This work end エルフ課長のさいなん 作:ARice アリス
現在、朝の診察からボールで遊んでいたらアシカの海獣人も参加し
白熱した水中水上含めた3D水球ゲームが始まり、傷が痛むのを忘れていた
「あ痛たたっ!」
「こんなに動き回るのなら痛み止めはいらないかな?」
「すみませんでした……」
ジャンプから着水、一気に濃い赤の血の匂いがし始め
胴体より尾びれと腰が血がどばーと流れ始め
ずきずき傷んで地上で悶絶して先生が呼ばれた。
ドクターバッグを持っていち早く駆け付けた先生がガチ切れ寸前だったのは幸か不幸か
開いた傷に液体にぬれると固まる性質を持つ粉末で出来た粉状止血剤に
加えて鎮静剤を打ってもらった
止血剤は体の動きが固くなるし鎮静剤はすぐに眠くなってきて包帯を巻いてもらっている間の数分で眠りについた
元々リハビリか様子見かを陸上で確認するのが今日の日程だった
二日ほど眠り。目が覚めるとどこかの室内の浅いプールの中であった
知らない間に室内で病気にかかった魚の調整室のような集中治療室
浅い水が張っているベッドで横になっていて
手元にナースコールがあったのでボタンを押すと
周りは手術着とマスク、医療用の帽子を被った数人が部屋に出入りし
瞳孔や心拍数、CTスキャン等の確認を行い尻尾にギプスが巻かれ
お昼過ぎになると尻尾の出せる車いすで押してもらって
元のプールのキャットウォークに移動して挨拶に向かった
「みやのーおかえりー…」
「アンタ大丈夫だったの!」
ロウちゃんにシルキーちゃん達がプールの縁に乗り上がって来た
「ロウちゃんったら心配症だなーほら、動かせるよ」
5センチ動いたかどうかぐらい僅かだがその様子にロウちゃんが『ばかー!』と大声で泣き始めた
「いきなり先生達も出払って
それに…私達も夢中になちゃってごめんなさい、みんな心配していたわ」
「うん、大丈夫だよ安静にしていればリハビリも始められるって安心しているし」
「水に入るときついからしばらくは陸上暮らしかな。心配かけてこっちこそごめんね」
「みやのー…」
「本っ当ー…。に申し訳ないことをしたわ」
「もういいって、大丈夫。あと一週間はゆっくりしないとだから」
ロウちゃんも
「ふわあぁぁぁっ、彼女ならこれからは大丈夫でしょう。
会話に加わるようにマイちゃんが水上へと浮かんで来た
「みんなー!暗い話はこれで終わり、ご飯食べましょう!」
昨日起してきた女性の獣医専門の桐生さんがにっこり笑って話を閉めた
水際の歩行道路に置いたテーブルに今日の昼ごはんを配膳していった
…
頂きますと手を備えてから全員食べ始めた
基本、水質汚染につながるので食べ物は陸上でいただく
沙樹ちゃんは口から食べるプランクトンが透けて見えた。
他のみんなからはジト目で見られて自分が珍しがって恥ずかしかった
しかし、捕食時に出る赤い両頬が色っぽい…
「この鯖、この噛みしめる度、肉厚の身っ!魚油…んー!」
「古米だけど美味しいわね!」
「あはは、私が完治したらお詫びにこれより大きい
箸でおかずの一品を見ながらどこかオーラが宿っていた
「シルキー!
あははは!と、ここのみんなで笑いあった
…
そして、夜は先程の集中治療室の室内の浅い温水プールで睡眠を取った
…
一晩眠り、朝の検診を行い
尻尾と脇腹を触られるとまだ鈍い痛みが現れた
地上を歩く分には問題ないのだが、そのまま安静に過ごすことにした
一日をだらーんと無気力的に過ごし夕方の検診
保水バッグ、カテーテル、医療品の様子を見ると
おやすみなさい、と出て行き一人、横になっていた
うつらうつらとまどろんでいると
「キミ、ひどい怪我だったねー」
うぇいぃ!?
とびっくりしていきなり声がした方を見ると鎧の様な鱗の人魚が居た
しかし、十歩ほどちょっと離れたそれは無菌室の中からだったので余計に驚いた
「ああ、失礼した。わたしはピラルクーの人魚、名はサシイ」
きみへ声を掛けるタイミングを逃していてね。と彼女はもらい笑いしていた
「ピラルクー?」
聞き覚えがないな
「淡水の魚で古代魚の一種だよ。淡白な白身らしい」
「味って…」
「お医者さんにも苦い顔をされるけど、ルーツを覚えるのにいいんじゃないかな」
この独特な方との同室は中々面白そうだなあ……ああ。
次回続編