戦紀絶唱《SIN》フォギア   作:星屑英雄

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青年と少女のすれ違いは続く

青年は、少女を思い

少女は、己の罪を思う

そして、現れ、対するは罪

雑音の襲来は何を意味するのか



最初に言っておく!! 全国の響ファンの皆さんごめんなさい!!





12話 罪のノイズ

 俺は今日もまた二課に来ている。今俺がたたずんでいるのは、昨日俺が痴態をさらした第3シュミレーター室だ。

 今回は戦闘訓練と題したギアの起動確認と戦闘力の測定だ。

 

 それにしても戦闘訓練か……

 黄老師やボス男さんとの修行を思い出すなぁ。

 

『エオンフヤーの極意は流しにある!! 受け流しなど、攻撃を流す技が多いのはそれが理由だ!! 攻撃の流れを感じろ!!』

 

『はい!! ボス男さん!!』

 

 そう言って、絶え間ない攻撃をくらわされた記憶が、がががががg……

 

『よし、準備はいいか、遊策君。……と、どうした?』

 

 っは!! 意識が飛んでた……この事は考えない方がよさそうだ。司令、風鳴弦十郎さんが、心配している。とりあえず、返事をしておかなければ。

 

「大丈夫っす、全然行けます!!」

 

『よし、仮想ノイズ展開!! さあ、始めてくれ』

 

 司令が指示を出すとノイズが十体ほど現れる。ほえ~、それにしてもよく出来てるなぁ……本物のノイズとそっくりだ。

 本物のノイズを再現した立体体感映像とは……科学の力ってスゲー。

 

 まあ、感心している場合ではないな!! よ~し、俺の力を見せてやるぞ!!

 胸に浮かんだ歌を歌う。

 

「Be Strong somewhere gungnir tron」

 

 それと共に、俺の身に鎧が纏われていく。

 まず、シャツとズボンが形成され、その上から赤い羽織とプレートアーマーが装着される。次に、腕にガントレットが装着され、脚に具足が纏われ、そして、最後にヘッドギアとバイザーが装着、ギアを纏い終わる。

 和洋がゴチャ混ぜになったようなデザインだが、俺は気に入っている。ちなみに、鎧部分はすべて赤と白、シャツは黄色で、ズボンは黒だ。

 正直、派手すぎて目立つなぁ、が、俺が一番初めに見た感想だった。

 

 響や奏さんと違うのは、ギアは纏うものに合わせて形や色を変えるからだそうだ。

 

 俺は歌わず(・・・)、地面を踏み込み、一歩。瞬間、俺はノイズ達の真ん前にいた。

 

 ……すごいな、シンフォギアっていうのは!! まさか、一歩踏み込んだだけで約30メートルを一瞬で詰めることが出来るなんて。

 これならば、存分に暴れられる!!

 

「今度こそ喰らいやがれ!!」

 

 拳を振りかぶり、一番近いノイズに叩きつける。

殴 ったノイズの腹には穴が開き、炭へと変わる演出の後、データの海へと帰っていった。

 

「おっし!! ドンドン来い!!」

 

 俺は拳を構えなおし、そう言った。

 

 

 

 

「なるほど、戦闘力は申し分ないわね」

 

「ああ、アームドギア無しであそこまで戦えるのは、入って来たばっかりの響を思い出すな」

 

 そう言った、青髪の防人――風鳴翼と、橙に近い朱色の髪の女性――天羽奏の視線の先では、ノイズを次々と屠る遊策の姿があった。

 

「おい、馬鹿。一体、どうしたんだよ? 元気ねーぞ? いつもの馬鹿騒ぎはどうした?」

 

「ごめん、クリスちゃん。私、気分が悪いからちょっと外出てるね……」

 

 装者達全員で訓練を観戦していたのだが、いつもの元気が無い響をクリスが心配する。しかし、響は一言断って、外に出てしまう。

 

「アイツ、どうしたんだ? そう言えば、昨日の訓練の時も動きがおかしかったな」

 

「まあ、なんとなくわかるさ。あの二人のよそよそしさを見るとさ」

 

「あれは二人の問題だ。私達に出来る事はないと思うぞ、雪音。今は、見守っててやろう」

 

「……ああ、そうだな」

 

 クリスは思う所があるようで、スッと目を伏せたがそれに気づくものは誰もいなかった。

 

 

 

 

「はぁ……」

 

 一方、その話の主である響は、シュミレーター室から出て自動販売機が立ち並ぶ休憩コーナーで、ホットココアを片手にため息をついていた。

 

「あ~あ、なんで私ってこうなんだろ……クリスちゃんがせっかく心配してくれたっていうのに……」

 

 自身の至らなさと未熟さが時々嫌になるのが、この響と言う少女だった。

 自分が兄と慕う遊策にだってそうだ、と響は思う。遊策を避けているのは、何も遊策が悪いのではない。そんなことは彼女もわかっている。

 ただ、自分が一方的に遊策に戦場に立ってほしくないと思っているだけの事だ。

 

「わかってる、こんなのはただの私のワガママでしかないのは……」

 

 そう言った、響の脳裏に、パッと、響を庇い大量の血を流す遊策の姿と、手術後、一向に目覚める気配のなくベッドに横たわる遊策の姿がフラッシュバックする。

 その記憶に、響の手が震え出す、それを必死になって押さえようとするが抑えられない。響はそれを頭を振って打ち払おうとするが、一向に消える気配が無い。

 

 気分が一気に悪くなり、吐き気がしてくる。

 

 吐き気を押さえきれなくなり、身近なトイレに入り、カギをかけ……そして、吐いた。

 

「う、うう、……グスッ……あ、う、ううう、ぐぅ……」

 

 吐き、胃の中のものを全部出しつくした後、嗚咽と涙の音がトイレの中に響いていた。

 

 

 しばらくして、落ち着いた後、トイレで口をゆすぐ。そうしながら、彼女は己の思いを口にする。

 

「……でも、やっぱりお兄さんにはもう戦ってほしくない」

 

 フラッシュバックした光景を見て、あんなことをもう一度起こさせないためにも、自分が闘い、遊策を守らなければと、彼女はもう一度決意を再確認する。

 

 その時、通信機が震え、風鳴司令――――響からすれば師匠に当たる人物、からの緊急通信が入る。

 

『響君!! B市にノイズの反応が現れた!! 翼や奏君、クリス君も向かっている。至急向かってほしい!!』

 

「了解しました!! 出ます!!」

 

 通信機から聞こえる声に、精いっぱいの元気を装った声で返す。

 顔を水で洗い、気分を一転させるとトイレを出て、駆け出すのだった。

 

 

 

『司令!! 響ちゃん、他の装者と合流!! ノイズとの交戦に入りました!!』

 

「よし、これで――――」

 

 一安心だな、と言葉を紡ごうとした、風鳴司令に急報が入る。

 

『ッ! 司令!! 別方向にノイズの反応を検知しました!!』

 

「何っ!? 二か所……だと? まずい、こちらには出せる装者は……」

 

 そう、すべての装者はノイズの迎撃に宛ててしまっている。一人、二人をそちらの方に向かわせようか、と考える。しかし、丁度、そこに訓練を終えていた遊策が名乗りを上げる。

 

「はい!! 俺、行けますよ、ノイズくらいなら」

 

 その発言に、風鳴司令は少し迷ったようなそぶりを見せた。

 

「(うむ、戦闘力は申し分ないとは言え、まだ、なったばかり……しかし、遅かれ早かれ実践もしなければならないし、今回のノイズは少ない様だ。ならば……)」

 

と、一考した後、各所に指示を出す。

 

「そうか……すまない!! ノイズ反応だ!! 本番となるが、行けるか遊策君!! 他の者はサポートに回れ!!」

 

「了解、すぐに出ます」

 

 遊策は軽く返事をすると司令室を後にした。

 部屋を出ると、緒川さんが「こっちです」と、手招きをしていた。

 遊策はそちらに走っていくと、そこでは緒川さんがバイクのエンジンの調子を見ていた。

 

「遊策君、このバイクを使ってください」

 

「緒川さん、いいんですか?」

 

「ええ、免許は確か持ってましたよね? 足があるに越したことはないですからね」

 

「ありがとうございます!! 小日向遊策……出ます!!」

 

 サムズアップを緒川さんと交わし、バイクのエンジンを吹かす。

 そして、ゲートが開くと共に飛び出す。そのまま、徐々に見えなくなる背を緒川さんは見守っていた。

 

 

 

 

「ここか!!」

 

 見れば、炭が所々にある。

 

 ……っ!! 少し遅かった……犠牲者が出てしまった。

 

 しかし、悔やんでいる暇はない。バイクから降り、聖詠を紡ぐ。

 

「Be Strong somewhere gungnir tron」

 

 シンフォギアを纏うと俺は、手前に居たノイズに飛びかかる。

 

「おらぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 拳を一閃。ノイズは簡単に炭へと変わっていった。

 

 次、次と、屠っていくこと、10分後――――

 

「ふう、粗方片付いたかな?」

 

 炭の山の中俺は立っていた。

 周りを見渡してもノイズの姿はない。

 

 そろそろ、帰ろうかと、バイクに乗り込もうとした時、それは起こった。

 

『!! 大きなノイズ反応を検知!! 何か来ます!!』

 

 黒い霧のようなものが俺の後ろに流れていくのが分かった。

 体に重圧を与える程のプレッシャーにゾッとし、反射的に後ろを振り返った。

 

「一体何が、グアッ!?」

 

 瞬間、自身の視界が揺れ、バイクごと吹き飛ばされる。

 ビルに突っ込み、何とか止まる。バイクが大破し俺の横に転がっている。

 ……シンフォギアを纏っていなかったら、と思うとゾッとする。初手で炭になっていたし、仮に生きれたとしてもバイクやビルにつぶされていたかもしれない。

 

 瓦礫に捕まりながら立ち上がり、俺を攻撃してきたノイズを視界に収める。

 

が、なんだ? あれは……?

 

「なんだ……このノイズは!? 黒いノイズだとォ!?」

 

 

 そう、そのノイズはこの世のすべての汚れを背負ったかのように、黒かった……

 

 

 




ちょっと遅れました……
やはり毎日投稿っていうのはきついですね……
お盆の準備に忙しくて、中々書けませんでした。

これから、どんどん忙しくなるのに、この始末……
毎日投稿できるかな、と心配になりますが、精一杯頑張っていくので、これからもよろしくお願いします。

それでは、また明日!!
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