Side一誠
「助かったぞ。礼を言わせてもらう!」
「儂からも感謝致す。
儂や猿だけでなく家臣達まで助けてもらって!」
「いえいえ、人として当然の事をしたまでですよ」
あの従属神を倒した後、俺はオオサカ城の地下牢に捕らえられていた本物の秀義さんを救出し事の次第を羽柴・織田の人達に話した。
勿論神が関係していた事は伏せてだが。
どうやら皆、違和感を少なからず感じていたようだ。
翌日、羽柴領に別れを告げ冬夜達と合流した。
「海だあー!」
どうやらリーンが探している件の遺跡は海中にあるらしい。
冬夜が一度潜って発見は出来たのだが流石に息が続かずすぐには調査出来そうにはないという事で他の人達も呼んで皆で思いっ切り海を満喫する事になった。
「あ、あの!イッセー様、私達の水着姿ど、どうでしょうか?」
「!」
ユフィナ達が顔を赤らめモジモジしながら俺に聞いてきた。
出る所は出て引っ込む所は引っ込んでいるユフィナやリンゼ、つつまし…はっ!?殺気!?ご、ゴホン、控えめなエルゼは大人っぽい黄色、緑、紫のビキニ、年少組であるスゥやサナは肌色という肌色率がむしろ増したスク水だった。
そして…うっ!…
「サナちゃーん早いですー!」
「…」
向こうから白ビキニを着用したセシルさんがその豊満過ぎる胸を揺らしながら駆けてきたのので思わず釘付けになってしまった俺は悪くない!
殺気!?
「あー…サナもスゥも可愛いぞ?」
「あ、ありがとうです…///」
「うむ!くるしゅうないぞ」
「ええ!?…」
「そ、そっちもですかあ!?」
「イッセー、アンタ…」
「あ!?…」
全力で回避するつもりが逆にドツボに嵌まってしまっていた。
リンゼとユフィナは泣きそうに、エルゼはジト目で無言の威圧を放ってきている。
くうう…男の性には逆らえないのだ!…。
一方の冬夜はというとスマホでレネの水着姿を撮影していた。
バッ!
「何してるのさ?」
「あ、いや…な、なんでもねえよ…」
ちょっとサナ達の貞操の危険を感じ体が動いてしまったのはいうまでもない。
~海水浴を楽しんで一時間後~
「それで…遺跡をどうやって調査するか決めたのか?
確か海中にあるんだろ?おいそれと簡単には出来ないと思うが…」
「あ…」
件の遺跡はどうやら海中深くにあるらしくリーンに問いただすと考えていなかったらしく口篭った。
海上であれば俺の闇技の一つである【凍える影(フローズンシェイド)】で一時的に凍らせて向かえたのだがな…。
特によく考えてなかったリーンがシャルロッテさんに水中での持続呼吸を可能にする術があった筈だと聞いたが彼女も覚えてなかったようで駄目出ししていた。
おいおい、自分も覚えてない事に駄目出ししたら駄目だろ…。
『主、水中での持続呼吸の術が必要なんですよね?』
『阿奴等ならば出来るでしょうね』
「む?ああ」
「心当りあるの?」
困っていた所に瑠璃と琥珀がそう言ってきた。
『ええ、四聖獣の一角を担う水を司りし「玄帝」ならば可能かと!』
「おお!…」
少し変わっていた。
どうやら件の玄帝は大蛇と大亀の二匹を合わせて玄帝と呼ばれているみたいだ。
『主、もう一つご提案が』
「ン?」
『もうこの際ですのでよろしければついでに残りの我等最後の一角である「炎帝」も呼び出しておきませんか?』
「お?そうだな!」
それならと瑠璃の提案を受け入れ玄帝は冬夜が、鳥の王である炎帝を俺がそれぞれ召喚する事になった。
「『夏と炎 南方と湖畔を司る者よ 我が声に応えよ 我の求めに応じその姿をここに顕現せよ』」
普通ならば召喚魔法は狙って召喚する事は出来ないのが原則みたいだが今回の場合は蒼帝である瑠璃の魔力も混ぜて詠唱する。
すると向こうさんが反応して現界してきた。
想像以上の大きさの紅い鳥がその翼をはためかせながら此方を見下ろしていた。
『やはりあなたでしたか…ん?白帝と玄帝の魔力も感じるのですが…』
『今の私の名は瑠璃だ。
白帝は主殿のご友人に使役されている。
玄帝の方は今しがたその主殿にお前さんと同時に召喚されているからな』
『そうなんですか。
という事はあなたが蒼帝の主殿なんですね?』
「そうだ、俺は兵籐一誠だ。
是非共俺達に力を借してはくれないだろうか?」
『…成程分かりました。
蒼帝を既に使役なされている時点で私が今更何をやっても恐らく結果は目に視えているでしょう。
主従契約を致しましょうか』
どうやら既に悟っていたようですんなりと受け入れてくれた。
「ああ、これからよろしくな!」
俺は炎帝に紅玉と名付け契約を完了させ、小さな鳥の姿になった彼女を肩に乗せた。
一方の冬夜はというと呼び出した玄帝に「彼等と戦って日没迄に五体満足でいる」という試練を言い渡され、彼等にブリュンヒルドのスリップループ弾を撃ち込んで延々と転ばせギブアップするまで食レポじみた事をしていた。
これには流石に皆がドン引きしていた。
「なんで!?」
いや当然だろ…。
かくして冬夜と契約した玄帝改め黒曜と珊瑚の力を借りて海中遺跡へと突入した。
其処には…
「これは!…」
巨大な魔法陣と六色の魔石台らしき物体が遺跡の最深部にはあった。
『随分と大掛かりな陣ねえ…恐らくこれって転送陣じゃないかしらねぇ』
「その様ね…どうやら全部の魔石台に魔力を込めないと起動出来ない仕組みのようだわ。
貴方達二人で込めてみたら?」
「ああ」
「分かったよ」
俺が水の魔石台を、冬夜が炎の魔石台に同時に魔力を込めようとした。
だがそれは出来なかった。
「ええ!?…」
「むう…もしかして別々の魔力では起動出来ない一人用とか?」
「それよ!」
「なら僕が先にいこう!」
すぐに原因にいきつき冬夜が先に転送陣の起動を買って出る。
全部の魔石台に込め終える。
「あれ?…」
「冬夜、魔法陣に無属性の魔力を込めてみろ」
「!よし!…」
俺達の推測通りに七属性全ての魔力を込められた転送陣は輝きを放ち冬夜を何処かに転送させた。
俺も同じ手順で再び転送陣を起動させ冬夜の後を追った。
そこで見たものは…色鮮やかに広がる園芸とそこに現れた一人の少女に冬夜が困惑している光景だった。
「…驚キまシた。
まサか全ての属性魔法を扱える者が二人もいようとは…
よウこそ「バビロンの空中庭園」へ。
私はこの庭園を管理する生体端末のフランシェスカと申しまス」
「!…」
バビロン…だと!?…