それが、少女の記憶を刺激する
なぜ、どうして……?
そして、更なる悲劇が少女を襲う
疑問は深まるばかり――――
最初にまたまたいっておきます。クリスちゃんと響のファンの皆さんごめんなさい!!
ただ立ち尽くすだけだった俺に、声がかけられる。
「何をしているの?」
「え?」
その声の主は、シンフォギアの製作者、櫻井了子だった。
了子さんは俺の肩に手を置き、有無を言わさぬ迫力で言う。
「追いなさい」
「え?」
「ほら、さっさと追った追った。女の子を泣かせたままでいるのは、男の子としてどうなの?」
グイグイと俺をドアの方にやり、押す。
「さっさと追って、涙を拭ってあげなさい!! それがあなたの役目よ!!」
パンッと、尻を叩かれ、衝撃でドアの向こうへ。
俺は尻を押さえつつ、戸惑いながら返事を出す。
「は、はい!!」
……戸惑いながらではなく、迫力に押されるようにと言うのが正しいが。
でも、背中を押してくれているのだと感じた。ならば、ここでしり込みしているわけにはいかない。
俺は、響と話をしよう。じっくりと、しっかりと、互いのことがわかるように!!
そう決意し、俺は駆け出した。
……とりあえず、響のいそうなところを探ってみるか!!
遊策が居なくなったパーティー会場では、櫻井了子が、はぁ、と大きなため息をつき言う。
「全く世話が焼けるんだから……」
「ふ、さすがだな了子君」
そう言いつつ、風鳴司令がワインを持って来て渡す。それを受け取りつつ、了子さんは、ワインを一気にあおる。
「ぷは~、それほどでもないわぁ~、といっても、解決するのはあの子たち自身だしね」
「そうだな、乙女心難し 悩めよ 少年ってところか……」
なんかいい風に閉めようとしている、大人たちを見て……
「あの言葉、無理ねぇか?」
「ああ、語呂悪いな」
「まあ、いいんじゃないか?」
とかいう会話があったとか何とか。
時、同じくして雨が降りしきる商店街。
未来はまだ響を追っていた。
「待って、響!!」
「……」
「響、響、響響響!!」
「……何、未来?」
何度も呼びかけ、やっと止まった響を見て、ぜいぜいと息をつきその場で膝に手を当てる未来。
響は、グロッキーになった未来を見て、何度も無視していたことに罪悪感が募る。
「未来、大丈夫? それにしても、陸上部のエースなのにどうしたの?」
未来に駆け寄り、肩を貸しながら問う響。その響にもたれかかりながら、息を整え話し始める未来。
「ぅぅ……何度も待ってていってるのに無視してエレベーターで行っちゃうから、階段を全力疾走して追う羽目になって……」
「あっ、ごめん未来……」
申し訳なさそうに謝る響だったが、未来は両腕でギュッと響を抱きしめて言う。
「でも、これで捕まえた。」
さらに、響の耳元に口を近づけ、そっという未来。
「少し話をしようよ、お兄ちゃんと」
「でも、私は……」
響は顔を下げ、うつむいて黙ってしまう。どうしたものかと、未来は思っていると、そこに救世主が現れる。
「あれまぁ……響ちゃん達どうしたの、びしょ濡れで」
「フラワーのおばちゃん……」
そう、そこに現れたのは、お好み焼き屋「フラワー」のおばちゃんだった。
おばちゃんは言う。
「そのままじゃ、風邪を引いちゃうから、家に上がっていきなさい」
こうして、おばちゃんの家でお風呂と服を乾かせてもらうことになった。
響と未来、お風呂に二人で入る。足の親指と親指を合わせ、頭を突き合わせて風呂に入っていると、硬かった響の顔の表情も少し緩まる。
「ねぇ、響、気持ちいいね」
「うん、未来~。ふにゃ~、あったまるぅ~」
そうやって、ヘニャっと顔を綻ばせる響を見て、未来はクスクスと笑う。そんな、ひと時だった。
「おばちゃん、ありがと~、いいお湯でした~」
お風呂からあがって、ホクホクの響と未来は、アイロンをかけているおばちゃんに感謝と感想を伝える。
おばちゃんは笑って、「いえいえ、それならよかった」とアイロンをかけた服を二人に手渡す。
それを貰った、響たちを見て、おばちゃんは疑問だったことを聞く。
「それにしてもどうしたの? あんなところにいて?」
響は少し迷ったが、話すことにした。
「うん、実は……」
響はすべて話した。シンフォギアや二課の話を除いて、自身の思いも全部。
それを聞いた、おばちゃんはあっさりと言う。
「じゃあ、響ちゃんが守ったらいいんじゃないかな?」
「え?」
「どこか遠くで、遊策君が傷つくのが嫌な訳なんだろう? だったら、簡単さぁね。響ちゃんが近くに居て、傷つかない様に守ったらいいんじゃないかい?」
そう言って、おばちゃんは遊策の事を思い出しながら、話を続けた。
「未来ちゃんのお兄さん、遊策君には私も結構助けてもらっていてねぇ……。店の手伝いや、荷物運びをやってもらったもんさ。厄介な客が現れたことがあってねぇ。あまり関わらない方がいいといったんだがね。この店に迷惑だし、おいしく食べている客が不味くなるって言って、関わりに行って殴られたことあったのさ」
「お兄ちゃんそんな事してたんだ……」
「……」
未来は知らなかった自分の兄の事を知って、驚き。響は殴られたと聞いて、顔をしかめた。
それぞれの反応を見て、少し笑うとおばちゃんは続ける。
「確かに、ちっとやそっと言っただけじゃ、止まらない頑固者ってのが遊策君だねぇ。でも、だからこそ、いいところでもある、と、私は思う訳さ」
「確かにそうです……お兄さんのいいところだと私も思います」
響はその話に同意する。
頑固なところは響にもあるが、時たま自分より頑固な時がある遊策を思い浮かべて、少し笑顔になる。
「そう、問題は響ちゃん自分にあるってこと、わかってるんだろう? だったら簡単さ、遊策君が無茶しない様に抑え役になってあげることさ。自身の目の届く場所にいるなら、安心できるだろう?」
「あっ……、そっか、そうだったんだ……」
おばちゃんは今の響には抜け落ちていたことを、埋めてくれた。
もう少しで、答えが出せる。
そう思った時、ノイズの襲来を知らせる警報が鳴り響く。
「ノイズ警報!?」
すぐさま、服を着替えると外に出る。
出ると、目に見える場所から火の手が上がっている。
「未来、おばちゃん連れて早く非難して!!」
「うん、わかった。響、気を付けてね!!」
響はその声をバックに、走り、聖詠を口ずさみシンフォギアを纏って、ノイズの一団に突っ込んでいくのだった。
「くそ、どこにいるんだ……響!! 未来!!」
響と未来を探す遊策の元に、緊急通信で、風鳴司令の声が聞こえてくる。
『遊策君、ノイズだ!! すまないが、急行してくれないか!!』
「っ!! 了解!!」
仕方ないと、一旦響たちを追うのを中止し、ノイズが発生した場所に急ぐのであった。
「ふう、これで終わったかな……?」
すぐに駆け付けたおかげか、誰も犠牲になることが無かった。
周りにはノイズの残骸である炭だけが、散乱している。
変身を解いた響に未来からの連絡が入る。
『助けて』
そう、一文が書かれていた。
それを確認した響は、いてもたってもいられず、GPS機能を頼りに駆けだした。
たどり着いた場所は、廃工場だった。
中に入ると、一角が崩れたようになっていて、そこをのぞき込むと少し下に未来がいるのが見えた。
「未っ……」
急いで、駆け下がり、未来と名前を言おうと、響は口を開くが口に手を当てられ言葉をキャンセルさせられる。
「しー……」
未来は口に指を当て、喋るなという意味の仕草をする。そして、携帯の画面でメモ帳を起動させ、文字を表示させる、
『あのノイズ、音に反応して獲物を見つけるみたいなの。だから、喋らないで!!』
そういって、上を指す未来。ノイズが上に陣とっていた。落下して来たら一たまりもない程の大きさだ。
次に、未来の横を見れば、気絶しているおばちゃんがいる事に気づいた。
状況を理解した響もスマホの画面を操作し、メモ帳を表示させ返す。
『でも、歌わないとギアを纏えない……どうしよう……? おばちゃんも気絶してるし……』
その時、気絶していたおばちゃんが「うっ」と言葉をもらす。起きかけている兆候だろう。
響はおばちゃんの様子を確認する。足を痛めているようだ。きっとここに落ちた時にひねったのだろう。気絶しているということは頭も打っているのかもしれない。
早めに医者に見せた方がよさそうだ。そう判断する。
おばちゃんを見て、響を見ていた未来が顔を上げ、意を決したように言う。
『私が囮になる。その間に、おばちゃんを連れて逃げて!!』
思わず声が出そうになる響だったが、グッと言葉をこらえる響。スマホを急いで入力し抗議する。
『そんなことは出来ないよ!!』
『でもこのままじゃ、だめ……大丈夫、私の足なら逃げ切れる。それに、安全な所におばちゃんを託したら、響は、助けに来てくれるでしょう?』
ジッと未来は響を見つめる。
その瞳は自分に全幅の信頼を寄せていてくれいる事がわかる。わかってしまった。
仕方ないと、折れるしかなかった。
『でも、未来……無茶だけはしないでね?』
『わかってるよ、じゃあ、行ってきます!!』
頷き合うと、未来は階段を上がり、大声を出す。
「行って、響!! こっちよ、ノイズ!!」
大声をあげたと同時に、響はおばちゃんを抱え、走り出す。
しかし、運の悪いことに、前方にノイズが現れた。
突然の事に絶句する響だったが、さらに、追い打ちをかけるようなことが起こる。
今までの疲労とさっき一・二階下の場所に落ちた衝撃で足にガタが来ていたらしい。未来が足をもつれさせ転んでしまったのだ。
そこに、ノイズが容赦なく襲い掛かる。
「み、未来っ!!!!」
「あ……」
響の叫びもむなしく、ノイズは無防備な未来に襲い掛かった――――
「おおおおおお!!!! らあああああ!!!!!」
その時、何者かの咆哮じみた声が聞こえ、次の瞬間、真上から降って来たシンフォギアを纏った遊策により、ノイズはぶん殴られ、炭へと変わった。
「響ィ!! いけぇ!! こっちは任せろ!!」
未来を確保し抱きしめながら、遊策は響に向かって叫ぶ。
響はそれを受けて、頷くとシンフォギアを起動させるために必要な歌、聖詠を口ずさむ。
「(ありがとう、お兄さん……やっぱり、そうだよね……私は決めました、お兄さん!! だから、見ていてください!! 私の、決意の『変身』!!)」
「Balwisyall Nescell gungnir tron」
ギアが装着され、ゆっくりとおばちゃんを下ろす響。
そこからは、言うまでもなく、ノイズは殲滅されたのだった。
おばちゃんを病院に送り届け、未来は付き添いとして中に入っていった。
俺と響は、待合室に二人だけになる。
響は「そういえば」と、思い出したように言う。
「なんで、あの場所に来れたんですか?」
「ん? ああ、それはな、これだよ」
俺は携帯を見せた、『助けて』と一言書かれたメールだ。
これの発信源を、二課の人にたどってもらいたどりついたという訳だ。
説明した後、響は納得のいったように、「そうなんですか……」という。
「ああ……」
俺がそう返したきり、会話が無くなる。しばらく、互いにうつむいて黙っていたが、意を決したように響が話を切り出した。
「あのね、お兄さん……」
おっと、女の子に先にいわせてしまうのは、ダメだ。
俺の決意を、響に伝えなければならない。
「待ってくれ、先にいわせてくれないか?」
「いいですけど、何を?」
「……響、お前が誰かを、俺を守るっていうのなら、俺にお前を守らせてくないか?」
俺は今言える精一杯の気持ちで言った。
そっと、響の顔を見る。
「なんだ……お兄さんも私と同じ結論だったんですね……」
そう言って、響は笑っていた。
同じ結論……?
「私もそうです、私もお兄さんの背中を守らせてくれませんか?」
「そっか……同じ結論ってそういうことか……」
フッと俺も笑い、そして、俺は響の腕を俺はおもむろに取る。
「お兄さん……?」
「俺はお前を守る、お前は俺を守る、約束だ」
小指を小指ではさみ、指を結ぶ。
響は意味がわかると、「嘘ついたら、ハリ千本……じゃなくて、結婚届にハンコ押す!! 指切った!!」と、そう言って指を切る。
そして……
「好きです! 大好きです!! お兄さん!!」
満点の笑顔で、そう言って抱き着いてきた。
そして、待っていた未来と合流した後、遅くなったので寮の前にまで、遊策に送ってもらい、別れた。
その時、ピロリンッ、と響のスマートフォンが震え、メールが表示される。
「あれ? クリスちゃんからだ。何々『大事な話がある、今二人で会えないか?』とな?」
「そう言えば、クリス、すごくお兄ちゃんと響の事、心配してくれてたんだよ? 会うなら、お礼を言っておきなよ?」
「そうだよね……うん、じゃ、ちょっといってくるよ!!」
響は踵を返し、「じゃ、行ってくるねー」と、一言いうと、クリスの待つ場所まで駆け出した。
息を切らしながら、待ち合わせ場所の路地裏に入ると、そこではクリスが腕を組んで待っていた。
「どうしたのクリスちゃん? 大事な話って何?」
息を整え、そう呼びかけると、クリスは少し言い出しにくそうに、頬をポリポリとかきながら、切り出す。
「あ、ああ……そうだ、えーと、あいつ、遊策の奴とは上手くいったのか?」
「あ、うんっ!! おかげさまで、解決しました!! ありがとうね、クリスちゃん!!」
「ああ、それならよかった……」
安心したと共に、クリスの目には決意が宿った。しかし、クリスの変化に響は気づかなかった。
「これで、安心して抜けれる」
「え? 今何……」
ぼそっと言った言葉を聞き返そうとした瞬間、パンッと乾いた音がした。
最初は何をされたのか全く理解できていなかった響だが、ジワリと、制服を着ている腹部が赤く染まっていく。
撃たれた――――
そう理解した瞬間、響の全身から力が抜けた。
倒れこみ、地面に転がる。鋭い痛みが響を蝕んでいる。
「わりぃな……あたしを恨んでもらって構わねぇ。でも、これは貰っていくぞ……」
そういって、銃を撃った犯人――――クリスは懐から響のペンダント、いやシンフォギア・ガングニールを取り出し、確認すると自らの懐に入れ、踵を返す。
「なん……で、くり、すちゃ……」
遠ざかっていく、クリスの背中には、なぜ? どうして? の声は、届かなかった……
シリアス「シリアル……? 奴さんは死んだよ……」
遅くなりました!!
ギリギリだったぜ……
うーん、中々キャラクターを動かすのは難しいですね……
もっと頑張らなくちゃ……
また明日、投稿出来たらお会いしましょう!!