飛龍と提督   作:秩父快急

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朝のひととき

 

 「ふわぁー。眠いなぁ…。」

 「もう!夜遅くまで仕事するからよ。」

 飛龍と共に間宮食堂へ向かう。昨夜は大本営へ提出する書類を作成していたため、その疲れを引きずってしまっている。

 

 「提督!どこ行くの?」

 飛龍に声をかけられて足を止めると間宮食堂を通りすぎてしまっていた。

 「あっ、いけね。」

 「もう…。しっかりしてよね。」

 あきれ顔の飛龍と一緒に食堂へ入る。配給制の食堂で各自、食べられる量を皿に盛り付ける。飛龍は相変わらず、赤城顔負けの山盛りご飯だ。

 

 「いっただきまーす!」

 

 早速、朝食のメインである鮭の塩焼きに手をつける。脂の乗った鮭はほんのり塩味が効いていてご飯が進む。飛龍は食事の時とてもいい笑顔になる。美味しそうに鮭を頬張る姿は子供のようだ。

 「あっ、提督~。ほっぺにご飯粒ついてる。」

 と、飛龍が手を伸ばしてくる。健康な肌色をした柔らかい手で、頬のご飯粒を取る。

 「寝ぼけてるのにもほどがあるよ。」と、取ったご飯粒を口に入れながら話してくる。

 「ハハハ…。」と、私は苦笑い。

 すると…。

 「飛龍、また提督と食事?相変わらずラブラブだねぇ~♪」

 声をかけてきたのは蒼龍だ。

 「今日はたまたまだよ~。」と、飛龍は言い訳をするが…。蒼龍は飛龍の耳元で、

 「でさ、どこまで進んだの?」

 「へっ!?」

 急に真っ赤になる飛龍。こそこそ話なのでこっちまで聞こえてこないが、どうやらちょっとHな話をしているようだ。(朝からナニしてんだお前ら。)

 完全に真っ赤になり湯気が昇っている飛龍。

 「ないないない!!!提督行くよ!」

 と、俺の腕を引っ張り食堂から出ていこうとする。

「おーい、飛龍…。あのさ俺、まだ朝めし食べ終わってないんだけど…。」

 これではまるで、夫婦のようである。唖然とする蒼龍に見送られ執務室に戻った私たちは早速、今日の出撃内容について確認を始めた。

 

 「…第4護衛艦隊は防空射撃演習ね。」

 

ポン!

 

 と、出撃内容が記されたファイルを閉じる。昨夜遅くまで書類作成をしていたので、今日は少し余裕がある。

 すると、なんだか飛龍がモジモジしているのに気が付いた。

 「なんだ?飛龍、トイレか?」

 「ちがーう。その、あのさ…。」

 なかなか飛龍は答えてくれない。

 

 「さっきはごめんね。まだ、朝ごはん途中だったでしょ?」

 

 あ、さっきの朝飯のことか。確かに腹六分目というか…。ちょっと物足りなさがあるな。

 

 「ちょっと早いけどお茶にしよ。」

 

 飛龍が用意してくれたのは昨日、伊良湖の所で作っていたチョコクッキーだ。

 「これ、飛龍が作ったのか。」

 「うん。ど、どうかな?」

 「サクッとしてチョコの甘味が効いてて美味しいよ。」

 「やったー!」

 

 「うわっ!ちょ…。」

 

 ドサッ!

 

 喜びのあまり飛龍が飛び込んできた。そして、なんだか手が柔らかい物に当たっているぞ…?目を開けて確かめると、手が飛龍の胸に当たっていた。

「あっ!すまん。べ、べつにこんなつもりじゃ…。」と、慌てて謝るが飛龍はまんざらでもない様子。

「エッチ…。と、言いたいところだけど提督なら…。」と、顔を赤くしながら話す飛龍。確かに今の状態では飛龍が上乗りになり提督を押し倒している状態だ。しかも、私の股間に飛龍の膝が当たって動く度にアソコが…。おまけに飛龍から漂う独特のいい香り。

 

 (やば…。このままじゃ…。)

 

 時計は午前10時。夜戦突入には早すぎる。しかも執務室じゃ、いつ誰が入ってくるか分からない。

「分かった分かった…。と、とりあえずさ、仕事中だから…。」と、起き上がる。

「ん~。」と、少しムスッとした顔で見つめてくる。

 

 コンコン!

 

 「提督…。開発資材の使用状況です…が。」

夕張が執務室に入ってきた。

 「あ、お邪魔でしたか。それじゃ私は…。」

と、立ち去ろうとする夕張に私は、

「夕張!違うんだ!これは事故だ。」と、叫んだ。

 

 

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