バカとウチと恋心   作:mam

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バカとわたしと誕生日プレゼント
バカとわたしと誕生日プレゼント


 

 

 今日は珍しく鉄人の補習がない…毎日こうだと良いんだけど。

 明日から飛び石とはいえ連休だし、今日は何処か寄り道して帰ろうかな。

 と考えながら鞄に教科書とか放り込んでいると…そこへ姫路さんがやってきて

 

「明久君。今日少し時間ありますか?」

「うん。今日は珍しく鉄人の補習もないし」

「よろしければ買い物に付き合ってもらいたいんですけど…」

 

 顔を少し伏せて遠慮がちに上目遣いで僕を見上げてくる。

 こんな可愛いお願いを断れるわけがない。

 

「僕の方からお願いしたぃぃいだだだぁぁあぁぁっっ」

 僕の左腕が普通の人間ならありえない角度で曲がっている。

 

「みっ、美波っ、どっどっどうしたのっ?」

「なんとなくよ」

「ええっ。なんとなくで僕、人体改造されてるのっ!?」

「仕方ないわね」

 

 夏休み前くらいから美波の態度のメリハリが大きくなった気がする。

 優しい時はドキッとするくらい優しいし

 攻撃的な時は生死に係わるんぢゃないかとドキドキするくらいキツい。

 

 ……でも、そのドキドキは、その…なんて言うか…

 美波と密着してると思うと顔が赤くなりそうになるドキドキだったりすることも…

 

「瑞希。アキをちょっと借りるわね」

 僕の首を掴んで廊下の方へずんずん歩いていく

「みっ、美波、首はヤバいって…」

 問答無用だった。

 

姫路さんは目をぱちくりさせていた。

 

-廊下にて-

(アキっ、アンタ明日の約束忘れてないでしょうね?)

(もちろん覚えてるよ)

(ウチも葉月も楽しみにしてるんだからねっ)

(美波も楽しみにしてくれてるんだ)

(なっ、なによ。アンタは楽しみじゃないの?)

(僕も楽しみにしてるよ。指折り数えるくらい)

 

(ウ、ウチも…)

 あれ、美波の顔が赤くなってきたな。

 指をもじもじさせながら…そんなに楽しみにしてくれてるのか。

 なんか嬉しいな。

 

(アンタの指を小指から綺麗にへし折って数えたいくらい楽しみっ)

 そういうのは他人の手を借りちゃいけないんじゃないかな。

 

(とっ、とにかく今日お金使いすぎたとか言わないでよっ)

(大丈夫だよ。僕も明日は楽しみにしてるからね)

(あと…瑞希にヘンなことをしたら許さないからねっ)

(あっ、あたりまえだよっ)

 

 最近美波は僕と姫路さんのことをずいぶん気にしてる感じがするんだけど…僕の思い過ごしかな。

 そして美波と僕は教室に戻った。

 

「じゃあウチは明日の準備もあるから先に帰るわ。お疲れ様」

「美波ちゃん、お疲れ様でした」

「おう、お疲れさん」

「お疲れ様じゃ」

「…………お疲れ」

「じゃあ美波。またあ『アキっ!』…」

 

 しまったぁぁっ…明日のことはみんなには内緒だったんだっけ。

 美波が目からビームが出そうなほど睨んでる…

 

「明久、あ?」

「あ、がどうしたのじゃ?」

「…………?」

 

 考えろっ僕…この程度の危機、いつも乗り越えてきたじゃないかっ。

 『あ』で始まって当たり障りのない言葉は…そうか、これだっ。

 そして僕は微笑みながら…

 

「美波。またあの世でっ」

 

「アンタ一人で逝きなさいっっ」

 容赦なかった。

 

 

「明久君。大丈夫ですか?」

「ごめんね、姫路さん。じゃあ帰ろうか」

 

 僕が美波の攻撃のダメージから回復してる間に雄二は霧島さんに連行され

 秀吉は部活へ、ムッツリーニは商談があるとかで教室から出て行った。

 結局教室に最後まで残っていたのは僕と姫路さんの二人だけだった。

 校門を出たところで…

 

「姫路さん。今日は何を買いに行くの?」

「はい。父の誕生日が近いのでプレゼントを買いたいのですが男の人って何が嬉しいのか判らなくて…」

 

 姫路さんがくれるなら何でも喜ぶと思うんだけどな。

 ……手料理以外。

 

「僕なんかの意見が役に立つか判らないけど、とりあえず何か候補はあるの?」

「そうですね。本当は靴とか実用的な物が良いと思うのですが高いのでお小遣いが足りません」

「実用的な物かぁ…」

 

 そうするとアクセサリーとか記念的な物はダメだな。あとは食べ物も姫路さんが作るとか言いかねないし。

 

「とりあえずショッピングモールに行ってみようか。何か見つかるかもしれないし」

「そうですね」

 

 

 

-ショッピングモール-

「来たのはいいけど何処を見ればいいのかな…」

「せっかく来たんですから色々見て回りませんか?」

「そうだね」

 とは言うものの何処へ行けばいいのか見当も付かないし…

 あれ?なんか姫路さんが真っ赤な顔してもじもじしてる?

 

「あの…明久君?」

「なに?姫路さん?」

「あの…腕、組んでも良いですか?」

 

 今だけ貴方の存在を信じます。神様ありがとう!!

 

 ……って冷静になって考えてみると姫路さんと腕を組んで歩くと言うことは

 その…いろいろと身体的に接触すると言うことで、そうなると必然的に成長著しい部分に

 触れ合う可能性がある訳でそうなったらドキドキしてお店を見て回ることは多分無理だろう。

 

 こんなとき美波だったら問題ないんだけどな。

 …なんで美波と腕を組んでるところを想像してるんだ、僕?

 

「あの、姫路さん。クラスの誰かに見つかると面倒なことになるから品物が決まってからでも良いかな?」

「そうですね…わかりました」

 姫路さんがしゅんとしてしまった。

 でも姫路さんのお父さんへ贈り物をしたいと言う気持ちを優先するなら仕方ない選択だと思う。

 

 さて何か良い物はないかなっと…あれ?なんか黄色いリボンの人が居るな。美波がこんなところに?

 違った。ちょっと背が低いな。

 

 ん~、なかなかこれはって物が見つからないなぁ…ん?ポニーテールがひょこひょこしてる?

 でも美波じゃないな。ちょっとぽっちゃりしてるし。

 

「あの…明久君?」

「はい?」

「さっきから、その…いえ、なんでもありません」

「?」

 

(明久君。さっきから美波ちゃんに似てる人を見ている気がします…)

 

 姫路さんが何か呟いていた気がするけど…声が小さすぎて聞こえなかった。

 

 

 

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