「キリエ!しっかりしてください!」
「…………」
キリエさんはカラミティーに攻撃が通用しない事が痛手だったみたいで戦闘は不可能な状態になっている
「アミタさん!キリエさんを戦闘続行状態にしてください!その間に私はカラミティーの動きを止めときます」
「私達キリエと二人掛りでも攻撃が通用しない相手をどうするつもりですか?」
「別に!攻撃が!通用しない訳じゃないんです!」
「どういう事ですか?」
「この星の自然現象の事は知ってますよね?」
「当たり前です!水と緑と命を蝕む自然現象……まさか!」
「その元凶が目の前に居るんですよ?カラミティーの能力は」
『言わせるか!小娘!ロスト・レイン!』
カラミティーは両手で丸い球体を複数作り出し、麗奈に向かって放った
「ソレイユシューター!マルチシフト!」
カラミティーの攻撃に応戦するように攻撃して銀色の輝く球体と禍々しい黒い球体が衝突する
『消え去れ!』
「ッ!」
威力は互角だが時間が経過する事に麗奈の魔法の威力が落ちていくのを感じる
カラミティーの能力は生命を奪う能力だったのだ
生命が宿ってるなら奪うことが可能なのだろう
「ソレイユ!」
能力が判明したなら対処しようがある麗奈は威力が落ちつつある球体の威力を上げて互角以上に衝突させる
そして銀色の輝く球体と禍々しい黒い球体は相殺した
『ッ!』
「何で……?……なるほど」
禍々しい黒い球体を爆破させて自分の球体を当てるつもりだったのだが、威力を上げて相殺してしまった。
少し考えて数秒もしない内に答えに辿り着く
カラミティーは負の感情で強くなる存在なのだ必然的に球体も威力が少しずつ増してきてるのだ
「アミタさん!まだですか!」
「あと少しだけ掛かりそうです!」
『終わりだ小娘!このまま時間経過と共に我の攻撃が増してゆく、後ろに控えてる小娘達を待ってても良いが、その頃には我を倒すことは不可能だ!仮にできたとしてもこの星が滅ぶだろうな』
まるで勝利を確定したかの様に告げる
それもそうだろう流石に持久戦になったらこの星は疎か、麗奈も身体が衰え死んでしまう
フォーミュラースーツを着てるフローリアン姉妹は無事で済むが、麗奈は戦ってる間にも自然現象を受けているのだ
「……悩んだ時は視野を広くして、観察して、思考して、情報を整理して、できる事をするだけ……」
そう誰にも聞こえないように呟いた。
周りには何も無い砂洋とした場所……目の前には空を飛んでいるカラミティーの姿が、後ろにはフローリアン姉妹。
カラミティーは負の感情で強くなるから、手遅れになる前に倒さなきゃいけないけど、その前にやらなきゃ行けないことがある
「カラミティーちょっと良いかな?あなた私の家族になる気は無い?」
「はっ!?」
「……えっ!?」
『…………』
反応はそれぞれだった
―単純に驚いた者
―相手は星を蝕む者なのに!と混乱のあまり戦線復帰した者
―素敵な勧誘を告げられて反応に困って沈黙する者
「さぁ選びなさい!私の世界で過ごすか私に殺られて人生を終えるか !」
『貴様の世界は此処ではないのか?』
「そうだよ!」
麗奈はカラミティーの質問に答える
「何を企んでいる?」
「私は目の前の人達を可能な限り救済したいの!あなたも例外じゃないの!」
カラミティーからすれば可笑しい話しなのだ、目の前に居る小娘は自分の能力を見抜いている……短期決戦に持ち込んだ方が倒すのが楽だというのにだ
更には良く分からない世界に来ないかと勧誘する始末だ
「救済だと?笑わせるな小娘!我の能力を見抜いているのだろう?だとしたら貴様の世界に行った所で数日しか星が持たんわ!」
カラミティーはそう言いながら剣を振るってきた
「自分の能力が怖いんだね!」
麗奈は高く飛翔する決着をつけるために勝つイメージはできた!
最大火力を放っても問題ない策だ
「この小さな粒は何でしょうか?」
「何か凄く温かい」
フローリアン姉妹は空中に漂う銀の粒を見て疑問に思う
「ソレイユバスター!ソレイユ!」
直射型砲撃魔法を更に強化してブレイカー級に大きくなった
カラミティーを倒すのに十分な威力だった。
『この程度で……』
避けたらこの星が滅ぶと言うのに何を考えている?
そして何故か避けたら負ける気がすると思ったので斬ることにした
『倒せると思うな!』
数秒してブレイカー級のソレイユバスターを斬ったのだが、飛翔した筈の麗奈が何処にも居なかった
『逃げたか?』
ある事に気づいた……さっきから銀色の粒が漂ってる事に、そしてそれが集まってる所が麗奈の所に収束してる事に……
『まさか!』
《Soleil glow Breaker》
地面に立っている麗奈の姿があった
「全力救済!」
「ソレイユ・グロー!」
『ちっ!死んでたまるか!』
そう言い残し何処かに消えた
カラミティーを逃した麗奈は魔法を放つのを辞めて巫女服から私服姿に戻った
《Masterさっきの魔法は試作段階ですよ!》
「知ってるよ!試作段階でも十分な魔法だったでしょ?」
《使うなら私を強化してからにしてください!補助が大変なんですよ!》
「はーい」
「あの〜麗奈さん大丈夫ですか?」
「大丈夫だけどキリエさんは何で怖い顔してるんですか? 」
キリエさんは凄い血相で睨んできた
「あんたが砲撃を空からカラミティーに放ったからよ!あんな砲撃が地面に直撃したら」
「この星が滅んでましたね」
他人事の様に言ったの不味かった
キリエはヴァリアントザッパーで斬りかかって来た
「ッ!」
初撃は掠って服が切れたが間合いを取って回避行動を取る
「貴女のせいでこの星が無くなる所だったじゃない!」
「……」
「ちょっと二人とも無駄な争いは辞めてください!」
再びバリアジャケットを纏って高速移動する麗奈とアクセラレイターで高速移動するキリエを止めようと動こうとするアミタだが一人の男性に止められた
「元気が良くて何よりだ」
三人の動きがピタリと止まる……
アミタさんの次に発言したの誰?
声がした方を向いて見るグランツ博士の姿があった
「父さん!」
「パパ!」
「……」
アミタとキリエはグランツ博士に抱き着いた
「カラミティーだったかな?何処に行ったのかな?」
グランツ博士は三人にカラミティーの行方を聞いた
「私の世界に行ったみたいです」
顔色一つ変えずに答える
「良かったじゃない!家族にしたかったんでしょ?」
「キリエ!」
キリエが麗奈に挑発的な言葉を言ったのでアミタが怒ってしまった
だがキリエが挑発的なのは、麗奈を嫌ってるだけでは無いのだろう…キリエも麗奈も救える力があったがキリエは攻撃が通じないと諦めてしまったが麗奈は相手の能力を見抜いて戦った
何が言いたいかと言うとキリエは麗奈に嫉妬してるのだろう
「もうこの星が冒される事は無いと思いますよ」
「星野君は何故そんなに落ち着いているんだい?」
特に焦ってる表情も姿も見せてなかった麗奈だが……
「慌てても良いことは無いですから……でも内心怒ってます」
「敵が自分が住んでる世界に行ったからかい?」
「はい!消える前に倒しておけば良かったと後悔してます」
敵が自分の世界で好き勝手暴れてると思うと不愉快だ。しかも今回の敵は少しは頭がキレるみたいで放って置いたら世界が無くなってしまう
「カラミティーが現れるまでは死蝕は自然現象として扱われてたんですよね?」
「そうですね……水や大地や命を冒してきましたから」
「まさか!本体の攻撃を喰らったらあの世行きとか?」
「そのまさかです!」
キリエが冗談で言ったつもりなのだろうが本体の攻撃に当たると死ぬだろう
「ちょっと待って!私とお姉ちゃんは本体に攻撃しても何とも無かったんだけど?」
「君達はそんな危ない事をしたら駄目じゃないか!」
「ごめんなさい……」
「うぅ……」
「二人が無事だったのはフォーミュラースーツのおかげだからです!でも私の世界は此処まで技術は発展してませんからフォーミュラーなんて貴重な物はありません」
なのは達の世界にはフォーミュラースーツは無い……まさにカラミティーと会ったら最後だ
「星野君は帰る手段はあるのかい?」
「あります」
そう言いながら麗奈は異世界移動能力を使ってゲートを開く
「君は一体!?」
「ただの小学生ですよ」
グランツ博士は驚いたが麗奈はゲートの中に入って行った
~瑞希視点~
自己紹介を済ませた後、フェイトは一度なのはを連れて管理局に行く事にした
リンカーコアから魔力を抜かれたなのはが未だに起きないからだ。
「ごめん!話しは色々と事態が落ち着いたら話すから!」
「別に良いわよ!話してくれるなら待ってあげるわ」
(こういう信頼関係ってどっから生まれるんだ?前世の記憶も頼りにならないし分からないな……)
瑞希は自分の記憶を頼りに考えようとするが、友達は作ったことがあるが、アリサ達みたいに信頼できる友達は居なかった
なので考えを放置してフェイト達に付き添うことにした
「じゃあ俺が付き添うよ」
「ちょっと待って私も行く!」
「待ちなさい!あんたとアリシアには話しがあるわ」
瑞希がフェイトに着いて行こうとしたらアリサに止められた
(一体何だってんだ?)
瑞希とアリシアはテーブルのすずか、アリサ、はやてが椅子に座ってるのを見て
「何の話しかな?」
「さあ?」
二人は訳も分からず、はやて達が居る所に座ることにした
「聞きたいことって私達に関係ある話?」
「一体あなた達が何者かって話しよ」
アリサは凄く真面目な顔で聞いてきた
「その前にはやてを病院に戻して良いか?」
「良いわよ……すずかも連れて行きなさい」
「なんでだ?」
連れて行っても問題ないが理由が気になる瑞希はアリサに問いかける
「深い理由は無いわ…強いて言うなら何かあった時に連絡が取れるでしょ?」
(俺って実は信用ないのか?当たり前か会ったのも今日だし)
「なるほどな……それならアリサもアリシアも来ればいいだろ?」
「それもそうね」
はやて、すずか、アリサはそれぞれ瑞希の腕に掴まるがアリシアは掴まろうとはしなかった
「アリシアさんどうしたん?」
掴まるかどうか躊躇してるアリシアにはやてが聞く
「瑞希さん……その今から使うのは瞬間移動能力ですよね?」
「そうだけど?」
恐る恐る聞くアリシア
(何か問題でもあるか?駄目なら徒歩で行くしか無いけど…)
「麗奈みたいに瞬間移動して異世界に行く事は無いよね?」
(そんな事か……ってまさか!?)
今まで瑞希は知る由も無かったがある事に気づく
「麗奈ってまさか!?異世界に何度か行ってるのか?」
アリシアは何も言わずに頷く
(なるほどな!でも考えるのは後にして今する事は……)
「大人数で瞬間移動するのは初めてだけど俺の場合は無いから安心して良いぞ」
アリシアは瑞希の言葉を信じて瑞希の腕に掴まる
『え!?』
アリサ達も麗奈が何度か異世界に行ったことは知ってるので、瑞希が瞬間移動して異世界に行ってもおかしくないと思ったのだが躊躇してたアリサ達はいつの間にか病院に着いていた
「移動するなら移動するって言いなさいよ!」
「ちょっと待て俺が悪いのか?」
いきなり瞬間移動させた瑞希に怒るアリサだが、怒るのはおかしいだろうと口論する瑞希
「二人とも病院では静かに」
「他の人に迷惑だよ……それに」
すずかとアリシアは口争いしてる二人に注意した
気づけば周りの人から視線が集まっていた
「あはは……」
はやては苦笑いしている
アリサは顔が真っ赤になり、瑞希はしまったと反省して二人とも顔を合わせ頷いた
「すいませんでした!」
車椅子を押してアリサ達はその場を後にする
〜リニス視点〜
最悪です……麗奈が居ないのを知ってか管理局のリンディ・ハラオウンさんが来ました
「次元航行艦のアースラ艦長、リンディ・ハラオウン って言います」
「麗奈なら留守ですけど?」
「麗奈さんの管理局に入る条件について話しに来ました」
「とりあえず玄関に喋るのも何ですからリビングに移動しましょう」
(さて、どうしましょうか……)
リビングに着いたリニスとリンディはテーブル席に座る
「麗奈さん、なのはちゃん、フェイトさんの一対二で戦ったの覚えてますか?」
「最近の事ですね…麗奈が負けたんでしたっけ?」
(確か…仮面の男が出てきて、管理局側が勝利したんですよね?)
「いいえ仮面の男が現れたのは、こちら側としても予想外の事でした」
「では勝敗はどうするんですか?」
「もう一度対戦するか引き分けにするかです」
「そうですね……」
リニスは少し考える
(こちら側が出した条件は一つ目が『単独行動できるようにする事』二つ目がプレシア言った『私達親子を一緒に居れる様に』最後に『麗奈がジュエルシードを所有する事を許可する事』……)
「そちらの勝った時の要求が何なのか聞いてませんでした」
「こちらは『ジュエルシードの回収』だけです」
「では引き分けでお互いの要求を呑みませんか?」
「良いんですか?」
(麗奈には何とか説得しましょう)
「その代わり麗奈の罪を軽くして下さいね」
「解りました……ジュエルシードの件が無ければ、一週間もしない内に自由になれるはずです」
(じゃないと麗奈が怒りますから……)
そうリニスが思った瞬間にリニスとリンディは魔力反応があると判った
「リンディさん!」
「何ですか?この大きな魔力反応は!」
外に出てみると銀髪の女性と十メートルあろう黒い生物が出現していた
次回『管理局の意地』