Side一誠
テロリストのダニ共を粗方駆逐し終えトップ陣は再び集まる。
彼等が倒し捕虜扱いとなった者達はしかるべき所に送られ、俺達が連れてきた者達は自由にしても良いとの確約を取り付けた。
ちなみに糞兄貴はやはり裏切った白龍皇、ヴァーリ・ルシファーに無謀にも向かっていってボコられて医務室逝きになっている。
今度此方に奴が矛先を向けてくるような事があれば容赦しない。
話が逸れたな。
その中で気になったのがローナが投降させた二人の少女の存在だ。
その内の金髪ツインテール少女が俺を見て驚いたような表情をしていたが一体…
「君達は?」
「…」
サーゼクスからの問いに金髪ツインテール少女は答えない。
「失礼、先程の貴方方の戦闘で生じた魔力を勝手ながら調べさせて頂きました。
貴方…もしやブラディー家の血筋の者ですね?」
「!…」
グレイフィアさんが割ってそう言ってくると少女は俯いてしまう。
「どういう事なのグレイフィア!?
ブラディー家てギャスパーを捨てた…その血筋の者が何故テロリスト集団なんかに!?…」
「落ち着きなさいリアス」
「…取り乱して悪かったわ…」
グレイフィアさんの発言にグレモリーは驚きを隠せない。
サーゼクスが窘めグレモリーは平静になる。
「それは本人の口から聞いた方が良いでしょう」
「…」
「では私から御説明させて頂いてよろしいですね?」
「頼むわ…」
水色ストレートロングの少女が語り出す。
「確かに雫那様は貴方方がおっしゃったブラディー家の血はひいておられます」
「!」
彼女の言葉に魔王陣は驚く。
「ですが雫那様は王位継承権からは外されたいわゆる隠し子的存在なのです」
「!?それって…」
「待て待て!ブラディーのあんちゃんが不倫してたってか!?」
彼女が続けた話に今度はアザゼルが驚いていた。
「そう捉えて貰って構いません。
雫那様はそんな本来は表には出せない存在なので彼女の産みの母親の手でとある退魔師の家族の元へと預けられました。
ですが彼女の母親は手引きの最中で命を落とし…」
「もういいわティア…其処から先は童が話す」
「分かりました」
ティアと呼ばれた少女の話に待ったをかけ雫那と呼ばれた少女は重い口を開いた。
Side雫那
童は己の本当の出生の事など勿論知る事無く預けられていた家族の元で日常を謳歌していた。
そんな童の楽しかった日常が一瞬にして崩れ去られたのが二年前のとある日の出来事だった。
何処からか童の存在を聞きつけて襲来してきた悪魔によって…
「ぐああああー!?」
「お母さん!お父さん!」
「糞っ!母さん達を離せ!」
「まだ抵抗するか!弱小の退魔の人間如きが!」
「があああああー!?」
「義兄ちゃん!」
「離して!離してよ!…」
「結愛!?…」
「嫌!嫌あああー!?…」
「ああ!?…あああぁァー!?…」
「無駄な抵抗などするからこうなる」
退魔師だったお母さんやお父さんがなんとか抵抗を試みるもその悪魔達の力に敵わず、しかも童にとって大切な存在だった義兄は無残にも惨殺されまだ中学生だった義妹までも悪魔の取り巻きに捕らえられてしまい目の前で惨たらしく犯されて殺された。
「さあ諦めて俺の眷属になれ!
ブラディー家の隠し子の娘!」
「ッ!このっ!…」
「無駄無駄!」
「あぐっ!?…」
絶対に許さない!…そう復讐に燃えて指南されていた退魔法で撃退しようと試みるがお父さん達と同じように返り討ちにされてしまう。
「出来るだけ傷物にはするなよ。
俺のモノになるんだからな」
「はっ!」
「かっは!?…」
取り巻きの悪魔に腹パンされて縛られた所で童は意識を少しずつ失っていく中目にしたのは…
「ぎゃあ!?」
「何者だ!?」
取り巻きが何処からともなく飛んできた斬撃によって斬り飛ばされて悪魔の親玉は驚いていた。
「その御方に手出しさせる訳にはいきません」
「チッ!?ブラディーの懐刀の守衛騎士か!」
「貴方は…結愛の近所の友達の…」
童は突如現れた少女に見覚えがあった。
「大人しく拘束されて下さい」
「誰が!此処は撤退だ!
だが俺はその娘を諦めんぞ!」
「させない!」
「ぐはっ!?…」
少女は悪魔に一撃加えたが結局逃げられてしまった。
そしてしばらくして意識を回復した童は少女、ルティア・ブライトから事の次第を聞かされた。
童の本当のお母さんがこの西条家に童を預ける手引きの最中命を落とした事、童が真祖の吸血鬼のハーフである事、童の存在に危機感を持つブラディーの派閥、あの悪魔の様な他の勢力の輩にその力や命を狙われている事などを聞かされた。
ティアは童の本当のお母さんに恩があるらしく影ながら童の事を守ってきたらしい。
正直童のお母さんには感謝しているが本当の父親には微塵も興味は沸いていない。
童がやるべきは育ての義理の家族といえども童の事を大切にしてくれた西条家の敵討ち…あの悪魔を見つけ出してお母さん達が味わった以上の地獄を見せてくれると心に誓い家族の葬儀の後(事件は強盗殺人事件として処理された)、童はティアに強くなれるように真祖の力を自在にコントロール出来る様に修練を頼み励む日々が始まった。
あの悪魔の情報を少しでも得る為に悪魔を含む勢力に不満を持っているという禍の団にも参加した。
だけど一向に奴の情報は入って来ずに各地でテロに参加するしかなかった…。
Side一誠
「これが童達の顛末よ…」
「酷い!…」
「…」
雫那達の話を聞いてあまりの出来事に皆絶句していた。
「首謀者の名は分かっているのかい?」
「はい、確かザビールといったかと」
「「!」」
サーゼクスが問うとティアがそう答える。
するとサーゼクスだけでなく他の魔王陣や拘束されているカテレア・レヴィアタンまでもが驚いた様な顔になっていた。
「ザビール…」
「彼は確か…」
「ええ、ベルゼブブ一派を率いている旧魔王シャルバ・ベルゼブブの弟です…ですが彼はオーフィスの蛇を受け取って姿を消して此処二年間姿を見ていませんわ…」
「なんだって!…」
そんな危険人物が潜んでいるというのか…カテレアの話を聞く限り旧魔王の兄も相当レベルの屑のようだし身内の汚点は身内同士で洗いあってもらった方がいいようだな。
「話は分かった。
上層部でザビールを指名手配し情報を得るとしよう」
「そうするしかないな…ってか所で真祖の嬢ちゃんは何時までブリュンヒルドのあんちゃんに泣きついてるんだ?」
「ふええええ…義兄ちゃあああん…」
気が付くとアザゼルの言う通りに雫那がそう言いながら俺に泣きついてきていた。
「驚きです…西条家の兄上殿とも交流していましたが貴方様がここまで似ているとは…」
「そうか…」
そこまで似ているなら俺に兄の姿を重ねて現実逃避しているのだろう。
「あははーリコリス以外も口説いてちゃってますね…」
「はあ…」
黙らっしゃい!合法ロリホムンクルス!君は口説かれたんじゃなくて勝手に発情しただけでしょうが!
あとエルゼ達はいい加減慣れて…ン?慣れちゃ駄目なのか!?
「義兄ちゃぁん…んー…!」
「「!?///~」」
おもむろに俺に唇を重ねてくる雫那に一同(ローナとスゥ、アコ、ニヤニヤしている連中は除く)は驚く。
アーシアに限ってははわわ!…な顔になっている。
「ふあああ…」
「雫那様!?」
「安心しろ寝てるだけだ」
俺とキスして安心したのか雫那は気を失ったかのように眠った。
「で、出遅れた…!?」
「れ、レイナーレ姉様?真逆…(;^ω^)」
「こうしちゃいられないわ!」
「んン?( ゚Д゚)」
俺が対応する前に急に馬乗りになってきたレイナーレとイリナに挟み撃ちにされ硬直、そのまま二人にも唇を奪われた。
「てな訳だからブリュンヒルドのあんちゃん、レイナーレの事よろしく頼むわ!」
「此方からもイリナさんの事よろしくお願いします」
両トップはそんな事を言いながら退出していった。
「なんだか羨ましく感じました…子供出来たら責任取って下さい」
「これだけでデキナイゾ!?」
何故かティアまで参戦してきてちょ!?…収拾が…あ、DTはなんとか守り抜いたぜ…。