突然俺と冬夜の屋敷に訪れて来たリーンから衝撃の事実を聞き他の皆を集めて会議を開いた。
「リーン、ミスミドにも表れたという水晶の魔獣について話してくれ」
「ええ、貴方値が帰る前日にね。
ミスミドの西にあるレレスの村から急便が届いたのよ。
数日前から奇妙な現象が起きているってね」
「奇妙な現象だと?」
「ええ、その村の子供達が最初に気が付いたそうよ。
村の付近の森の中心部にある亀裂が発生していたそうなのよ」
それはまた奇怪な現象だ。
「やがてその歪みは段々と大きくなっていった事に慌てた村人達が王都に依頼しに来たのよ。
それで興味を持った私が妖精師団を送って私自らも調査に向かったのだけれど…」
リーンがそこまで話と重くなる。
そして告げる。
「まさか…」
「ええ、そのまさかよ。
私達が向かった時にはもう村はその亀裂から出現した水晶の魔獣の圧倒的な蹂躙によって既に壊滅的な状態にあったの…」
「そんな!?…」
リーンの言葉に俺達は驚く。
「通常の攻撃が全く効かず、直接的な魔法も吸収されてしまい通じない。
その上何度体を裂いても奴は幾度となく再生したわ…」
だけど間接的な魔法もしくは奴の体内にある核毎倒すという方法があった。
それにリーンも気付いたからこそ今ここにいる。
「ちなみにどんな奴だったんだ?」
冬夜が特徴を聞く。
「確か…まるで蛇の様な形をしていたわね」
俺達が遭遇したのとは全く違うのか…。
となるとあの魔獣はまだまだこの世界に存在している可能性がある。
「それで奴等の特徴を目にして昔、先代の族長、私の御婆様に聞かされた話を思い出したのよ」
「何?」
「それはどんな話なの?」
リーンが更なる情報を開示してきたので俺達は迷わず聞く。
「数千年前、この世界に「フレイズ」という災厄が突如現れて世界を滅ぼしかけたそうよ」
「!!?…」
リーンからその名前を聞いた途端又俺は一瞬の頭痛に襲われた。
「イッセー!?」
「大丈夫なの?」
「あ、ああ…もう大丈夫だ。続きを」
皆に心配されるが俺はなんとか気を持ち直し続けさせる。
まるで俺は奴等を以前から知っているみたいな気がしてならなかったのだが…。
リーンが言っていた妖精族の子の事といい何故そんな突拍子もない事が?…
「それで…そのフレイズっていうのが水晶の魔獣に関係があるもしくは残党かもしれないと?」
「ええ、あるいはある程度まで滅ぼして眠っていた可能性も否定出来ないわ。
御婆様は既に亡くなってしまわれているから詳しい話を聞けないのが惜しいけど…それで一つ貴方達にお願いしたい事があるんだけど」
「ヘッ?」
「私を遥か東方の神の国、イーシェンへと連れて行ってはくれないかしら?」
リーンは突然そんな事を言ってきた。
「イーシェンへ?」
「なんでまた?しかもゲートは一度行った場所にしか跳べないんだけど…」
「そこに古代遺跡があるから是非共調査したいの。
それに大丈夫よ。
触れた相手の記憶を読み取れる『リコール』の魔法があるわ」
「ま、まさか拙者の記憶を!?」
リーンがそう言うと八重が顔を超真っ赤にしていた。
「大丈夫よ。読まれたくない記憶までは読まれる事はないから」
「そ、そうでござったかー…」
「?」
それを聞いた八重がホッとする。
冬夜は首を傾げていたが…まだまだだな。
かくして八重からリコールでイーシェンの記憶を読み取った冬夜のゲートを使って俺達は向かうのだった。