[ ヴァリアント・システム ]
エルトリア先史時代の遺産である遺跡板――それを解析して得られた遺跡工学技術による機械運用システムの総称。【ヴァリアント・ユニット】は個人用携行装備として使えるように簡素化した物で、金属や無機物を瞬時に再加工し、武器や防具へと仕立て上げる。
[ フォーミュラ ]
嘗て、■■が独占していたエネルギー干渉術式。体内に循環させた専用ナノマシンを介して機械へ動力供給したり、エネルギー弾としての射出、大型設備であれば《次元跳躍》を可能とする等、幅広い応用が可能。
side:火神 龍華
「お早う御座います。これから18時間以内に、管理局と第三勢力による大規模戦闘が起こるかもしれません――という朝のニュースを御伝えします」
「……お早う、ステラ先生。その大規模戦闘とは、日本中が戦場に成ると解釈すべきだろうか?」
「さあ、それは彼等の努力次第ですから何とも……。ただ戦うなら東京周辺になる為、綺羅々ちゃんを避難させた方が宜しいでしょうね。恐らく、戦闘用の結界に巻き込まれる可能性が高いです」
「ふむ…………」
7月22日。私にとっては単なる休日。綺羅々にとっては夏休み初日に当たる本日。『隕石らしき物体が落下?』やら『開園間近、オールストン・シー特集』といった、同様のニュースしか流れて来ない報道番組をザッピングしながら見ている最中、《転移魔法》で我が家へ不法侵入を果たしたステラ先生から凶報を
「避難先の候補を教えて欲しい」
「アラスカ州を御勧めしたい所ですが、無難に札幌で2泊3日のプランを提示してみます。小樽や
「成程……。綺羅々、何か意見は?」
「小樽でオルゴールを買って、海鮮丼も食べたいです」
「了解した。旅費は多めに支給しておこう」
「ありがとう、御婆ちゃん」
尚、札幌・東京間の往復についてはステラ先生による臨時便が出るとの事で、後はホテルを押さえ、桐咲くんも同行させれば問題は起きない筈だ。
「ところで、ステラ先生の御予定を
「映画を見て、昼食を済ませ、綺羅々ちゃんを送り、ゲームセンターで時間を潰し、戦闘が始まれば高みの見物をする御予定です。ではまた、15時頃に」
言うや否や紅蓮の魔力光が《転移魔法》を形成し、ステラ先生は何処ともなく去って行った。あの雰囲気なら、観戦もそこそこに飛び入り参戦するのではと思えてしまう。……取り敢えず、これで最悪の結果は避けられるか?
まぁ……、決断を下すのは戦闘後でも良かろう。今一度、火災旋風が吹き荒れれば景色は一変し、展望もまた変わるやもしれんからな。
~~
side:高町 なのは
ここ最近は落ち込んだりもしたけれど、今日はアリサちゃんや“すずか”ちゃんの御両親が主導して作り上げた臨海テーマパーク『オールストン・シー』のプレオープンに招待され、素晴らしい1日になる……筈でした。
混雑も無くジェットコースターや観覧車に乗ったり、チュロスやパフェやクレープを食べ比べ、併設されている水族館を満喫し、対岸に在るリゾートホテルで豪華な夕食を済ませた後は、リインちゃんの調整で別行動をしていた“はやて”ちゃんの到着を待って一緒に御風呂でも――――
そんな幸福な時間が続いている最中にクロノ君から緊急通信が入り、何だか雲行きが怪しくなりました。実は本日未明、ステラさんとはまた別の違法渡航者が現れて大型車両などを盗んで行方を
「取り敢えず、停車させて無力化する感じなのかな?」
[> 第一目標はその通りだが、交戦の可能性も考慮して動くように <]
「了解です」
食後の運動としてはハードな予感を抱きつつ、フェイトちゃんと共にテイクオフ。5分程飛んで結界内に到着したところ大型車両や重機は高速道路上で既に停まっていましたが、その身から生やした銃口やミサイルのような物を此方に向けて待ち構えており、流石に警戒レベルを跳ね上げました。《バリアジャケット》で防げるとはいえ、質量兵器の銃弾は魔力弾よりも速くて非殺傷設定なんて付いていませんから、最悪の場合は致命傷を受ける可能性も有ります。
「初めまして。“高町なのは”に、“フェイト・テスタロッサ・ハラオウン”。悪いけど、この子達と遊んでくれないかしら?」
「速やかに武装を解除し、投降して下さい。今ならまだ軽い罪で済みます」
「……目的さえ果たせれば、後は如何なろうが知ったこっちゃ無いわよ」
少女が指を鳴らし、砲身が照準調整の為かユラリと動いたのを見て即座に射線上から退避しました。その刹那、僅かに遅れてオレンジ色の光を纏った砲弾が凄まじい速度で放たれ、続けてミサイルや銃弾も飛んで来たので付近に乱立するビル群を遮蔽物にしながら反撃の策を練ります。
[> フェイトちゃん、陽動を御願い! <]
[> 了解。何分稼げば良いの? <]
[> 長くて2分。それでも駄目なら臨機応変に <]
[> 分かった。気を付けてね、“なのは” <]
[> あー、その流れはあんまり……。グッドラック、フェイトちゃん <]
[> ええっと……? グッドラック、“なのは” <]
締まらない《念話》を終え、上空へと飛び出したフェイトちゃんは銃弾やミサイルに追われながらも牽制射撃を繰り返し、私はその間に地を這うように飛んで高架橋の真下から上昇反転、同時に《 StarLight Blade 》を発動させつつ高速道路上で展開している無人機部隊の側面へ突っ込み、次々と切り裂いて行きます。硬く分厚く、掠めるだけで十分な魔導師とは切り心地が異なるので大変ですが、鍛錬と比べれば何のこれしき……!
「へぇ、なかなか遣るじゃない」
元クレーン車だけを残して大型車両12両を撃破。けれど、ステラさんの時と同様に少女もまた余裕の表情を崩しておらず、嫌な予感がします。
「……たった今、東京周辺でこの子達【機動外殻】が暴れるように指示を出したわ。その短い刃と少ない御友達で、どれだけ守れるか見物ね?」
「こんな事をして、目的は何ですかッ?!」
「吠える前に、早く一般人を助けに行きなさいよ。そんなザマだから、“自警団ごっこ”なんて言われるんでしょうに」
明らかな挑発でしたが、何時の間にか元クレーン車の後方に回っていたフェイトちゃんが
現在、私達が交戦している間に“はやて”ちゃんが襲撃を受けたものの
「……急ごう、フェイトちゃん」
「うん」
必要に迫られ、選択の余地が無い。
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side:八神 はやて
私の人生は、つくづく不幸と幸福が
おまけに銃と剣が混ざったような武器を担いだピンクの御姉さん(※襲撃者)
「ふーん、逃げずに戦うつもりなのね……。良いわよ、変身するまで待ってあげる」
「なら御言葉に甘えまして……。リイン!」
「了解です、“はやて”ちゃん!」
強そうな御姉さんに、トランスフォームした武装車両が8台。あと数分だけ時間稼ぎをすれば、『守護騎士』の皆が救援に駆けつけてくれるそうやけど……。まぁ、ステラさんと