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第1話【特別任務隊員決定試合】
元々活気がある都市だが、今日は一層騒がしい。
中心のショップには買い物する人達が居て、色々な見た目の子どもたちが広いスペースで遊んでいる。
ここは《コントン都》
タイムパトロール隊員が住んでいる都市であり、育成スクールもある。
風を頬で感じ、コントン都を崖から見下している人物が居た。彼の名はダイン。
あの後ダインはいつの間にかこのコントン都に居た。
何故か自分が乗ってきたはずのポットとどうやって来たかの記憶が無かった。
施設に拾われたダインはここの情報を集めてこの場所が例外を除いては安全な場所だと分かった。
ダインが乗せられたポットは一番安全な場所に飛ばされるよう設定してあった。
だが、着陸した痕跡が何処にも無いので当時どんなに考えてもわからなかったが、ダインに取って今自分が何処に居てどうやって来たかなど問題では無かった。
ただ、お父さんを、お父さんが守ろうとしていたサイヤ人を殺したミラという奴の復讐心だけだった。
情報を手に入れたダインはここがタイムパトロール隊員が拠点にする場所、宇宙の歴史が収められている所。
そして、タイムパトロール隊員は歴史を行き来して歴史を正常に保つことが仕事であり、そのためには十分な強さが必要だと。
タイムパトロール隊員になれば色々な歴史に行けてミラを見つけることが出来るかもしれないとダインは思い、育成学校に入学した。
お父さんにとしていた修行の積み重ねと努力もあり、ダインは筆記、実力を一位で卒業した。
それに加え、タイムパトロール隊員の詳しい仕事内容や禁止事項なども教わった。
だが、ダインは歴史がどうなろうとミラを見つけた瞬間、お父さんの仇を取る事しか考えてなかった。
それにより歴史がどうなろうとミラさえ倒せれば良いと思うほどにダインはの復讐心は強かった。
そして、卒業すればタイムパトロール隊員に慣れるのだが、今年は緊急という事で特別任務隊員を一人決める事になっていた。
その特別任務隊員になれば歴史に深く関われるのでミラを見つけやすくなる。
なので、ダインは今日行われる特別任務隊員決定試合が行われる事になる。
内容は先輩のタイムパトロール隊員の顔面に一発でも食らわせたら採用、食らったら失格という簡単な内容だった。
だが、相手は前にコントン都に危機に陥った時に救ったサイヤ人らしい。
名前はジーク。タイムパトロール隊員で最強のサイヤ人と言われている。
「そろそろ行くか……」
ダインは飛ぼうとするもここでは資格がない限り、飛ぶことが出来ないことを思い出し、普通に歩いて階段を登った先の会場に進みだした。
出場選手が現れた途端、会場に大きな歓声が響く。
出場者は育成学校で成績上位3名。サイヤ人のダインにフリーザ一族のコールド、ナメック星人のカイルだ。
その3人の前に背中に剣を担いでいる青年が現れる。彼の名はトランクス。タイムパトロール隊員では無いが、主に改変した歴史の管理や時の界王神の助手的な存在として活躍している。
トランクスが3人を交互に見て、満足そうに笑った。
「皆さん気合と強さはバッチリなようで、それでは改めてルールの説明をさせていただきます」
「皆さんにはジークさんと試合をしてもらい、顔面に一発食らうか与えられば試合終了です」
「なお、誰が選ばれるかはジークさんが決めるので顔面に一発食らってしまってもジークさんが認めれば特別任務隊員に選ばれるので決して顔面に食らせられなくても諦めず自分に実力を発揮しましょう」
「では、ジークさんに登場して頂きます。どうぞ!」
トランクスがそう言うと奥から最強のタイムパトロール隊員、ジークが現れた。
タイムパトロールの戦闘服を来ていて、色合いは全体的に黒や灰色、二の腕はサイヤ人らしい筋肉質の体。
少し、引き締まった表情で3人を見ると、
「よっし、じゃあ3位から試合だ」
表情を緩めそう言った。
他の人が戦っている間、残りはステージ付近で待機。試合は進んでいき、次はダインの番―――なのだが、今までの3位、2位はジークに遊ばれている感じだった。数分くらいは相手の実力を見て、把握したら呆気なく顔面にデコピンを食らわし終了。
こんな試合が2回も続いた。
―――いくら相手が最強のタイムパトロール隊員とはいえ育成学校を上位で卒業した実力者だ。
強さは少なくとも弱くは無いはずだ。なのに、流石と行った所か……
ダインが思考を回らしていると自分の番になり、名前を呼ばれる。
すぐステージに飛び乗り、ジークの正面に距離を開けて立つ。
何という圧倒的威圧。やはり最強のタイムパトロール隊員。油断は出来ない。
「ここまでの奴は然程強くなかったからな、ダイン期待してるぜ」
「ああ、そこまで言うなら期待に答えてやるよ…」
ダインはどんな攻撃がどこからでも来ても良いよう小さく構える。
だが、ジークは構えもしなかった。
「どこからでもかかって来い。全力で来ていいぜ」
「何? そうか。じゃあ全力で行ってやるよ!!」
「ハァァァーー!!」
途端、ステージ付近が金色に染まり、床のタイルが剥がれ宙に浮く。
「ハァーーー!!」
ステージに衝撃波が生まれ、床を削り取り広がっていく。
丸型の衝撃波がジークに接近し、ジークが右手を伸ばして衝撃波に向ける。
「ハァ!!」
途端、ジークの手の平からも衝撃波が発生し、衝撃波同士が衝突する。
だが、負けたのはダインで、衝撃波がみるみる小さくなり消滅する。
「この位で倒せないぜ。しかし、超サイヤ人か…まさかタイムパトロール隊員で他になれるやつがいたとはな……」
「シッ!!」
ダインは話も聞かずジークに突撃した。だが、ジークは動揺一つ見せず、
「じゃあ、俺もなろうかな」
気を貯める動作も見せずあっさりと超サイヤ人に変身する。
ドカカッダダダダ
ダインのパン地をジークがあっさりと受け止める。間髪入れず体全体を使って攻撃するも受け止められてしまう。
左回し蹴りをダインが放つがしゃがんで再び避けられる。
だが、コレがダインの狙いだった。空いた右足でかかと落としを食らわせる。この状況なら避けることは不可能、受け止めることしか出来ない。
だが、受け止めてしまったら少しだが空きが出来る。その空きを狙い気弾でジークを飛ばし、顔面に一発食らわせる。
それがダインの戦略だった。
しかし、ジークは避けることも受け止めることもしなかった。ただ、
「ハァァァ!」
気合でダインを飛ばしたのだ。
ダインはすぐに体制を治し、一旦距離を取る。
「戦略はなかなかの物だったが、甘いな」
ダインは舌打ちを鳴らし再びジークに突っ込む。しかし、パンチも簡単に受け止められる。
「貴様…ワザと受けてるだろう…」
「んー? 何の事かな?」
ジークがしゃがみ込みダインの体制を崩す。
―――足掛け!? クソッ!
体制を治そうと体を捻るがそのせいで腹ががら空きになる。
その空きをジークが逃す端もなく、ダインの腹に衝撃波を放ち、飛ばす。
「クソッ! 少しは真面目に戦ったらどうだっ!」
「そうか、じゃあ遠慮なく」
超サイヤ人のオーラがジークの体から溢れ、ダインに距離を詰める。
ダインは一瞬怯んだが、奥歯を噛み締め、気を貯め突撃する。
ステージの中心にスパークが発生する。拳を衝突したとは思えない音を立て、お互いに力を加えあい、中心に留まる。
両者の腕が小刻みに震え、周りから金色のオーラと衝撃波でステージを包み込んだ。
ダダダダダダッ
両者の激しい攻防。
「だりゃりゃりゃ!!」
「おりゃりゃりゃ!!」
目にも見えない速さで攻防を続ける二人。ステージの周りから衝撃波が次々現れ、姿は早すぎてみることが出来ない。
目にも留まらぬ速さの攻防を負けたのはダインだった。
ジークの後ろに回り込み、顔面めがけてパンチした刹那。
拳がジークを貫き、ジークは半透明になって消えていく。
―――残像!?
そう思った時にはもう遅かった。
後ろからジークが現れ、背中を殴られステージの真ん中に派手な音を鳴らしながら落下する。
「なにっ!?」
ダインが衝突したことによりステージの床に3メートル程のクレーターを作った。
ジークがクレータ付近に着地し、腕を組む。
「どうした? そんなものかっ」
挑発気味に行った一言の後、地面が大きく揺れる。不味いと思ったジークはすかさずステージの端に逃げ込む。
「ハァァァァァァ! おりゃーーー!!」
ステージの床から金色の気の柱が現れ、地面からダインが現れる。
「舐めやがって…コレでも喰らいやがれーー!!」
ダインがステージの端にジャンプし右手を後ろに回し、気弾を形成する。
それを見たジークはただ、小さく微笑み、両手を後ろに回した。
「か~め~は~め~……」
「「波ーーーー!!」」
二人の気弾がステージの中心で激突する。
途端、周囲にスパークを散らし、空間が歪む。
気弾は中心で丸を作り、二人がそこに気を送り込んでいる。
気弾はダインの方にジリジリ近づいてく。
「クソッおおおおおお!!」
体から超サイヤ人のオーラを溢れさせ最大限に気を送り込む。
再び中心に留まり、耐え兼ねたのか気弾がステージの中心で爆発する。
ドガァァァ!!
大きな音と煙を発生させ、爆発し二人共煙の飲み込まれる。
煙が晴れた時、勝敗が確定していた。
ジークも勿論傷ついて入るが、恐らく気弾をまともに食らったダインの方が傷ついていた。
右手で片腕を掴み、体がフラフラと揺れる。
「貴様……爆発する寸前、本気を出して俺の方に寄せたろ…」
「ダイン、お前の強さは今まで戦った隊員の中でぶっちぎりだ。だが、お前はまだまだ強くなれる」
「そうだな、せめてコレくらいは強くなってくれないと」
ジークが腰を引き拳を握り込み気を集中し始める。
「ハァァ!!」
気が開放され、周囲が金色に照らされる。
超サイヤ人よりも濃いオーラと気の大きさ。オーラから時々バチバチとスパークが散っている。
「超サイヤ人の越えた姿。俺達は超サイヤ人2と呼んでいる」
「超サイヤ人2……」
圧倒的差をダインは思い知らされた。
次元が違う。だが、サイヤ人の本能か自分があれぐらいに強くなれると考えたら嬉しくもなる。
ジークが少し姿勢を倒し、一瞬でダインに近づく。
「なっ!?」
ダインにも目に追えなかった速さだった。
「じゃ、終わりだ」
ジークがそう言うとデコピンの音が会場に鳴り響いた。
ダインは気を使いすぎたためか体の力が向けると同時に意識が薄れていき、ついに途切れた。