Side一誠
「ここどこ?…」
「あ…魔王様あの子の目が覚めたよ!」
ローナが介抱してくれていた件の白竜の少女が目を覚ましたと報告してきたので俺は彼女に詳しい話を聞く為行った。
「あ…ああ…」
「大丈夫だ」
人間慣れはあまりしていないのか酷く怯えていた。
「大丈夫だよ魔王様は酷い事したりしないから…」
「ほんと?…」
『私もいるからな』
「蒼帝様!?」
ローナが白竜娘に駆け寄って優しく抱きしめていた。
瑠璃の姿には少し驚いていたが
やはり天使だ…。
「白竜じゃアレだから君に名を与えよう。
フムそうだな…アコというのはどうかな?」
勿論白竜娘の綺麗な白髪と宝石のアコヤ真珠をかけたのだが。
「アコ…うんいい!」
アコは名を与えられて凄く嬉しそうにしている。
『それでは私もそう呼ぼう。
アコよ、一体ドラゴネス島で何事があった?』
「!そうだ島の皆が、パパとママが…おじいちゃんが!…」
『落ち着くのだ!』
「うう…」
瑠璃がアコに事の次第を聞くと途端に記憶がフラッシュバックしたのか震え出してしまう。
「この様子じゃ無理に聞く事は出来ないな…」
『ならば一度「聖域」へ赴いて赤竜に話を通してみましょう。
阿奴ならば何か耳にしているやもしれません』
「それもそうだな」
黒竜の時とは違う何かが迫っている…そう確信した俺と瑠璃は冬夜にもこの事を話しアコを連れて竜の聖域があるミスミドへ転移した。
~竜の聖域~
『これは蒼帝様とその主様に白帝様も。
我等の聖域を訪れてくれるとは』
『あまり長話をしている暇は無い。
赤竜よお主はドラゴネス島で一体何があったのか耳にしてはいぬか?』
『!蒼帝様もお耳にされましたか…』
『事の次第が良く分かっていないのだ。
行きずりで主殿がこの白竜の娘を助けたのでな』
「…」
『その娘は…なんとそうでしたか!…あの者の娘のお命を救って頂き感謝致します!
それで事の次第なのですが…』
瑠璃に問われ赤竜のオッサンは感謝の意を述べ語り出す。
『黒竜の一件以来、一部の若竜達の間で人間に報復すべきとの声が上がっていました。
この聖域ではおりませんが他地の者達はとても抑えが効かない状態でして…』
「まあ裏事情を知らない他の竜達には下等と見下している人間に同胞がやられたとの認識しか持ち合わせていないだろうしな…」
『そんな時ドラゴネス島に突如として「竜王」と名乗る者が現れ成竜達を従えていったそうです』
「!」
『何?何者だ祖奴は?聞いた事が無いぞ』
瑠璃も聞いた事が無いらしく首を傾げていた。
だが同時に俺と冬夜はその竜王を名乗るその亜人こそが何処からか手に入れた支配の響針を使って竜達を暴走させている張本人だという事に気付く。
『いえその者はどうやら竜人族の男らしく…ですが…その者に島の抵抗する成竜や老竜達は皆殺しにされたとか…』
『何!?』
「…」
俺達は赤竜の話を聞いて驚いた。
となるとアコの親ももう…
「話は分かった。どうやらその竜王を名乗る亜人が今回の騒動の原因のようではあるが一部の若竜達は黒竜の件とは関係無く自らの意志であちこちで暴れているという事だな」
『ええ、我が眷属ながらお恥ずかしい限りです…』
「謝罪している暇があるのならとっととその馬鹿竜達を説得しに行くぞ!」
『ええ!』
そう思い立ったその時、Piー!俺達のスマホの緊急アラームが鳴り出す。
「これは!?…ドラゴネス島から出た竜達が公国に攻めて来ているぞ!」
「なんだって!?」
「一旦戻るぞ!」
マップでドラゴネスの竜の一個小隊がブリュンヒルドへ攻めてこようとしているのが判明し急いで城に戻るのだった。