Side一誠
「一体どういう事なんです高坂さん!?フィリスさんが処刑されそうになっているだなんて!…」
「自分の国の神を否定し始めたから教団のお偉いさん達が怒ったんだろうな…恐らく背信の罪とか神の名の下においてとか」
「は!イッセー殿の仰る通りでございます」
「そんな事って!?…糞っ!」
「…」
俺も冬夜と同じ思いだ。
予想し得ていた事の筈なのにそれをやらなかった事に悔しさと後悔を感じて歯がゆむ。
多少強引にでも公国にフィリスさんを亡命させておくべきだったと…。
「義元さん、フィリスさんの処刑の決行日は?」
「ええ、どうやら彼女の処刑をとどまるように働きかけてくれている一派がいるようで即刻処刑とは至らなかったようで三日後に行われるのではないかとの話です」
「そうですか」
ラルス教がもし世界神様の仰った通り精霊の力に寄る信仰ならば恐らくフィリスさんの処刑をとどまるように働きかけてくれているその一派の人達は対魔耐性が高い人達で完全に支配されている訳じゃなさそうだ。
「行くぞ冬夜!」
「ああ!」
「だがその前に」
「?」
決行日迄余裕が無いので俺達もフィリスさんの処刑をとりやめる様にラミッシュ教国へと説得という名の殴り込み…の前に彼女を助け出そうとしている一派の人達に話を聞きに行った。
このまま教団に向かっても良いのだが新興してまだ日が浅いたった一国の王である俺達に言われた所で真面目に取り合おうとはしないだろうだろうし。
「おお!貴方方がお噂のブリュンヒルド公国の双王陛下でいらっしゃいますか!」
「う、噂ですか?」
フィリスさんの処刑をとりやめるように働きかけているレジスタンスのリーダーであるイーリスさんがそんな事を言ってくる。
「貴方方の御活躍は耳にしています。
御二方共、王になられる以前から様々な事件を解決し新興国でもそれをいかんなく発揮されていると!
どうやら他国の間ではトウヤ陛下は「優王」、イッセー陛下は「賢王」とも呼ばれているらしいですね!」
「そ、そうなんだ…」
「ははは…」
イーリスさんの熱弁に俺達は苦笑する。
よもやそんな二つ名が付いているとはな。
「それではそろそろ本題に入らせて下さい」
「は!?そ、そうですね」
聞けば彼女はフィリスさんの妹らしく姉が処刑されそうになっていると聞いてこの団体を起こしたのだそうだ。
「ま、まさかそんな事が!?…」
俺達もラルス教の謎について話すと皆驚きを隠せないでいた。
「そ、それならば最近この国で吸血鬼事件が起こっている理由もたった今分かった気がします…」
「「吸血鬼事件?」」
それは初耳だ。
「ええ、最近街の人達が相次いで倒れている事件が発生しているんです。
街の皆は吸血鬼の仕業だなどと言っていますが…姉はその嫌疑にもかけられているみたいなんです…」
「「はぁ?」」
イーリスさんはそう重い口を開いた。
この国の闇想定していたよりもかなり深いようだな…。