バカとウチと恋心   作:mam

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僕とみんなとお昼御飯
僕とみんなとお昼御飯part01


 

 …………ん。

 

「アキ…」

 ゆさゆさ……

 

「アキってば…」

 ゆさゆさ……

 

「起きないと…」

 ゆさゆさ……

 

 目を開けると……………美波の顔が超至近距離にあった。

 

「んぅ、美波おはよう」

「きゃっ!?」

 美波がいきなり後ろへ下がる。

 

「あっ、アキ!?起きてるなら起きてるって言ってよねっ。!!ビックリするじゃない」

「ごめんなさい」

 あれ?昨日も聞いた様な……

 

「ところでアキ、なんでこんな所で寝てるのよ?」

 僕が今居るところはリビングのソファの上。

 

「美波と手を繋いでてドキドキして全然寝れなかったから、ここで寝てたんだよ」

「アキ……それってウチの事……」

 美波が僕を期待するような目で見ている。

 

「昨日はずっと起きてたから、すぐ寝れると思ったんだけどね」

「アキっ、それよりなんでドキドキしてたのっ!?」

「ふぇ?」

「い・い・か・ら、答えなさいっ!!」

 指をボキボキ鳴らし睨みながら答えを迫る美波。

 すいません、今の方がドキドキしてるんですがっ!?

 

「えっ、えっと……美波と一緒の布団で寝てたから?」

「なんで疑問形なのよっ!?」

「どうしてだろ?」

「それをウチが聞いてるのよっ!!」

 朝から美波の関節技…うーん、痛みで目が覚めるな。

 

「おっ、女の子と一緒の布団で寝れば普通はドキドキするよっ!」

 関節技を解いてくれた。

 

「じゃあじゃあ……アキはウチの事、どう思ってるの?」

「ほぇ?どうって……」

「好きとか、嫌いとか…………」

 美波が顔を赤くして頬に両手を当てて身体をもじもじ捻ってる。

 

「大好きとかぁ、愛してるとかぁ、一生離さないとかぁ……」

 だんだん内容が後戻りできなくなってる気がする。

 見てて面白いけど、変なことを強要される前に答えた方が良いかな。

 

「その中だったら好き、かな?」

 美波の事は嫌いじゃないから、これで問題ないだろう。

 

「あっ、アキ……」

 あれ?美波の動きが止まったな。

 目が潤んでる気がする。

 

「お兄ちゃん、お姉ちゃんおはようです」

 いつの間にか葉月ちゃんが起きてきてた

 

「おはよう葉月ちゃん」

 頭を撫でてあげると

 

「んにゅ~」

 目を細めて喜んでくれてる。

 

「バカなお兄ちゃんは葉月の事、どう思ってるんですか?」

 どうやらさっきの質問を聞いてたみたいだ。

 

「葉月ちゃんの事は大好きだよ」

 大切な友達だからね。

 嬉しそうな葉月ちゃん。

 

「なんでウチは好きで葉月は大好きなのよっ!?」

 

 美波が足を大きく振り上げたと思ったら、そのまま僕の脳天への一撃。

 まさか昨日の続きが今日来るとは……美波に朝の二度寝を強制的にプレゼントされた。

 

 

 

 

「もぅ、アキったら…まったくデリカシーがないんだからっ」

「ごめんなさい」

 三人で朝御飯を食べながら、僕だけ美波のお小言も頂いてる。

 

「お兄ちゃん、風邪はもう治ったんですか?」

 トーストを両手で持ちながら質問をしてくる葉月ちゃん。

 

「うん、さっき体温測ったら36度5分だったから、もうほとんど治ったかな」

 昨日もあんまり寝てなかった気がするけど病院で貰った薬のおかげかな。

 こんなことなら早く病院へ行っておけば良かった。

 

「おめでとうです」

「ありがとう、葉月ちゃん」

「そうすると看病も今日で終わりなのかな……」

 寂しそうに呟く美波。

 そっか、僕の風邪が治ったら美波たちも戻るのか…なんか寂しいな。

 

「そうだ。僕、二人に御礼がしたいんだけど何が良いかな?」

「御礼なんて良いわよ。ウチがしたくて、してたんだし」

「葉月もお兄ちゃんが元気になってくれれば嬉しいですっ」

 やっぱりそう来たか……うーん、困ったな。

 そうだ、ちょっと別々になるから美波には悪いけど……

 

「それならさ、今日のお昼御飯は僕が作っても良いかな?」

「ウチは構わないけど…いきなりどうしたの?」

「二人にご馳走してあげたくて……どれだけ作れるか判らないけどね」

「お兄ちゃんがご馳走してくれるんですかっ」

 嬉しそうな葉月ちゃん。

 うんうん、これだけ喜んでくれると作り甲斐もあるな。

 

「そうね……じゃあ、ウチもお手伝いして良い?」

「うん、それは良いけど……」

「ふふっ、風邪は治りかけが大事なのよ。あまり無理させたくないの」

「そっか、ありがとう」

 美波の好意が素直に嬉しい。

 

「それにアキから料理も学べるしね……ついでに未来の予行練習も兼ねて」

「未来?」

「なっ、なななんでもないっ。そ、それより御飯食べ終わったら、お薬飲むんでしょっ?」

「あ、うん」

 美波が真っ赤になってそわそわしてるな。

 とりあえず朝御飯食べたら買い物に行くかな。

 

 

 

 三人で仲良く買い物に行く途中で

 

「何か食べたい物はあるかな?」

 やっぱり食べたい物を作るのが良いからね。

 

「葉月は何でも良いですっ」

 元気に答えてくれる葉月ちゃん。

「そうね……」

 手をあごに当てて考え込む美波。

 

「……パエリアでも良いかしら?」

「うん、僕は構わないけど、葉月ちゃんもそれで良い?」

「パエリアってなんですか?」

 頭に『?』を浮かべている葉月ちゃん。

 

「えっと、エビとか貝を使ったスペインの御飯かな」

「あっ、黄色い御飯の食べたことあるですっ」

「そうだね……美波は家で作った事無いの?」

「普通の家にはパエリア用の鍋は無いわよ」

 微笑みながら答えてくれる美波。

 僕も自然と笑みがこぼれる。

 

「アキ、何か良い事でもあったの?」

「うん、なんか幸せ家族って感じで良いかなって」

「もぅアキったら……未来の予行練習のしすぎよっ」

 美波が真っ赤になって僕に左ストレートをプレゼントしてくれた。

 ガードレールがあって良かった……

 無かったら、きっと車道まで吹っ飛んで今度は入院になっていただろう。

 

 

  PiPiPiPiPi……  PiPiPiPiPi……

 

 僕の携帯が鳴ってるな。

 あれ?着信が『坂本雄二』になってる。

 

「どうしたの?雄二」

「明久かっ。すまん、助てけくれっ」

 雄二、慌て過ぎて日本語が少しおかしいよ?

 

「だから、どうしたのさ?」

「翔子と二人っきりだと間が持たないんだっ」

「雄二のノロケ話は聞きたくないんだけど?」

「じゃあ、俺がお前と島田のノロケ話は聞いてやるからっ」

 恥ずかしいから絶対嫌だっ!!

 

「そっ、そんな事できるわけ無いじゃないかっ」

「とにかく、ここから出る口実だけでも欲しいんだよっ」

 むっ……僕にも責任があるな、1%くらい。

 

「ちょっと待ってよ、美波と葉月ちゃんに聞いてみるから」

「出来るだけ早く頼むっ」

 携帯を手で押さえながら二人に確認する。

 

「申し訳ないんだけど、今日のお昼御飯に雄二と霧島さんも呼んで良いかな?」

「おっきいお兄ちゃんとお姉さんも来るんですかっ」

 葉月ちゃんは嬉しそうだ。

 

「ウチも構わないけど……でも、どうしたの?」

「雄二が霧島さんとのノロケ話をぜひ聞いて欲しいって」

「そうなの?…(ウチらも負けてられないわね)…この前アキのお見舞いに来てくれたお礼もしたいし」

 なんか美波がぼそぼそ言ってる。

 

「じゃあ、二人とも良いかな?」

「いいわよ」

「はいですっ」

 二人ともありがとう。

 

「雄二?」

「どうだった?」

「二人ともオッケーだってさ」

「そうかっ、すまん。恩に着る」

「今から、お昼御飯の材料を買いに行くから僕の家に二時間後くらいかな」

「判った、出来るだけ早く行くからなっ」

 早く来てもカギ開いてないよ?

 

「じゃあ早く買い物して帰ろうか」

「そうね」

「はいです」

 

 雄二と霧島さんもお見舞い来てくれてたし、お礼するにはちょうど良い機会かな。

 美波と葉月ちゃんには、また別にお礼しよう。

 

 

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