Side一誠
夏休みが終わる一週間前に元の世界へと帰還してきた直後の事だった。
「マスター!皆早く来て!大変なの!」
一早く屋敷内へ入っていったアコがエントランスで声を上げたので急いで駆け付ける。
「これは!?…」
「ルトちゃんしっかりして!…」
「うう!?…」
駆け付けると屋敷に遊びに来ていたのであろうミッテルトが傷だらけで倒れていた。
すぐに回復魔法をかけて治療する。
しばらくするとミッテルトは目を覚ます。
「う…ウチは…」
「ミッテルト!一体何があったの!?」
レイナーレが彼女を心配し問いかける。
「はっ!?…そうだあ、アーシアが…上級悪魔に攫われて!…」
「なんだと!?」
ミッテルトの言葉を受けてアーシアの魔力を探ったが確かに周囲に反応は無い。
「ソイツにウチは抵抗したんっすけど未だ中級のウチじゃ逆にやられて…はっ!?そうだ今思い出したっす!あの悪魔の事!」
「何?」
「あの悪魔何処かで見覚えある胡散臭い顔だと思ったらドーナシークの奴と度々密会していた悪魔っす!」
「はあっ!?それってアーシアの神器を奪うように誘導したのはソイツって事!?」
「どうやらそうみたいっす…でもアーシアが追放された切欠を作った彼女が命を救った悪魔だという事が…」
「…」
ミッテルトの話にレイナーレが驚く。
俺だけでなく話を聞いていた皆がその悪魔に対し怒りに震えていた。
「皆、準備だ!…調査で事が判明次第行くぞ!」
うちの家族の優しさにつけ込んで下衆な事を企む様な輩には相応の報いを与えてやろう…。
俺達は冥界への二度目のカチコミをかける事を決めた。
その頃、冥界では
「これは非常に不味い事になりましたわね…」
「ええ…真逆ディオドラ・アスタロトがレーティングゲームを崩壊させた上に裏で渦の団と繋がっていたなんて…」
「ぎゃあ!?…」
「兵藤先輩…」
リアス・グレモリーとディオドラ・アスタロトによるレーティングゲームはディオドラの策略と彼が裏で繋がっていた渦の団の旧魔王一派の突如の襲撃によって崩壊の一途を辿っていた。
ちなみに成也は旧魔王派の攻撃で即座に沈まされていた。
全く役に立たないので主からも流石に見捨てられかけている哀れな男である。
「くっ!?…ディオドラの眷属と旧魔王派達の攻撃が凄まじ過ぎる!…」
「現魔王の犬共め!覚悟!」
「部長下がって下さい!がああっ!?…」
「祐斗!?」
旧魔王派の悪魔の魔力弾を木場が聖魔剣で斬り裂き防ぐが止まらぬ連続攻撃は流石に捌き切れずに浴びてしまう。
「死ねぇ!」
「祐斗先輩!…」
「祐斗!」
木場に狙いを定めて来た旧悪魔の攻撃にグレモリー達は叫ぶ。
「イザイヤ君は殺らせない!」
「え?…」
もう駄目かと思ったその時、見知った鎖が飛来し旧悪魔の攻撃を防いだ。
Side一誠
「ユイリ!ブリュンヒルド先輩達もどうして此処に!?…」
「話は後だ。
まずは旧悪魔達を片付ける!」
「何!?何故人間如きが冥界に!?…ギャッ!?…」
ユイリちゃんが木場先輩を助けて、俺は旧悪魔共を一掃に入る。
「クルゼレイ・アスモデウス以外の生殺与奪権は俺達も握っている…権力に擦り寄るだけしか能の無い貴様等には一刻も早く退場してもらおうか!」
「こ、このっ!…」
「遅いな!インパクトボルト!」
「「うぎゃああああ!?……」」
ショックボルトを発展させたインパクトボルトを拡散させて旧悪魔のダニ共を駆逐した。
「さてと…」
「イッセー様、あの女性達はどうやら魔術で操られているようですわ」
「やっぱりか…」
「どういう事なの?」
リアス・グレモリーと敵対し虚ろな目をしていた女性達をユフィナが魔眼で見るとそう告げる。
「実はうちで保護していたアーシアがお前達の相手であるディオドラ・アスタロトによって攫われた」
「なんですって!?…ディオドラの奴そんな事迄…」
リアスにアーシアが誘拐された事を告げると彼女達は驚く。
「調査していたら対峙している彼女達も元シスターである事が判明した」
「なんですって!?それじゃあディオドラは…」
「この件は奴をブチのめして真実を吐かせる。
まずは彼女達を解放する。
それと…グレモリー眷属もしかしてお前達はレーティングゲームが機能していない今の状態で彼女達を倒そうとしたな?」
「あ!…」
「そ、それは!…」
俺がそう指摘するとリアス達は漸く気が付いたようで慌てふためく。
「はっ!?という事はディオドラは今回の襲撃の為に自分の眷属ですらも騙して捨て駒にしようとしたって事ですか!?」
「そうだ。理由は単純明快、彼女達に飽きたという身勝手で不愉快極まりない下衆でしかない理由でな…」
「そんな事理由になっていないし許される筈がありません!…どうしてそんな事を平気で…」
白音ちゃんもすぐにその事に気が付き悲嘆の声を上げる。
ディオドラ・アスタロト…奴の所業はリーニエの馬鹿エセ王子達の所業を思い出させる。
だからこそ無論手加減や慈悲などは与えん!俺達を怒らせた事が貴様の運の尽きだ!
「くううっ!?…」
「!デュアル・ダカーポ!」
向かってきたディオドラの眷属達にダカーポをかけて彼女達にかけられていた洗脳魔術を解いた。
「これで良し!…グレモリー眷属、彼女達の身柄は頼んだ!
ユフィナ達は他の勢力の援護に向かってくれ!
俺はディオドラ・アスタロトをブチのめしてアーシアの救出に向かう!」
「分かりましたわ!」
「わ、分かったわ!…」
グレモリー眷属にアスタロト眷属の身柄を任せ、ユフィナ達に指示を飛ばした俺はアーシアが捕らわれているであろう地点へと急ぐ。
その道中だった。
「おんやあ~?…誰かと思えばあン時俺ちゃんをブッ飛ばしてくれた魔法使いの兄ちゃんではありませんか~!」
「邪魔だ!」
「ぐええええ!?……」
何故か人を捨てて化物になっていたフリード・セルゼンと遭遇したが構っている余裕など無いので即座にハクリガで斬り飛ばした。
その際、フリード以外の人の手が転がっていた。
恐らくフリードに喰われたディオドラの眷属のたった一人の男の僧侶の成れの果てだろう。
主の所業を隠し、また甘い蜜をすすっていたようだから因果応報だ。
「アーシア!」
「ン?人間如きが一体こんな所に何の用だい?」
アーシアは気を失い何かの大掛かりな装置に縛り付けられており、その傍でほそく笑んでいるディオドラの姿があった。
原作・アニメだと一切の救いが無いディオドラ眷属…他の二次でもこの時点で救済されているのを見た事が無い気がする…。