彼は絆の繋がりで異世界で成り上がる   作:カオスサイン

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EPⅩⅡ「ミスミド王国道中記 後編」

「…百人一個小隊の大掛かりな人数でないと倒すのが難しいといわれている竜をたったあれだけの人数で打ち倒してしまうとは…あの方達は一体何者なんですか?!…」

「もういっぴきおっきなどらごんー」

「それに大きな白い猫さんもいたよー?」

「え?」

黑竜を倒した後、護衛騎士の一人であるリオンさんが竜の遺体の回収作業中にそんな事を言っていた。

瑠璃に乗って戦闘していた所はバッチリ村の子供達が見ていたようでそう呟く。

琥珀が『私は猫じゃなくて虎です!』と憤慨していたが…ってベルファスト王宮から戻ってきていたオリガさんが訝しげにしている。

あ、不味いな…。

「こ、公爵殿下、も、もしかしてお二方様の使い魔って…白帝様と蒼帝様なのでは!?」

うん確実に瑠璃達の正体が割れている。

「そうですよ」

「イッセーー!?」

諦めろ冬夜。

「や、やはり!…我が国では神聖視されている白帝様、そして同一の存在とされる蒼帝様を使い魔とする主でしたとは!…これまでとんだ大変な失礼を!…」

「か、顔上げて下さい!オリガさん」

「あまり大事にされても困りますし…」

「で、ですがね…」

それでも納得していない様子のオリガさんだったがどうにか説得し顔を上げてもらった。

「少しよろしいかな?」

「「ン?」」

一人の御老人が此方に話しかけてきた。

「儂はこの村の村長のソルムと申す者。

この度は村を突然の竜の脅威から救って頂き誠に感謝致しますじゃ。

その上、村の復興に多大なる援助までして頂けるとは感謝してもしきれませぬ故!

そこで…」

この村の村長さんが代表して俺達にお礼を言いに来たようだがそれだけではないようだ。

「どうかこれらだけでも受け取ってもらえませぬか?」

村長さんはあの黑竜から採取した角と皮を少し持ってきたのだ。

これには俺達も驚く。

「そ、そんな悪いですよ!僕等は只…」

「聞けばその様な高い腕をお持ちなのにまともに扱える武器が無いとの事。

村にはまともに戦える者がおりませぬ故角の方は加工しようという者がおらぬのですよ。

皮の方はあれだけ頂ければもう十分暮らしていけます故」

成程、俺達への更なるお礼も兼ねてという事か。

リオンさんによると竜の素材は皮だけでもかなりの商品価値があるらしいし、一匹丸ごとだと王金貨十枚はいくとの事なので村一つ復興するには十分過ぎる額になるという訳か。

国からの救済金だって出る訳だしな。

「分かりました、ありがたく頂戴しますよ」

「い、イッセー…でも…」

「これは村の総意みたいなものだぜ?

それに黑竜への罪滅ぼしって訳じゃないけどこりゃあ凄い武器が作れるかもしれないぜ!」

「も、もう…」

村の御厚意と聞いて折れた冬夜が角を、俺が皮を受け取りしばらくして村を後にした。

一旦エルド村での出来事を報告に王都に戻った後、疲れて眠ってしまった。

三日目の朝、俺達は目が覚めるとユフィナとユミナがそれぞれ膝枕をしてくれていた。

や、柔らけえ!…はっ!?視線を横に向けるとエルゼ達がむくれていた。

若干悪寒を感じたがすぐに御機嫌取りと称してミスミドの王都ベルジュへ着いた途端ショッピングに付き合いました。

その際、俺と冬夜はエルド村の人達からいくつか買い取った素材でブレスレットを作成し、それぞれ彼女達にプレゼントしたら凄く喜んでもらえた。

武器作成の残りの材料買いきれてよかったあー…。

ちょっと財布のヒモのユルさに危機感を覚えた俺達であった。

その夜、ユフィナが村長さんから預かっていたといってハンカチに包まれた小型ナイフを出してきたのだが俺達には全くの見覚えの無い物だった。

どうやら黑竜の目に刺さっていたものらしいのだが…。

「『瑠璃、あの場に他に誰かいたか?』」

『ええ、上手く気配を消していたようなのですぐに見失ってしまいましたが確かに何者かいたようです』

「琥珀も気配を感じていたってよ」

「ふむ…」

確かラングレーの街に着いた時点で気配は感じていたがまさかな?…

俺は一つの考えが浮かんだが気にしない事にした。

敵ではないと思ったから。

そして遂に五日目結構かかったな…の朝を迎えミスミドの宮殿へと辿り着いた。

「インドだ…」

「ああ、そうだね…」

着いて最初に出てきた感想がそれである。

だってこれどうみても元の世界のタージ・マハルとほぼ同じじゃねえか!

「公爵殿下様方、ご準備が整いましたのでどうぞ此方へ」

俺達が宮殿の構造に驚いているとオリガさんに中へと案内される。

「陛下!このオリガ・ストランド、ベルファスト王国からただいま帰還致しましてでございます!」

王宮の間へと通された俺達の前には何人もの重鎮が立たずみ、白豹族の男性が玉座に座っていた。

彼がミスミド国王か。

「うむ、大義であった!

しかしオリガ殿、そなたが国王暗殺未遂の容疑をかけられてしまったと聞き及んだ時は気が気ではなかったぞ…」

「その件は此方の者達がいなければどうなっていたか…」

「ほう?してその者達が使いかの?」

ミスミド国王がオリガさんの報告に肝を冷やしたと言い俺達を見て訝しむ。

それを見てユフィナが口を開く。

「私達はベルファスト現国王、トリスウィン・エルネス・ベルファストが娘、ユフィナ・エルネア・ベルファスト、ベルファスト王国の第一王女ですわ。

第二王女である妹も此方にいますわ」

「よろしくお願い致しますわ」

「ベルファストの姫君達ですと!?何故この国に?」

「それだけミスミドとの親交が重要な案件だという事ですわ。

これは父からの親書です。御確認を」

「う、うむ…確認した。

このジャムカ・ブラウ・ミスミド、同盟を前向きに検討しよう!」

「分かりました。

良いお返事を期待していますわ」

「うむ…してそちらの者達は?」

ユフィナ達の正体に驚くジャムカ国王陛下だったが親書を確認した後、今度は俺達の方へと視線を向けた。

「お二方は望月冬夜と兵藤一誠という者。

位は公爵との事。

私の冤罪を晴らしてくれた方達でもあります」

「なんと!?その年でもう公爵だと!?…

それにオリガが助けてもらった人物だったとは感謝する!

して…エルド村を襲った竜を討伐したというのもお主等だというのは事実であるか?」

「え、ええ…」

「俺達にやれる事をやっただけですよ」

「ほう…竜を倒したか…それに」

今度は瑠璃達の姿に気が付き言葉を続ける。

「そこの白い虎、それにその青い蜥蜴はそなた達の連れか?」

「ええ…」

「はあ…」

王様だし絶対に瑠璃達の正体に気が付いているな。

「お、驚かないで聞いて下さい殿下。

この二匹は本物の白帝様と蒼帝様だという事です!」

「「なっ!?…」」

オリガさんの暴露に絶句する国王様達VIP陣。

「う、嘘だ!我が国で神聖な獣とされる白帝様が人間に仕えているなどと…そ、それに!…」

「よさぬか!そ、それでその話は真であるか!?…」

『事実だ。

今の我は名を頂き主である冬夜殿に仕えている身だ』

『我も主一誠殿に』

オリガさんの言葉に納得しない重鎮の一人が五月蠅かったが国王様がすぐに黙らせる。

といっても彼自身も半信半疑の様だったので琥珀が本来の姿に戻り、瑠璃は変化せずに一緒になって言った。

「おお!…確かにそのお姿は正真正銘の白帝様!…」

まさか自国で神聖視・同格視している存在が目の前にいようとは流石に思わなかったのか唖然とした表情をしていた。

「ふむむ…白帝様と同格の存在である蒼帝様を連れた勇者が竜を退治したか…ふふふ!久し振りに血が滾ってきたぞー!」

え?なんだか陛下のテンションが可笑しくなってきたような気が…これはまさか…。

「お主等、是非とも儂と一勝負立ち合わんかな?」

「は?…」

「…」

陛下の言葉に冬夜はポカンとなり俺は嫌な予感が当たってしまったと頭を抱えていた。

周りの重鎮を見ると「またか」といった表情をしていた。

え、この人いつもそんな事してるの?

 

 

 

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