リトルアーモリー ~戦場を駆ける女子高校生たち~ 作:AEGIS
今回は少し短めです。もしかしたら加筆するかもしれませんが、
その場合は活動報告等で告知させていただきます。
次回は4月21日(金)に更新予定です。
指定防衛高校の女子高校生が、普通の女子高校生と違う点は何か。その答えは簡単で「銃を撃つことがあるかどうか」という点である。指定防衛校はイクシスから人々を護るために設立された組織であり、指定防衛校生はその使命を果たすために銃を撃つことが許可されている。
では指定防衛校に入学した女子高校生は、銃を持ったその時からイクシスから人々を護ることが出来るのか。その答えはNoである。いきなり銃を渡されても撃ち方なんて分からないし、分かったとしても弾を当てることは出来ないだろう。そのため、指定防衛校生たちは銃を使った訓練を行い、イクシスと戦う準備を日々行っている。
そして、その訓練内容には当然、「実弾射撃」も含まれている。
風は吹いているが暖かい春の日差しが感じられる今日、明日波高校の1年生は初めて実弾射撃訓練を実施する。
「いいか、今日は
「「「はいっ!」」」
ついに実弾を撃つときがきた、その事実に私は緊張よりも興奮を覚えていた。なぜなら、実弾射撃を行う日を今か今かと待ち望んでいたからだ。
指定防衛校の生徒は学校外で銃を携帯、発砲をすることが出来るが、様々な規則が存在している。その中の1つに「指定防衛校で実弾射撃訓練を行っていない者は指定の施設以外での発砲を禁止する」という規則が存在する。つまり、実弾射撃訓練を一度も行っていない生徒はパトロール任務に就くこともできないし、たとえイクシスと出会っても戦うことができない。教官が言った通り、この実弾射撃訓練を終えることが指定防衛校に入学、イクシスから人々を護る使命を背負うことが出来るのだ。
「よし、第一班と第二班は射撃位置へ移動、第三班以降は待機エリアに移動。分かれ!」
第二班の私は射撃待機位置へ移動した。移動すると教官が一人ずつにマガジンを2つ渡していた。マガジンから見える銃弾の先端が鈍く光っているように見え、少し不気味だった。そして、マガジンを入れて射撃開始・・・というわけではなく、まずは射撃姿勢の確認から始まった。M4A1のストックを肩につけ、アイアンサイトを覗いて的に狙いをつける。真剣にやらなくてもいいように思えるが、きちんとした姿勢で撃たないと的に弾が当たることはない。まずはこの基本を徹底することが大切ということを昨日、咲先輩に射撃姿勢を見てもらったときに教えてもらった。
射撃姿勢の確認が終わると、ついに実弾を射撃する時がやってきた。教官の合図とともにマガジンを入れ、チャージングハンドルを引いて離す。そして先ほど同じように射撃姿勢をとり、的を狙う。あとはセーフティを外して、引き金を引くだけである。鼓動が大きくなるのを感じながら射g機械氏の号令を待った。
「第一班、第二班。射撃許可。っ撃てぇ!」
教官の号令が射撃場に響いた。私はその号令とともにセレクターをセーフティからセミオートに入れ、引き金を引いた。その瞬間、銃声が私のM4A1から鳴り響き、発射された弾は狙ったところと当たらず、思っていたよりも下側に着弾した。おそらく、引き金を引くときに力が入ってしまい、弾が発射される瞬間に狙いがずれたのだろう。
私は一度深呼吸をして、狙いをつけた。そして次は力を入れすぎないよう気を付けつつ、もう一度引き金を引いた。しかし、弾は先ほどよりは狙った場所に近い位置に着弾したが、狙った位置からはずれていた。次は力を抜くことを意識過ぎてきちんと構えられていなかったのかもしれない。私は狙った場所に弾を当てることの難しさを身をもって体感していた。しかし、動いていない的を狙うことができなければ、動いているイクシスに弾を当てることはできない。
昨日の夜、先輩たちから聞いたアドバイスを思い出しながら、的に再度狙いをつけた。呼吸と集中力が合ったその瞬間、引き金を引いた。
「第一班、第二班射撃終了!セレクターをセフティに入れろ。マガジンを抜いて、チャンバーに弾が入っていないことを確認したらマガジンをその場において待機エリアに移動しろ!」
私は教官の指示通り、セーフティをかけ、M4A1に弾が入っていないことを確認して待機エリアに向かった。銃を撃った感触が身体に残っており、その余韻に浸りながら歩いていた。すると射撃場へ移動していた第四班のクラスメイトが話しかけてきた。
「お疲れ様、すごく当たってたね!古城さん、さっきのメンバーの中で一番当たってたよ!」
と興奮気味で話してきた。彼女の言う通り、序盤はこそ狙った場所に当たっていなかったが、後半はすべてほぼ狙った場所に着弾していた。自分で言うのも何だが、この結果は悪くないんじゃないかと思っていたので、すごいと褒められるのはとてもうれしかった。
「ありがとう。山本さんも頑張ってね、落ち着いて引き金を引けば当たると思うから」
「わかった、落ち着いて狙ってみるよ!アドバイスありがと」
彼女はそういうと射撃場に向かっていった。私も待機エリアに行こうと進行方向を見ると雪がこちらを見ていた。確か雪はこれから射撃をするはずなので、先ほどと同じような会話をするんだろうなと思いながら私は待機エリアに向かった。
「今日の実弾射撃訓練はこれで終了とする!では今日はここで解散とするので、明日以降の予定を伝える。明日は土曜日で---」
あの後、私はもう一度実弾射撃を行った。そして全ての班が2巡したところで、私たちの初実弾射撃訓練は終わりを迎えた。ちなみに2回目の成績はというとそれなりに狙った場所に弾は着弾していたが、1回目よりも拡散していた。1回目終わった後に雪に冗談で「私射撃の才能あるかも」と言ったことを後悔していた。雪も冗談とわかっているとはいえ、絶対にからかってくるだろう。そんなこと考えながら憂鬱に思っていると教官の話は終わるところだった。
「---以上だ。最後に各自、部屋に戻ったら必ず銃を整備すること。もし異常を感じた場合はすぐに武器管理委員のところへ行くんだぞ。わかったか?」
「「「はいっ!」」」
「よし、では解散っ!」
こうして初実弾射撃訓練は達成感と少しの後悔を残して無事終了した。