最近色々としんど…え?もう始めなきゃいけない?
何それ理不尽(´・ω・`)…
というわけで第7話、始まりまーす。
空腹を満たすために食べ物を買いに市場へ向かったレイ達は現在、焼き鳥片手に市場を歩いていた。
「ふぇ、ほひぃさん」
アラジンが焼き鳥を口一杯に頬張りながらアリババに聞く。
レイは行儀が悪いからやめてほしいと思ったが、ずっと子供キャラで喋っていたのを思い出したために何も言わなかった。
「ん、何だ?」
「はのはへものははんばい?」
アラジンがアモンの塔を指差す。
街の至る所でもアモンの塔は見えるが、アリババ達がいる市場はアモンの塔がよく見えた。
「あれがアモンの塔だよ」
「へー、ぼふひふぶつほひるほはひめへばよ!!」
「そりゃ良かったな。ところで…」
「?」
「口に物を含んでるときは喋るんじゃねぇよ!」
キレたアリババはアラジンの頭に拳骨を落とす。
そしてアラジンはあまりの痛さに地面を転げ回る。
そんな様子を見てレイはアラジンが可哀想というよりよく会話できたなという関心があった。
ちなみに今の会話は、
『ねぇ、お兄さん』
『ん、何だ?』
『あの建物は何だい?』
『あれがアモンの塔だよ』
『へー、僕実物を見るの初めてだよ!』
という感じである。
「まったく…行儀が悪すぎるにもほどがあるだろ。次からは気をつけろよ」
「ううぅ…分かったよお兄さん」
頭に手を当てながら立ち上がるアラジン。
そんなアラジンを横目にレイは焼き鳥を食べ切る。
ちょうどそれくらいにアリババも食べ終わり、アラジンま食べ終わった。
「お腹いっぱい!」
「僕ももう食べれないよ」
「うっし!腹も一杯になったし…」
ここからの行動に期待するレイ。
何故ならこの後、アリババとアラジンはある一人の奴隷の少女と出会うはずだからだ。
名前はモルジアナ。戦闘民族のファナリスでありチーシャンの町の領主であるジャミルの奴隷である。
そんな彼女はアリババアラジンと出会いなんやかんやあって仲間になるのだがそれは後の話。
「帰って寝るか」
地面に頭を叩きつける勢いでずっこけるレイ。
しかしすぐ後ろのアラジンに支えられたので怪我はしなかった。
「大丈夫かい?」
「う、うん大丈夫……」
原作通りに動かないのかよこいつとレイは思いながらアリババに笑顔を返す。
レイとしてはモルジアナを見てみたい気持ちでいっぱいなので一刻も早く見に行きたいのだろう。
なのにアリババがまだ日が出ている内に家に帰って寝るというアホみたいな選択肢を出したのだ。ずっこけるのも仕方が無いだろう。
では何故アリババが原作と違う行動を取ったのか。
今の彼の行動はモルジアナという主要キャラとの出会いを消すようなものだった。
しかし、その事に関してレイには心当たりがある。
「(もしかしたら、俺という
本来、物語には存在しないはずのレイは他の主要キャラと出会った。
それにより進むべき原作の道から外れてしまう現象が起こっているのかもしれないとレイは考えを導く。それにレイにはもう一つ心当たりがあった。
「(パラレルワールド…)」
パラレルワールド、人が物事を選択する際に生まれる数多の並列世界。
分かりやすい例えで言うのならば、朝食をパンかご飯のどちらかを食べる事によりパンを食べた道とご飯を食べた道が生まれる。これと似たような解釈である。
つまりこの場合、モルジアナと出会う事で発生するアリババの決意が無かった事になってしまうのだ。レイはそれだけは避けたかった。
「おーい、聞こえてるかー」
アリババが声をかけても返事をしないレイ。
そしてアリババが何度か声をかけ、ある程度の事なら気づかないだろうと思いレイの頬を指でツンツンする。
「ほらほらーツンツンしちゃうぞー」
アリババのイタズラはエスカレートしていき、両頬を優しく引っ張っる。
だがしかし全く反応しないレイ。そしてその様子がアリババのイタズラ心に火をつける。
「ほらほらーくすぐっちまうぞー!」
そう言いながらくすぐるアリババ。
だがしかしこれでも反応はない…とアリババが思った瞬間、レイは笑い始めた。
「あっははは!!くすぐったいよお兄ちゃん!!」
「うりうり〜!可愛い奴め!」
純真無垢な笑顔(殺)をレイはアリババに向ける。
レイの笑顔に殺意が含まれている事に気づかないアリババは求めていた反応を得られて満足した。
しかしレイはくすぐられるのがあまり好きではない。ましてや考え事をしている最中に邪魔されるのだ、殺意の一つや二つ湧く。
(全くこいつは何やってんだよ…。あ、にやけてる、うぜぇぇぇ)
テンションが急直下していくレイは辛うじて態度に出す事なく会話を続ける。
「ねぇお兄ちゃん!わたしもっと色んなとこ見たい!」
「よし分かった!今日はもうやる事もねーし俺がこの町の良い所を案内してやるよ!!」
「「わーい!!」」
手を上げて喜ぶアラジンとレイ。
何でお前が喜ぶんだよ?という素朴な疑問を抱いたレイだが、アラジンだからという理由で強引に自分を納得させた。
「よーし、じゃあ皆の者俺に続けー!」
「「おー!」」
そして2人は市場を小一時間程かけて案内された。
そこまで案内できるのか?と疑問に思う所だが、ここの店員は優しいとかこの店の果実は超新鮮だとかアリババの解説付きでさらに店員とアリババとのノリが面白く、中々に楽しいと感じるレイであった。
そしてアリババが先導して歩いていると、ふと少女に肩をぶつけた。
「あっ、悪りぃ大丈夫か?」
アリババさ少女が頭上に乗せているザルのような物に大量の果物を見て申し訳なさそうに謝る。
一方少女はアリババに軽く会釈してその場を立ち去ろうとする。
その時、アラジンがアリババに対して尋ねた。
「ねぇお兄さん。あのお姉さんの足に付いてる物って何だい?」
「…あれは足枷、奴隷が付ける物だ」
顔をしかめながら答えるアリババ。
助けられない悔しさがアリババを襲うがどうしようもない。
奴隷は奴隷、人間とは違う。今の世の中では殆どの国がそう思っている現状を彼は許せないのだ。
そんな悔しさと同情の目を少女に向けるアリババ。
少女は自分の足枷に視線が行っているのを感じて着ている服の裾を下げて隠そうとするが、バランスを崩して運んでいたであろう果物を床に落とす。
「大丈夫か!?」
「…っ!」
果物を拾おうとするアリババに怯えるが何も言わずに果物を拾う少女。彼女としてはアリババの同情の視線が非常に辛いのだろう。
そんな彼女の目の前にアラジンが立つ、彼の手には黄金色の笛が握られている。
アリババと少女はアラジンが何をするのか分からなかった。
だがしかし、レイだけは何が起こるかを知っていた。
ピーーーーーーッ!!!!!
甲高い笛の音が辺りに響く。
甲高いといっても特別不快になるようなものではなく、むしろもう一度聞いてみたいと思える音色である。
そしてその笛の音の直後に少女の足枷がバキッと砕ける。
「はい、もうこれで大丈夫だよ!」
満面の笑みを少女に向ける。
アリババと少女は困惑した様子で足枷を見つめる。
「騒がしいぞ、何事だ!?」
状況を理解できていないアリババと少女の所に野次馬をかき分けて衛生兵3人が騒ぎを聞いて駆けつける。
衛生兵達は少女の足枷が砕けている事とそのそばにいるアラジンを見て奴隷の少女を逃がそうと足枷を砕いたと彼らは判断してアラジンに槍を向ける。
何故こんな人目につくところで足枷を突然砕いたのか、またこんな子供の何処に足枷を砕く手段があるのか、色々とおかしい所があったがそんな事を彼らは気にしなかった。
むしろ誰であろうと犯罪行為を犯した者を捕らえれば自分達に特別手当が入ってくるのだから相手が子供だろうが知ったこっちゃではない。
流石にマズイか?と思いつつカバンから短剣を取り出そうとするレイ。しかしその心配は杞憂に終わる。
「出て来ておくれっ!ウーゴくん!」
そう言ってアラジンが再度笛を吹くと、なんと笛の下の穴から巨大な青い腕が現れた。
青い腕は衛生兵達の前で勢いよく柏手を打つと、バチィンという大きな音と若干の風圧を生み出した。
その音と迫力に、衛生兵達は思わず腰を抜かしてしまう。
「紹介するよ、この手は僕の友達のウーゴくん。ちょっぴりシャイだけどとても良い人さ!」
「「………」」
意気揚々と青い腕について語り出すアラジン。
次々と起こる出来事についていけない2人は未だに目を見張っている。
青い腕…ウーゴくんは目の前の少女に気づいたような素振りを見せると腕を真っ赤に染めて笛の中に戻っていった。
「まったくシャイなんだから〜!」
からかうように言いながら笛を見つめるアラジン。
そこでようやく我に返った少女はその場を離れるように群衆をかき分けて何処かへ行ってしまった。
「こらーっ何事だー!」
そして群衆の外から聞こえる衛生兵の声を聞いて我に返ったアリババは慌ててアラジンとレイを抱える。
「やっべぇ!!逃げるぞ!」
「え、何でだい!?」
「お前が騒ぎを起こしたからだよ!!」
群衆の中から抜け出して脱兎の勢いで逃げ出すアリババ。
その後、何とかして自宅に帰り着いたアリババは吸い込まれるようにベッドに倒れて眠った。アラジンもそれにつられて眠った。
レイも特に出来ることが無かったので椅子に座って寝た。
翌日、レイがアリババにその姿を見られて凄いおっさんみたいだなと言われるのは後の話。
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1月7日追記、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。さて話は変わるのですが、ツイッター(@myonworld)を始めましたのでよろしければフォロー等お願いします。
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