緋弾と番犬   作:ほにゃー

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Episode01 ファースト・コンタクト

武装探偵、通称:武偵

 

近年増加する凶悪犯罪に対抗するために新設された国家資格で、武偵免許を持つ者は武装を許可され、逮捕権を有するなど警察に準ずる活動が可能になる。

 

と言えばいい風に聞こえるが、実際は金さえもらえば、迷い猫・犬探しからテロリストの制圧もやる何でも屋だ。

 

そして、その武偵を育成する教育機関が武偵校。

 

学科は大きく分けて

 

強襲学部の強襲科(アサルト)狙撃科(スナイプ)

諜報学部の諜報科(レザド)尋問科(ダギュラ)

通信学部の通信科(コネクト)情報科(インフォルマ)

探偵学部の探偵科(インケスタ)鑑識科(レピア)

兵站学部の車輌科(ロジ)装備科(アムド)

衛生学部の衛生科(メディカル)救護科(アンビュラス)

研究部の超能力捜査研究科、通称:SSR、特殊捜査研究科、通称:CVR

 

以上の14の学科があり、生徒はこの学科から一つ自分が専攻する学科を選ぶ。

 

各国の武偵校によっては独自の学科もあるが、基本はこの14の学科である。

 

そして、武偵にはランクがあり、ランクはE・D・C・B・A・Sで格付けされる。

 

入学試験の結果でランクが与えられ、その後は民間からの有償の依頼解決の実績や学科の各種中間・期末試験の成績によって変動する。

 

またランクにはRも存在し、そのランクは世界でも7人しかおらず、その実力は小国の軍隊を1人で壊滅出来る程と言われている。

 

だが、そんな者たちでさえ、惑星間宇宙犯罪者、アリエナイザーに対しては敵わなかった。

 

いくら小国の軍隊相手に戦えるといっても、所詮は人間。

 

地球よりも遥かに優れた科学力、そして人間よりも優れた身体能力に特殊能力。

 

それの前に人間は無力だった。

 

そんなアリエナイザーを取り締まるのが、宇宙警察スペシャル・ポリス・デカレンジャー。

 

通称、S.P.D.である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふっ!はっ!」

 

武偵高の探偵科(インケスタ)男子寮の屋上で、一人の少年が木刀を手に一人特訓をしていた。

 

少年の名は、久我燈。

 

東京武偵高に通う、強襲科(アサルト)のAランク武偵だ。

 

日課である木刀の素振りを終え、汗を拭うとそのまま自室へと向かう。

 

「ん?おう、白雪」

 

「あ、燈君。おはよう」

 

自室へ戻ると、ちょうど玄関に一人の女性が立っていた。

 

星伽白雪。

 

同じ武偵高に通う生徒で、燈の友人でもある。

 

「上がってくれ。すぐにキンジも起こす」

 

そう言い、白雪を部屋の中へととおす。

 

白雪をリビングに向かわせると、燈は寝室へと向かう。

 

「キンジ、白雪が来てるぞ」

 

「ん~……もうそんな時間か」

 

遠山金次。

 

キンジと燈は一年の三学期の時、ある事件をきっかけに仲良くなり、今ではよき親友関係である。

 

「あ、キンちゃん!おはよう!」

 

白雪はキンジの姿を見ると、花が咲いた様な笑顔を浮かべる。

 

「その呼び方、止めろって言ったろ」

 

「あっ……ごっ、ごめんね。でも私……キンちゃんのこと考えていたから、キンちゃんを見たらつい、あっ、私またキンちゃんって……ごっ、ごめんね。ごめんねキンちゃん、あっ」

 

慌てる白雪にキンジは溜息を吐き、文句を言う気を失う。

 

「てか、ここは男子寮だぞ。あまり軽々しく来るのはよくないぞ」

 

「で、でも、私昨日まで伊勢神宮に合宿で言ってたからキンちゃんのお世話できなかったし」

 

「そう言うのはいい」

 

「で、でも……」

 

「あーもう、分かったから!」

 

そう言ってキンジは白雪が持ってきた弁当を食べる。

 

重箱に入った一目で手間のかかる料理と分かるおかずを見て、キンジはお礼ぐらい言っておこうかと思う。

 

「えっと、いつも悪いな、白雪」

 

「えっ、あ、キンちゃんもありがとう……ありがとうございますっ!」

 

と何故か白雪が言い、三つ指をついて深々と頭を下げる。

 

その際、制服の胸元が少し弛んで、白雪の深い谷間が覗いており、黒いレースの下着が見える。

 

キンジは顔をそむけたが、ひたすら何かに耐えているような顔をする。

 

そんな光景を見て、燈は「キンジもまだまだ初心だな」っと心の中でつぶやき、コーヒーを啜った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日から二年生だね!はい、防弾制服と拳銃」

 

白雪はキンジに防弾制服の上着と、キンジの愛銃“ベレッタM92F”を差し出すと、キンジは憂鬱そうな表情を浮かべ、上着を羽織、銃をホルスターに納める。

 

「始業式位、帯銃しなくてもいいだろ」

 

「キンジ、それは校則違反だぞ」

 

燈はSIGをホルスターに入れつつ言う。

 

「燈君の言う通りだよ。“学内での拳銃と刀剣の携帯を義務づける”。ちゃんと守らないと。それに、武偵殺しの模倣犯が出たりするかも出し……」

 

“武偵殺し”とは、名の通り武偵を狙った殺人犯で、武偵の車や自転車、バイクに爆弾を仕掛け、短機関銃マシンガンを装備したラジコンヘリで追い回し、最終的に海や崖に着き落とす。

 

犯人はもう捕まっているが、模倣犯が出ないとは限らない。

 

「私、もしキンちゃんに何かあったら………」

 

そう言って白雪は目に涙を浮かべ、泣き出しそうになる。

 

「あー分かった!分かったから!」

 

キンジは机の引き出しから愛用のバタフライナイフを取り出し、手慣れた手付きで動作確認を、上着に仕舞う。

 

「ほら、これでいいだろ」

 

「キンちゃん、凄い!やっぱり先祖代々、正義の味方って感じだよ」

 

「……止めてくれよ、白雪。俺はそんな立派な奴じゃない」

 

キンジは吐き捨てる様にそう言う。

 

「白雪、お前は先に学校行っててくれ。俺はメールチェックしてから行く」

 

「あっ、ならお掃除とかお洗濯とか……」

 

「いいから」

 

「じゃあ、キンちゃん、後でメールくれると嬉しいです」

 

と言い、白雪は出ていった。

 

「だってさ、キンちゃん」

 

「お前までキンちゃん言うな」

 

キンジがメールチェックをしてる間、燈はスマホを弄り時間を潰していた。

 

時間がどのぐらい経ったか分からなくなった頃、キンジは突如声を上げた。

 

「しまった!燈、バスに間に合わない!」

 

「何!?」

 

燈は慌てて時計を確認すると、既に時間は7時55分になっており、バスに間に合わない時間だった。

 

「仕方ない、バイクで行こう」

 

「だな」

 

「キンジ、アレを忘れるなよ」

 

「分かってる」

 

そう言ってキンジは机の下に置いてある電子ロック式の金庫を開け、あるものを取り出す。

 

「燈!」

 

「すまん」

 

渡されたものを制服の内ポケットにしまい、SIGとは違う銃を脇のホルスターにしまう。

 

キンジも取り出したものを左腕に装着し、袖でそれを隠して、燈に渡したのと同じ銃を装備する。

 

そのまま二人は寮を出て、駐車場に止めてあるバイクに燈が乗り、キンジはサイドカーに乗り込む。

 

学校に向かってバイクを走らせていると、背後から何かが近づいて来る音に気付いた。

 

「キンジ、後ろから何かが近づいて来てる。確認してくれ」

 

「ああ」

 

キンジは後ろを向き、その何かを確認する。

 

そして見えたのは無人のセグウェイと、それに取り付けられたスピーカーにイスラエルIMI社傑作の短機関銃サブマシンガンUZI。

 

UZIの銃口が二人に向けられる。

 

「その チャリには 爆弾が 仕掛けて ありやがります」

 

スピーカーからネットで有名なボーカロイドで作った人工音声が流れる。

 

「チャリを 降りやがったり 減速 させやがると 爆破 するで やがります。助けを 求めたり ケータイを 使った場合も 爆発 するで やがります 」

 

「燈!これって!」

 

「ああ!武偵殺しだ!」

 

燈はセグヴェイの方を見ながら、懐に入れ銃に意識を移す。

 

だが、チャンスが一度っきりと考えると、意識を外し、バイクの運転に集中する。

 

「キンジ!お前の位置から爆弾は確認できるか!?」

 

「かろうじてだが、見える!型まで分からないが、爆弾はプラスチック爆弾!大きさから考えるに…………バイクどころかビルの解体にも使える量だ!」」

 

「……キンジ、お前は先に飛び降りろ!飛び降りた瞬間、あのセグヴェイを黙らせてくれ!」

 

「わかった!」

 

キンジは頷き、銃に手をやりながら、飛び降りようとした瞬間、二人の視界の端に何かが移る。

 

それは少女だった。

 

少女は強襲科(アサルト)の女子寮から飛び降りると、事前に滑空準備をしていたパラグライダーを広げ、燈とキンジ目掛け降下してくる。

 

「バ、バカ!来るな!このバイクには爆弾が!」

 

キンジがそこまで言い掛けると、少女はパラグライダーを方向転換させ、両足の太腿のレッグホルスターから銀と黒の大型拳銃、コルト・ガバメントを抜く。

 

「そこのバカ共!頭下げなさい!」

 

そして、少女は銃を発砲する。

 

放たれた弾丸は全てセグウェイに当たり、セグウェイは大破し、そのまま横転した。

 

拳銃の平均交戦距離は7mとされている。

 

だが、少女のいる位置とセグウェイの距離はその倍以上離れていた。

 

おまけにパラグライダーと言う不安定場所から、二丁拳銃の水平撃ち。

 

そんな芸当が出来る奴がいたことにキンジは驚いた。

 

「バカ!」

 

少女はキンジの頭を踏みつけ言う。

 

「武偵憲章1条!仲間を信じ、仲間を助けよ!行くわよ!」

 

そう言うと、少女は二人の頭上を飛び、パラグライダーのブレークコードにつま先を引っ掛け、逆さ吊りの姿勢になる。

 

「キンジ、チャンスだ!あの子に捕まれ!そこの君、キンジを頼む!」

 

燈は少女に向かってそういうと、少女は驚いた顔をするが、すぐに頷いた。

 

「任せなさい!」

 

「頼んだ!行け、キンジ」

 

燈の声を合図に、キンジはサイドカーから飛び降りる。

 

燈も飛び降りながら、受け身をとる。

 

バイクは横転し、そのまま爆発した。

 

「助かったか。早く二人のところに行かないと」

 

体育倉庫に向かうと、扉が壊れていた。

 

「へ、変態!」

 

突如聞こえた、言葉に燈は思わずSIGを抜き、中に入る。

 

見ると、跳び箱の中で制服が捲れ、胸を露わにしてる少女と、その少女の下になってるキンジを見つけた。

 

「キンジ……まさか、お前を逮捕することになるとは思わなかった」

 

「いや、燈、待ってくれ!これは誤解だ!」

 

キンジは誤解を解こうと、声を上げた。

 

その瞬間、突如UZIを搭載したセグウェイが七機現れ、銃声が響き渡る。

 

「伏せなさい!」

 

突如、銃声が響き、少女がキンジを押し倒し、ガバメントを抜く。

 

燈も扉の陰に隠れ、SIGを抜く。

 

「な、なんなんだアレは!?」

 

「決まってるでしょ!武偵殺しの玩具よ!」

 

少女はそう叫び、ガバメントを抜いて、発砲をする

 

燈もSIGを発砲して応戦する。

 

燈と少女の応戦でセグウェイは一旦引き上げる。

 

「やったのか?」

 

「いいえ、一時的に追い払っただけよ。すぐにまた来るわ」

 

少女はキンジの質問に答えながらマガジンを変える。

 

「そうか、なら上出来だ」

 

「へ?」

 

キンジは少女をお姫様抱っこして持ち上げ、立ち上がる。

 

「よく頑張ったね。ご褒美に、少しの間、お姫様にしてあげよう」

 

「なっ!?」

 

少女はキンジの突然の行動に混乱した。

 

少女をマットレスの上に置き、手から銃を取り、ホルスターに仕舞う。

 

「あ、アンタ!急になんなのよ!?急に態度が変わって………!」

 

「やれやれ、ここは死角だって言うのに。弾が勿体ない」

 

戻って来たセグウェイが体育倉庫の中に向け、UZIを発砲してるのを見て、キンジはそう言って、入口に向かう。

 

「危ない!撃たれるわよ!」

 

「アリアが撃たれるよりマシさ」

 

「だから!なんでさっきから急にキャラ変えてんのよ!なにするつもり!?」

 

「アリアを守る」

 

キンジはベレッタを抜いて笑う。

 

その光景に燈は、何故?っと言った表情をする。

 

銃声が収まり、キンジは七機のセグウェイの前に姿を現す。

 

キンジを認識したセグウェイは、キンジの頭部に向け発砲。

 

(狙いは頭部。正確だな………だが!俺には当たらない!)

 

キンジは弾丸を躱すと、ベレッタを向け、弾丸を七発発砲。

 

弾丸は寸分の狂いなく、UZIの銃口に吸い込まれるように飛び、UZIを破壊した。

 

ベレッタをホルスターに戻し、キンジは体育倉庫に戻る。

 

すると、少女は何故か跳び箱の中に隠れていた。

 

「べ、別に感謝なんかしないわよ!あんなの、私一人でどうにもなったし………ほ、ホントのホントなんだからね!そ、それに!アンタ、私の事、襲おうとしたでしょ!これは犯罪よ!」

 

少女は爆風の衝撃でホックの壊れたスカートのファスナーを締めようとする。

 

それを察しだキンジは、自分のズボンのベルトを取り、少女に渡す。

 

「それは悲しい誤解だ。俺は高校二年になるんだ。幾ら何でも、年の離れた中学生を襲う訳ないだ」

 

「わ、私は!中学生じゃない!」

 

少女は地団駄を踏んで言う。

 

「おっと、それはすまない。インターンで入って来た小学生だったんだね。アリアちゃんは勇気があるんだね」

 

「………助けるんじゃなかった」

 

少女もといアリアは震えながら、ゆっくりとガバメントを抜く。

 

「私は………高二だ!」

 

そして、キンジに向かって発砲する。

 

だが、アリアが引き金を引くより早く別の銃声が鳴る。

 

燈とキンジが後ろを向くと、そこには異星人が銃を手に立っていた。

 

「あれは!」

 

「アリエナイザー!」

 

「なんですって!?」

 

突如現れた、惑星間宇宙犯罪者、アリエナイザーに三人は驚く。

 

「出て来いよ、武偵!そこにいるのはわかってるんだぜ!おとなしく出てきな!」

 

「あれはレイナード星人のウリアルだな。武偵殺しと同じ、武偵を狙ったアリエナイザーだ」

 

「武偵を殺し、武器を奪って闇で売りさばき、地球内で好き勝手やってる奴だな」

 

「なにのんきにそんなこと言ってるのよ!早く宇宙警察に連絡を!」

 

「仕方がない。いくぞ、キンジ」

 

「ああ」

 

二人は体育倉庫から出て、アリエナイザーの前に立つ。

 

「何してるのよ!?死ぬ気!?」

 

「死なないさ、俺と燈はね」

 

「アリアと言ったな。悪いが、この事は他言無用で頼むぞ」

 

そう言って燈は制服の上着からあるものを取り出す。

 

そして、キンジも左腕の袖をめくる。

 

燈が出したものは手帳の様なもので、白をベースに黒いカラーリングに、表面にS.P.D.と書かれていた。

 

キンジの左腕には大型のブレスレットの様なものがあり、それにオートバイのスロットルハンドルの様なものが一本付いていた。

 

「「エマージェンシ!」」

 

「デカブレイズ!」「デカブレイク!」

 

その瞬間、二人の体が光り輝く。

 

「「フェイスオン!」」

 

そして、光が収まると二人の姿は変わっていた。

 

「無法な悪を迎え撃ち、恐怖の闇をぶち破る!夜明けの刑事!デカブレイク!」

 

「真実を照らし、悪を焼き尽くす!焔の刑事!デカブレイズ!」

 

白と群青色のツートーンのデカスーツを装着したキンジ。

 

黒と赤のツートーンのデカスーツを装着した燈。

 

二人こそ、宇宙警察地球署のスペシャルポリス、デカレンジャーなのである。

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