Side一誠
「そらそらそら!」
「甘い!」
一足先に曹操の元へと辿り着いた俺は彼と戦闘に突入していた。
いなす事は容易いが仮に腐っても神殺しの槍の持ち主だ。
しかも自らを英雄などとのたまっているからこそ悪い意味で諦めが悪いので猶更たちが悪い。
早く八坂の大将を救出せねば碌な事にはならない事が目に見えている。
「待たせたな!」
「織斑!来てくれたのか!」
どうしようかと思い悩んでいると曹操以外の構成員を全滅させたのであろう織斑が駆け付けてきた。
「…どうやらヘラクレス達を突破してきたようだね…だけど今度はそうはいかないよ!」
「諦めが悪いのは別に構わないが力の差を良く理解しといた方がアンタ達の身の為だぜ?と言った所で理解するような奴じゃないか…所でよ、ジャンヌさんは何処にやった?」
「なんだ彼女の事かい?そろそろだろうね」
「何?…」
「…」
駆け付けて来た織斑が曹操にそう問いかけると彼は悪びれもせずにそう言い放つ。
織斑は相当頭にきているようだな。
「ぐ…グガァ!…」
突如出現したカプセルの中に入れられていたのは英雄派の金髪女性、ジャンヌの子孫だった。
カプセルから出ると彼女は見る目もあてられない様な禍々しいオーラを纏い誰が見ても暴走状態にあると分かった。
「コイツ等の相手は俺に引き継がせてもらう!イッセー君は早く囚われている人を救出に!」
「分かった!」
「させると思うのかい?」
「そう来ると思っていたさ!アタッ!」
「クッ!?…」
「早く!」
「ああ!」
織斑が曹操達の相手を引き受けようと提案してきたので駆け出そうとすると曹操が妨害してくるが織斑の一蹴りに阻止される。
俺は全速力で大将が囚われているであろう城閣へと進んで行った。
Side春季 推奨戦闘BGM「君の中の英雄オーケストラVer♪」
「ウッガァァ!」
「ホッ!セイッ!」
「はははは!回避するだけで精一杯の様だね!」
「何を勘違いしている?俺は彼女の暴走を止める術が無いとは一言も言っていないぞ」
「何ッ!?」
「待ってろ!今正気を取り戻させてやる!」
驚愕する曹操を無視しジャンヌさんを戻ってこさせる為に構える。
「<鳳凰烈愛突破>!」
「ウグッ!?…」
ラブパワーを流し込んだ鳳凰烈突破の応用奥義の強風を暴走しているジャンヌさんに浴びせて浄化させた。
念の為にラブコフィンを出しジャンヌさんを収容し束さんの所へ転送しておいた。
「後はお前だけだ!」
「クッ!?な、舐めるなあー!」
「無駄だと言っている!」
「!?」
俺の挑発を受けた曹操とかいう自称英雄の愚か者は今度は一切手を抜かない全力の一撃を加えようとしたがやはりラブパワーを貫く事さえも叶わず届かない。
「俺はアンタ達を英雄だと…愛ある者だとは断じて認めない!
アンタ達がやっている事は悪戯に平和の祈りを突き崩そうとするだけの只の愚行でしかない!よって!」
「ぐはっ!?…だけど零距離ならばその可笑しな力も…」
「無駄なんだよ!」
「こんな馬鹿なっ!?…」
至近距離ならば通じると思ったのであろうが無駄でしかない。
「ホワァッ!アタッ!ヒョオオー!」
「ぐがっ!?…しまった聖槍が…!」
俺の百裂蹴りによって曹操が握っていた槍は彼の手から離れる。
「イチカ兄さん使わせて貰うよ!…今こそ!愛ある剣と愛の拳の奥義を合わせる時!
<鳳凰爆愛天翔一突拳>!!アーッタア!」
「ぐはあ!?…ま、まだだ…こ、これは!?」
「させる訳ねえだろ!」
俺は最高の一撃を曹操に叩き込む。
が諦め悪くまだ奴は槍を突き立てなんとか立ち上がってくるが異変に気が付く。
己の両腕に何時の間にかファンシーな鎖が巻き付けられ拘束されている事に。
「ラブグラヴィティングチェーン!アンタ程度の力じゃその愛の鎖を断つ事は不可能!
裁きを下す!」
「!?」
「超エキサイティング!」
俺は拘束した曹操に向かってもう一個取り出したラブコフィンを思いっ切り投擲した。
曹操はそれに果てしなく嫌な予感を感じるが逃げる事すら叶わずラブコフィンが目の前に迫ってくる。
「な、なんなんだよその可笑しな力は!?…」
「愛の力さ!…理解しないなら其れ迄の事!
判決!」
「お、俺は英雄になる男…」
「死刑!」
「ぎゃあああああーーー!?……」
ラブコフィンに曹操を閉じ込め地獄の苦しみを与え裁きを下した。
これで金輪際彼の様な馬鹿な考えを持とうとする輩が出てくるのは抑えられるだろう。
その頃、Side一誠
「こ、これは…!?」
『ウラァァァー!?…』
「ヤアオソカッタジャナイカ!
ワレラフレイズニタテツクオロカナジンルイ!」
「フレイズ!…」
城閣へと辿り着いた俺が見たものは漸くこの世界に姿を現した上級フレイズが英雄派の実験台にされていた八坂の総大将から力を吸い取っている最中だった。