This work end エルフ課長のさいなん   作:ありーく アリス
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銀髪、銀の角、銀の鱗を持つ尾を靡かせるは。彼女は同級生。

お嬢様らしくなく。気の良い。気さくな彼女はいつものように快活に動き回る。

値切り交渉に勝勇み、そこに一人の人物を見つける

…彼女の母親から説明を受けると…


水路の先 のんびり猫と二人のヒミツ

 

W・A・T・A・K・U・SI(わたくし)に一言も相談なしとはどーいうことですの!?』

 

 

『腹ペコ市場』に着くと僕が目に入ったのか『どこかで会った』彼女が押し寄せてきたのだ

 

毎回絡んでくる。この目の前の銀色の人魚である女の子は

 

 

 

『シス・アプロディ=カタパルト』

 

 

 

やんちゃだった、昔は。その言葉の通りの意味で。

 

「大体ですわね……あなたは!聞いてますの……? 」

 

 

 

「あっ…その顔…いぃ…」

 

 

 

この顔を赤くする目の前の女の子はこうなる前は(・・・・・・)大男を付けて街中を練り歩いていたのだ

 

その理由がなんとも可愛らしい

 

『キスをすれば子供が授かる』

 

そんな理由で町中の女の子のほっぺにチューしていた

 

だが

 

 

「あぁ…、なんて……かっこいい…やはり………」

 

 

 

わたしのだんなさま

 

なんて妄想にうわごとを言っている。

 

いやんいやんとばかりに赤い頬に手を当て揺れている女の子

 

 

 

 

彼女も俺と同じ男性だった『転性症』の一人だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は両親は資産家。

 

母親は厳しい方で

 

父親が甘やかしていた

 

 

当然金にすり寄る連中がその『付き人』の男どもだったって話で

 

「どうすれば、友達ができるカナ…」

 

から

 

「どうすれば次代の家長として品位を持てるかな…」

 

から

 

「どうすれば跪くんだ…?」

 

に変わっていった……らしい

 

 

 

そうして思いついたのがその『イタズラ』だ

 

 

そんなものでも街の人々はなんとも可愛らしいものだとは思わなかった

 

『付き人』の連中はそんな可愛い者では無かったからだ

 

女性にセクハラを強い、男性を貶める。そんな気の荒い連中で

 

「ここに。さあ、新生活の家へ向かうぞ!」

 

という場合にそいつらに絡まれて、母さんがノシたのが真相だ

 

 

 

 

 

 

 

「アプロさまあー!向こうの商店はサンマがお安いらしいです~!」

 

「シスさま~!はやくはやく~!」

 

 

 

 

 

 

ボッコボコにされた次の日には、あら不思議。

 

 

 

その連中も可愛らしくなってしまったが

 

 

この子達を宜しくねえ~…

 

 

 

 なんて

 

その二人を紹介する目が笑っていない笑い方で

 

ヤツの母親から言われた時には作為的なものを…

 

……よしておこう

 

 

 

 

「…ッ、ああん!待ちなさい!ひき肉が先ですわ!」

 

彼女は此方と向こうを見やり、焦れている

 

 

「行ってきなよ…後でどこかの喫茶店に集合すればいい」

 

 

いつも以上の勢いに思わず苦笑いだが

 

 

「申し訳ありません、楓さん。また後でゴンドラを用意いたしますわ。それでは失礼いたしますわ~!」

 

 

 

買い物袋を器用に尾びれの場所にある背びれに引っ掛けて急いで泳いでいった

 

 

 

ふと気が付くと

 

「楓、友達。いるじゃないの…ふふふ」

 

「いや、別にそんなんじゃ…」

 

「モッテモテだねえ、お姉さん」

 

フフフフフとしばらく舟の上で二人から弄られ

 

途中、水上販売のエスプレッソを二杯ほどぐぃっといただき

 

 

橙色の壁に囲まれた青い水路を右へ左へ、奥へ奥へと辿り着いたは

 

 

 

船着き場に降りると

 

 

 

     老舗服店『ミント』

 

 

 

 

 

「いらっ、しゃい」

 

 

 

のんびりとした口調のネコミミ、ネコしっぽ

 

 

 

マリンブルーのワンピースの落ち着いた雰囲気の。

 

金髪 碧眼 のんびりやネコ美少女が迎えてくれた

 

 

マルテッロさんの話では最近まで痴呆症だった(・・・) 転性 (TS)』男性だそうだ

 

 

ふぃっ?と首を傾げる様子に何かぐっとくるものがあるがここには衣服を買いに来たのだ

 

落ち着いた店構えだ

 

全体的にアンティークの落ち着いたカラメル色の棚に様々な色の衣服が飾られている

 

天井は高く、中央は吹き抜けフロアでそこからは四階まで高く続いている様子が見える

 

 

マルテッロさんに気が付いた店主?のネコ美少女は

 

「まる。ひさしぶり~…!」

 

ゆっくりと手を振った

 

 

「おうおう、あいかわらずのんびり屋だなあ。ルイは」

 

 

 

此方にも気が付いて手をひどくゆっくりと振った

 

 

「どうも、るい。です、よろしく~」

 

ぺこり、と一礼

 

 

『で。』と二の次を告げるマルテッロさん

 

 

 

「この大量の荷物は何だ?」

 

 

「布、いと、はり。ほとんど、ざいりょうの ぬの。」

 

 

「まったく、注文したは良いが夢中になりすぎたんだろう?また、息子に…」

 

 

三階フロアまでの吹き抜けに山のように積まれているダンボール

 

 

 

すると二階の階段から髪を乱雑に束ね、顔は前髪で見えないが

  シャツにベスト、パンツスーツのバーテン服姿の青年が現れた

 

うず高く積まれた荷物に気が付くとその時大きな声で

 

「じーちゃん!あれほど必要だったら助けを呼べって言ったよな!?」

 

吼えた。威嚇する猫のように。

 

 

 

「え、いや、だって~っ…! …うゥ~…」

 

 

ルイさん…涙目で上目使い…これは…

 

 

息子さんはすっと視線を逸らす。此処に居る誰とも目が合わず泳ぎまくっている…

 

「すみません、お見苦しい処を…えーっと、えーと」

 

「いえ、娘の服を身繕いに来たのだけれど…」

 

 

「あ、はい。少々お待ちください!」

 

息子さんは吹き抜けフロアから中央奥にあるレジに向かいその奥のドアへと入っていった

 

次に現れたのは

 

四つのピンでふんわりとした中央前髪以外前髪を留め

 

後ろの髪を上に向かいバレッタと呼ばれる髪留めでまとめている

 

これまたクロネコ美少女であった

 

 

 

残念ながらメガネは度が合っていないので見えないが

 

 

「それはどうしたの?エルちゃん」

 

 

「これですか?ライ()に教えてもらったんです!こうすればお客の顔を見なくても接客できるって!」

 

 

 

 

ここ居る全員が思った『ああ、可愛いけど。人見知りなんだナー』と

 

 

 

 

 

 

そこからは怒涛のお着替えタイムである。

 

更衣室の中でエルさんが持ってくる服の試着をルイさんに手伝ってもらっている

 

下着はまずは『男心レベル』が低いとされる水着から始まったが

 

 

「布」の面積を保っていないものや

 

 

派手でちょっとレースで透けてるようなもの。

 

 

そもそもビキニや競泳ものから入ろうよと思ったが

 

 

これ以降の服は『恥ずか死レベル』が下がった気がしたような……

 

 

そしてフリル生地の物やタイトスカート、チューブトップなんかも鏡に着ている姿を見ると

 

 

 

『こんな綺麗な娘、自分じゃないみたいだけど、何故だかやっぱり自分の様な気がする………』

 

 

 

動きに合わせて鏡の中の自身も動く、そんな自身の姿に何故か既視感を覚えるのだ

 

 

 

 

「これから、すきになっていけばいいよ」

 

 

 

 

 

 

後ろで服を畳む手を止めたルイさんは唐突にそんなことを言いだした

 

「みんな自分に素直に生きる何て無理だよ、歳を重ねる…

 いや、一日、一時間、一分でも自分は次へ更新しているもんだよ」

 

 

努力を怠らねば、ね?

 

 

と一転クールでニヒルに笑うルイさん

 

 

 

まさか、と言いかけたその時

 

「じーちゃん、反対に着せたりないよねー!」

 

 

 

ヒミツとばかりにひとさし指を当てたルイさんの唇はま、さ、か。と言っていた

 

 

「ねこだからわからない、にゃん、なんちゃって~…!」

 

 

「お客様~今開けますからね~」

 

 

ちょ、やめ

 

 

「ステキ!似合ってるじゃない!」

 

「ふっふ~ん、さっすが私の娘ね。」

 

 

 

やっぱり

 

 

 

 

 

 

 

ゴスロリは似合わない……

 

 

隣のぼんやりとしたルイさんは自慢げに胸を張っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「以上をお買い上げですね。量が多いのでお宅まで配送させていただきます」

 

いい買い物だったわ~などと

マルテッロさんと母さんはつやつや笑顔で眼鏡とエルさんを弄りつつ話し合っていた

 

 

「ごめんなさい」

ず~ん、と落ち込んだルイさん

 

「どうしたんですか?」

 

「わたし、ときどき きおくが飛んじゃうの」

 

へ?

 

「さっき着せ替えしてたことはおぼえているんだけど、なにをいっていたのか。なにをしていたのか」

 

ときどき、そのぶぶんが分からなくなるの

 

眉尻を下げて涙目で物凄く落ち込んでいる。

 

ボクは。ぽん、と肩に手を当てニッと笑うと

 

「大丈夫だよ。また来るからその時は。また話して、笑って。また会おう?」

 

暗くなり、彼女の眠たげな瞳が

 

秋の青空のようにゆるやかに晴れた

 

 

 

さて、夕方になってしまったがマルテッロさんにお礼を述べ、元の場所で別れると家の前には

 

 

「あら、ステキなお召し物ですわ!」

 

カエデさん!

 

 

 

彼女のこと、忘れてた…!

 

 

 




いつになるかですが見やすくするために後ほど編集を行います…




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