ポケモン世界に転生しました……え、それだけ? 作:まんまフラグ
トキワシティのポケモンセンターから出て、看板を頼りにマサラタウンを目指す。マサラタウンの看板が見えて来たところで、
あ、野生のコラッタが飛び出して来た!
戦意満々で……
「……勝負だってか?」
思いっきり頷くコラッタ。しょうがない。
「やれるか、キャタピー」
俺の問いかけに応えるのように震えるボール。それに俺は頷いて、そのボールを投げた。
「行け!キャタピー!」
ボールが開き、そして中からキャタピーが飛び出して来た。戻って来たボールをキャッチしながら、コラッタに目を向ける。
さすがにあちらの方が早いだろうから、それを踏まえて指示をしなくてはならない。キャタピーに最初の指示を出す。
「初バトルだ。まずは自由にやってみろ。俺がサポートするから!」
頷くキャタピー。そしてコラッタと向き合い、睨み合いが始まった。
直後、コラッタが走り始めた。その動きは直線的だ。対してキャタピーは回避行動を開始した。
「キャタピー、糸を吐きながら回避!」
そのままでは回避が間に合わないと悟った俺はキャタピーに指示を出した。
キャタピーはそれにしたがって、《いとをはく》を実行した。
コラッタの進行方向にばら撒かれる粘着質の糸は少しずつコラッタの動きを阻害した。
よって遅くなった《たいあたり》を回避するのは容易いことで……
キャタピーはコラッタの《たいあたり》を躱したあと、その横っ腹に《たいあたり》をかました。
「よっし、ナイスだキャタピー!そのまま《いとをはく》で拘束しろ!」
吹っ飛んだコラッタに向かってキャタピーは先ほどの二割増しで糸を吐いた。
そして、コラッタは地面に拘束され、動けなくなった。
そんなコラッタにキャタピーを抱き上げた俺は近づいて、笑った。
「俺たちの勝ちな」
悔しそうに鳴くコラッタ。どうやら負けを認めてくれたようだった。
「待ってろ、すぐに解いてやるから」
そんなコラッタを拘束する糸を剥いでやる。
完全に剥いでやると、ブルリとその身を震わせるコラッタ。
そして不意に拍手が聞こえた。
「!?」
臨戦態勢に入る俺、それに拍手の主は慌ててこちらに待ったをかけた。
「待て待て、待つのじゃキド君」
「へ?まさか、オーキド博士?」
アニメでおなじみの声に俺は驚く。うわ、なんか感動する。オーキド博士だとして、生声を聞ける日が来るとは。
「そのまさかじゃよ。まさかフィールドワークにきてみれば、君と会うことになるとはな。しかし良いバトルじゃった。的確な指示、見事じゃったぞ」
「あ、ありがとうございます」
なんかむずがゆい。背中の届かないところが痒い気分だ。すっごくもどかしい。褒められるなんてなんて久しぶりなのだろうか?
「じゃが、君はポケモンを持っていなかったと、記憶しておったが」
「え、あ、このキャタピーはさっき捕まえたんです。なのでその認識は間違いではないかと」
そういうと、オーキド博士は驚いたように、もう一度聞き直した。
「さっき?つまり初めてのバトルと?」
「そうなります」
「ふーむ……」
オーキド博士は何か考え込むように顎に手を当て、思考に耽る。そして、オーキド博士は何かを決めたように、頷いた。
「君は旅に興味はないか?」
「……はい?」
俺はいきなりのことに目を白黒させるほかなかった。