ドラゴンボールゼノバース ~もう一人の英雄~   作:はまち

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第3話【初めての任務】

「がはっ!?」

 

腹を思い切り殴られ、孫悟空は後ろに倒れ込んだ。

 

「孫っ!」

 

ピッコロが悟空の方を向いて心配の声を掛ける。

 

「ふんっこの程度で俺に戦いを挑むとは…サイヤ人も舐められたものだな」

「ぐっ……」

 

悟空が悶ながらも何とか立ち上がる。

悟空がラディッツを睨む。

 

ラディッツはサイヤ人唯一の生き残りであり、孫悟空――カカロットの実の兄でもある。

 

「まだ立つのか、カカロット。貴様らじゃ俺には敵わんっ!」

「…オラはカカロットじゃねぇ! オメェみたいな惡モンと一緒にすんじゃねぇ!!」

「サイヤ人の面汚し目っ!! ここで貴様らを殺してくれよう」

 

ラディッツが両手に気弾に気を貯め、それが気弾として具現化されていく。

ピッコロがラディッツに聞こえない音量で話す。

 

「孫。奴を倒すには俺の新しい技しか無い。だが、その技には少々時間が掛かる。何とか時間を稼いでくれ」

「おう、分かった」

「作戦会議は済んだか? なら、死ね!」

 

ラディッツが両手の気弾を向かってくる孫悟空に放つ。

両手の気弾を同時に放つ、ダブルサンデーだ。

 

「だりゃーー!!」

 

孫悟空が垂直に飛び、ラディッツに向かっていく。

圧倒的な強さを持つサイヤ人に対して時間を稼ぐ方法。

それは尻尾を掴むという事。サイヤ人は尻尾を掴むと力が抜け、身動きが取れなくなる。

悟空は尻尾に近づき、あと少しで手が届く―――!!

だが、ラディッツは体の向きを変え、呆気なく避けられてしまう。

 

「なっ!? ―――あっ!?」

 

瞬間、ラディッツが悟空の腹に膝蹴りを食らわす。

悟空は嘔吐しながらも、ラディッツの後ろに仰向けで倒れ込む。

 

「尻尾を狙ったのだろうが無駄だったな…んっ?」

 

ラディッツのスカウターが反応し、その方向に振り向く。

そこには今まさに魔貫光殺砲を打つため、気を集中させているピッコロの姿だった。

 

「なっ!? これほどの戦闘力があったとは……なるほど、戦闘力を一点に集中させているのか。まさかこんな事が出来るとはな…」

「クソッ」

 

そう言いながらラディッツが右手に気弾を生成する。

もう限界と悟ったピッコロが魔貫光殺砲を放つ。

 

「魔貫光殺―――!?」

「お父さんを…いじめるなーーー!!」

 

ラディッツが乗ってきた宇宙ポットに閉じ込められていた悟飯が、ガラスを突き破り、ラディッツに突っ込んだ。

 

「なんだとっ!? 小僧、これ程までの戦闘力、何処に隠してやがった!?」

 

魔貫光殺砲を放ったピッコロもそれを虚ろの目で見ていた悟空も悟飯の捨て身を攻撃が当たると思っていた。

だが、刹那。ラディッツの目が紅く煌めき、全身から闇の気が溢れ出る。

そして、悟飯の攻撃は―――避けられた。

 

「なっ!?」

 

二人は驚愕の声を漏らさずには居られなかった。

案の定、避けられた悟飯は地面を削りながら倒れ込み、ピッコロが放った魔貫光殺砲も避けられた。

 

「チッ…小僧、驚かせやがって……」

 

怒りの有頂天に到達したラディッツは悟飯に気弾を打ち込んだ。

 

「死ねっ!!」

「やめろーーーー!!」

 

悟空が叫ぶ。だが、叫びも虚しく、悟飯に気弾が打ち込まれ、周りが煙に包まれる。

 

「あ、あああ……」

 

悟空が絶望の声を上げる。だが、それは小さいものだった。

煙が晴れていく。悟飯が居た所にはクレーターができ、そこに悟飯の姿は無かった。

だが、煙の奥に人影が見えた。

煙が晴れていくと、人影の姿が露わになる。

そこには悟飯を抱きかかえたダインの姿があった。

 

「悟飯!!」

 

悟空達には誰かわからなかったが、悟空にはそんな事は関係なかった。

ただ、悟飯が生きていた喜びに浸ったいた。

 

「あぶねぇ…トランクス、出るところの高さは変えられないって速く言えよ。すっ転んだじゃねぇか…」

 

何とか悟飯を寝かせ、安堵の声を漏らす。

 

『すみません。言うことを忘れてしまって…』

「ったく、俺がもう少し助けるのが遅かったらどうなってたか…」

 

三人には聞こえない音量でダインはトランクスと通信で会話をしている。

ダインは喋りながらもラディッツの方に歩いて行く。

 

『あと、もう一つ良い忘れてたんですけど、歴史によってはできれば次元が違う圧倒的な力を見せないでほしいです』

「…どういう意味だ?」

『えっと、今ダインさんは超サイヤ人になれるじゃないですか。でもこの時代の悟空さんは超サイヤ人になれませんし、存在自体も知りません。なので、超サイヤ人を見せてしまうと、今後の時代に影響が出る可能性があるので、超サイヤ人にはならないでほしいという事です』

「なるほどな……ま、超サイヤ人にならなければ良いんだろ? 楽勝じゃないか」

 

「貴様も殺されにきたのか? 良いだろう、貴様ら全員ぶっ殺してやろう!」

 

自信満々の笑みを浮かべるダインにラディッツが挑発の如く口走る。

 

「お前のその面をそんな舐めたことを言えないようにしてやろう」

 

『ダインさん! 歴史の改変を受けた敵は元の強さの何倍も強くなって……」

「はああぁぁ!」

 

ダインはトランクスの忠告も聞かず、垂直に飛んだ。

 

「コレで終わりだっ!」

 

ダインが右手に生成した気弾をラディッツに向けて放つ。

だが、再びラディッツの全身が闇の気に包まれる。そして、不気味に笑い。

 

「ふんっ!」

 

右手を手刀の様にして気弾を斜めに弾き、後ろの大地に音と共にクレーターを作った。

あっさりとダインの気弾が弾かれたのだ。

 

「なにッ!?」

 

空きが出来たダインにラディッツは後ろに現れ、両手を合わせ、ハンマーの様にダインはを叩きつけた。

 

ドカッ!!

 

鈍い音と共にダインは地面に衝突し、周りが煙に包まれる。

 

「チッ!」

 

煙の中からダインが飛び上がってピッコロと悟空の付近に着地する。

 

「何処まで化物なんだ…サイヤ人は…」

 

ピッコロがそう呟き構えてラディッツを睨む。

 

「オメェは誰だか知んねぇけんど、助けに来てくれたんだよな。助かるぜ」

 

悟空も重症ながらも立ち上がり、構える。

ダインもそれに続く。

 

『ダインさん良いですか? あくまで元の歴史通りにするんですよ? ダインさんが一人で倒しちゃ駄目ですからね?』

「分かってる……」

 

通信で会話する中、三人に睨まれているラディッツにもう言葉は無かった。

ただ全身から禍々しい気を溢れさせながら不気味に笑った。

どうやら、ラディッツも戦闘態勢のようだ。

 

「だあああぁぁ!!」

 

三人はラディッツに向かって行くのではなく、ダインだけ、ラディッツに一直線に向かい、ピッコロがは右へ悟空は左に向かう。

何の作戦会議もしていなかったが、三人の考えている事は同じだったようだ。

三人でラディッツを挟み込み攻撃する。

 

ダダダダダダッ

 

ダインさんがラディッツに連続のパンチを放つ、だが今のラディッツに全て見切られてしまう。

しかし、ダインもジークとの戦いで学習している。

ラッシュの途中でダインはわざと拳をかわされるようにし、体勢を崩すように見せかけた。

そこにラディッツが笑み浮かべ、ダインに攻撃しようとする、が。

ダインは右足に力を入れ、ラディッツに左回し蹴りを放った。

ダインの足とラディッツの拳が衝突する。

派手な音を立てながら勝利したのは、ダインだった。

 

「ぐっ!」

 

禍々しい気に包まれてから初めて顔が歪んだ。

反動でラディッツは後ろに飛ばされ、一瞬、ふらつく。

そこに両側からピッコロと悟空が攻撃する。

 

二人の拳が風を斬る音を立てながらラディッツにラッシュを放ち続ける。

だが、ラディッツに避けられてしまうが、何処まで持つかは時間の問題……。

 

 

 

「おお! いい感じですよ! 三人共ナイスチーム枠です! このまま行けば初めての任務にしては速く終わるかも…」

 

ダイン達が戦っている所を見ているトランクスは優勢の状況に喜びを浮かべる。

 

「いや、あの禍々しい気の力はこんなものじゃない。まだ本性を隠してるはずだ」

 

そこに隣で見ているジークは戦闘を見ながら言う。

実際にジークもこの改変の力と戦っている経験者が言うのだ。

その言った事はすぐに起こった。

 

 

 

 

二人のラッシュを避け続けているラディッツはいきなり、しゃがみ込み、

 

「ハァァ!!」

 

両側に腕を広げ、ピッコロと悟空に気弾を放った。

 

「ぐわぁぁーー!!」

「うわああぁぁ!!」

 

二人は数メートル飛ばされ、倒れ込んだ。

 

「くっ!」

 

ダインは腰を引き、臨戦態勢になる。

 

「ウオオオオォォォォ!!」

 

ラディッツも全身から禍々しい気が今まで以上に溢れ出て、やがて、爆発したように気を開放させた。

 

「ウオオオォォ!!」

「くっとんでもない気だっ!」

 

全身から禍々しい気を包みこみ、目を紅く煌めかせているラディッツにもう言葉は無かった。

ただ、不気味に笑っている。

ダインは後ろにジャンプし、距離を取る。

 

「ハァァァアアーー!!」

 

両拳を握りしめ、気を開放させる。

全身から白色のオーラが溢れ出て、やがて、気を集中させオーラが消えていく。

 

ダッ!!

 

ダインはラディッツに突っ込み、パンチを入れる。

ラディッツが受け止めた瞬間、周囲にクレーターをが作られ始め、衝撃波が二人を包み込む。

 

ダインが間髪入れず、左パンチを放つがラディッツはしゃがんで避ける。

反撃にラディッツが蹴りを入れるも、コレもダインに左腕でガードする。

二人が右拳と左拳に力を入れ、同時に顔面を殴った。

幸いに二人の腕のリーチは同じくらいで二人共頬に殴られ、顔が歪む。

 

「ククッ予想以上のパワーだな…これは」

 

完璧に最初だからと任務を舐めていたダインはココロの中で深く反省した。

今もなお、ラディッツは禍々しい気を開放させ、段々気の大きさが上がっている。

 

―――やはり、長期戦は不利か。だが!

 

「コレで、終わりだっ!!」

 

頬を殴られていた拳を退かし、思い切りタックルをラディッツに放った。

ラディッツは地面を削りながら後ろに飛ばされる。

 

「小癪なっ!! ―――っ!!」

 

後ろに居た悟空に尻尾を捕まれ、今までの禍々しい気が消え、素に戻る。

 

「カカロットォ!! お前っ!」

 

ダインがラディッツと戦闘していた間、悟空とピッコロが何もしていなかった訳ではない。

悟空は空きができるまで待機していたし、ピッコロは魔貫光殺砲を打つため気を集中していた。

悟空は尻尾を掴み、動けなくなっている空きに両肩に腕を回し、ガッチリ固定する。

 

「貴様の敗因はその禍々しい気を纏った事だ。その気を纏った事でスカウターが壊れた。だから後ろのピッコロの気にも気づけなかったんだ!」

「この俺がヘマするとは……!」

 

「ぐっ! カカロット…離せ!」

「ピッコロォー! 今だー! やれ―!!」

「離せすんだ!! そうだ、離してくれたら俺はこの星から立ち去ろう! お前何危害も加えない。だから、離せ!」

「悟飯を殺そうとした奴を信じられるか!」

「魔貫光殺砲――!!」

「やめろ!! ぐわーー!!」

「馬鹿な……この俺がっ」

 

ピッコロが放った魔貫光殺砲がラディッツと悟空を貫通した。

ドサッと音を立て、二人共倒れた。

段々と悟空の目から光が無くなり始め、やがて一言呟いて息を引き取った。

 

「……やった……」

「本当にやったのか…?」

 

そう言いながらピッコロはダインの方向に振り向く。

だが、そこにはもうダインの姿は無かった。

 

「一体、あいつは誰だったんだ……」

 

 

 

 

 

トランクスに転送され、ダインは時の巣に戻ってきた。

 

「なぁ、悟空って奴は死んじまったけど大丈夫なのか?」

「はい、あのあと悟空さんは無事ドラゴンボールで復活できます。あれが元の歴史なんです」

 

時の巣の歴史保管庫の中。

傷を負って戻ってきたダインとトランクスとジークが会話をしている。

 

「それにしてもダインさん。勝手に行動されては困ります。今回は無事に言ったから良かったですけど、何も考えずに突っ込むなんて…」

「そうだ、今回の任務とあの禍々しい気を余り舐めるな」

 

トランクスとジークに注意されたダインは、はいはいと仕草を見せながら。

 

「分かってるよ。今回は俺も流石に舐めてたよ……」

「後、一体あの禍々しい気は何なんだ? とんでもない邪悪な気だったぞ。まさか歴史の改変を正すタイムパトロール隊員はいつもあんなのと戦ってんのか?」

「いや、普通のタイムパトロール隊員の人達は違います。あんなに元の強さの何倍にもなる人達とは戦っては居ません。この任務が特別なんです」

 

トランクスが話している時、保管庫に人が入ってくる。

 

「どうやら、最初の任務は終わったみたいじゃの…」

「お疲れ様」

 

入ってきたのは時の界王神と老界王神だった。

 

「ジーク、やっと足取りが掴めたわ。早速行ってくれない?」

「やっとか、分かった」

 

そう言うと、ジークは時の界王神に導かれ、どこかに消えていく。

 

「どういう事だ? 足取りが掴めたって…」

「そういえば、知らないんじゃったのぅ。説明してやれ、トランクス」

「はい、分かりました」

 

トランクスはダインを一旦、座らせる。

トランクスもその隣に座ると、説明を始めた。

 

今、コントン都に迫っている危険を―――

 

 

 

 

 

 

 




最後までお読み頂きありがとございます。

最初はゼノバース2よりにはなってしまってますが、近いうちに変わりますので……
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