Side一誠
アーシアと出会った翌日、俺が一時保護していた堕天使の女性は帰って行ったみたいだ。
後、糞兄貴から悪魔の気配がし出した。
十中八句リアス・グレモリーが転生を薦めてきたのだろう。
グレモリーが部長として駒王の旧校舎を使って裏の活動しているオカルト研究部を魔法で盗聴してみると今日ははぐれ悪魔の討伐に出向くらしいな。
転生悪魔に成り立てな糞兄貴へのチュートリアルといった所か。
だが残念だなそいつは俺の獲物だ。
俺は彼女達よりも早くそのはぐれ悪魔が潜伏しているという廃屋へとユフィナを連れて出向いた。
「獲物…!?なんだこの気は?…」
「お前だったのか…」
そのはぐれ悪魔はかつて一度俺を死に追いやった半裸の女性悪魔だった。
思えばあの出来事が俺の新たな始まりだったな。
「俺の事は覚えていないか?」
「?…思い出したぞ!あの時喰らった筈の餓鬼!…どうして生きている!?…」
「色々あってな…」
俺が問うとはっとなったはぐれ悪魔は困惑を含んだ様な表情で驚愕していた。
「ユフィナ」
「あの方の本質は決して悪いものではありませんね」
「そうか…ならじっとしていろ。
すぐに苦しみから解放してやるからな」
「?」
この世界に戻って来て今迄に俺が遭遇したはぐれ悪魔はほとんどが地位や力に自ら溺れただけの屑が多かったが、ユフィナの魔眼によってこの悪魔は黒歌と同じ強引に転生悪魔にされた悪魔の駒の弊害の被害者なのだろうと判明。
俺はアポーツを使い女性はぐれ悪魔の体内にある悪魔の駒を摘出した。
「こ、これは!?…」
「こういう事だ」
「お前、一体?…」
悪魔から元の種族、恐らくエジプト系の獣人か?へと回帰出来た事に困惑する彼女に俺は彼女から摘出した悪魔の駒を見せると驚愕する。
回帰した彼女、ネクべトのバイサー・ヘラに今迄の事情を聞く。
バイサーは自分達の領域で大切な家族と共に平和な時を過ごしていたがある日、彼女のその美貌、ネクベトの持つ力に目を付けた上級悪魔貴族の男に眷属勧誘を受けた。
無論今の生活を手放す訳にはいかないバイサーはこの勧誘を拒否。
だが男はしつこく諦めず強硬手段に出てきたのだ。
「もし受けなければ周囲の者がどうなるか?」と脅しをかけてきたのだ。
迷惑をかけられないとバイサーは転生悪魔になる事を渋々承諾。
だが悪魔の男は証拠隠滅とばかりに当初の契約を破り他の眷属達と共に領域を襲撃、彼女の家族を中心に奴に襲われてしまい根こそぎやられてしまった。
それに怒り狂ったバイサーはその悪魔達を殺しはぐれ悪魔認定を受けたそうだ。
悪魔の情報統制ガバガバ過ぎないか。
俺はバイサーをしばらく保護する事にした。
エジプト神話に取り次がないといけないな。
彼女から摘出した悪魔の駒はこれ見よがしにグレモリー達の目に付くように地面に安置しておいた。
Side成也
「はぐれ悪魔バイサー貴方を…ってアレ!?…」
「いませんね…」
転生悪魔に見事なった俺はリアス部長達と最初のはぐれ悪魔退治に連れ出された。
だが様子が何処か可笑しい。
「ン?…コレは悪魔の駒!?…どうしてコレが此処に?…」
リアス達には何故其処に悪魔の駒が転がっているのか理解出来なかった。
本来ならば一度生物の体内に取り込まれれば摘出の手段はないのだから。
例外をおいて…