ダメ姉にダメ元で求婚したらなぜかオッケーして貰えた件   作:A i

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第九話です。
学校編が始まってようやく三回目。
なかなか長かったです。
まあ、これからが本番、という感じなので気合いを入れ直してがんばります。
次で記念すべき十話。
十和田の十、と言うわけでなにかして見たいのだが、思いつかん!
アイデアあればなんかくだされ笑

まあ、今回も甘い話となっていますのでゆるーくお楽しみ遊ばせ?
ちなみに十和田舜の誕生日は十月十日です!笑
では、どうぞお楽しみに~。


制服萌え

春休みを終え、ついに昨日始業式を迎えた。

 

しかし、高校二年生になったとは言え、クラス替えはなく、クラスメイトはすべて顔見知りだし、担任まで替わっていないとなるとなんだか進級した実感がいまいちわかない。

唯一気になっていることと言えば一つだけ増えている謎の机。

噂では留年生だと言われているが果たしてどうなのやら・・・。

 

真偽のほどはともかくとして気になることは気になるのだが、逆に言えばそれぐらいしか興味をそそられるモノはなくその点以外は何事もない日常なのであった。

 

 

 

今日も俺はいつも通り七時頃に起床。

キッチンへと行き、三人分の朝食をササッと作る。

目玉焼きにトースト、コーンスープの三品。

まあ、自分で言うのもなんだが、時間がない割にりっぱな朝食になったと思う。

 

俺が朝食をテーブルへと並び終えたとほぼ同時にリビングの扉が開く。

 

「ふわぁ、おはよう・・・、舜。」

 

あくび混じりに朝の挨拶をする千里に・・・。

 

 「おはよう、舜。」

 

割とぱっちり目覚めている様子の恵さん。

二人とも珍しく自分で起床してきたようだ。

 

いつもなら俺がたたき起こしても起こしてもなかなか起きない二人。

だからこそ、俺が起こさないで起きてきたことにはかなり感心した。

 

「おはよう、二人とも。今日はしっかり自分で起きられたんだね?」

 

「うん・・・。」

 

眠そうに目をこすりこすりしている千里ではあったが、俺に褒められているのが分かっているのか少し頬が赤くどこか嬉しそうだ。

だけど、恵さんがイヤイヤ、と手を軽く振り、否定する。

 

「いやいや、千里が自力で起きれるわけないじゃん。私が起こしたのよ。」

 

「あ・・・お母さん、それいわないでよぉ・・・。」

 

「うふふふ。千里にばっかり良い格好させないわよ?お母さんも褒めてもらうんだから。」

 

「っぶぅー。」

 

恵さんの言葉にむくれて口をとがらせる千里。

恵さんはふっふーん、と得意げな表情だ。

娘と張り合う母というのもどうかと、思うのだが、まあ仲良きことの証だと思えばこちらも嬉しいと思うわけで。

 

俺は微笑みまじりに彼女たちの会話を聞いていたのだが、朝食も冷めてしまうので口を挟む。

 

「よし、二人とも朝食にしようか?」

「はーい。」

 

二人揃って返事をして席に着く。

 

向かいの席に、恵さん、隣の席に千里、が着いたのだが・・・。

 

「おい、千里?」

 

「・・・ん?」

 

「なんか近くない?」

 

「え?」

 

クリッと首をかしげる彼女。

先ほどまでの倦怠はどこに行ったのかと言うほどにイキイキとした目つきで俺を見つめている。

 

まあ、眠気も吹き飛ぶほど彼女が元気になってくれたのは良いのだが・・・。

 

――如何せん彼女との距離が近すぎる。

 

いつもなら、体一つ分ほど話したところに椅子があり、十分なスペースとゆとりがあるのだが、今は椅子同士がピタリと寄せられてしまい、彼女との距離がほぼゼロ。

肩同士は当然密着しているし、パジャマ越しに柔らかさとか暖かさが伝わっている。

また、彼女が身じろぎするたびに、ムワッと濃い彼女の甘い香りが鼻孔をくすぐった。

 

むくむくと朝からわき上がってくる、男の欲求。

思いっきり彼女を抱きしめて、その体をすべて堪能したいと思うが、グッとこらえて体を引く。

 

わずかばかり、彼女との距離が広がり、安心していると、彼女は不満そうに俺の胸元の服をぐいぐい引っ張った。

 

「おい、やめろ。服伸びるだろうが。」

 

ポコッと彼女の頭を叩くと、彼女は手を離し、うー、とうなり出す。

 

「うー・・・。今日はちゃんと起きたのに・・・。」

 

「いや・・・恵さんにおこしてもらったんだろ?」

 

「でも・・・起きたんだよ?」

 

「う・・・まあ、そうなんだが・・・。」

 

上目遣いに見つめる千里があまりにも幼く可愛かったので言葉に詰まってしまう。

すると、だめ押しに。

 

「しゅんー・・・。」

 

と甘い声で俺の名前を呼んだ。

 

――卑怯だ、この子・・・可愛すぎてもうムリ。

 

俺は潔く負けを認める。

 

「・・・・はあ。分かったよ。」

 

「わーい!やったぁ。うへへえ・・・。」

 

俺が許可を出すと肩に頭を乗せてスリスリーと押しつけてくる千里。

サラサラの髪の毛が頬に触れ少しくすぐったい。

 

――それにしても、あんなの反則だよなあ・・・。

 

涙目であんな甘える声出されたら誰でも許しちゃうよ・・・。

あれを許さないでいたら、俺罪悪感で一日中打ちのめされてるもん、絶対。

 

それに、だらしなく幸せそうにとろけている彼女の姿は「なんで自分最初渋ってたんだろ?バカ?」と自らの勝機を疑うほどに可愛いモノで思わず彼女の頭に手を伸ばし、優しく優しく髪の毛を梳いてしまった。

 

「うにゃ~・・・もっとぉ・・・。きもち・・・いい・・。」

 

脱力しきった声が俺の鼓膜に響き、背筋がゾクゾクしてしまう。

 

もう、夢中になって、周りのことも気にせず彼女の髪の毛を梳いていると・・・・。

 

「おふたりさーん?ご飯、冷めるよ?」

 

「うぉっと・・・!」「ふぁ・・・?」

 

我に返り驚いてしまう俺に対して千里は未だ陶然として、ぽーと焦点の合わない目で俺の顔を見つめている。

 

――よだれたれとる・・・。

 

千里の口元から盛大によだれが垂れているので俺はティッシュを取りグシグシと口元を吹いてやった。

 

「う、うーん、う・・・。」

 

「ほい、これで綺麗になった。」

 

「しゅん?」

 

「ん?」

 

「よだれは舐めとるものでしょ?」

 

「あほか。」

 

「いてっ」

 

いつもの調子が戻ってきた千里。

俺は彼女の冗談とも真剣にも取れる発言に頭をぽかりと叩き、朝食を食べ出す。

 

「うん、うまい。」

 

「うん、おいしいね?」

 

「舜の目玉焼きの焼き加減最高だわ。」

 

「いや、そんなに変わらねーだろ誰でも。」

 

「千里は目玉焼きで失敗できるもんね?」

 

「お母さん!?」

 

「あはははは。」

 

千里の突っ込みに俺たちは明るい声を上げて笑う。

楽しい団らんとおいしい朝食。

 

それらを目一杯楽しみながら俺の朝は過ぎゆくのだった・・・。

 

 

 

 

「では、これでホームルームを終わる。」

 

「起立。礼。」

 

朝のホームルームが終わると途端にざわざわと喧噪に包まれだす教室。

 

一限目が始まるまで十分弱あるので皆が皆銘々に自分の友達と会話に花を咲かせている。

俺と斗真、千鶴もその例に漏れず会話に興じていた。

 

「やっべーな・・・。謎の机の人物まだ現れねーよ。これで二日目だぞ、学校始まって。」

 

「うん、そうだね。榊原君の言うとおり留年した生徒だったらこれだけ長く来られないのも頷けるわ。」

 

「ああ、そうだな。さすがに高校で下の学年と同じ授業を受けるのは苦痛だろうし・・・。」

 

「な?言ったろ?留年生だって。」

 

「まあ、まだ決まったわけじゃないけどな。」

 

「ええ、そうよね。」

 

「うーん、まあそうかな。でも、かすみちゃん、今日中に必ず連れてくる、っていってたぞ?その生徒。」

 

「「え!?ホントに?」」

 

「ああ、今日の朝早くに俺聞いたからこれは信用に足る情報だぜ?」

 

どや顔でそう言い放つ斗真に俺たち二人は驚きを隠せない。

こいつの情報が本当であれば間違いなく今日中に見知らぬ生徒がこの教室に姿を現すことになる。

飯室先生は言ったことは必ず実行して成功させるのだ。

 

だからこそ、あれほどまでに厳しく指導してくださるのだろうが、もう少し自分としては優しくしてほしい、というのが本音だ。

 

――でもどんな子なんだろう?

 

大学ならまだしも、高校で留年するなんてかなりヤバい奴であることは確かだろう。

願わくばこのクラスひいては自分の生活に悪影響を与えない存在であれば良いのだが・・・。

 

 

二人も同じ思いを抱いているのか、三人のため息をつくタイミングが一致し、吹き出してしまう。

 

「ぷっ・・・!あははは。なんでそろうんだよ三人とも。」

 

「知らないわよ!そろいたくもないわ、貴方たち二人となんて。」

 

「ふふふ、ツンデレちゃんめ!」

 

「ツンデレじゃないわよ!」

 

「またまたあ。」

 

と斗真が千鶴をからかっているとドアががらりと開く。

そこから現れたのは飯室先生。

 

それをみると二人は自分の席にそそくさと逃げ帰ってしまった。

他のクラスメイトも慌てて自分の席に戻る。

 

そんな様子を気にもしないで、ツカツカと入ってくる飯室先生だが・・・。

 

――次の授業は国語じゃないぞ?

 

俺はそんな疑問を抱いていた。

彼女の担当教科である国語ではなく次の授業は数学。

全く関係のない教科なので代講というわけもないだろう。

 

それに時間もあと五分弱残っているので授業をするにも早すぎる感は否めない。

 

俺の怪訝な目つきを感じてのかキッと俺の方を一睨みし圧殺。

 

――怖すぎ・・・。

 

俺はガクガクブルブル震えていると、飯室先生はフイッと目線をそらし、何でもないことのようにクラス全員に向けて言い放った。

 

 

「えーと、今から入ってくるこいつが今年からこのクラスの一員になる。みんな仲良くしてやってくれー。おい、入ってきて良いぞ?」

 

「はーい。」

 

扉の向こうから少し間延びした声が聞こえ、がらりと扉が開かれる。

すたすたとその子は教壇の方へと歩み寄り、くるっと皆の座る方を向いた。

 

「では自己紹介をしてくれ。」

 

「はい。」

 

綺麗な鈴の音を思わせる高く澄んだ声。

その声で自己紹介はなされる。

 

「私、今年からこのクラスに編入になった十和田千里です。よろしくね?」

 

ウィンクまで決めてこのクラスの男子の心をわしづかみにする彼女。

クラスの男子は狂乱していた。

 

「うぉー!!なんて可愛い子なんだ!」「女神!」「制服似合いすぎ!」「なんであんたが!?」

 

千鶴の声は男子どもの雄叫びでかき消え、彼女の耳に届くことはない。

俺はあまりの驚きで声を失う。

 

そんな様子を見てうふふ、と穏やかに笑っていた千里だったが、彼女の本気はまだまだこんなものではなかったのだ・・・。

 

「あの・・・。」

 

美しい声でそう言った彼女の声にクラスが静まりかえる。

だれもが彼女の次の言葉を聞き漏らさないように神経を張っている。

それを彼女も分かっているのかフフンと得意げに笑い、本日最大の爆弾をこの二年五組に投下するのであった。

 

「私、一年後に舜と結婚するので、よろしく。」

 

『はああああああああ!!!!!!???』

 

こうして俺たち姉弟の波乱にあふれた学校生活の幕が上がった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
ようやく千里も学校に入れることができました。
もうね、なかなか学校は行ってくれないから、大変でした。
こっからはばんばん千里を出していけるのでがんばります。

これからもよろしくね?
では十話で会いましょう!
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