【フィアッセ・クリステラ】:ver.1.34
高町家の名誉長女。一時期、海鳴市で療養しつつ『翠屋』で働いていたが、現在は亡き母ティオレの遺志を継いで『CSS』を運営している。漸く仕事も社交も慣れて来たかな?という時期に可愛い妹分による電撃訪問を受け、新たな悩みの種を抱いてしまった。姉なる者の道は険しい……かもしれない。
Side:クロノ
フェイトの裁判や処遇に関する手続きが粗方終わり、後は細々とした申請を行うのみ。全く、随分と時間を
取り分け、『違法薬物による身体強化』と『非殺傷設定を解除しての決闘』については問題視されたが、倫理観と道徳心を養う機会の欠如により仕方が無かったという論調で弁護しながらも、嘱託魔導師として一定期間の無償奉仕、行動記録の提供及び監督者との共同生活、更に将来の就職先を管理局関連組織とする減刑策を講じつつ、あまりしたくは無かったが暫定魔導師ランクS+の“なのは”と懇意である=共に入局する可能性を
一応、“なのは”に関する情報開示は本人から事前の了承を得ているし、この展開を見越した上で嘱託魔導師の登録も済ませていた。つまり何ら問題は無いものの、こうした情報はそれなりの立場の人間ならば閲覧可能な為、要らぬ駆け引きを誘発させる恐れが有った。
Sランク越えの魔導師は、非常に貴重だ。
昔ならば英雄として、
そうでなくとも、オーバーSランクである。模範的な時空管理局職員ならば、囲い込んだり接点を持ちたいと考えるのが道理だろう。と言うか実際に、リンディ提督もとい母さんが非常に乗り気だし、其れも有って“なのは”とフェイトの文通やビデオレターの頻繁な遣り取りを手助けしたり、ミッドチルダ製の映像機器及び編集機材一式を貸し出す等、現在進行形で恩を売りまくっている。
これを何時もの様に狡猾だと思えたら、どれ程良かった事か……。真相としては、保護観察中のフェイトを
女性代表のエイミィ曰く、フェイトの様な無垢に等しい可愛い子を預かったら「
だが劇薬とすら感じる程の愛も、長らく欠けて枯渇していたフェイトにとっては良薬らしく、段々と表情や態度が
「ところでクロノさん。ミッドチルダでは、運の善し悪しって分かるんですか?」
「唐突だな。【
「実はその……。最近、またしても危険な事件に遭遇したので、そういう運命なのかなと」
「ふむ……。時間は有るから、その発端から顛末までを詳細に話して欲しい」
やはり管理外世界でも、文明や技術がそこそこ発達しているなら問題事は付き物だな。内容次第では調査隊を組んで調べるが……。さて、どんな事件なのだろうか?
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Side:なのは
暑さも和らぎ、秋めいた日差しに照らされた喫茶『翠屋』のテラス席。其処でクロノさんと会合している訳ですが、愚痴に付き合わせて申し訳無いと思う反面、魔法を用いた戦闘を行ったので報告がてら一部始終を話す事にしました。
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あれは確か、8月15日の正午過ぎの事でした。那美さんと言う方に御祓いが可能なのかを相談する為、
何故かって?
ジュエルシードを回収したり、決闘したり、その直後にロボットと戦ったり、謎の魔力反応を感じたり、治安が宜しくない場所だったとはいえ窃盗犯の逮捕に協力したりとか、偶然で片付けるにはあまりにも
不思議な事に、普段は清閑な八束神社で雷撃やら衝撃波が飛び交う戦闘が行われていたので止むを得ず参戦しました。因みに、戦っていたのは怨念に取り憑かれた【祟り狐】と、那美さんを含む退魔師の方々で、近い内に封印が解ける前兆が有ったので再封印をする予定だったそうです。
まぁ結果としましては、魔法が通用したので拘束後に《 Divine buster 》で弱らせて、退魔師の方々による浄化で怨念だけを完全消滅させました。これにて
―――
――
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「……で、最終的に御祓いはしたのか?」
「
「そうか……。しかし、これ程までに災難続きだと末が恐ろしいな……」
「あのー、特大フラグを立てるのは勘弁して欲しいのですが…………」
「
「実現する可能性が高まるかもしれません」
「成程。勉強になった」
その後、フェイトちゃんの現状や将来的な見通しについて聞いたり、貸し出した機材やデバイスの調子は如何だと聞かれたりして、それから何時もの手紙とビデオレターを渡され御開きとなりました。そもそもこの会合は大事の前の小事で、管理局地球支部の候補地選びや金策など色々有って結構多忙なのだとか。
なら、怪しまれない様に御注意を。
諜報とかスパイと呼ばれる活動は、日本の場合だと古来より“忍者”と呼ばれる人達が担当しておりまして、情報収集や変装のみならず戦闘も
何とも見事なカウンターです。あまりにも強烈だったのでモフモフな物で癒やそうと考えたものの、身近な動物で一番仲の良かった“くーちゃん”こと
悲しかな。
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Side:シグナム
「シャマル、“はやて”の容態は?」
「今は気絶だけで済んでいるけど、これが二度三度と続けば如何なるかはちょっと……」
「ならば、早急に対処しなくてはな……」
「ええ、そうね…………」
それは信じ難い出来事であった。古代ベルカの叡智を集結させ、有りと有らゆる安全機能や修復機能を備えている筈の【闇の書】が主を害する等、一端末に過ぎない我々では事前に知る由も無く、その時は訪れた。
我々がその異常に気付けたのは、“はやて”のリンカーコアを対象とした魔力蒐集が自動的に
最低でも400頁。
全666頁の、約6割の白紙を埋めるだけの魔力を魔導師や魔法生物から蒐集せねば問題点も解決策も分からず、最悪の場合は“はやて”が衰弱死する恐れがあると判断した我々は、迅速に方針を固めて行動へと移した。
「何故だ【闇の書】? 何が起因となり、我等の主を