This work end エルフ課長のさいなん 作:ARice アリス
孤独を感じていた。あたたかなものに。今包まれている。
私の身体は無い。意識はあるが、朦朧としている。
定期的に電子音が近づいてくる感覚が迫ってくる。
-4月とある日
「ええ、ですから。あの変異の日以降変なものが」
管理人のワニ娘はストレッチャーとチェンソーを用意しているレスキュー救急車に機材を用意している隊員に通話の内容の詳細を説明を始める
住居していた住人はほとんど出払い。一室だけ奇妙なものが残されたとのことで警察、救急共にこちらのマンションの駐車場に集まっていた。
そして拳銃を所持した警察官が立ち合いの元その奇妙なものを目にした
部屋は元々ワンルームで個人がある程度生活できる狭い部屋だ。
ドアは管理人がオーナーの許可を得て取り外した。
部屋の入り口から廊下、周りには弁当や雑誌。ゴミが散乱している。
当人は職場からは独身のサラリーマンで病欠気味だったという。
異様な繭のような糸が部屋中に張り巡らされていた
糸には粘着力はなく。中央には白く輝く繭そのものがあった
繭は床に張り付いているらしく数人がかりで部屋を壊しつつCTスキャンを取るため病院へ移送となった
「これは正常なのか、私には判別がつきにくいです。骨格のようなものが形成されつつあるのは見て取れますが、彼なのか彼女なのかがどのような月日で『羽化するのか』『死に至る』のか私には判別がつかない。」
フィルムにはぽつぽつと尾のようなものが生えている骨格が液体の中には生成されつつあるようだ
彼女は植物系の医院として採用されている植物園の熱帯ドームの一角に間取りされることとなった
月は新月の夜だった。虫系の娘たちは静かに眠りについていた。
そこに一人の蛾の娘がサナギの繭を撫でながら語り掛けていた
「きみはどんな姿で、どんなともだちになるだろう」
その彼女が浅く突き立てようとした爪先を握る者がいた
青いフクロウの女性だった。
「夜の活動は控えろ。ここは進入禁止だ。問題児」
蛾の娘は『あはははは!』と芝居がかって笑いながらバレエを踊り去っていった
傍にいたモルフォ蝶のもう一人はキセルを吸いつつ繭に背を持たれのんびりしている。
「おい」
「満月が待ち遠しいのだろう」立ち上がり空を見て唐突に語り始めた
「妾には此の娘から死臭はせぬよ」
安心召されいと蚊取り線香を彼女の顔程大きなキセルに入れ吸いながら歩いて去っていった
一晩で見回りや監視カメラから見えなかった侵入者のおかげで一人で警備する羽目になった
いつものことなので半眠半休を繰り返す
この施設の虫娘が様々な娘たちが彼女を見学に来る。アリ娘や蜂娘なんかは最敬礼を執っていたし
質問しても無言で職員たちは困り果てていた
そうして毎回開放する窓に近づくほど高くぞろぞろと月夜に飛び立つ娘たち
異常を察知したフクロウと職員は黒い光が繭から零れていたことにより、クモ娘警備員や動物学医師立ち合いの元経過を観察することとなった
黒い罅からは黒い蝶の羽が一気に飛び出し、美しい月光色の白と青の光の四枚羽が拡がり、美麗な白銀髪の美女が現れ。
周囲は驚きと美しさへの恐怖に捉われていた
「目覚めのおハーブですわぁー!」職員の用意していた蜂蜜を奪い取りビールのごとく飲み干す姿は
残念系ゲーミングお嬢様だったことは
蛾娘の悲鳴を上げ頭を抱えるさまと、モルフォ蝶の嬢のカラカラと笑う声がさらに動揺の静けさを増す中響いていた。
彼女のカラッとした性格は期待値から熱帯園エリア始まって以来の娘全員のしばらくの頭痛の種だったことは明らかだった
娘たちに尋ねても何を期待していたのか全く話そうともしないし。
「こら、コーヒーは酔うからだめだよ。エナドリもだーめっ」
いい子ではあるのだが…
蛾娘はしばらくは問題行動どころか沈鬱としていたことは心配になったが…