見舞いの日から、一週間と4日が経った。
俺は今現在何をしているかと言うと、了子さんの車に乗り込んでいる。
そう、これからサクリストDの輸送作戦が始まるのだ。
この一週間、何もクリスやその背後の人物のアクションは無かったが、逆にそれが不吉さを物語る。
しかし、この一週間、自分も何もしていなかったわけではない。
犯人の特定は大方すんでいる。だがしかし、犯人を追い詰めるための証拠集めに難航している。このままでは言い逃れされるのが関の山だろう。
それと同時に、クリスの両親の情報も集めて兄弟子に渡してもいるのだが、これが骨が折れた。
実際、あまり情報は集まっていない。兄弟子たちの方が情報を集めているくらいだ。兄弟子たちすごいな……もう、両親を見つけるまで時間はかからないとも言っていたな。
それにしても緊張してきた。上記の理由で、寝ていなくてふらふらだっていうのもあるし、別の理由もある。今はどうでもいいことだが、確か、原作では響がやってたよな、コレ。
でも、圧倒的に違うことが一つ。
「なー、なんであたしらはバイクなんだ?」
「バイクの方が、立ち回りはしやすいでしょ? 遊策、あなたはサクリストDを頼むわ。露払いは私と奏に任せなさい」
そう言って、ヘルメットをかぶる翼。バイクに二人乗りした奏と翼が、俺の乗る了子さんの車の横についている。
そう、ここにいる装者が3人だってことだ。そのことが俺の緊張を少しほぐす。
さて……と。
俺は、そっと同乗する了子さんを見る。
俺の知っている状況とは違うが、この一連の犯行、十中八九この人が犯人だ。
終わりの名を持つ、先史文明期の巫女フィーネ。それが、櫻井了子の真の姿のはずだ。
原作では、この人がすべての事件の始まりであり、カギを握っている重要人物兼ラスボスだったはずだ。
そう、犯人が特定できたとして、ここで問題が一つ。この人が犯人だとすると、どう出てくる? ってことだ。
クリスを操っているのもこの人だと仮定すると、クリスは出してくるだろうな。
……まいったな、兄弟子からは捜査でいくつかの場所の目ぼしがついたということで
だが、ここで俺とクリスが合うのは不味い。
そもそも、このサク、サクリ、サクリストD……ええい、面倒だ。デュランダルと呼ばせてもらおう。
このデュランダルは絶対的に奪う必要はないのが現状であると思う。そう、二課にあれば、それで条件は達成できるものなのだし。
ただ、二課に置いておくために妨害は絶対にしてくるだろう。
色々な勢力が狙っているという話もある。
『さて、二課の諸君!! 作戦決行の時間だ。全員、気張っていくぞ!!』
「「「「「はい!!」」」」」
『それでは、ミッションスタートだ!!』
作戦開始の号令がなった。
これから始まる嵐の到来を予感する俺だった。
「それにしても何も来ないわねー」
任務開始からしばらくたった時、そう言った了子さんに、そりゃアンタが何もしてないからだろ……と、突っ込みそうになったがぐっとこらえる。
確かに他勢力からの介入も無く、何事も無く進んでいた。
が、しかし、車が橋に差し掛かった、その時!!
橋全体が振動し、橋の一部が崩壊したのだ。
『う、うわあああああ!!!』
橋の崩落に巻き込まれ、二・三台の同行車が橋の下に落ちていく。
……よかった。チラッと見えたが、何とか脱出できたようだった。
しかし、そうして、安心してばかりもいられないのが現状である。
ノイズだ。ノイズが現れ、攻撃してきたのだった。
「ちょーっと、トバスわよ!! しっかり捕まってなさい!!」
「はい!!」
俺は、しっかりとデュランダルが入ったケースを握りしめる。
一台二台とノイズによって同行車が脱落していく中、了子さんの車は工業地帯へと進路をとった。
「おい、了子さん!! なんでそっちに!?」
並走する翼と奏のバイクから奏がそう言ってくる。
「広く戦える場所の方がいいでしょ!!」
「それはそうだけど……」
そう言っている間にも、ノイズは増え続ける。
そして、アッという間に囲まれてしまった。
「っく、ここは私と奏で何とかする。櫻井子女と遊策は先に!!」
翼が、そう言って、シンフォギアでバイクを変形させ、俺達の進む道を切り開く。
俺は車から降り、翼が作ってくれた道を了子さんと一緒にデュランダルを抱えて走り抜ける。それと同時に、翼と奏はノイズの群に突っ込んでいった。
了子さんにしたがい、ノイズのいないところへと、奥へ奥へ俺達は進んでいく。
誘導されていると知りながら……
そして、現在――――
『翼と奏君の方には、クリス君が現れた!! そちらは!?』
司令からの声が聞こえる。
「なるほど、クリスは俺の方じゃなく、奏と翼に当てたか……。こちらは、了子さんが行方不明。そして、今回の事件の黒幕と思われる、フィーネを名乗るBB……女性が現れました」
そう、了子さんははぐれたふりをして、フィーネの姿になって現れた。
「あんたは一体何をしにここへ来た!?」
俺はフィーネとなった了子さんに聞く。
「ふふふ、あなた風に言えば、3つ……一つは、このソロモンの杖の実験」
そう言って、ある杖――――ソロモンの杖と呼ばれる聖遺物を取り出すフィーネ。
フィーネはそれをいじるとノイズを出したり消したりを繰り返す。
「ふむ、出し入れの機能は十全っと」
機能を確かめたあと、言葉を続ける。
「二つは、サクリストDの回収。そして、最後、三つは、あなたを捕縛すること」
そう言って、俺を見る。
「っち、俺のマネを!! よく調べておいでで!!」
3つは俺の口癖だ。分析する時は大体、3つを見つけようとしてしまう。
俺の言葉に、薄くフィーネは笑い、さらに追い打ちをかけるように俺の話をする。
「ええ、よく知ってるわ……好物はカレー、特に鶏肉を使った通称チキンカレーが好きね。好きなものは特撮とゲーム、好きなことは通販番組の視聴、口癖は3つ。嫌いな食べ物は、特になし、嫌いなものは、虫……昆虫とかは大丈夫みたいだけどそれ以外は大体駄目みたいね。趣味は料理とジェネシス。妹をエンジェルと言ったこと400回。命からがら危機を脱したこと5789回。人を助けること6890回。そして、立花響に結婚を迫られること9999回……とまだまだ言えるけど、言う?」
「……ストーカーかよお前」
かなり俺の事を調べていて軽く引く。
そして、響の結婚を迫られた回数が何気なくヤバイ。あと一回で、あらまびっくり~1万ポイント達成だぜ!!
「研究対象の事をよく知らべるのは基本中の基本よ?」
そう言ったフィーネだが、二課の皆さんは『確かにそうだけど、いや、なにもそこまでしなくても……』と、引き気味だ。
俺は首を振り、気を取り直すと、逆にチャンスだと考える。
「しかし、お前が顔を出してくれたのは行幸だ!! ここで、俺に倒されろ!!」
ここで俺がフィーネを捕縛出来たら、すべての問題が解決するのだ。クリスのことも含めて。
しかし、相手は終わりの名を持つ巫女……ただでここに来ているわけではなかった。
「コイツを相手でも、私を捕まえられるかしら?」
さっと、杖を振るいノイズを出す。
しかも、そのノイズは――――黒かった。
「……嘘だろ、カルマノイズを出した!?」
そう俺の言葉を表すように、黒いノイズ、カルマノイズをフィーネは出したのだ。
何!? ソロモンの杖で操れるのは、通常のノイズだけではないのか!?
「が、今の俺ならば一体程度なら!!」
困惑したが、一体程度ならばフジサキバレンシアで対処可能だ。アームドギアをある。
そう思い、俺はアームドギアを取り出し、かまえる。
「あら、もうアームドギアをものにしたの? なら、二体ならどうかしら?」
そう言って、もう一体のカルマノイズを出すフィーネ。
「なっ!?」
驚愕を隠しえない俺に更なる衝撃が走る。
「さらに、もう一体」
もう一体、合計3体のカルマノイズを呼び出すフィーネ。
「か、カルマノイズが……」
『3体だとォ!?』
司令が叫ぶが、そうカルマノイズが3体、それも全部がフィーネに従っている。
これは、不味い。一体ならばまだ対処できたかもしれないが、二体三体と増やされてはたまったものではない!!
「ソロモンの杖、起動実験START」
フィーネの合図の後、三体のカルマノイズが俺に襲い掛かった。
旅行から帰って来て、へとへとになりながら書きました。
勢いで書き上げたので、後から、また追加するかもしれません。
それではまた次回!!
追記
お気に入り100件突破&UA10000突破ありがとうございます!!
これからも精進していきたいと思いますので、お付き合いください!!