戦いの中で分かる真実
出来る事のない青年がとった行動は頼ること
そして、頼るは――――義兄弟の絆
始まりは呟くように、息を吸って言葉を出し、静かに歌い始める。
それと共に槍を構え、突貫する。
「始まりは突然に 終わりは唐突に……」
「っは、相も変わらず突貫思考、ちょせぇッ!!」
そう言ってクリスは、弾丸をばらまくが俺は右手に槍を片手で回し弾丸をシャットアウトする。
ここで突然だが、俺の槍は柄の部分合わせ85センチ程度の長さなのだが、バトンを回すように槍を回すことで相手のちょっとした攻撃を防ぐことが出来るの盾になる。
その槍の盾で、俺は弾丸を回避し、一直線に進む。
「甦りみる世界は 綺麗な空を抱いていた……」
途切れないようにしっかりと言葉を紡ぎ、歌う。
グッと足を抱え、一気に伸ばし地面を蹴って、更に距離を縮める。
「君と歩く 道は輝いて見えて
いつも以上に 眩しく感じていたっ!!」
次の歌詞に入る時には、もうクリスの眼前に出る。
クリスは、ッチと、短く舌を打つと、ガトリングガンをボウガンの形に変形させ迎え撃とうとする、が――――
「遅い!!」
俺は、歌詞と歌詞の間の短い時間で、そう言い、槍を振るう。
クリスのボウガンを手から弾き、槍を持ったまま掌底を放つ。
「っく、っつう!?」
「突然に 鳴り響く 始まりの鐘の音色
戸惑いながらでも 心に槍携え 飛び込む wargame」
モロに入り、体勢を崩すクリスをあえて追わず、距離を取りつつ歌う。
先程までの攻防で、あまり深入りしすぎるとクリスは反撃をとっさに行ってくるということがわかっている。
その反撃のタイミングがまた天才的なのだ。その反撃一回で、戦闘のリズムを強引にかっさらっていく。全く、恐ろしい程のバトルセンスだ。
なのであえて深追いせず、少しずつ、確実に一撃ずつダメージを蓄積させていく。
第一、俺の目的はクリスの捕縛だ。それが最も効果的だろう。
クリスは銃を新しく作り出し、銃弾を放ってくるが、今の俺は止まらない。
二、三と、槍を振るうだけで銃弾をはじく。
……と、まあ、それだけで済むわけもなく、銃弾を対処している内にクリスの背後では、音を立ててすごいものが組み上がっていく。
――――そう、ミサイルである。
俺はそれを見て、クリスの元に駆ける。
ミサイルなんてものを撃たれたら一たまりもない!!
「さあ 全力で挑め!! まだ見ぬ 明日の君に 出会うためにッ!!」
近づくが少し遅い。ミサイルはすでに発射準備が済んでいる。
「さぁぁぁぁ!!」
歌う、と言うより叫び、全速力でクリスの元へと飛ぶ。
が、ついにミサイルは発射されてしまった。
仕方ない、と俺は覚悟を決め、迫るミサイルを睨み、更に速度を上げる。
「勇気踏み込めッ!! 輝く君との明日が!!」
踏み込み、ミサイルとすれ違うように交錯する。
「俺を待ってるは、ずぅぅぅぅ!!」
俺は右手の槍を投げ捨て、頭上を通過していく、ミサイルを掴み、叩き!! 折る!!
爆発するが、俺はそれを利用した。そう、爆発に押されるように急加速したのだ。強烈なGと熱気を感じながら、一気にクリスに近づく。
「んなっ!? ミサイルを叩き折って爆発に乗るなんて、無茶苦茶な!!」
驚愕するクリスをおいて、俺はさらに踏み込む。
同時に最後の前の間奏、そこで俺はクリスに向かって宣言する。
「知るかよ!! 悪いが、全力で叩くぞ!!」
前傾姿勢のまま、クリスの懐に飛び込んだ俺をクリスは迎撃しようと、ボウガンを俺に向けるが――――
「守れ! 君との明日
守れ! 見たい景色」
歌いながら、槍を投げ捨て空いた方の腕でクリスの銃を腕ごと掴む。
驚愕に目を見開くクリスと、ニヤリと笑う俺。
そして――――
「描けぇ!! 君との、
「ぐうっ、はっあ、くぁぁぁァァ……ッ!!」
開いたクリスの腹を、左の槍の腹で横殴り。たまらず、クリスは吹っ飛んだ。何か赤いモノが吹っ飛んだクリスから出て来る。
それは、シンフォギアのペンダント、響のガングニールだった。
飛んできたガングニールは俺の手の中に吸い込まれるように収まり、クリスは、工事現場の壁を悠々と超え、向こうへ消える。
そこで俺は失態に気づいた。
……しまった。クリスを吹き飛ばしてしまった。
俺は、ガングニールをしまうと、急いで後を追う。
「ここは……公園か」
どうやら、公園にまで来てしまったらしい。
不味いな、親子ずれの家族が一組いる。どうやらこちらには気づいていないようだったが、ばれるのは不味い。
が、すでにクリスはギアを纏っていなかった。膝をつき、息も荒々しいが、目だけは死んでいなかったが。
俺もギアを解除し、普段着に戻りながら、クリスに近づき、言う。
「いい加減、理由、教えろよ。あと、お前のバックにいる奴の目的は?」
「っく!! お前には、わからねぇよ……」
そうかよ、と俺は問答無用で連れて帰ろうとした時、気づいた。
ん? クリスの視線は俺を見ていない。横の家族を見ている。いや、あれは父親と母親を見て……
その時、俺は思い出した。
『知らない番号からだな? もしもし……誰だ、お前……パパ、ママ!? ……一体、何が目的だ』
……繋がった。響の事があったため、気が動転していて冷静に考えれなかったが、戦っている内に頭が冷えて来て、思い出すことが出来た。
「なるほど……大体わかった」
俺がぼそっと言ったことで、クリスはニヤッと笑う。
なぜこんな回りくどいことをするのか……と思ったが、答えは単純明快。この場を見ている第三者がいるってことだろう。
つまり、そいつやその組織に両親を人質に取られてる、ってことなのだろうな。
それにしても、よかった、やっぱり何の理由もなく裏切ったんじゃない。それが分かっただけでも、十分だ。
「ここは預ける。次は……お前を殺してでも、お前を貰いに来るからな!!」
「……わかった」
アッサリと見逃す。不自然にとられるかもしれないが、ここでクリスを捕まえるのも不味い。
俺の返事を受け取ると、クリスは満足げに笑みを浮かべ、身をひるがえして公園を出て、あっという間に街の雑踏に消えていった。
預ける、か。あの言葉、俺に両親の件を預けるということだろう。そして、次の次は無いということ……多分、次に会うまでがクリスの両親の生存リミット。
これは、すべて俺にまかされたって事だろうな……
次に出会うまでに、見つけなくてはならない。
しかし、この件は俺の手に余る。俺もマークされているだろうし。
……しょうがない、あの人に頼むか。
とある人探しの天才に人探しを依頼するため、スマホを操作する。そして、操作しながら思う。
今は3時だが、起きてるかな……起きていてくれよ……
と、俺の思いが伝わったのか、番号を押して何秒か経ったあと、プツッと電話が切り替わる音がして男の声がしてくる。
よかった、起きていてくれた!!
「もしもし?」
『おお、遊策じゃねーか! こんな夜中に、どした? あのお前に求婚してきた子とついに結婚か?』
ああ、俺をからかうその声が妙に頼もしく思えた。
とりあえず、話を円滑に進めるため、俺はそのからかいに応答する。
「籍は入れますけど、まだですよ」
『ゑ?』
うん、約束をさっそく守れなかった俺は結婚届にサインしなければならない。やったね、遊策君、家族が増えるよ!!
「それは置いといてですね!! 大変が大変なんです!!」
『おう、なんか必死さが伝わって来たわ……で、用は?』
流石鋭い、おふざけ無しで本題に入れるのは正直助かる。
「はい、実は依頼があってですね。依頼内容は、ある少女の両親の捜索なんですが――――」
俺は、二課のことを抜きで、大体の流れと依頼内容を説明したのだった。
電話から聞こえる弟弟子の声に応じる男の姿は、遊策のいる公園とは違う場所の公園にあった。
『依頼なんですが、ノイズが事件にかかわってて、あまり派手に動くのは危険なんで隠密でお願いできますか?』
「わかった、まかせとけ」
男は大体の説明と経緯、依頼内容を頭に
弟弟子は、焦りを隠そうともせず続ける。
『お願いします、FG崎さん!! あいつの両親を助けてやってください!!』
「おう、ま、俺に任しとけ。なんたって俺は
天パの男は、力強い笑みを浮かべそう言って、電話を切る。
男は、さて、どうするかと顎に手を当て考える。しばらくして、ぼさぼさの頭をかきながら、これからに必要な奴とモノをはじき出し、スマホをいじり、その人物の番号を出す。
「さて、まずあいつに連絡だな……荒事になるかもしれねぇし、鬼姫子の奴にも連絡しとくか」
クリスの両親捜索の準備に取り掛かる男の首からは、自身の自慢のゴーグルがキラリと光を反射していたのだった。
今回、最後に出てきた男ですが、オリキャラと考えてもらって構いません。タグにある作品のキャラなんですが、知らなくても大丈夫です。お助けキャラってくらいの印象で覚えておいてもらえればと思います。
それではまた次回!!
~おまけ~
激槍・ガングニール
作詞 星屑英雄
始まりは突然に 終わりは唐突に
甦りみる世界は 綺麗な空を抱いていた
君と歩く 道は輝いて見えて
いつも以上に 眩しく感じていた
突然に 鳴り響く 始まりの鐘の音色
戸惑いながらでも 心に槍携え 飛び込む wargame
さあ 全力で挑め まだ見ぬ 明日の君に 出会うために
さあ 勇気踏み込め 輝く君との明日が 俺を待ってるはず
守れ! 君との
守れ! 見たい景色
描け! 君との未来
と、まあこんな感じなんですが、鼻歌でメロディは出来ているのですが、曲にする力量が無いのが申し訳ないです。曲にしてくれそうな友達が居たらなァ……
人脈の無い作者を許してくれ……
……まあ、センスも無いがなぁ!!
うう、才能をください……