「こんにちは。私、佐天涙子といいます」
女子生徒は自己紹介をしてきた。
左手にはアイスクリームを持ち、右手で携帯電話をいじっている。
「ンで。常盤台中学の生徒だろ。あそこらへんはあんまり通らないほうがいいぜ」
アクセラレータは深いため息をついた。
「えっ?どうしてですか? 」
「あんなァ……」
するとラストオーダーが説明してくる。
「あの道路とか、こっちのコンビニはよくスキルアウトがたむろしているからってミサカはミサカは説明する」
「ふうん」
そういえば、レベル5の能力者、超電磁砲の御坂美琴も常盤台中学だったな。
「もうこんな時間!? 」
「どうしたンだ。急に」
佐天涙子が突然、大声を出したのでアクセラレータとラストオーダーはびっくりした。
「ああ……すいません。友達と待ち合わせしていたんで」
そう話すと、佐天涙子は小走りで建物へ入っていった。
友達。
友達ねぇ。
「ねえねえ。早く帰ろうよ」
ラストオーダーはまだ幼い少女だったが、それでもアクセラレータの右手を握る手は強く握りしめられていた。
「そォだな。腹もヘったしな」
しばらく歩いていると、今度は袋を背負った少年と曲がり角でぶつかった。
「あいててて……すいません。怪我してるか? 」
「ったく。よそ見でもしてんのかよ」
まったくドジっ娘なんだねと小声で呟いたラストオーダーの頭をぐーで小突いた。
少年は自己紹介をした。
奥村燐と言い、正十字学園の生徒だそうで、本当にその学園の制服を着ていた。
「オイオイ。正十字学園といえば、祓魔師を育てる学校だろ……もしかして悪魔を追いかけていたのか」
アクセラレータは赤子から今日に至るまで、色んな研究機関でモルモット扱いされてきた。
そして、惨めで辛い思いをしてきた。
どのくらいかは全然カウントしてないが。
そして、大勢の能力者や研究者と血みどろの戦争をした。
だが、目の前にいる奥村燐はエクソシストだと自信ありげに喋った。
なんで俺がこんな奴の相手をする必要があるんだ?
「おっ。なんで分かったんだ」
一方通行は打ち止めに小声でひそひそと話しかける。
「こんな奴とは関わらないほうがいいぜ」
「でも本物の悪魔を死ぬまでに一度だけ見てみたいってミサカはミサカは奥村燐を信じる」
いきなり奥村燐が背中の袋から剣を抜いた。
(一体、ナニが始まるんだ?)
「来るぞ。コールタールが」
「うわ。何なんだあれは……」
一方通行は絶句した。
小さいくて胴体が無いような風船が3人の周囲を取り囲んでいたのだ。
それも10体や20体ではない。
ざっと1000体以上はいる。
「腐の王の眷属だ」