テンプレで何が悪い   作:二度書き提出

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俺は死んで異世界転生した。ただ、転生する世界と、特典は自分で決めることは出来なかった。できれば魔法が使えるようなファンタジー世界がいいなと思いながら俺は転生を果たした。

 

 

俺は今アルザーノ帝国魔術学院に通っている。魔術学院。そうこの世界には魔術があるのだ。だが残念ながら俺には才能があまり無いらしい。一番簡単と行っていいような魔術である『ショックボルト』でさえ、ようやく扱えるレベルであり、一節詠唱なんてとても不可能だ。最初の頃はそれはもう必死だった。憧れの魔法を使えるとわかったのだからそれは必死に特訓した。だがダメだったのだ。

 

そんな俺でもまだ、希望はあった。そう、転生特典だ。もしかしたら俺オリジナルの固有魔術的なものが有るのでは無いかと期待していたのだ。

 

だけど転生特典は魔術ではなかった。それは…

 

 

 

 

「俺参上!」

 

俺は包帯でグルグル巻きにしている右腕を掲げる。

 

「ふっ!俺の右腕が今日も疼いて仕方ないぜ」

 

そう言って俺は教団から飛び降りる。

 

 

 

「ちょっと!ハナム!あなたいつまでそんな事してるつもりなのよ!いい加減勉強しなさいよ!だからあなたはろくに魔術が使えないのよ!」

 

残念ながら俺には才能が無いのだ。無理だった。努力はした。そんな事話しても意味はないし、ましてや悔しいではないか。

 

「はっ!俺には勉強なんて必要ないね!」

 

だから強がる。自分には特典があるのだからと。魔術が使えなくたって問題ないのだと。

 

「あのねぇ。そう言うのはせめて一節詠唱できる様になってから言いなさいよ!」

 

流石説教女神!いちいち人に説教してんじゃねーよ!

なんて事は言わない。

自分が悪いのはもちろん自覚しているし、この子が実はとてもいい子だと言うことも知っている。

 

「言ったなこの野郎!いい度胸だ表出ろや!」

 

ただ、それを口にするのは憚られるし、何よりやっぱり悔しい。才能が無い奴が才能がある奴に嫉妬して何が悪い。

 

「ほんとどうしようも無いわね!自分が負けるのがわからないの!?」

 

「ちょっとシスティも、ハナム君もやめよーよ。喧嘩は良く無いよ?」

 

全くもってその通り。俺もそう思います。でもやめられない止められない。

 

「これは漢と漢の闘い!口出しはよしてもらおうか!」

 

「誰が漢よ!誰が!?」

 

「はっ!俺とお前!ここには2人しかいないだろ!」

 

実際にはクラスメイトは全員揃っており、あーまた始まった、ぐらいの気持ちで眺めているだけなのだが。

 

「こんの!」

 

「あっ」

 

気づいた時には俺は空を舞っていた。そして衝撃。

 

「ちょっと!システィ⁉︎」

 

ガタガタと席を立つ音が聞こえてくる。

 

「おい!大丈夫か!?」

 

「流石に今のはちょっと…」

 

「生きてんの?」

 

「死んだ方が良いからそのままでいいだろ」

 

あれ、なんか意識が遠く…遠く…

 

 

 

夢を見た。いつもと同じ夢。そこでは俺は自分の顔を削ぎ落としている。痛い。痛い。痛い。夢だと言うのに痛い。なのに目覚める事は許されずただ自分の顔を削ぐ。削ぎ終わったら面をかぶる。まるで自分に顔は必要ないと。今までの自分を完全に消すかのように。

やめてくれ。それ以上は俺が消えてしまう。俺を消さないでくれ!叫んでも声は出ない。なぜならこれは夢なのだから。そしてこの後、魔人から、右腕を奪う。そして激痛に襲われながら眠りから覚める。

 

毎日見る夢だ。だが未だに慣れない。ただ、この夢のおかげで俺は自分の特典を知ることが出来た。この右腕がどういったものなのか。ただ、自信が使うには代償があると言うことも。

 

目を開ける。そこは見慣れた天井なんて事はなく知らない天井だった。

 

「あぁ、俺死んだのか」

 

「死ぬわけないでしょ?馬鹿じゃないの?」

 

びっくりした。どうやら俺の寝ているところはベッドの様で隣に椅子に腰掛けたシスティーナフィーベルがいる。

 

「えっと、どう言う状況?」

 

とりあえず今なんで自分がこうなっているのかが思い出せない。確かシスティーナフィーベルと口喧嘩していた様な気がししなくもない。

 

「ごめんなさい。ついカッとなっちゃって!」

 

なるほど。どうやら俺は余程システィーナフィーベルを怒らせる様なことを言った、ないし、やったらしい。

 

「ごめん。俺が悪かったよ。」

 

とりあえず謝っておこう。多分俺が悪いのだろう。そんな事は考えなくてもわかる。

「た、たしかにあなたも悪かったけど、あんなこと言われたぐらいで手を出した私も悪いわけだし…」

 

なるほど。どうやら俺は手を出されたらしい。それであるが気絶したのか。

でも別にシスティーナフィーベルが気にする様なことではないと思うんだけど。

 

「気にしないでいいよ。日頃から俺が舐めた態度とってるのが悪いんだし、むしろ今までよく手を出さなかったなって思ってるくらいだから」

 

そう。俺は今まで散々この子を煽ってきたのだ。自分に無いものを持っているのが恨めしくて。悔しくて。そんな子供っぽい事でこの子に罪悪感なんてものまで待たせてしまったら人として駄目だろう。

 

「本当に今までごめん。明日から真面目に授業受けるし、勉強もするよ。」

 

努力はした。自身に才能が無いのもわかっている。だからこれは本心では無い。ただ飾っただけだ。偽っただけだ。

 

「もしわからない事とかあったら教えてもらっていいかな?」

 

「べ、別に構わないけど…」

 

「そう言ってもらえて助かるよ。システィーナさんは成績優秀だからね。じゃあ、また明日。」

 

「あ、うん。また明日」

 

日も暮れてきてるし早く帰ろう。

 

「どうしちゃったのよ、あいつ…」

 

 

 

 




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