今後のことで悩んでいると、俺は十六夜に声を掛けられた。
「なぁ、世界の果てに行こうと思うんだが一緒に行かねぇか?」
「いいねぇ、行こうぜ!」
「行ってもいいけど黒ウサギには一言いいなよ」
俺が面白そうだからと即答すると、隠牙からそんなことを言われた。
小声で言えば言ったことになるし小声で言おうか、ちょっと世界の果てに行ってくる、と
「十六夜いこうぜ!」
「よし来た!!そう来なくっちゃな!!」
十六夜はそう言うと、とてつもない速さで駆け出した。負けじと飛び出す俺に、後ろからため息が聞こえた気がした。
俺は聞いてないから、聞いてないったらない
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十六夜と咲夜が世界の果てに向かってしばらくした頃。
ため息をついた隠牙と耀、飛鳥と黒ウサギは都市の外壁まで辿り着いていた、入り口には、一人の少年が誰かを待っているように座っており、それを見た黒ウサギはその少年のもとへ走り寄って行った。
「ジン坊ちゃ~ん!新しい方を連れて参りましたよ~!!」
近づいてくる黒ウサギに笑顔を向け、後ろにいる三人を見つけると黒ウサギに声をかけた。
「お帰り黒ウサギ、そちらの女性二人と男性一人が?」
「はい!こちらにいる御五人様が......」
そう言いながらくるりと後ろを振り向いた黒ウサギは猫と話している春日部と周りを見ている飛鳥、串にささった焼き魚を食べている隠牙を見つけるがそこにいるはずの存在が二人ほど見当たらず、カチンと体を固めた。
「.............え?あれ?私の記憶には、あともう二方いませんでしたっけ?ちょっと目つきが悪くて、かなり口が悪くて全身から【俺問題児!】ってオーラを放っている殿方と、見た目は普通ですけど布団を出して寝ようとして、全身から【俺自由人!】っていうオーラを放っている殿方が......」
「あぁ、十六夜君と一ノ瀬君のこと?」
「あいつらなら『ちょっと世界の果てに行ってくる』って言って駆け出してったよ」
飛鳥と隠牙はそういい、遥か遠くに見える断崖絶壁を指差した。
「な、なんで止めてくれなかったんですかっ!?」
「だって『止めてくれるなよ』と言われたもの」
「ならどうして黒ウサギに教えてくれなかったんですかっ!?」
「......『黒ウサギには言うなよ』といわれたから」
「嘘です、絶対嘘です!!実は面倒くさかっただけでしょう!!」
「「うん」」
「そして、隠牙さんはどうして何も言わなかったんですかっ!?」
「焼き魚食べてたから言うタイミングが無くて」
ガクリ、と前のめりに倒れる。新たな人材に胸を躍らせていた数時間前の自分が妬ましい。
こんな問題児を掴まされるとは嫌がらせにもほどがある。
そんな黒ウサギとは対照的に、ジンは蒼白になって叫んだ。
「た、大変です!世界の果てには野放しにされている幻獣が......」
「幻獣?」
「は、はい。ギフトを持った獣を指す言葉で、特に"世界の果て"付近には強力なギフトを持ったものがいます。出くわせば最後、とても人間では太刀打ちできません!」
「あら、それは残念。もう彼らはゲームオーバーなの?」
「......ゲーム参加前にゲームオーバー?...斬新?」
「あいつがゲームオーバー?想像できないんだけど......」
「冗談を言ってる場合じゃありません!」
ジンは彼らの身を案じ、事の重大さを訴えるが三人は肩を竦めるだけである。
黒ウサギは、溜息を吐きながら立ち上がった。
「はぁ......ジン坊ちゃん。申し訳ありませんが御三人様のご案内をお願いしてもよろしいでしょうか?」
「わかった。黒ウサギはどうするの?」
「......問題児様方を捕まえに参ります。事のついでに【箱庭の貴族】と謳われるこの黒ウサギを馬鹿にしたこと骨の髄まで後悔させてやりますのでっ!!」
悲しみから立ち直った黒ウサギは怒りのオーラを全身から噴出させ、艶のある黒い髪を淡い緋色に染めていく。外門めがけて空中高くまで跳び上がり外壁の近くにあった門柱に水平に張り付くと、
「一刻程で戻ります!皆様はゆっくりと箱庭ライフを御堪能ございませっ!!」
黒ウサギは門柱に亀裂が入るほどの力で跳び出して行き、あっという間に四人の視界から消え去った。
「......箱庭の兎は、随分早く跳べるのね......。素直に感心するわ......」
「黒ウサギは箱庭の創始者の眷属。力もそうですが、様々なギフトの他に特殊な権限も持ち合わせた貴種です。彼女なら余程の幻獣と出くわさない限り大丈夫だと思うのですが......」
そう、飛鳥は空返事をする。心配そうにするジンに飛鳥は向き直り、
「......黒ウサギも堪能くださいと言っていたし、お言葉に甘えて先に箱庭に入るとしましょう。エスコートは貴方がしてくださるのかしら?」
「え……あっ!はい!僕はコミュニティのリーダーをしている【ジン=ラッセル】です。
齢十一になったばかりの若輩ですが宜しくお願いします。
所でお二方の名前をうかがっても宜しいでしょうか……?」
ジンはその歳の幼さを感じさせない丁寧な口調で自己紹介をした。
「久遠飛鳥よ。そして、そこで猫を抱えているのが」
「......春日部耀」
「焼き魚を食べているのが」
「黒田隠牙、よろしく」
「......さ、それじゃあ箱庭に入りましょう。
まずはそうね。軽い食事でもしながら話を聞かせてくれると嬉しいわ」
飛鳥はそう言うと、ジン、耀、隠牙を連れて箱庭の中に入って行った。
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「そういえば、咲夜」
「ん?」
「俺は結構な速さで走ってると思うんだが、どうして着いてこれるんだ?」
今の速度は大体新幹線より少し速いくらいか?
この程度は想像でいくらでも補えるからなぁ.....
本気を出せば第三宇宙速度まで出せる十六夜がおかしいと思う、うん
「ふっふっふ、企業秘密だ」
「へぇ...」
その言葉を聞いた十六夜は獰猛な笑みを浮かべていた。
やっべ、余計なこと言った気がするぅ......
こういう時は三十六計逃げるにしかず!
「逃げるんだよぉ~!!」
「ッハ、俺から逃げれると思うなよ!!」
ひぃぃぃ、追ってくるぅぅ!!
こうなったらとことん逃げてやるっ!!
なんてことをしていると、世界の果てに辿り着くそこにあったのは
_____息を呑むほど美しい滝だった
遥か高くから落ちる水は力強くそれでも濁りなど知らないかのような透明感がある
辺りを囲う草木には一層の青々しさが感じられる
名前は【トリトニスの大滝】
「これ、は、綺麗だな......」
「あぁ、俺もここまで絶景とは思わなかった......」
俺たち二人がこの景色に心を奪われていると、滝壺からナニカが大きな音を立てて飛び出してきた
『GUGYAAAAAAAOoooo!!!!!!』
そこに現れたのは大蛇。
その大きさは、人と比べるにはあまりに大きい蛇であった。
そう蛇だ、もう一度言おう蛇だ!!
たとえそれが水神と言われている存在であっても蛇なのである。
神とあっている咲夜からするとただの大きな蛇にしか見えないのだ。
『なぜ、人間の小僧どもがこんな所にいる?』
その問いかけに咲夜たちの意識が戻る
「蛇だ」
「蛇だな」
「言っちゃ悪いけどゴルゴーンとかの方が好きなんだよなぁ......」
「ヤハハハ!!なかなか皮肉聞いてるじゃねぇか!」
いやまぁ、そこまで強そうと思わないし、原作だと十六夜一人で倒してるからねぇ
それに、魔獣戦線で活躍してるゴルゴーンさんかっこいいし、しょうがない気がする。
『貴様等ァァァァァア!!!
誰にものを言っているのか分かっておるのかァァァァァア!!!!』
「テメェだよ蛇神」
「お前だよ、爬虫類」
間を置くことなく、即答する二人
『良いだろう……貴様等が誰に喧嘩を売ったのかを解らせてやろう!!
貴様等には我の試練によってその身の程を教えてやる!!!!!』
「ッハ!!テメェごときに試練だと、逆に俺等が試してやるよ!」
『吠えるな小僧ォォ!!!まずは貴様から身の程を教えてやる!!』
あーあ、このままじゃ二人でドンパチ始まっちゃうよ...
十六夜が水神とやりあう前にこれだけは言っておこう。
「黒ウサギが近いから早めに終わらせてくれよ~、俺は寝るぞ~」
「起きてろよ、咲夜にもこいつの相手させるぞ?」
めんどくせぇぇ、観戦でもしてようかねぇ