ドラゴンボールゼノバース ~もう一人の英雄~   作:はまち

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第9話【リベンジ戦! ダインVSジーク】

 時の巣の広場にダインとジークが対峙している。

 二人共実力を図るかのように睨み合い、やがて気がカ体から溢れでて、周りの木々を音を奏でながら揺らす。

 対峙し合いながら両者とも一歩踏み出して―――

 

「ちょっと待ったーー!」

 

 そここでストップが掛り、飛び出そうとしていた両者は前に転びそうになるのを踏みとどまる。

 ジークがストップを掛けた時の界王神に向いて、

 

「なんだよー、良いところだったのに」

「『良いところだったのに』じゃないわよ。ココが何処だと思ってるの? 時の巣よ! あなた達がここで戦ったら確実に歴史ごと壊されるわよ!」

「じゃあ何処で戦えって言うんだよ」

「良い所があるわ」

 

 

 

 

 時の界王神に連れて来られたのは、コントン都の上空。

 普通は許可が出ない限り、コントン都内では舞空術を使えないのだが、特別任務隊員は使っていいとのこと。

 ダインは思った。

 速く言ってほしかったと……。

 ダインは飯を食う時はコントン都に顔を出して外食をとったりしているので、わざわざ歩いて行った苦労は何だったのか……。

 そんな事はさておき、連れて来られたのはいつもコントン都の上空を飛んでいるコントン都の至る所を見れる浮遊モニターより更に上。

 上空を飛んでいる浮遊モニターで隠れて見えづらかったが、その上には、浮遊モニターより少し小さい特殊な金属で作られた浮遊島だった。

 降り立って見ると、そこには真ん中に台座があるだけの島だった。

 台座には1センチくらい浮いている透明な水晶玉があった。

 

「こんな物が上空にあるとは驚きだ……」

 

 周りを見渡しながら、ダインは言う。

 

「最近出来たばかりよ。そして、この水晶玉の中には……!」

「これは……地球!?」

「そう、私が作った擬似的な地球だけどね。当然、幾ら壊れても問題ないし、人も住んでいないわ」

「修行が大好きなあなた達に作ったのよ。さぁ、戦うならこの中で戦って」

「二人共手を水晶玉に当てて、歴史に入るみたいに念じるのよ」

 

 ダインとジークは水晶玉に手を当て、指示された通りに強く念じた。

 数秒後、二人の意識が一旦途切れた。

 

 

 

 

 再び意識が戻った時、二人はもう疑似地球に降り立っていた。

 目があったダインとジークは同時にバックステップして、距離を取り素早く構える。

 そして、カウントダウンが無いのに、二人は同時に地を削って距離を詰めた。

 ダインの右ストレートとジークの左ストレートがぶつかる。

 拳が衝突した狭間から衝撃波が広がり、地面を削っていく。

 両者の激しい攻防が続く。

 そして、両方の手を掴み、両膝を衝突させる。

 四肢が動かせなくなったため、気を入れ、歯ぎしりをさせながらお互い力を込める。

 両者から白色の気が溢れ、静電気のように気がスパークする。

 そして、このままじゃ()が明かないと悟ったのか、お互いプラス極同士の様に後ろに弾かれる。

 

 両者共、宙返りして後ろの岩盤に足をめり込ませて思い切り蹴った。

 再び距離が縮まり、両拳がぶつかる。

 そして、弾かれ、ぶつかる。

 それを繰り返しながら上空に上がっていく。

 やがて、ダインが不自然なタイミングで、体を弾き、距離を取った。

 ジークは直ぐに何か仕掛けて来ると悟り、小さく構える。

 ダインは左手を前に突き出し、左手を後ろに引きながら距離を詰めていく。

 速度も十分なその右ストレートは確実にジークの顔面を捕らえ、派手な音と共に放たれた!

 

 だが、ダインのパンチはギリギリジークの左手に受け止められる。

 左手を震わせながらニヤリと笑うジークにダインは、ジークに笑い返した。

 ジークの背筋が凍り、距離を取ろうともがこうとした時にはもう遅かった。

 ダインから金色の気が溢れ出て、髪が薄い金色に染まった。

 超サイヤ人になったダインはワザと左手に抑えられていた右手を自分から離し、距離を取ろうとするジークにめがけて、一回転してからの右回し蹴りを放つ。

 ジークはギリギリ両腕をクロスさせて回し蹴りをガードしたが、風を斬りながら地面に近づいていく。

 背中で風圧を感じ、舌打ちを漏らして無理やり体を止めようと力を入れる。

 地面擦れ擦れで止まったジークは超サイヤ人に変身し、ダインに向かって猛スピードで飛んだ。

 助走を付けて放たれた右ストレートはかなりの速さと正確さでダインを捕らえた。

 

 ―――この速さ、今までの俺なら避けることも出来ずに食らうがままだった。だが、今の俺なら!

 

 ダインは向かってくるジークの右拳だけに意識を集中させる。

 そして、ダインは顔を右にずらして、ジークの拳を避けた!

 

「なにっ!?」

 

 流石にジークも驚いて声を漏らす。

 

「オオッ!!」

 

 しかし、そこで終わらず、ダインはジークの右腕を両手でガシッと掴み、背負い投げしようとする。

 だが、それだけは許さんとジークは思い切り気を開放させ、気の圧と風圧でダインを飛ばす。

 超サイヤ人の気を最大限に開放したさいで、髪の毛が薄い金色から濃い金色に変わっている。

 飛ばされたダインも素早く後ろに振り向き、構える。

 両者が対峙し、睨み合う。

 

 先に仕掛けたのはダインだった。

 超サイヤ人に慣れたダインは気を貯める動作を一瞬だけして、超サイヤ人の気を最大限に開放する。

 ダインの髪が薄い金色から濃い金色に変わる。

 ダインがジークにラッシュを仕掛けた。

 拳が打つかる度に小さい衝撃波を発生させながら、両者の攻防……いや、ダインのラッシュだけが続いていた。

 何故か守るばかりで攻撃をしようとしないジーク。

 段々とダインに押されていく。

 

 ジークはこの時、酷く動揺していた。

 ジークは攻撃をしなかったわけじゃない。

 出来ないのだ。

 ジークが攻撃しようと腕を動かそうとするとそこにすかさずダインのパンチが飛んで来て、中断させられてしまう。

 ダインはただ単にラッシュしていた訳ではない。

 過去のターレスの敗北から学び、確実なラッシュを続けていた。

 ジークは完璧すぎるダインの攻撃の理由を悟った。

 

 ―――まさか……一年間精神統一をすると共にイメージトレーニングをしていたのかッ!

 

 そう、ダインは時の界王神から作り出された一年間で頭のなかには常にイメージトレーニングをしていた。

 ジーク相手のイメージトレーニングだ。

 一年間という時間にイメージトレーニングを続け、ジークを倒すための戦略を研究し続けていたのだ。

 

 このまま防御に徹していたら、その内確実に攻撃を食らう空きが出来る。

 そう悟ったジークは最後の手に出た。

 

 ―――成長したな、ダイン。まさか、コレほど苦戦を強いられるとはな………。

 

「ハァッ!!」

 

 今まで防御に徹していたジークは気を一気に開放させ、ダインを飛ばす。

 ジークの髪が超サイヤ人より濃くなり、逆だっている。

 溢れる気が激しくなっており、気のスパークが混じっている。

 緑色の瞳からは微かに煌めいているのが分かる。

 超サイヤ人2になったのだ。

 

 それを見たダインは引くこともせずに笑った。

 ジークと同じ、ワクワクしているのだ。

 自分の力が何処まで通じるのか試したい、と。

 ジークも笑い返し、

 

「行くぞッ!!」

 

 超サイヤ人とは比べ物にならない速度でダインに飛んだ!

 それにダインは自分からも突っ込み、お互いの拳が衝突した。

 空間が歪み、周りの岩が崩れていく。

 続けて両者はラッシュをした。

 

 防御が一切ないお互いの拳だけのぶつかり合い。

 二人の実力はほぼ互角……いや、ジークの方が少し優勢か。

 戦闘力の違いがあるものの、ダインは一年間磨き上げたイメージトレーニングと精神統一で対抗し続けた。

 

 そして、ジークから放たれた右ストレートをダインは初めて避けることが出来た。

 ジークの眉間がピクリと動いたが直ぐに次の攻撃に移ろうとした時。

 ダインががら空きになった腹に曲線の弧を描きながら、渾身のパンチが放たれた!

 

「がぁ!? …………ア……ァ……」

 

 確実に大ダメージなはずの派手な音を出し、ジークは一瞬だけ、意識が飛び、何とか戻ってくる。

 ジークは歯を噛み締め、お返しの様に両拳を握り、ダインの背中を弧を描きながら殴った!

 ダインの意識も飛び、こちらは繋ぎ止めるのに時間がかかった。

 その内に体の力が抜け、浮力を失って地面に落ちていく。

 ジークはそれを追う。

 落ちていく間に意識を戻すことに成功したダインは舌打ちをしながら上を向き、ジークに腕を伸ばして手のひらで作り出した小さい気弾を拡散させながら放った。

 

 十分な攻撃範囲があった気弾達だったが、ジークにあっさりと避けられてしまう。

 ジークは両手を後ろに回してそれを上下に重ねる。

 両手の一点に気を集中させる。 

 両手から気のスパークが発生させながら気弾が生成されていく。

 

「か~め~は~め~波ーーーッッ!!」

 

 放たれたかめはめ波はダインに近づいていく。 

 ダインも両手をクロスして防御の体勢を取るが、あっさりと押され、地面に叩きつけられて気弾が爆発した。

 ダインを飲み込んで気のドームを見ながらジークは少し本気を出して打ったからか、息が切れていた。

 

「はぁ……はぁ……」

 

 気のドームが消えて、ダインが姿を見せる。

 地面に叩きつけられたダインは戦闘服をボロボロにさせ、傷も深かった。

 だが、ダインは目を開き、右腕を上げると、人差し指をクイッと少し動かした。

 ジークがその動きに気づき、素早く後ろに振り向いた。

 後ろの光景を見て、ジークは顔を引きつらせた。

 それはさっきダインが放ち、自分があっさり避けた複数の気弾。

 それが今ジークに向かって高速で近づいて来ていた。

 

 そして、ジークが顔をひきつらせたもう一つの理由、それは、気弾の大きさが不自然に小さいことだった。

 そう、恐らくあれはジークがダインに教えた小技………!

 ジークが何もないと決めつけてあっさり避けた気弾は一番の脅威だったのだ。

 それは、間違いなく自分が油断していた証拠……。

 ダインは自分が押されていたのにもかかわらず最後の希望にかけ、戦略を練っていたのだ。

 ジークは避ける暇もなく、複数の気弾がジークに密着した。

 そして、ダインが拳を少し握ると、10個程の小さい気弾が膨張して爆発し、ジークを巻き込んだ。

 ダインは成し遂げたかのように笑みを浮かべて気を失った。

 

 流石にジークも爆発に巻き込まれて大ダメージを喰らい、フラフラとしながら地面に降り立った。

 そして、膝を付けて後、体中の力が抜け、うつ伏せに倒れた。

 

 

 

 

 




最後までお読み頂きありがとうございます。

今回、戦いの結果的にはジークの戦略的敗北はしたものの、パワーでは勝っていました。

ダインは戦略的勝利ですが、パワーでは圧倒的に劣っていた。

という結果に終わりました。

作者的には、上手く引き分けっぽいのに出来たかな―と思っています。
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