、みんな… 近所迷惑になるから早く学校に行こうよ…」

穂乃果がそう言うとあれだけ激しく言い争っていた3人がぴたりと言い争いをやめた。

「でも…」

「でもじゃないよ! ほら! 早く行こう!」

穂乃果はこれ以上通行人や周囲の人たちに自分たちの痴態を見られるのは嫌なので3人に早く学校に行こうと言った。3人はまだ納得がいかず不服そうな顔をしていたが穂乃果が3人の背中を押し強引に歩き出させた。

 

 

 

 

ー教室ー

「おい… 見ろよ」

「あ… 噂をすれば来たよ!」

「高坂さんが来た…」

「あの噂本当なのかな…?」

学校に着き真姫と別れた後、穂乃果たちが教室に入るとクラスメイト全員が一斉に穂乃果たちを正確には穂乃果を見た。

「ど、どうしたの?」

いきなりクラスメイト全員から視線を向けられて穂乃果はたじろぐ。

「穂乃果! ねえ! あの噂って本当⁉︎」

「学園最強の生徒会長とポケモンバトルしたって!」

「どうなの⁉︎ 穂乃果!」

矢継ぎ早に穂乃果に聞いたのは穂乃果の友達のヒデコ、フミコ、ミカの女子3人、いつも3人一緒にいるのでみんなからは3人まとめてヒフミと呼ばれている3人だ。

「え? 何で知ってるの…?」

穂乃果がヒフミに聞いた。

「昨日、私の知り合いの後輩が見たのよ! 生徒会長と穂乃果がポケモンバトルしてるところ! でも、その時はもうポケモンバトルは終わってて… ねえ!どっちが勝ったの⁉︎」

「え? い、一応勝ったのは私だけど…」

ヒデコが興奮しながら穂乃果に聞く。穂乃果は咄嗟のことで嘘が思いつかず本当のことをヒデコに言うと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えええええええええええええええーーーーーーーー!!!!!???」

 

 

 

 

 

 

その途端、教室中が驚きに包まれた。

「それって本当⁉︎ 穂乃果!」

ヒデコがさらに興奮した様子で穂乃果に聞き返す。

穂乃果は『しまった!』と思ったがここまで来たらもう引き返せない。

「う… うん…」

自分の失態に戸惑いながらも穂乃果は何とか頷く。

「高坂さん、すごい…」

「学園最強に勝っちゃったの…?」

「信じられない…」

穂乃果は自分の経歴に勘付かれないか不安で周りの声にまったく気づかなかった。

穂乃果を我に帰らせたのはフミコの言葉だ。

「じゃあ、今度のポケモンバトル大会のクラスの代表は穂乃果で決まりだね!」

「そうだな!」

「学園最強に勝てるんだもんね!」

「高坂の奴、今まで自分の実力を隠してたんだな〜」

フミコがそう言うとクラスのみんなが賛成した。海未とことりもその中にいた。

 

 

 

その後、クラスの担任が教室にやって来て、穂乃果のことをクラスメイトたちが担任に話し担任も穂乃果のクラスの代表のことを認めた。

穂乃果はみんなからの期待の眼差しが眩しすぎて断れず頷きポケモンバトル大会のクラスの代表が穂乃果に決まりそうになった時…

 

 

 

 

 

 

「ちょっと待ってください! そんなの納得いきません!」

 

 

 

 

 

 

 

突然、誰かが大声で穂乃果のクラス代表に『待った』を掛けた。

クラスの全員と担任がその大声をあげた人物を見る。

その人物は穂乃果をギロリと睨みつけた。

「学園最強の生徒会長に高坂なんかが勝ったなんて嘘だ! クラス最強の俺でも全然敵わなかったのに! それに今までポケモンバトル大会に出てなかった奴が俺を差し置いてクラス代表だと⁉︎ そんなの認められるか!」

「い、岩川くん…」

早口に自分の主張を大声で捲し立てているのは穂乃果と同じクラスの男子の岩川大輔だ。180センチメートルの長身の細身で端正でイケメンな顔立ちは黙ったままなら女子にモテそうだが、自分より成績が悪い、ポケモンバトルが弱いなど自分より劣る人を見下す自惚屋な性格な故に女子からは鬱陶しいと評判は悪い。

しかし、鈍感な彼はそんなことには微塵も気づかずむしろ自分が鬱陶しがられているのは単なる照れ隠しだと思っていた。

そして、岩川にはもう1つどうしようもないところがある。それは空気を読まないところだ。

現に今もせっかくみんなが納得して決まりかけていた代表を否定されてクラスの雰囲気はどんどん悪くなっていった。

しかし、鈍感な岩川はその雰囲気に気づかずに穂乃果より自分の方が強いと言い続ける。

「俺はクラス最強なんだぞ! つまり高坂は俺より弱いんだ! ここは俺が代表になるのが筋だろ⁉︎」

岩川はクラスの全員を偉そうに見渡し言う。

岩川が迷惑な大声で自分の主張を言う度にクラスの雰囲気は悪くなる一方だった。

岩川はさらに続けた。

「それに生徒会長に勝ったなんて言うがそんなのは高坂の出鱈目だろ! 大方実力がないくせにクラスの代表になりたくてそんな嘘を「「黙れ!!」」⁉︎」

岩川がそこまで言うと突然、自分の声より大きな怒号が教室に響き渡った。

クラスメイトや担任もいきなりの怒号に驚き怒号をあげた主を見る。

みんなの視線の先には肩を震わせて岩川を射殺そうとばかり睨みつけていることりと海未の姿があった。

「あなたに何がわかるって言うの⁉︎ 生徒会長と穂乃果ちゃんのバトルも見ていないくせに何の根拠があって出鱈目だって言えるの⁉︎」

「な、何言ってんだよ… クラス最強の俺が敵わなかったんだから、高坂なんかが生徒会長に敵うわけないだろ…」

「はあ⁉︎ もう一回言ってみなさい‼︎」

海未とことりがあまりの剣幕で岩川に怒りを露わにして怒鳴るので岩川はたじろぐ。

怒りのおさらない海未とことりがさらに岩川に怒鳴ろうとしたとき、

 

 

 

 

 

「まあまあ… みんな落ち着いてよ」

 

 

 

穂乃果が海未たちと岩川の間に割って入り穏やかな声で3人に言った。

「落ち着いてって! 穂乃果! 貴女は悔しくないんですか⁉︎」

海未が穂乃果を睨みつける。しかし、穂乃果は海未たちに優しく微笑む。

「言い争っていてもしょうがないよ? ほら、落ち着いて」

「「……」」

穂乃果が優しい声で論すように海未とことりをあやすように抱きしめた。

2人は静かになった。

クラスメイトや担任も言い争いが治まり安心していると

「フン 俺は事実を言っただけなのに怒鳴られるなんてそいつら常識がないな」

「……!」

空気を読まない岩川がまた侮辱するようなことを言った。

これにはクラスメイトや担任も岩川を睨む。

全員が岩川に対して頭にきているのだ。

そして頭にきていたのはそんな素振りは見せなかったこの人もだった。

「それに…「弱い人ほどよく人を見下すよね」……何だと?」

岩川がさらに続けようとすると1人の女の声で遮られた。

その声の主は海未とことりを抱きしめながら岩川を絶対零度の瞳で見ている穂乃果だった。

岩川はすぐに穂乃果に言い返そうとしたができなかった。

なぜなら自分を凍らすほどの冷たい瞳で自分を見ていて言葉が喉に引っ込んだからだ。

クラスメイトや担任はもちろん岩川も穂乃果のいつもの彼女からは信じられないほどの冷たい瞳にたじろぐ。

「な、何だよ… 文句があるなら俺とポケモンバトルだ! それでお前に俺の方が強いと言うことを教えてやるよ……!」

岩川が震える声で穂乃果に指を突きつけて言う。

「いいよ」

穂乃果は即答した。

「じ、じゃあ、放課後に校庭のポケモンバトルフィールドでバトルね!」

この重い空気に耐えられなくなったのか担任が明るい声で言う。クラスメイトたちもそうだったのか一斉に首を縦にふる。

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

その時、一時限目の始まりを告げるチャイムがなり朝の騒動はこれで終わった。一時限目の授業が始まるためみんな授業の準備をし始める。

一時限目が始まった。

穂乃果は岩川の方をちらりと見てフッと軽く笑った。

 

 

 

 

 

「私のことはいいけど大切な親友を馬鹿にしたんだから容赦しないよ… 生徒会長と同じ井の中のケロマツだって教えてあげる…」

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果は誰にも聞こえない声で岩川にむかって呟いた。

そして、穂乃果の声に答えるように持ってきていた6つのモンスターボールがゆっくりと揺れた。

 

 

 

 

 




感想やご指摘をよろしくお願いします。
岩川のポケモンのリクエストがあれば送ってください。
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