ここは第六宇宙。無限に続く暗黒の空間に様々な惑星が存在している。
第六宇宙のサイヤ人が住まう星、惑星サダラ。ここにはキャベなどの第七宇宙とは正反対な性格なサイヤ人が居る。
ある日、平和に続くはずだったサイヤ人の生活がある二人によって崩された。
惑星サダラには優しい性格のサイヤ人が殆ど。だが、ずっと優しいサイヤ人が存在しているわけはなく、昔に反逆したサイヤ人がいた。
そのサイヤ人は元の星にいた人達を殺し、他のサイヤ人にも手をだした。
他のサイヤ人は止めようとしたが、反逆したサイヤ人達は他のサイヤ人よりも頭一つ向けて強かった。なので誰にも止めることはできず、時間だけが過ぎていく。だが、ある一人の男がそのサイヤ人も倒した。彼の名はレクソン。その頃唯一、超サイヤ人に変身することが出来る自分物だった。
~そして、月日は流れる~
反逆したサイヤ人が倒されてから、何十年も経ち、もはや昔話のように話されるようになった頃。レクソンは妻と子供と共に平和な暮らしをしていた。
「これで、10本目だよ。お父さん」
薪割りをしていた少年が同じく横で薪割りをしているダインに話しかけた。少年の名はダイン。見た目ではまだ小さいが、これから急激に成長する。腰から尻尾は生えていない。第六宇宙のサイヤ人には尻尾がないので大猿を見たこともない。
「おう、暗くなってきたし、そろそろ帰っか!」
汗で濡れた顔を拭きながらレクソンは薪を片手で覆うようにして持ち上げ家の方向にあるき始める。ダインは腕がまだ小さいので両手で軽々と持ち上げ、後についていく。
惑星サダラのサイヤ人は基本、薪を割ったり、開拓したり、修行したりしている。腕があれば銀河パトロールとして働く人もいる。
しかし、レクソンは惑星サダラに何か合ったら守らなくてはならないため、腕は十分にあるのに惑星サダラに離れないでいる。
帰宅してすぐ汗でベトベトな体を洗い流すためにお風呂に入る。カポーンと音が聞こえそうな程に風呂に入り、今日一日の疲れと取る。
「ねぇ、お父さん。お父さんはこの惑星サダラの誰よりも強いんだよね?」
「そうだぞ、俺も何年も経てば一人は超える奴は出てくると思っていたんだがなー」
そう、今この惑星サダラで超サイヤ人になる事が出来るのはレクソンだけ、息子にも超サイヤ人のなり方を教えて入るがコツが難しく、なかなかなれない。
「でも、居たんだよね? 昔、『お父さんよりも強い人』が」
「ああ、居た……とは言われてはいるな」
なぜ曖昧なのかというと、いるにはいたのだが本当にいたのかは定かではない。レクソンがサイヤ人を倒すよりも前にある一人のサイヤ人が居た。その者は他の誰よりも圧倒的に強く、惑星に居る様々な怪物や敵を倒し、凶暴な生物を絶滅させたと言われている。その名は超サイヤ人
本来の殺戮と破壊を好む超サイヤ人本来の力にが限りなく近い存在であり、暴れまわることもない。もはや居たのか定かではないが、居たとは言われているサイヤ人。
だが、変身の仕方や鍵は全て不明なので、一人も変身できた者はいなく、伝説になっている。
「だが、たかが伝説だろう。居るかも分からないからなー」
「じゃあ、俺、お父さんより強くなるために超サイヤ人超になる!」
まだまだ子供だなと思いながらレクソンはその言葉に高笑いしながらダインの肩を叩く。
「そうだな、俺が居なくなったら次この星を守るのはお前だ! 俺よりも強くなってもらわなきゃ困る」
ダインもうんと元気よく返事をし、二人は風呂を出た。これから夕飯を食べて、寝る。いつもの日常だ。だが、いきなり、余りに呆気なく壊される事になる。
~ここから、歴史が狂い始める~
いつもの様にテーブルに座り食事を取ろうとするレクソンだったが、外が嫌に騒がしい事に気がつく。
なんだ……? と思っていると妻がドアを勢い良く開けて言い放った。
「大変!! 他の星から敵が攻めてきてる!」
「なんだって!?」
「それにこっちの近くまで来てるって!」
それを聞き、レクソンは椅子を蹴飛ばし、外へ駆けた。そして、ダインの手を掴み、この前、訪問に来たヤードラット星人に教えてもらった瞬間移動をして惑星サドラの宮殿に入る。
「いいか、父さんが戻るまで、ここで待っているんだ」
ダインは宇宙ポットのような形をしている中に入れられた。だが中の構造が少し違う。ダインは何時にもなく真剣な顔をしている父に驚きながらも頷いた。
「よし、絶対に離れるなよ…」
そう言い残すと、レクソンはポットを離れ、瞬間移動に入る。気を確かめ、場所を察知する。
―――かなり、高い気だ。それに、こんなに近くに感じられる。ん? こんなに近く? まさか……!
レクソンがそう思ったのと奥の扉が派手な音を出しながら壊されるのは一緒だった。
扉に叩きつけられて血まみれになっているサイヤ人の姿がそこにあった。レクソンは息を飲み、奥に居る人影を睨んだ。
煙から出てきた二人が姿を表した。一人は人間とは思えない青白い肌に紅い全身タイツのような格好をし、右手には杖を持っている。
もう一人は同じく青い肌に白と真ん中にXと刻まれてある戦闘服を装備しており、下半身は黒いコートで隠れている。その表情は無だった。
そのマスクを付けたような無の表情からただ、一言だけ呟いた。
「つまらん」と、
「仕方がないでしょ、なんでこんなサイヤ人を抹殺しろだなんてこの弱い奴らの何が警戒すべき敵なのか分からないわ」
レクソンは思考が追いつけなかった。サイヤ人を抹殺? 警戒すべき敵? 俺達が? それに、これだけの人を殺しといて表情変えずにつまらんだと…!!
頭にそんな思考が横切り、怒りのあまり飛びかかった。
「ウオオ!!」
レクソンの中でも強力なパンチを放った。だが、それは片腕であっさりと受け止められてしまう。
「貴様らは何者だ!」
「俺はミラそれ以外お前に知る必要はない」
そう言ったミラは目を細め左腕でレクソンに攻撃をする。右手を握られていたためまともに避けることはできなかったがギリギリ回避できた。だが、ミラはすぐさま腹に膝蹴りを食らわした。
瞬間、鈍い音と何かが弾けたような音。
レクソンは声を出す間もなく飛ばされる。
―――速い! パンチもあんなに速いのは見たことがない。
相手の強さに驚きつつもレクソンは床に手を付け、立ち上がろうとした刹那。口から血を吹き出した。その拍子で俯いたため、今の自分の状況が分かった。一瞬のことで気づけなかったが、腹から血が出ている。しかも戦闘服を貫通して。
予想以上のパワー。戦闘服をただの膝蹴りで壊す程の力。レクソンは奥歯を噛み締め立ち上がった。
「その程度か」
ミラが興味なさそうに聞いた。
「まだだっ!! ハァァ!!」
途端、レクソンの髪が金色に変わり、立ち上がった。周りから金色のオーラが溢れて、周囲の小石を浮遊させる。超サイヤ人を見たミラは「ほう」とだけ言い、腕組を止め、腕をぶら下げる。
「ハァァァァ!!」
生半可な超サイヤ人ではミラには敵わないと踏んだレクソンは更に気を高める。「ハァァ!」と言った途端周囲の小石が弾ける。
「少しは、楽しめそうだな…」
「なんだとーー!!」
明らかに舐められた発言に怒りに任せレクソンはミラに突っ込んだ。
左、右、正面とパンチを放つ。だがそれはミラに呆気なくかわされる。
「チッ!!」
「ダラララララァ!!」
正面からのラッシュ。拳が風を斬る音がなり響く。しかし、ミラは無言で避けるか止めるかして微動だにしない。
いい加減避けるのも空きたのかミラが一瞬にしてレクソンの腹に潜り込み気弾で壁まで飛ばし、ドカンッと音と共に1メートルのクレーターと一緒に壁にめり込んだ。
レクソンはその場で倒れ込むと同時に超サイヤ人が解けてしまう。何とか立ち上がろうと足掻くレクソンの頭上にミラが近づく。
ミラはレクソンの髪を握り無理やり立たせると同時にトドメとばかりケリを入れる。蹴られた途端、レクソンの視界がハイライトし、意識が飛びそうになる。
飛ばされたレクソンは部屋の真ん中まで飛ばされ、仰向けに倒れ込んでいた。
何とか首を横にし、ポットの方向に向く。中に居るダインと目が合う。レクソンの目にはもう光がなかった。
途切れそうな意識をよじ登りながら耐えている。もしも、自分が死んでしまってもコレだけはして置かなければならないからだ。
まだ、修行しかしたことがなく実戦経験がないダインに取ってはこの状況を完璧に飲み込めなかった。
だが、コレだけは分かった。このままじゃお父さんが死んでしまうと。
ブーツの音を立てながらミラがレクソンに近づいていく。恐らくトドメをするつもりだ。それを思ったダインはポットを突き破って出ようとした。
だが、それよりも速く、レクソンが気弾でポットの発信スイッチを押した。
見る見るうちにポットが浮き上がっていく。しかし、後ろから見ていたトワが「ミラ」とだけ言い、ミラが飛びそうなポットに気弾を放つ。
その瞬間、レクソンの意識が最大限まで高まり。飛び込んだ。ポットに気弾が当たることはなく、レクソンが体で受け止めた。
「まだ、動けるか」
「絶対に、絶対にここは! とうさせるわけにはいかない!!」
「ハァァァァァ、ハァァ!!」
途端、部屋全体が金色に照らされる。周囲にオーラが溢れ、気のスパークが散る。
レクソンは知らない。今の自分が超サイヤ人の限界を越えていると。
レクソンは今にも飛び出しそうなポットに目を向け、ダインの顔を見て小さく微笑んだ。
その顔を見た途端、ダインに涙が溢れ始める。
「行くぞーーーー!!」
レクソンが凄い速さでミラに近づいていく。だが、変わらずにミラの表情は変わることは無かった。
―――とても敵わない。最初から分かってた。だから、ダイン。お前だけでも生きてくれ。何時か俺を越えてこいつらを……
そこから先は考えなかった。レクソンは最初から勝てる気など無かった。最初からダインを逃がすつもりでいたのだ。
「お父さーーーんっ!!」
ダインがそう叫んだ途端、ポットが宮殿の壁を貫通し、どこまでも続く暗黒の宇宙に軌跡を残しながら進んで行った。